6/21〜6/27のサンフレッチェ日記



<98.6.27> 昨日のジャマイカ戦ですが、攻めながらも最後の決定的なところで決めれない姿に、「(4年前の)カズがいたら」とか「呂比須をもう少し早く出していれば」とか思いました。城は、少なくとも最後のどフリーの場面は決めないといけなかったと思います。しかし、1点しか取れなかったこともそうですが、2点取られちゃった方にも問題があったように思います。アルゼンチン、クロアチアを1点ずつに抑えて、なぜジャマイカに2点も取られるのか。向こうの決定機なんて4回ぐらいしか無かったのに。これがサッカー、と言えばそうなんですが、しかし前2戦に比べて守備の集中をやや欠いていたような気がします。コンディションのピークが過ぎ、モティベーションを高く維持できなかった、それがジャマイカ戦の敗戦の原因ではなかったか、と思うのです。
岡田監督は、W杯前からずっと「頭の中のほとんどをアルゼンチンが占めている」と言っていましたけど、これは岡田監督の頭の中だけでなく、チーム全体がそこにピークを持っていっていた、と言うことのように見えました。初出場の日本は「初勝利」ではなく「ベスト16」を目標に掲げていました。(まあ、そう公言されていたわけではありませんが、状況を見た限りではそうとしか思えない。)そして初戦、第2戦を果敢に戦ってその目標が果たせないことが分かった。クロアチア戦の岡田監督の表情は「目標を果たせなかった。もう終わった」と言う気持ちがありありでした。監督、選手達の気持ちとしてはクロアチア戦まででほとんど切れてしまっていて、ジャマイカ戦に向けて盛り上がるものが無かったのではないか、と思います。ジャマイカ戦の前から「悲願の1勝!」と言う見出しがスポーツ紙等に踊っていましたが、少なくともここまで「1勝」は代表の悲願でも何でも無かった。もしそうだったとしたら、アルゼンチン戦、クロアチア戦は足慣らしの機会と割り切って、ジャマイカ戦に全力を賭ける、と言う戦略だってあったわけですから。結局のところ、最初から言っていたようにどこに獲得目標を置くか、と言う問題だったと思うのです、私は。2002年にはグループリーグ突破が「義務」になる日本にとって、このフランス大会は最初で最後のチャレンジの機会だったわけで、そこでとにかく1勝にこだわるよりも、いかに強豪相手に勝ち抜きを目指したゲームができるか、を試す必要があったのでしょう。おそらくマスコミ(や代表部屋)などでは「この敗戦で日本はアルゼンチン戦の健闘、と言う結果までも色あせることになった」とか「無意味な3試合になってしまった」等と言われるかも知れませんが、私はもっともっと、長い目で見る必要があるだろう、と思います。
ところでジャマイカ戦にもう一度戻りますが、そう言うコンディションの問題以外にも現在の代表の問題点を露出したように思います。敗れたと言っても、サッカーの質の面で日本が劣っていたか、と言うとそんなことはない。敗れたのは運と戦術面の失敗のせいだと思います。ジャマイカがカウンター狙いに来たら危ない、けど日本より格下のアジアの国じゃないんだからそんなことはしないだろう、なんて思ってましたけど、考えたらクロアチアだってそうやって来たわけです。ゲーム中に一本調子になりがちな日本は、そもそも一つ(か二つ)のやり方しかできないんです。経験のある監督さんだったら日本の攻略法は簡単。「日本には中盤でボールを持たせなさい。パスカットされても相手の動きを良く見て守備すれば大丈夫。裏を突くスピードはないし、ゴール前で慌ててくれるから。そして日本が前掛かりになったところで一気に裏を突きなさい」とか指示するのではないでしょうか?これに対応できなかったのはやはり監督と選手達の経験の足りなさ、と言わざるを得ない。パスやトラップなどの基本的な技術の不足、それはそれとして、やはり相手に応じて、流れに応じて自分たちのやり方をどんどん変えていくことができないことが、今の日本代表全体の弱点なのではないか、と思えてなりません。ジャマイカだって経験が無いのは一緒ですが、監督や帰化選手の経験の量も含めた総和でわずかに上回られてしまったんじゃないかなぁ、と思います。
てなわけで、私は全体として日本はW杯初参加で良い経験をしたし、これは今後に必ず生きてくる、と思っています。自国開催の前に自力で出場しないのは恥ずかしい、と半年前ぐらいまでは言われていましたが、恥ずかしいかどうかじゃなくてやはり出場してみないと分からないことが多すぎます。我々ファン、サポーターだって自国が出るW杯がどんなものか、出てみて初めて分かったことが多々あるわけですから。


<98.6.27> プレスリリースからですが、サンフレッチェの事務所が現在の場所から広島西飛行場ターミナルビル1Fに移転するそうです。そしてそれにともない、オフィシャルショップV-Pointが7/5で閉店され、ターミナルビル1Fの観光物産館メイプルプラザでオフィシャルグッズの販売が行われるそうです。アルパークで営業していたカテゴリー・ワンも閉店されるそうですし、W杯ブームに沸く裏でサンフレッチェを取り巻く環境はますます厳しくなっていくようで残念なことです。一方、観客拡大のための1つの方策として8/8のアントラーズ戦よりビッグアーチ周辺の駐車場の料金が無料にされる、とのことです。


<98.6.27> 明日広島広域公園で行われる「98オリンピックデーラン広島大会」に、サンフレッチェから植田、大畑、行友、秋元、山下の5選手が出演します。10:30からの開会式に続いて11:00から3kmのジョギングウォーキング、更にサッカー教室が行われます。


<98.6.26> 今日はグループリーグ最後のゲーム、そして初出場を果たした日本代表にとっても最後のゲームになります。「消化試合」になってしまいましたが、韓国ですらできなかったW杯1勝を果たすことができるか。2002年につなぐためにも、岡田監督と選手達には最後まで力を出しきって欲しいと思います。
【G組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1) ○ルーマニア    6 2 0 0       +2
(2)  イングランド   3 1 0 1    +1
(3)  コロンビア    3 1 0 1     0
(4)  チュニジア    0 0 0 2    -3

最終戦のカード
イングランド × コロンビア
ルーマニア × チュニジア
ここはイングランド×コロンビアの勝者が勝ち抜き、と非常に分かりやすい展開です。引き分けでもイングランドだ、と言うのが微妙に心理面に陰を落とすかも知れませんが。順当ならイングランドですが、なんせコロンビアにはほとんどの時間消えていても一瞬だけ決定的な仕事をする選手、バルデラマがいますから最後まで予断を許さないゲームになるでしょう。とは言え、それも競ったゲームになってこそ。イングランドが序盤にぽんぽんと2点ぐらい取って、後は余裕でかわして3対1ぐらいで勝つんじゃないかなぁ?ルーマニアとチュニジアは、ルーマニアにとってはモティベーションが低いカード、対するチュニジアは3連敗でお帰りだけは避けたい、と言うことで前半はチュニジア優勢で行くでしょう。でも、ハーフタイムでイングランド2点リードを聞き、「むむ、負けると2位になってアルゼンチンと対戦することになっちゃうぞ」とルーマニアが危機感を持って最後は引き分けに持ち込む、と言うことでどうでしょう?
【H組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1) ○アルゼンチン   6 2 0 0       +6
(2) ○クロアチア    6 2 0 0    +3
(3)  日本       0 0 0 2    -2
(4)  ジャマイカ    0 0 0 2    -7

最終戦のカード
アルゼンチン × クロアチア
日本 × ジャマイカ
残念ながら勝ち抜き、と言う意味では全く興味が無くなってしまったのがH組。注目はアルゼンチンとクロアチアの1位争いと日本、ジャマイカの初勝利なるか、と言うところでしょう。アルゼンチン×クロアチアは、ベスト16以降の組み合わせを決めるだけのもの。次のゲームがルーマニアになるかイングランド(コロンビア)になるかは、どっちがやりやすい、と言うことも無さそうですが、1位になると準々決勝でユーゴ×オランダの勝者とやらないといけない、と言うのがいやかな。まあ、どちらにとっても無理に勝たねばならない、と言うほどでもないので低調なゲームになることはほぼ間違いないでしょう。引き分け、という予想が順当なところだと思います。日本×ジャマイカは、ジャマイカがどういう位置づけでこのゲームに臨むか、日本をどう評価しているかで流れが決まりそう。日本は強いから負けないサッカーをしよう、としてくると日本は苦しい。引いて守られて攻めあぐみ、カウンター一発に沈む、と言う展開もあり得ます。だけどこれは予選じゃなくてW杯本戦の最終ゲームですからねぇ。シモンエス監督も伸び伸びとやらせる可能性の方が高いでしょう。正面からのぶつかり合いになれば、日本の勝ちの可能性は高くなると思います。だけどW杯初出場で、たった3試合目で初勝利、と言うのはどちらにとっても甘すぎるように思いますし、これも引き分け、と予想しておきます。


<98.6.25> 昨日何試合かビデオで見たのですが、やはり最終戦、勝ち抜きがかかったゲームはこれまでと違って非常に面白いですね。勝つことで可能性が出てくるモロッコは攻めに攻めて勝ちを収める。歓喜の選手達。しかしその直後にノルウェーの勝ちのニュースを聞いて、あとは涙、涙... グループリーグ突破できなかった選手、サポーターは悲しいでしょうが、見ているほうももうモロッコやスコットランドや、オーストリア、カメルーンを見れないか、と思うと寂しいものです。
【E組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1)  オランダ     4 1 1 0       +5
(2)  メキシコ     4 1 1 0    +2
(3)  ベルギー     2 0 2 0     0
(4)  韓国       0 0 0 2    -7

最終戦のカード
オランダ × メキシコ
ベルギー × 韓国
ベルギー×韓国は、韓国に勝ち目があるとは思えません。(残念ながら。)ベルギーは序盤から攻勢に出てなるべく得失点差を引きはなそうとするでしょう。個人的には韓国の意地を見たいところですので、カウンターからサイドからのクロス、これをゴール前で根性で押し込む、と言うパターンで接戦に持ち込んで欲しいところですが... オランダとメキシコの対戦は、順当ならオランダの勝ちでしょうがメキシコもタダでは転ばない。がっちり守ってオランダの焦りを引きだしたいところです。まあ、最後はオランダとベルギーの勝ち抜きになるんじゃないかなぁ。
【F組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1)  ドイツ      4 1 1 0       +2
(2)  ユーゴスラビア  4 1 1 0    +1
(3)  イラン      3 1 0 1     0
(4)  アメリカ     0 0 0 2    -3

最終戦のカード
ドイツ × イラン
ユーゴスラビア × アメリカ
一見混戦に見えるF組ですが、実態はH組と変わらないと思います。単に対戦順でこうなっただけ。ドイツ、ユーゴの2強体制は不動です。ドイツはイランのキープレーヤー、ダエイ、アジジ、バゲリの出たブンデスリーガのゲームにフォクツ監督が偵察に行っていたぐらいですから準備は万端でしょう。イランが先制すると面白ゲームになるとは思いますが... (でも、もし万一イランが勝ったら大喜びしちゃいますけど。)ユーゴとアメリカも、ユーゴの有利は否めません。アメリカがユーゴに一泡吹かせれるとすれば、油断を誘うぐらいしかないような。ユーゴ出身のプレキは、このゲームで何を思うでしょうか?と言うことで、この組の勝ち抜きはドイツとユーゴでテッパンでしょう。 /POST


<98.6.24> 昨日(と言うか、今朝)からグループリーグの最終戦となって1日4試合になりました。とてもこれまでのように全試合見て感想を、と言うわけには行かなくなってきたので、今夜の展開予想をしてみたいと思います。
【C組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1) ○フランス     6 2 0 0       +7
(2)  デンマーク    4 1 1 0    +1
(3)  南アフリカ    1 0 1 1    -3
(4)  サウジアラビア  0 0 0 2    -5

最終戦のカード
フランス × デンマーク
南アフリカ × サウジアラビア
ジダンが出場停止なだけでなく主力に怪我人が続出しているフランス。ここはあまり無理はしたくないところですが、しかし負けると次はナイジェリアとやらねばならない、と言うのが困る。一方のデンマークは負けても勝ち抜ける可能性が高いもののできれば引き分け以上が欲しい。と言うことで、どちらも前半は様子見、展開次第では勝ちに行くと言う戦いをするでしょうね、やっぱり。引き分け、と言う結果が順当でしょう。南アフリカは、勝てば勝ち抜きの可能性が残ります。一方のサウジはモティベーション無し。監督交代もカンフル剤になるとは思えず、むしろ混乱を助長するだけでしょう。攻める南アフリカ、守るサウジと言う展開になるのは必至で、前半に南アが1点でも取ると意外な大差になるのでは。と言うことで、勝ち抜きはフランスとデンマーク。
【D組】
           勝点 勝 分 負 得失点差
(1) ○ナイジェリア   6 2 0 0       +2
(2)  パラグアイ    2 0 2 0     0
(3)  スペイン     1 0 1 1    -1
(4)  ブルガリア    1 0 1 1    -1

最終戦のカード
ナイジェリア × パラグアイ
スペイン × ブルガリア
ナイジェリアとパラグアイは、やはり攻めるナイジェリア、守るパラグアイ、と言う展開になるでしょうね。パラグアイにそう言う戦い方以外のゲームができるとは思えない。ナイジェリアはこのゲームは勝ちでも負けでもどっちでもいいので、伸び伸びとやってくるでしょう。でも「伸び伸び」はウラウモテでいいかげんな組織力がますますいい加減になる、と言うことでもある。パラグアイのカウンター攻撃はなかなか鋭いものがあるので1回ぐらいスコーンと抜かれて、案外1-0でパラグアイの勝ち、と言うことになるのでは?スペインとブルガリアは、どちらも勝たなければいけないだけに2転、3転の激しいゲームになるでしょう。どっちが勝つか、なんて予想できません。ポストに好かれるか嫌われるか、審判の笛、などちょっとしたことで決まるかも。まあ、でももしパラグアイが勝ってしまうとどっちが勝っても同じなんですよねぇ。この両チームがグループリーグで敗退するなんてもったいなさすぎるのですが。てなわけで勝ち抜きはナイジェリアとパラグアイ。


<98.6.23> 今朝の中国新聞によると、サンフレッチェの信藤社長の退任が決まったそうです。社長本人は「マツダ時代、関連企業への転出者の65歳定年を決めたのは私。当初は昨年6月で退任するつもりだった」と予定通りの退任だったと語っていますが、果たしてそれだけでしょうか?サンフレッチェのこれまでの経営の失敗は彼の責任である、と言う声も強い折、もっと有能な経営者が必要だという声はサポーターなどから出ていました。「ボランティアでやっているようなものだ」と大見えを切ったことのある信藤氏ですから、よもや高額の退職金をもらって出て行ったりしないでしょうね?後任がウワサされるのはゼッケンスポンサーであるデオデオ社長の久保允誉氏で、久保スポーツ財団や陸上部などの運営実績もあるとのことです。地元の大スポンサーの社長であること、スポーツに関わってきたことなどが評価されての就任だと思われますが、Jリーグの理想は「企業スポーツ」とは別のもの。広島県民、市民に愛されるチーム作りをして欲しいものです。


<98.6.23> 天皇杯の広島県代表を賭けた「全広島サッカー選手権大会」は先週末に1、2回戦を行い、サンフレッチェユースは昨年優勝の広島大に敗れました。
【1回戦】
広島フジタSC 2-1    広島工高
広島大     2-0    サンフレッチェ広島ユース
広島教員    2-1    広島工大
ヤマコーFC  2-1    福山平成大
広島経大    5-0    山陽高
マツダSC   1-1(PK4-2)修道大
福山大     3-0    広島FC
日新製鋼呉   2-2(PK4-2)皆実高

【2回戦】
福山大     2-1    日新製鋼呉
マツダSC   2-2(PK5-4)広島経大
広島教員    5-4    ヤマコーFC
広島フジタSC 0-0(PK4-2)広島大


<98.6.23> 日曜日の3試合のうち見たのは2試合。それも「アルゼンチン×ジャマイカ」は開始後数分と後半途中からしか見れませんでした。この「アルゼンチン×ジャマイカ」ですが、結果はバティステュータが爆発してアルゼンチンが5-0と大勝しました。が、私が見た限りでは「オランダ×韓国」のような圧倒的な力の差、は感じませんでした。もちろん、試合全体としてはジャマイカが中盤での組織的な守備が全く機能していなかったこともあってアルゼンチンのペースでした。しかし逆に言えばそれがジャマイカのペースでもある。なんせカウンター攻撃にかかってからが速い速い。スピードと足技は一級品なので、少ない人数であっという間にゴールに迫って結構アルゼンチンゴールも脅かしていました。大差が付いたのは1人少なくなったところでもなおかつ攻めに行き、最後に集中が切れてしまったから。日本にとって勝ち目のある相手ではありますが、簡単に勝てる、と言う程甘い相手でもないと思います。特にああいうスタイルは日本が苦手にしていた中東勢に良く似ています。先制されて引いて守られるとなかなか苦労しそうな気がします。
「ドイツ×ユーゴスラビア」はグループリーグでは屈指の好試合となりました。調子の出ないドイツに対して自由にボールを回すユーゴ。その視野の広さとボールタッチの柔らかさはさすが、と言うべきもので、身体の大きいドイツ人ががつんがつん当たりに行っても簡単にパスを回して逃れるなど心憎いばかりのゲーム運びで、2対0とリードしたときにはこのまま行くのか、と思いましたが、そこで簡単に引き下がるほどドイツは甘い相手ではありません。ベテランのマテウスを入れて守備面を強化すると、リードして心に余裕ができたユーゴの隙を突いて突然がんがん攻めたて始めました。そしてゴール前での強烈なFKとCKからの高いヘッドで追いつくと、主将のクリンスマンが怪我で下がって10人になってしまったこともあってボールキープに入り、そしてまるで予定したかのように引き分けに持ち込みました。11人が一斉に戦術転換できる読みの深さ、鋭さ、リードされても決して諦めず逆襲する力強さなど、さすがW杯で上位に進出している常連チームは違います。タレント揃いのユーゴもたじたじでした。
さて、今日からグループリーグも最終戦に入ってきます。まずはA組とB組ですが、混戦のB組よりもブラジルが1位抜けを決めているA組に注目しています。ブラジルは勝っても負けても結果に影響のないゲームですが、しかしここで気を抜くと次のトーナメント初戦に響きますし、折角モロッコ戦でつかんだ流れを失いたくない。それにノルウェーは大会前の練習試合での連勝を止められた相手。ここで再び敗れては王者のメンツにも関わります。おそらく全力で勝ちに行き、そして圧勝するのではないか、と言う気がします。となると、2位の行方はスコットランドとモロッコの争いになるわけですが、どちらもいささか決め手に欠ける両チーム。引き分けに終わって、結局得失点差でスコットランドの勝ち抜き!と言うことになるのでは?これまで幾度もグループリーグで苦杯をなめてきたスコットランドですが、今大会は勝ち点わずか2で勝ち抜き、と言うことになったらそれも面白いと思うのですが。


<98.6.22> まずは「チリ×オーストリア」。チリ、と言うのは本当に良いチームです。サラス、サモラノだけでなく、サポートするメンバーの技術や戦術眼の確かさは、これら2人のトッププレーヤーをサポートしてあまりあるもので、「ミニドイツ」のオーストリアを圧倒しました。が、それでもW杯での勝利というのは遠いものです。ほとんどゲームが終わろう、としている後半ロスタイム、ゴール前で放たれたミドルシュートは無情にもゴールの枠へ。チリはまたもイタリア戦に続いて勝利を逃しました。対するオーストリアも、またしても終了間際の同点ゴール。オーストリア版「ゲルマン魂」を見せました。
「ナイジェリア×ブルガリア」。ブルガリアの反撃も虚しくナイジェリアが逃げ切り。何度か決定的なチャンスはありましたが、運にも見放された格好。前回大会では初戦でナイジェリアに大敗した後、ストイチコフのリーダーシップの元ギリシア、アルゼンチン、メキシコ、ドイツと連破して準決勝にまで進出しましたが、果たして今大会はどこまで彼の神通力が通じるでしょうか?
「スペイン×パラグアイ」。キリンカップでパラグアイが来日したとき、「守備だけが強い、チラベルト以外の魅力のないチーム」と言う見方をしていましたがこれは大きな間違いでした。がっちり守って鋭いカウンター、と言うまさに総合力に劣るチームのお手本のようなゲームを見せてくれました。特に守備はさすがに一級品。鋭い反応と球際の強さはGKチラベルトだけではありませんでした。そしてカウンター攻撃の鋭さ。一人ひとりの選手のスピードとキープ力のおかげで、少ない人数で攻めても結構決定的なチャンスにつながります。優勝候補の一つと予想されたスペインも、結局攻めきることができず引き分けてしまいました。試合終了後の両チームの表情は対照的で、やった、と両手を突き上げるパラグアイの選手にとってはまさに自分たちのゲームができた、と言うところでしょう。一方のスペインは一様にがっくりと肩を落としました。D組はナイジェリアだけが勝っているだけにまだまだグループリーグの勝ち抜きのチャンスは小さくはありませんが、「こんなはずじゃなかった」と言う気持ちでいっぱいなのではないでしょうか?
「ベルギー×メキシコ」は2枚のレッドカードが出たゲーム。しかし、だから荒れたか、と言うとそうでもなく、レベルの高い好ゲームだったと思います。それはひとえに退場者を出してからのメキシコの冷静なファイトがあったから。予選突破後に監督の交代があり、本選直前までバタバタしていたメキシコですがさすが中米の強国、と言われるようになっただけのことはあります。日本代表が直前に1対2で敗れたのも、順当な結果だったのかも。
「オランダ×韓国」の韓国は全く期待外れの出来でした。スコア上も、内容的にも完敗。最後は精神的に切れてしまったようですが、それも無理はないか、と思うような手も足も出ない敗れ方でした。韓国の売りであったスピードとフィジカルの強さの両面でオランダが遥かに上を行っていたわけで、並大抵のことでは埋まらない世界との差が実感できたのでは無いでしょうか?バックチャージに対するルールが厳しくなったこと、メキシコ戦で一発退場を食らったことで持ち味を出せなかった、と言うことが原因の一つとして言われていますが、このことこそ、これまでのチーム作りの間違い、韓国サッカーの方向性が世界とずれていたことを逆に示している訳ですから。言わば韓国サッカー自体が世界の舞台で否定されたに等しい。これは車監督を更迭したぐらいではどうにもならないように思います。せっかくアジア最初のW杯を開催する「名誉」を守ることができた誇り高い韓国国民が、果たしてその場での惨敗を許すことができるかどうか?韓国サッカー界は一気に土俵際まで追いつめられたような気がします。


<98.6.21> 昨日のクロアチア戦、日本代表は良く攻めたもののゴールを奪えず、逆にカウンターから1点を失って2連敗。グループリーグの突破が絶望的になりました。
この試合、ボバンが出場できず暑さで動けないクロアチアは序盤から引き気味の布陣をとり、日本のパスミスを突いての速攻で日本ゴールを脅かしました。日本も何度か決定的な場面を迎え、後半相手の足が止まったこともあって中盤を支配しましたが、今一歩のところでまたも1点差に泣きました。このゲームの印象は、悔しいと言うよりも「残念」と言うことです。アルゼンチン戦ほどの決定的なまでの技術的な差は無く、まずまず対等に戦ったように見えましたが、しかし勝ちに結びつけることができなかったところがやはり世界の一流との差だ、としかいいようがない。クロアチアは全体としては攻められながらもここ、と言うところのテクニックやゲームの読み方がすばらしく、その点でまだ埋まっていない世界との「差」を感じました。日本はゲーム全体としてのリズムや試合運びにアイディアが乏しく、またパス、キックの正確性に劣る点に課題を残した、と言うのが私の印象でした。ただ、だからと言ってこのゲームを評価できないか、と言うとそんなことは全然ありません。簡単に相手にペースを与えてしまって勝手に崩れると言う「ナイーブさ」はこのゲームでも見られませんでしたし、中盤をしっかり作って速い動きから守り、攻めると言う日本代表が追求してきたサッカーをクロアチア相手にもすることができました。勝ち、負けの結果が大事、と言う議論もありますが、何と言っても今回の日本代表はW杯初参加です。それも、世界最弱のアジアの第3代表でしかありません。この大会の目的は、まずはW杯を感じること、自分たちの力がどこまで通じるか、通じないかを確かめること、世界の強豪から学ぶこと、そして次の2002につなげることだと思います。そう言う意味で、このクロアチア戦でも日本代表はこれまでにやって来たことを全てぶつけ、そして足りないところ、例えばパスの正確性であるとか、ゲーム全体を読む力だとか、そう言う点でまだまだ世界レベルからは後れを取っている、と言うところが分かった訳です。この戦いの本当の価値、と言うのは、今後日本代表やJリーグがどのようにこの敗戦を消化するのか、で決まるように思います。日本サッカーの挑戦はまだ始まったばかり。最終戦となる(であろう)ジャマイカ戦でも、とにかく全ての力を出してきて欲しい。それこそが、未来に繋がる唯一の道だと思います。


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