10/18〜10/24のサンフレッチェ日記



<98.10.23> 今日の広島は快晴。午前中まで残る、と言われていた雨も夜のうちに上がり、さわやかな秋晴れとなっています。今朝の中国新聞によるとフォックスは出場停止ではなく、また柳本も怪我から復帰して出場可能なようです。相手の神戸の先発はGK:前田、DF:布部、海本、トーマス、吉田、MF:安部、林、長谷部、河、FW:金、永島、と言うところか。ポイントは左サイドの河錫舟からFWの金度勲に繋がる「韓国代表ホットライン」。右サイドが柳本ならスピードで負けることは無い、と思いますが、先制点だけは許したくないところ。ホームで下位チーム相手、と言うことで、攻撃的なお客さんが喜ぶようなゲームをして欲しいものです。


<98.10.23> 明日はビッグアーチで神戸との対戦です。2nd stageでの一つでも上の順位への浮上を狙いたい広島と、「参入戦」行きは決まったものの一つでも有利な条件で戦いたい神戸。神戸とのこれまでの対戦成績は広島が3戦全勝と相性は抜群。上位相手には好ゲームをしながら下位チームに勝ちきれないサンフにとっては、内容的に圧倒しながら勝つ、と言うゲーム展開をしたいところです。
          下田
         
   フォックス ポポビッチ 上村

  吉田康     桑原      古賀
          
      山口敏     服部

       ビドマー 久保

SUB:前川、伊藤、小島、皆本、大木
ポイントは、前節出場停止のフォックスが戻ってくる(あれ?2回目の出場停止は2試合でしたっけ?)ことと、桑原、柳本が出れるかどうかでしょう。桑原は前節も途中から出たので大丈夫だと思われますが、柳本はどうか。まあ、ここは無理してでも出るという状況ではないので、大事を取るのではないかと思われます。サブも誰を入れるか難しいところで、前節先発の宮澤が入る可能性もありますが、守備的な選手が多くなりすぎるのでこのようなメンバーとしました。大木の状態次第では、松永など若手を入れてくるかも。どちらにしろ、このゲームもトムソン監督の采配に注目です。


<98.10.23> サンフレッチェは昨日、アビスパ福岡から永井篤志選手の獲得を発表しました(来年1月までのレンタル)。永井は鹿児島出身のドリブラータイプの攻撃的MFで、国見高3年の1993年には高校選手権で優勝し、その後駒沢大に進学しましたが中退して95年から福岡に在籍、JFLで25試合で8得点をあげるなど新人王とベストイレブンになりました。しかし96年以降は、右膝の怪我でここまで28試合の2得点にとどまっていました。獲得の意図などサンフレッチェからのコメントはありませんが、永井は「試合に出ることを第一目標に、新天地で成長したい」と談話を発表しているそうで、試合に出れず腐っていた永井をなんとかしたいと思っていた福岡と、前から注目していて「捨てられたら拾う」と言うつもりで狙っていた広島の意図が一致して、来年以降へのテストも兼ねてまずはレンタルで移籍させた、と言うところではないかと言うのが私の想像です。


<98.10.22> 昨日、ヴェルディ川崎と対戦した2nd stage第12節は、雨と風の悪コンディションの中苦しいゲームとなりましたが、後半1分の1点を守りきり、4年ぶりの「貯金4」となりました。サンフのメンバーは、
          下田
         
     宮澤  ポポビッチ 上村

 吉田康      小島       古賀
          (→皆本86分)
     山口敏        服部
     (→桑原64分)
       久保    ビドマー
       (→グッドマン74分)

SUB:前川、伊藤
と、フォックス、柳本を欠き桑原もベンチからのスタート。前半は両チームともコンディションの悪さにボールコントロールがままならず、ミスの応酬で決定的な場面を作れません。ただ、細かいパスをつなごうとするヴェルディに対してシンプルなプレーを心がけたサンフの方にやや利があるか、と言う感じ。川崎にはペナルティエリア付近までは攻め込まれるものの決定的な場面を作らせず。一方攻撃は右サイドの吉田康と山口敏がもう一つコンビが悪く、むしろ左サイドから服部を起点にした攻撃が機能。更にビドマーが豊富な運動量でリズムを作っていたそうです。しかし前半はヴェルディの悪い内容におつきあいするような形で、3,403人しか入らなかった(等々力の最低記録らしい)観客席同様、寒い内容だったとのことでした。
しかしハーフタイムにトムソン監督から「もう一度自分達のプレーをやり直そう。お互いに声を掛け合い、助け合ってプレーしろ。最初から攻撃に行って、先に点を取ろう」と言う檄を受けて選手が発奮します。開始1分、左サイドで古賀がボールをカットしてこぼれたボールを久保が山口敏につなぎます。これを見て右サイドのスペースに向かってフリーランニングを開始していたビドマーに、山口敏は右足のアウトサイドで浮かし気味にダイレクトパス!ビドマーは飛び出すキーパーを見て冷静にボールを浮かせ、ゴールに放り込みました。ビドマーは「ヤマにボールが入った瞬間に走った。パーフェクトなボールが来た」と自分よりもむしろパスを出した山口敏を讚えたそうですが、それも味方を信じてのボールの無いところでの動きがあったからこそ、と言えるでしょう。また山口敏の方も「雨でパスが通らず苦しかったが、チャンスを生かせてよかった。ビディも良く走ってくれた」とビドマーに感謝し、「今季のベストアシストです」と語っていたそうです。この後サンフは攻勢に出て、2点目もすぐに奪えるか、と言う雰囲気でしたが、そこは川崎も必死の守り。追加点を奪うには至りません。攻め疲れた(?)サンフは、逃げ切りを図って早くも後半19分、山口に代えて桑原を投入します。逆にヴェルディは守備を1枚減らしてラモスを投入し、攻めにかかります。しかしサンフはお得意の「穴熊戦術」で、ゴール前での決定的チャンスを作らせません。ピンチは一度、後半6分にCKからモアシールのシュートがポストを叩いたのみ。川崎の不出来に助けられた感はありましたが、それでも悪い状態でもそれを上回ることができるのが、今の広島の状態の良さを表していると言えるかも。最後は危なげなく逃げ切り、2連勝となりました。
これで、2nd stage順位は7位のままながら3位清水まで勝ち点差3に迫り、次節の結果次第では5位浮上もあり得るところに来ました。また通年順位でもヴェルディとセレッソを抜いて8位に浮上。勝ち点で市原よりも下になることが無くなり、15位以上が確定しました。更に1部残留を賭けた「参入戦ポイント」でも9位になり、「1部残留マジック」は京都を対象に2と、もう一息の所まで来ました。


<98.10.21> 今朝の中国新聞によると、前節右足甲を痛め途中交代した柳本選手は以前と同じ部位と言うことで痛みが激しい模様。今日のゲームへの出場は難しそうです。また、桑原選手も「大丈夫」と言ってはいるものの監督は無理をさせないとのこと。小笠記者はGK:下田、DF:ポポビッチ、宮澤、上村、MF:小島、吉田康、古賀、山口敏、服部、FW:久保、ビドマーと言う布陣を予想していますが、私は右WBには足のある伊藤選手を使うのではないか、と予想します。守りを締めるポポビッチは「宮澤でも伊藤でも、コンビに不安は感じない。平塚戦のようなつまらない失点はもうしない」「川崎は高木琢が復帰したようだが、彼のプレーは知り尽くしている。むしろ組みやすい」と語っています。今や1st stageとは立場が逆になった両チーム。サンフレッチェは「取りこぼし」は避けたいところです。


<98.10.20> 明日は川崎との対戦。1st stageは好調に突っ走ったヴェルディですが、夏を迎えるとともにガタガタと音を立てるように崩れていき、今はあの頃の面影もありません。ただ前節は高木が復帰するなど明るい兆しも見えているようで、ここで叩くことができるかどうかでサンフの今後にも影響しそうなゲームです。Jリーグ開始以来の対戦成績は8勝11敗と負け越していますが、そのうち4つは初年度のもの。昨年以来は3連勝で、特に1st stageは「連敗中の広島」対「連勝中の川崎」だったにも関わらずVゴール勝ちするなど、このところの相性はなかなかのものです。広島のメンバーは前節退場処分のフォックスが出場停止。逆に、出場停止だった服部が戻ってきます。予想されるメンバーは、
          下田
         
     宮澤  ポポビッチ 上村

 柳本    桑原   吉田康    服部
          
         山口敏    

       ビドマー  久保

SUB:前川、伊藤、小島、古賀、グッドマン
ポイントは桑原が怪我から復帰できるかどうか、とMFに誰を使うかでしょう。このところ好調の古賀を左WBに入れて服部を上げる、と言うパターンもあるし、小島を先発させると言う可能性もあります。先日の中国新聞によると「どうして自分が先発じゃないんだろう」と言っていた選手もいたそうですが、確かに今のメンバーは誰が先発してもおかしくない。トムソン監督が相手の出方をどう予想するか、楽しみです。


<98.10.20> 10月28日にエジプト代表と対戦する日本代表に、サンフレッチェから久保選手が選出されました。久保選手は、もちろん各年代を通じて初の代表選出。日本に来てまだ日が浅いうえに、4日間のキャンプでは大量の選手を相手にしたトルシエ監督はおおかたの予想通りW杯メンバーを中心にした選手選考を行いましたが、それ以外の「期待の5人」に久保が入った形。それもFWではJOMO杯で大活躍した柳沢を押しのけて(とは言え、柳沢はU-21だったのですが)の選出ということで、期待の高さがうかがえます。中国新聞によるとトルシエ監督は「久保は面白い存在のストライカーだ。恥ずかしがり屋だが、ポストプレーの技術やスピードなど潜在能力の高さが魅力。17日の磐田戦のゴールやパスは、代表選手がそろうDF陣を苦にしていなかった」と、どうやら「自分の手で育ててみたい」と考えていることを窺わせるコメントをしています。久保本人は「選ばれる自信はなかった。試合に出られるかどうか分からないが、とにかく一生懸命プレーするだけ」「嬉しさよりも、不安の方が大きい」といつものように淡々と話していたそうですが、しかしだからと言って後ろ向きかと言うと全くそんなことはなく「上手な人の中でやることで、よりうまくなり、広島でよりいいプレーをしたい」「とにかく練習から一生懸命やるだけ」と今回の選出を自分にとっても良いチャンス、と捉えているような感じです。「大きく育てたい」と考える監督と「上手になりたい」と考える久保選手の組み合わせは、ひょっとするとこれ以上ない組み合わせかも。先週の「サッカーマガジン」は久保を2002年に向けての「トルシエの期待の息子たち」の1人として中田、柳沢、小野と共に取り上げていましたが、久保はこの中でも一番の「秘蔵っ子」になる可能性があるように思います。エジプト戦はおそらく、いきなり先発ということはなく途中出場で雰囲気を味わう、と言うだけになると思いますが、久保にとっては初めて、青いユニフォームを着てスタジアムを一杯に埋めたサポーターの声援を受ける事になります。是非、広島では味わえない経験をしてきて欲しいものです。
なお、選出されたメンバーは、GK:川口(横浜M)、楢崎(横浜F)、岡中(G大阪)、DF:井原(横浜M)、秋田、相馬(鹿島)、斉藤(清水)、中西(市原)、田中誠(磐田)、MF:服部、名波、奥(磐田)、平野、望月(名古屋)、中田(ペルージャ)、森島(C大阪)、伊東(清水)、FW:中山(磐田)、呂比須(平塚)、城(横浜M)、岡野(浦和)、久保(広島)の22人。一方候補に選ばれながら選に漏れた選手は、GK:下田(広島)、DF:小村(横浜M)、西野(浦和)、名良橋(鹿島)、MF:山口(横浜F)、藤田(磐田)、上野(横浜M)、三浦淳(横浜F)、阿部(鹿島)、山田(浦和)、福西(磐田)、FW:大柴(浦和)、安永(横浜M)、西澤(C大阪)の14人。下田は元代表GK3人の壁を崩せなかった格好ですが、今回のメンバーはあくまでW杯メンバーからの継続を念頭に置いたもので今後どんどんトルシエカラーが出てくるものと思われます。落選したメンバーも、それ以外のメンバーも「Jリーグで活躍すれば選ばれる」と意を強くしたのではないでしょうか。


<98.10.19> このところの好調でJ1部参入決定戦出場圏内を脱出しつつあるサンフですが、本当に1部残留を決めるにはあとどれだけ勝たねばならないか、を考えてしてみました。
そのため、まず、最悪の場合を考えます。つまり、サンフは今後6戦全敗だったとします。この場合年間勝ち点は37のままです。他チームはこの間に全勝すると18の上積みができるわけです。
この時点で、神戸(勝ち点13)と福岡(勝ち点15)が上に来る可能性はありません。ですからサンフの年間16位以上が確定。よって「参入戦ポイント」も16位以上が確定しています。
このサンフ(年間16位、参入戦ポイント12)を上回るための他チームの条件ですが、まず市原は昨年ポイントが5なのでサンフよりも上位になればよい。現在の勝ち点は24ですから、5勝でこの条件を満たします。逆に言うとサンフがこれから勝ち点を6積み上げるか、あるいは市原が2敗(に相当する勝ち点を失う)すれば「参入戦ポイント」上では市原の上に行くことができます。つまり「対市原マジック」は2です。
次いで京都ですが、昨年ポイントが3なのでサンフを上回るためにはサンフよりも2つ以上順位が上である必要があります。少なくとも「最悪のサンフ」よりも上位になるには3勝以上しなければならない。すなわちサンフの「対京都マジック」は4です。
昨年のポイントが0の札幌はサンフを上回るためにはサンフよりも3つ上の年間順位にならないといけません。最低でも今年の勝ち点の上でサンフを上回るには4勝が必要。「3つ上」ともなると他チームとの関係があるので複雑になるのですが、とりあえずサンフの「対札幌マジック」は3です。
この他のチームは、昨年ポイントが広島より上だったり今年上位だったりで今のところ考慮の対象にはなりません。
以上の考察から、後2勝で15位以上、3勝で14位以上、そして4勝で広島のJ1部残留が確定です。なおこれらのチームの今後の対戦相手ですが、
   121314151617 6位以上との対戦数
市原 FC広福札清    1
札幌 平磐川神市F    1
京都 GFMC浦広    2
…………………………………………………
広島 川神市FC京    0
と、京都がやや苦しい。このところ連勝しているものの2nd stageで勝った相手は柏以外下位チームばかり、と言うのも苦しい要因です。市原は、と言うと平塚に勝っただけですからね。これから5勝できるか、と言うと可能性は低い。これらを考えると、「参入戦ポイント」での広島の14位以上はだいたい「当確」と言えるかな?とは言え、まだ残留が決まったわけでも何でもないので、これからの6試合、下位チーム相手ということで気の抜けたゲームをしないで欲しいものです。


<98.10.19> 中国地域リーグ第14節は、マツダが「首位決戦」第一ラウンドに勝ちましたが、フジタが伏兵三菱石油に競り合いの末破れました。これでマツダは次節のフジタ戦に90分で勝てば、3年連続の優勝が決まります。(またPK戦にもつれ込んでも、勝てば優勝が事実上決まります。)
広島教員    4|3-1|2 ヤマコーFC
(6勝6敗)    |1-1|  (2勝10敗)

三菱石油    2|0-0|1 広島フジタSC
(5勝7敗)    |2-1|  (9勝3敗)

SC鳥取    1|1-1|1 NKK福山
(2勝10敗)    |0-0|  (4勝8敗)
        PK|4-1|

マツダSC   4|0-0|1 三菱自工
(11勝1敗)    |4-1|  (9勝3敗)

【順位表】
順位 チーム      勝点 勝 PK勝 PK負 負 得点 失点 得失点差
-----+-----------------+----+--+----+----+--+----+----+--------
1↑ マツダSC     31   9   2    0   1  60   12     +48
2↓ 広島フジタSC   29   9  0    2   1  47   17   +30
3→ 三菱自工      27   9  0    0   2   35   13     +22
4→ 広島教員      18   5   1    1   5   26   30      -4
5→ 三菱石油      14   4  1    0   7   20   32     -12
6→ NKK福山     11   2  2    1   7   15   42     -27
7→ ヤマコーFC     7   2   0    1   8   21   48     -27
8→ SC鳥取       7   1   1    2   8   11   40     -29
-----+-----------------+----+--+----+----+--+----+----+--------


<98.10.18> 昨日、台風が接近する中行われた首位ジュビロ磐田との対戦は、前半に挙げた2点を守り切って勝利を収め、またもや首位チームを引きずり下ろしました。私は雨に負けてBSでの観戦でしたが、ビッグアーチには名古屋戦並の5,431人のファンが訪れ、選手を後押ししました。サンフレッチェの先発メンバーはこんな感じ。(テレビですので想像も入っています。)
          下田
         
   フォックス ポポビッチ  上村

 柳本       小島       古賀
          
     山口敏      吉田康

      ビドマー
            久保

SUB:前川、宮澤、伊藤、皆本、大木
試合は、前半早々は風上の磐田がペースを握り、速くも2分過ぎには相手FW清水の右サイド(磐田から見て)深くからのクロスに合わせた中山に危ないシュートを打たれたりしますが、広島も中盤からのチェックを厳しくして対抗します。そんな中で得た最初のチャンスは前半6分。右サイドやや遠目からのFKを古賀が蹴ります。ボールは鋭い弾道となって磐田ゴール前へ。キーパー大神がパンチングしようとする前にビドマーが飛び込むと、わずかに逸らせたボールはゴールに吸い込まれていきました。その後はボールの支配率は磐田の方が高いものの広島も質の高いカウンターを見せ一進一退。サンフは、ビドマーの右45度からファーのサイドネットを狙ってアウトにかけて蹴ったシュート(これはDFに当たってコースが変わって(?)惜しくも外れる)や、柳本の右サイドの突破から中央の久保へつなぎ、ワンツーからゴール前に侵入して鋭く蹴ったシュート(これは大神の好セーブに合う)など、決定的な場面を何度か作ります。しかし両チームとも悪コンディションに思い通りに行かないのが影響してか、あるいは闘志を前面に出しすぎたのかラフプレーが続出。ゴール前での競り合いでフォックスが大神に激突してイエローカードをもらい、また何だか分からないうちにポポビッチがイエロー。一方磐田は、福西がレイトタックルで山口敏の足を後ろから刈り取った廉で一発レッド。更には前半ロスタイムにフォックスが後ろから足にタックルして2枚目のイエローを受けて退場、と天気同様大荒れでした。特にジュビロのドゥンガが大荒れ。味方のミスに、審判の判定に、サンフの選手のプレーに大きなジェスチャーで怒りまくります。しかしこう言う展開を打ち破ったのは山口敏と久保でした。フォックス退場直後の前半48分、中盤でのパスカットから(?)山口敏が右サイドを突破します。そして十分にDFを引きつけると中央で待つ久保へパス。このボールを落ち着いてDFと反対側の左前に置くと、得意の左足を振り抜いて貴重な、本当に貴重な2点目をゲットしました。
後半になって動いてきたのはジュビロ。清水に代えてスピードのある川口を投入してきます。そして開始早々の後半5分、この川口が右サイドを突破してくると上村を振り切って下田の前を横切るセンタリング。これが中山にぴたりと合い、1点を奪われてしまいました。その後も中盤を完全に支配して攻め込む磐田。サンフはフォックスを欠いて小島を下げて守りますが、川口、中山、藤田の前線への飛び込みは危ういタイミングでのオフサイドで逃れます。久保1人を前線に残して、あとはビドマーまでがDFラインの前に下がって必死の守り。後半17分になると、このビドマーを下げて伊藤を投入して川口に付け、小島を中盤に上げて守備体勢を固めます。更に後半22分には山口敏も下げて皆本を入れ、30分には足を痛めた柳本を宮澤に代えます。これで最終的にはこんな感じの布陣だったようです。
          下田
         
     宮澤  ポポビッチ  上村

 伊藤       小島       古賀
          
      吉田康     皆本

          久保

ジュビロはドゥンガのロングパスや名波のスルーパス等でなんとか打開しようとしますが、ゴール前を固めたサンフの守りは完璧。シュートすらあまり打たせず、逆にジュビロの足が止まった終了間際には中盤まで押し返して伊藤などが前線まで進出する場面も。最後は前線で久保がボールキープして時間稼ぎをするなど、なかなか老獪な戦い方で逃げ切りました。
それにしても、この日の戦い方はこれまでの上位チーム相手に勝ってきたパターンとほとんど同じ。攻められて いるときには集中を切らさず守りきり、数少ないチャンスには前線の2、3人+αで攻撃を組み立て決めてしまう。味方の選手が欠けても他の選手がきっちり穴を埋めて守備組織に破綻をきたさない。まるでイタリア代表を見るような、なかなか質の高いサッカーをしている、と言えると思います。ただ問題は、相手に引いて守られた場合にどう攻めるか、ということでしょうか。次節はどん底から蘇りつつもかつての輝きを取り戻したわけではないヴェルディが相手。DFラインを押し上げて終始攻勢に出ると言う戦い方をするのか、あるいはある程度攻めさせてカウンターに賭けるのか、トムソン監督の采配が楽しみです。


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