11/22〜11/28のサンフレッチェ日記



<98.11.28> 昨日のニュースによると、ベルマーレ平塚が親会社のフジタの経営の苦しさから運営費を半額以下(21億円→9億円)にする影響で、主力選手の大リストラをすることに決めたそうです。呂比須など、代表クラスの選手の放出も必至、とのこと。昨年のサンフレッチェ以上の事態が起きそうな気配です。ただ、思うに平塚のこう言うやり方はフリューゲルスとは対極のところにある、と言えそう。親会社からの補填がないなら自分たちの収入に見合った支出にすればいい。そのためには、戦力が落ちても仕方がない。おそらく血の出るような選択だっただろう、とは思いますが、しかし2002クラブのホームページだったかで見た平塚の社長さんの言葉を見た限りでは、少なくとも平塚の経営陣は親会社の方ばかりを見ている人ではないようだし、ちゃんとサッカーとベルマーレを愛している方であることは間違いないようです。たぶん、ここまでの6年間での経営に失敗したチームは、フリエの道を選ぶか、あるいはベルマーレのような道を選ぶかの選択を迫られるように思います。そして、フリエの道は消滅への道、ベルマの道は一からの再出発の道。いずれもイバラの道に違いはないのですが、しかし後者の方が未来があることだけは間違いない。ここで進むか退くか。どちらの道を選ぶかで各チームの価値が問われるのだろう、そして残ったものだけが何年か経ってからの本当の美味しい果実を摘むことができるのだろう、と言う気がします。


<98.11.28> テレビ東京系の「Number 12」を昨日見ましたが、ゲストは先ごろ引退した都並氏でした。ここだから言いますが(^^;)私自身が彼と同い年なので、勝手に親近感を持って応援していた関係で彼の引退は寂しかったのですが、しかし彼の話を聞いたら元気が出てきたように思います。「体力の限界」による引退であるには違いないのですが、しかしだからと言って「これで終わり」ではない。これからはむしろ指導者としてやって行きたい。そしてC級ライセンスから始めて、10年後ぐらいには監督になってみたい、と前向きな姿勢を崩しませんでした。名選手が必ずしも名監督ではない、とはよくプロ野球などで言われることですが、都並氏は幼いときから日本代表を夢見て、実際にそれを強いモティベーションにして実現してきた人です。きっとその強い気持ちでしっかりと勉強して、良い指導者になって行くのではないでしょうか?別にサッカー選手、スポーツ選手に限らずどんな仕事でもある時点から若い世代を育てないといけない時がやって来ます。そう言う時に、彼のように前向きに取り組めること。これって、実はとても大事なことなのではないか、と思います。


<98.11.28> 11/29から始まる天皇杯。サンフレッチェは例年通り3回戦からの登場となります。12/13に広島スタジアムが初戦となりますが、対戦相手として予想されるのは先週惜しいゲームでJ1行きを逃した川崎フロンターレ。「Jリーグチームに力が劣るわけではない」事を示し、悔しさを天皇杯にぶつけよう、と気合いを入れている様子ですので、こちらも相当注意しないと足元をすくわれる可能性があります。これを勝ち上がると、次の予想される相手はマリノスか?リーグ戦ではずっと勝っていない相手ですが、カップ戦は別です。(ナビスコ杯ではちょっと前に勝っていたはず。)試合会場は愛媛でサンフレッチェにとっては「準ホーム」のようなところですし是非勝ちたいところ。更に次の準々決勝は12/23に仙台で。相手は鹿島か平塚が予想されます。このゲームはNHKのBS1での生中継が予定されているようです。そしてこれに勝てば準決勝は長居、決勝は国立競技場。どちらもNHK総合で放送される予定です。


<98.11.27> 今朝の中国新聞によると、皆本選手は「もっと攻撃に絡める選手を」と言うことで来季は契約せず、また柳本、伊藤、小島の3選手は移籍を希望している、との事です。柳本は以前から移籍希望でしたし、伊藤は「関東のチーム」へ、また小島は「先発出場できるチーム」へ行きたい、と言うことで、どちらも今年サブとしての使われ方が中心だったのが不満であったことが窺えます。今年はフリューゲルスの問題や、あるいは福岡、札幌のどちらかがJ2落ちする事、更にV川崎などで大リストラが行われることから、沢山の選手が移籍市場に出てくると予想されます。そんな中で彼らの希望に添えるような移籍先が見つかるかどうか。ファンとしてはこれらの選手を失うことは残念ですが、しかしこの前にも書いたように柳本が「リベロで行きたい」と思っているのであればサンフに居場所はないし、いくら活躍してもレギュラーとしては扱われなかった伊藤がトムソン監督に不満を持っていても不思議ではない。また小島選手にしても、ただでさえ守備的MFの選手層が厚いうえに森保選手が帰ってくれば出れる可能性は更に低くなるでしょう。彼らにとって良い移籍先が見つかればそれに越したことはない、と思います。また、その他の選手ですが前川選手は残留の意思を明確にしているとのこと。今年は怪我で出遅れ、下田の台頭で出場の機会がありませんでしたが、GKは経験が重要なポジションですしまだまだこれから。フランスW杯で最高齢だったのは38歳のGKだったはずですし、札幌のディドは41歳です。下田の前に高い壁として立ちはだかって欲しいものです。
ところでこれから先は根拠の無い単なる独り言です。来年から外国人選手の保有が3人に制限されますので今の4人のうち最低1人は契約を延長しないことになります。外国人の場合、他国などからのオファーがあれば動く可能性がありますのでこちらの都合だけでは決まらないとは思いますが、やはりトムソン監督との関係を考えると豪州3人組は動かし難いところ、と思われます。特にフォックスは今後大きく成長することが予想されますし、多少お金がかかったとしても複数年契約をして確保しておきたいところ。2000年の五輪が終わったら、引く手あまたの状態になるんじゃないか、と思います。そう言う意味ではポポビッチも同じ。まだまだ若いし、彼抜きでのDFラインは考えられない状態ですからぜひ早いうちに契約をまとめて欲しいところです。ビドマーかグッドマンか、と言うあたりは難しいところ。他に安くていい選手をとるあてがあるなら別ですが、おそらく彼ら2人の状態と契約金額を秤にかけて判断するのでは?私はビドマーと1年契約を結ぶ、と予想します。一方、補強の方ですがトムソン監督としては久保とコンビを組むFWと攻撃的MFのポジションに人材が欲しい様子。となると、例えば横浜Fの選手を狙うとすれば永井や大島あたりかな、と見ています。特に大島は昨年も獲りに行って失敗していますし、一度目をつけた選手は結構後までフォローしているサンフの事ですから、今回の事をチャンス、と思っている可能性は高いと思います。永井についてはマリノスも獲りたいようですが、「他からの非公式な話はある」と言って契約を見合わせているそうです。お客を呼べるスター選手というと久保ぐらいしかいないサンフの現状も考えると、永井兄弟で売り出す、と言うことにすればなかなか良さそうに思うのですが。


<98.11.27> 「横浜フリューゲルスを存続させる会」は、先日36万名にも上る署名を全日空に提出して合併の撤回等を求めましたが、残念ながら何も前向きの回答は得られませんでした。そこで今度はJリーグ向け、と言うことで新たに署名活動を行うことになったそうです。。街頭やトヨタカップの場での署名活動で12/1までの短期決戦です。「存続させる会」の公式ホームページでも署名できます。皆さまのご協力をお願いします。


<98.11.26> 11/15のJユースカップ予選リーグ最終戦(対セレッソ)のメンバーが分からなかったのですが、今週の「サッカーマガジン」に載っていたので紹介します。GK:渕上、DF:足立、松本、駒野、MF:宮本、権田(→古岡)、流田(→清水)、河内(→板垣)、森本、FW:藤沢、寺内で、レギュラークラスで出場したのは足立と駒野(彼も普段はMFとして出ています)ぐらいで完全に「Bチーム」でのゲームでした。試合は1-2で敗れましたが、相手のセレッソはここで得失点差を稼げなかったせいで決勝トーナメント進出を逃しています。1、2年生中心のチームで「本気」のセレッソを苦しめたのですからたいしたもの。既にレギュラーの森崎兄弟や久保田等も2年生ですから、来年はもっと強いチームになるかも知れません。


<98.11.25> いつも骨太で質の高い番組作りをしているNHK「クローズアップ現代」は、昨夜「Jリーグ・6年目の試練 なぜ企業は撤退したのか」と言うテーマで、フリューゲルスとアビスパを例として取り上げていました。最初のフリューゲルスについては、親会社の一つである佐藤工業が本業の不振から社員をリストラする中で「不採算部門」に資金を注ぎ込むことに意味がない、と判断して撤退を決めた実態を紹介。もう一方の全日空も別の出資企業を探したものの「宣伝効果」と言う点で不十分であると考える企業が多く、なかなか協力を得られず苦肉の策としてのマリノスとの合併だった、と全日空の関連事業部長の方の話を伝えていました。そして全日空はサポーターを「客」としてしか見ておらず、出資を求める、等の協力を要請することなどは最初から考えていなかったとのことでした。これに対しゲストのスポーツ作家玉木正之氏は「企業スポーツの限界を示したもの」「Jリーグに宣伝効果があったとしても、また仮に景気が良かったとしてもクラブが企業の持ち物であるかぎり(フリューゲルスのような問題は)起こりうる」との内容のコメントをしました。今回の事態が経営問題に本質があるのではなく、サポーター不在、選手不在のまま企業の論理のみで合併を決定したところに問題があること、この度の企業の撤退が、Jリーグの理想を実現するうえでは却ってプラスになるかも知れない、との印象を持ちました。
対してアビスパ。こちらはJリーグ発足後に「九州福岡にもJリーグチームを」との市民の署名活動をバックに、自治体主導で藤枝ブルックスを誘致したチームです。その経緯から福岡市が出資してスタートしたものの、入場料収入が当初の見込みを大きく下回り数億円の損出補てんをせざるを得なくなり、「財政赤字の中で私企業に税金を投入していいのか」との疑問の声が議会にも出て将来の見通しも暗い、と言う話でした。これに対し玉木氏は、「Jリーグチームはプロ野球とは違って『私企業』とは言えず地域の財産」であり「ヨーロッパでは数万人の人口の市がクラブに毎年16億円も出している例がある」と言う例を紹介しつつ「その町にJリーグクラブがあることで人が訪問したり、いろいろな波及効果があるのだから道路や橋を作るのと同じ」との見解を示しました。更に国の予算の中には相当の額(覚えていないのですが、数百億円の規模だったような記憶がある)のスポーツ関連予算があるのに、その実に97%が国体関係などに関した建物などの「ハコモノ」予算であると紹介し、「国ももっとソフトウェアの部分にもお金を出すべきではないか」と結んでいました。
以上簡単に番組の内容をまとめましたが(記録を取りながら見ていたわけではないので間違っているかも。文責は私にあります)、これまでの大手のマスコミ報道などではなかなか見られなかった非常に質の高い分析だったように思います。私も最近、Jリーグチームの収支が黒字に転じることがどうしても必要なのかどうか、と言う点に若干疑問を持っています。例えばこれほど日本に浸透しているプロ野球も、経営の実態を見ればほとんどが入場料収入ではやっていけない、と聞いています。パ・リーグチームは恒常的に赤字、セ・リーグは巨人戦の放映権収入でトントン、とも。日本に限らずヨーロッパ、例えばペルージャは大富豪のガウチ家がどんどん資金を注ぎ込んでいるからこそ中田を獲得できたのだし、他のイタリアのクラブもそう言う状況は一緒だそうです。またこのところ大量の外国人選手を買うなど景気が良いイングランドは、膨大なテレビの放映権料が入ったからこそそう言うことができるわけだし、フランスリーグのチームで自治体から補填を受けていないクラブは無い、とも聞きました。しかしそう言う状況だから、と言って「赤字だからチームを解散しよう」とか「同じ町のクラブと合併しよう」とはめったなことではなりません。それはなぜか。やはりホームタウンの市民が「自分たちのクラブ」だと自覚しているからなのでしょう。玉木氏は「Jリーグのクラブを『プロの興行』と見てはいけない」「プロの選手、と言うのはその町で一番サッカーが上手な人、と言う意味である」と言うことを言っていましたがまさにその通り。このところのJリーグから撤退しつつあるスポンサー企業こそが落ちこぼれであり、そう言う会社は落ちるべくして落ちたのだ、と考えたい。サッカーのクラブは市民の持ち物を支援したい、と思う企業と自治体によって支えられればいい。そしてそう言うサポートの大きなチームほど強くなり、優勝を争うようになること、そしてそれに満たない支援のクラブはそれなりの位置で生き残りを目指すこと、がJリーグのクラブの目指すべき本当の姿だと思います。


<98.11.24> 今週は出張で東京に来ているので、そのついで(^_^;)に昨日U-21のアルゼンチン代表戦を見に行ってきました。結果は皆さんご存知のように1-0で日本代表の勝利。2000年のシドニー、2002年のW杯に向けて明るい展望の見えるゲームだったと思います。登録メンバーは5-4-1ながら、実質的には次のような3-4-1-1-1の布陣。
          南

     古賀正  宮本  戸田

 市川    石井   稲本    中谷(→古賀誠)

      小野(→明神)
             中村

         福田(→高原)
主力メンバー数人を欠いているとは言え昨年のワールドユースを制したアルゼンチンを「強豪」と認識した上で、守備をかなり意識した布陣だったと思います。しかし、同様に守備に基本を置いたW杯とは違って、いわば「攻撃的な守備」。DFラインは常に3人がフラットに並ぶゾーンの3バックでラインを高く保ち、アルゼンチンを何度もオフサイドの網にかけます。また中盤はアルゼンチンの高い個人技に何度か翻弄されつつも決して集中を切らさず、逆に速い出足とパス回しでほぼ対等に勝負します。そんな中で生まれた中村のゴールは、ゲーム展開からすれば当然の帰結という感じ。左SBの高い位置への侵入、福田のポストプレー、中村の1.5列目からの飛び出しに稲本が絡む、と言うまさに日本の「黄金の中盤」がうまく回転してのゴールでした。後半こそ目の色が変わったアルゼンチンに攻め込まれる場面が多く、何度か守備を崩され相手の不正確なシュートに助けられる、と言うこともありましたが、しかしそこは小野を明神に代え、8人がゴール前に戻って守備をする、と言う戦術で対抗し、しっかりと守りきりました。守りに入ったことで、逆に終盤はカウンターで攻めても人数が足りず突き放すには至りませんでしたが、しかし「勝つためには1点リードしていればよい」と言う世界のサッカーの常識(?)を忠実に守っての勝利。これまでの日本代表にはなかなかそう言うゲーム運びができなかった(キリンカップのクロアチア戦やW杯最終予選のウズベキスタン戦など、序盤でリードしながら更に攻撃に出て点を失う、と言う展開が多かった)ことを考えると、ずっと「経験不足」と評されてきた日本のサッカーもようやく十分な経験量の蓄積ができたのかな、と感じました。おそらく「格下に楽勝」と考えていたであろうアルゼンチンの選手達が、終盤必死で攻めたこと、試合終了後には日本代表と(一人を除いて)握手もせず、日本サポーターの「アルヘンティーナ!」のエールにも答えずに憮然とした表情でピッチを去ったことを考えると、逆に日本U-21代表の勝利が会心のものであったことが分かる、と言うもの。加茂監督時代のインターコンチネンタル杯では1-5と完敗し、アトランタではかたや優勝、こなた予選落ち、そしてフランスでは善戦しながらも結局は軽くあしらわれた事など、アルゼンチンと日本との間にはとても手が届かないほどの大きな差がある、と思っていましたが、昨日のゲームを見る限りではその差はかなり縮まった、と言って良さそうに思いました。これからこのチームには、まずは五輪のアジア予選を突破する、と言う課題があります。そこには、引いた相手を崩すとか、中盤の頭越しに放り込まれるロングボールに対処する、とか世界の強豪相手とはまた別のテーマが出てきますが、しかしこのチームとトルシエ監督には決して難しい問題ではないのではないでしょうか?


<98.11.23> 今日の10時より、吉田町に完成した「吉田サッカー公園」の開場を記念するセレモニーが開かれます。サンフレッチェからは久保社長、長谷川専務、今西総監督、トムソン監督や選手達が出席します。その後11時半よりエキシビジョンゲームとしてサンフレッチェユースと国見高校の試合が、また13時より町民グランドゴルフ大会が行われます。また11月29日には、下田、大木などの選手を招いて、ふれあいサッカー教室が行われるとのことです。


<98.11.22> 「アスリート・マガジン」の12月号を昨日手に入れたので内容を紹介します。メインの特集はカープの秋季キャンプですが、サンフレッチェ関係ではまず久保選手のレギュラーインタビューの「久保竜彦を見よ!」。今月は彼の代表初出場を記念して?カラー4ページに昇格し、更に「久保竜彦、日本代表デビュー。」の記事に続きます。初めての代表で話をする相手もおらず、もう行きたくない、と言うのではないかと行く前は心配していたのですが、全然そんなことはなく「更に上手になりたい」「また代表に呼ばれたい」と思っていることが分かり安心(?)しました。もう一つのサンフレッチェの関係記事はフォックス。「不思議なリベロ」と言うタイトルで、その決して鋭くは無いのに何故か取られないドリブルを特に取り上げ、彼の内面に迫っています。それに続くのが早川文司さんの記事で、これが最終回。更に久保社長を取り上げた記事、池端と永井を取り上げた記事、と続きます。「アスリート・マガジン」は620円。近くの本屋さんで手に入らない方は、082-238-7550にお問い合わせ下さい。


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