9/13〜9/19のサンフレッチェ日記



<98.9.19> 今朝の中国新聞によると、上村、大木だけでなく吉田康も柏戦で右足首を痛め(そうか、だからPK戦では最後に蹴ったんだ)欠場するそうです。小笠記者は上村の位置に小島、吉田康の位置に皆本が入る、と予想していますが、私の個人的な希望では小島を中盤の「ワイパー」として使って、桑原をやや上がり目にしたいところですが。また「先発予想」ではDFにポポビッチ、フォックス、小島、桑原、柳本と5人も入れ、MFに服部、山口敏(そう、彼は復帰できるのです!)、皆本と5バックの布陣となっていますが、これは版を組む段階でのミスでしょう。桑原、柳本はMFで、相手がスリートップ気味に来るようだったら柳本を下げて4バックにする、と言うことになるのでは?またカコミ記事ではユース出身で唯一プロ契約をしている石川が取り上げられています。札幌戦に続いてガンバ戦も遠征メンバーに入っているそうで、Jリーグデビューを目指します。サテライトを観戦した経験のある人によると、技術的な面では非常に目立つ選手だそうで、自然にボールが集まる、とのこと。今年150分以上出場しなければ来年はC契約(練習生)に落ちてしまいますから、なんとかチャンスをつかんで欲しいものです。更に、別の記事によるとグッドマンがいよいよ復活してきているらしい。昨日の広島大学との練習試合では90分間フル出場し、2得点を上げたとのこと。「ほぼ問題ない状態まで復調したと思う。週末にしっかり体調を整え、監督が起用してくれるなら23日の横浜M戦にももちろん出たい」と話していたそうです。FWに怪我人が続出している中で、頼りになる男の復帰はチームにカツを入れるのではないでしょうか。また、ビドマー、フォックスとの外国人枠を巡る争いも激しくなりそうです。


<98.9.18> 明日の対戦相手のガンバ大阪は、通年順位で同じぐらいの位置にいるチーム。勝ち点ではなく「順位点」で1部残留かどうかが決まるため、こう言う相手に勝つことが、今後を考えると大事になります。このところユース出身の稲本、播戸、新井場などがチームの中心となって、強いのか弱いのか分からない波のあるゲームをしているガンバ。しかし逆に歯車が噛みあうと手強い相手になるには違いありません。また、ここまでの通算の対戦成績は12勝5敗と大きくリードしていますが、そのうち4勝がPK戦、2勝がVゴール(ついでに、2つがVゴール負け)ともつれることの多いカードでもあります。
         下田
        
  フォックス ポポビッチ  宮澤
    
 柳本   桑原   吉田康   服部

        山口敏

     ビドマー   久保

SUB:前川、伊藤、小島、皆本、秋元
前節のメンバーから、上村が出場停止、大木が捻挫で出れません。しかし上村の代わりになりうる選手は宮澤、伊藤、小島とそろっていますし、大木の代わりに久保が出るのでメンバー的には悪くない。問題は山口敏が復帰できるかどうか、ですが、何せ彼にとっては古巣相手の対戦。這ってでも(?)出場したいのではないかなぁ。前節は120分間得点シーンが見られず、鹿島戦の2点目以降197分間ゴールが決まっていません。サンフレッチェの「応援バスツアー」はバス2台が一杯になってキャンセル待ちの状態だとのことで、100人ぐらいの応援が付くかも知れませんし、この前でぜひ歓喜のゴールシーンを見せて欲しいものです。


<98.9.18> プレスリリースによると、16日に行われたJリーグの規律委員会で、トムソン監督の2試合ベンチ入り停止処分が決定しました。柏戦での抗議が「主審、副審の判定に対する執拗な抗議」に相当すると判定されたそうです。トムソン監督は1st stageの神戸戦でも同様の処分を受けているため、今回は2試合のベンチ入り停止となったとのこと。確か昨年も一度退席処分を受けていますし、「英国紳士」のような見かけによらず、血の気の多い監督ですね。


<98.9.18> 今朝の中国新聞によると、ユース出身のFW岩村貴久選手の退団が決まったそうです。昨年練習生として契約してから、結局トップでの出場はなしでした。その記事の隣には、来年からJリーグチームのプロ契約(A契約)選手が25人に制限されること、トップの公式戦に450分以上出場していないとC契約(これまでの練習生契約のようなもの)しかして貰えないことなどが決まったそうで、Jリーグでもリストラが行われるのではないか、と言う内容の記事が載っていました。岩村選手はまだ20歳。今の時期に退団ということは、これから大学入学を目指すとか、あるいはどこか別のところへの行き先が決まった、とか言うことではないかと思いますが、同じような状況の選手はまだいるはず。今サンフレッチェのプロ契約選手は29人、練習生は6人(のはず)。これから今年末にかけてチームに残れるか、残れないか厳しい争いが繰り広げられるに違いありません。


<98.9.17> 柏戦で負傷した大木選手は昨日広島市内の病院で診察を受け、右足首の捻挫であることが分かりました。復帰まで2、3週間かかるとのこと。本当に、どうして攻撃の選手ばかりリタイヤするんでしょうか?大木自身も、右足首は8/8の鹿島戦で痛めたところだけに、復帰には慎重にならざるを得ないのでは?せっかく好調だったのに残念なところですが、今後のことを考えると無理をせずにじっくり直したほうがいいのかも知れません。


<98.9.17> Jリーグ再開後に登場し、結構人気が出そうだったにも関わらず姿を消していた「勝ちカチしゃもじ」が、柏戦から再登場しました。スポンサー名が印刷されているからかお値段は2本1組のセットで100円、とお買い得。入場口だけでなく、スタンドに来るビールの売り子さんも販売しているため気軽に買えるのがいいのか、早速あちこちから「カチ、カチ」の音が響いていました。今後の「広島名物」として定着しそう。せっかくですからいつも劣勢を強いられるアウェイの応援でも販売して欲しいものですが。


<98.9.17> 広島では金曜発売なのでまだ見ていないのですが、今週の「サッカーマガジン」「サッカーダイジェスト」ともに、広島関係の記事が結構見られるそうです。「マガジン」のカラーページは上村のインタビュー。またコラムで、「意識でチームがこう変わる」とサンフを取り上げた内容になっているそうです。一方「ダイジェスト」のカラーグラフ"THE SPECIALISTS"には、HARD WORKERとして桑原が、DYNAMITE SH00TERで久保が選ばれているそうです。また第4節のベストイレブンに4人も選ばれているなど、よく見てもらっている、と思わせるような内容だそうで。ちょっと前までは「2部落ち候補の中では唯一優勝の経験があるチーム」などと嬉しくない取り上げ方をなされることが多かったのですが、やはり地方のチームにとっては勝つことが一番の注目を集める方法なのかな、と思います。


<98.9.16> セカンドステージ第5節、柏レイソルとの対戦は、0-0のままPK戦までもつれ込みましたが最後に吉田康が止められ、敗れました。サンフレッチェのフォーメーションは、
         下田
        
 柳本 フォックス  ポポビッチ 上村
 (→伊藤90分)  

 皆本   桑原    吉田康  服部


       大木  ビドマー(→小島82分)
       (→松永9分)

SUB:前川、宮澤
と、登録上は3-5-2ながら実際にはスリーラインの4-4-2。柳本はストイチコフを、上村は酒井のマーカーとして上下することがあるものの、実質的にはフラット4に近い布陣でした。雨の残るピッチ、その上無風で気温も高めの3日前のゲームの疲れが残る選手達にはかなりきつい条件だったようで、広島、柏ともに身体が重い感じ。全体的には柏が押し気味ながら、双方ともパスミスが多くなかなか決定的な場面を作ることができません。その上サンフは開始早々の9分に大木が削られてそのまま退場となり、松永に交代します。このおかげでますます攻撃の形を作れず、守りに重点を置いた試合運びとなります。時折フォックスなどが攻め上がっては見るものの、全体としては退屈な展開。その上途中から結構強い雨も降りだし、屋根の無いビッグアーチでの観戦は「まるで修業してるみたい」と観客から声が漏れるほどでした。
後半に入っても展開はあまり変化無し。ビドマーも松永もほとんどボールキープができず、あまり得点が入るような気がしません。しかしそう言う点では柏も一緒。警戒していたストイチコフ、酒井ともに柳本、上村のマークにほとんど何もできず、またゴールには下田がしっかりとカギをかけて失点しそうな雰囲気もまたあまりありません。後半途中からは松永とのコンビが合わないビドマーを小島に代え、吉田康と皆本を高めの位置に上げると言うフォーメーションの変更をしてきましたが、これももう一つ形は作れず。全体としては攻める柏、がっちり守って時折カウンターを仕掛ける広島、と言う展開は、引き分け制度があれば引き分けが妥当、と思えるような感じだったと思います。
このままPKまで行くのが流れか、と思いましたがまず延長に入ってすぐの3分にトムソン監督が退席処分を受けます。ピッチの反対側だったので何が起きたのか良く分からなかったのですが、主審がゲームを止めると一目散にトムソン監督に向かって走って行って退席を命じたので、何か審判を怒らすようなことを言ったのでしょうか?更に10分には上村が2度目のイエローを貰って退場になってしまいます。(因みに、ストイチコフも「異議」で2枚目を貰いそうになりましたが、主審の肩をもんだり手を合わせたりしてなだめて、もらわずに済ませていました。ここが経験のなせるところか?)しかしそれでリズムを崩さないのが最近のサンフの成長を感じさせるところで、上村のポジションには小島が入るとすかさずフォーメーションを4-4-1にしてしっかりと守りを固め、なおかつ時折カウンターをしかけるなど、「10人の方が戦いやすい?」と思わせるような展開。守っては下田が何度かあった1対1のピンチをスーパーセーブの連発で防ぎ、結局0対0のままPK戦にもつれ込みました。
PK戦は、お互い全くミスの無いまま推移します。後攻の広島は桑原、フォックス、皆本、伊藤、ポポビッチ、松永、服部、小島まで成功させますが、ついに9人目の吉田康が柏GKの南に止められジ・エンド。ホームでの2試合連続PK勝ち、はなりませんでした。(だけど、普通は吉田康が最初に蹴るんですけど昨日はどうしてああいう順番だったんでしょう?)
それにしてもこのゲーム、勝つチャンスが無かったことはないだけに残念な敗戦ではあります。しかし久保、グッドマン、山口敏、大久保に大木まで負傷となぜか攻撃陣にだけ出れない選手が続出し、サブに松永しかいなかった状態でなんとかしろ、と言うのも無理な話。むしろ延長の途中からは「4トップ」のような形で総攻撃してきた柏を0点に抑えた守備陣をほめるべきでしょう。そう言う意味では、サンフはできることはすべてやったし、その上でのぎりぎりのところでPKまでもつれ込んでの負けだったと、言わざるを得ないように思います。最低の出来だった松永も、前半は「突然の出番で、気持ちが浮ついていた」ものの後半になって「だんだん馴染んできた」そうで、「これだけ長い時間ピッチにいたのは初めて。代えられず最後までプレーできたのは自信になる。弾みにしたい」と言っていたそうです。(中国新聞による。)考えてみれば攻撃的MFがおらず、マークが松永1人に集中する中でなんとかしろ、と言うのも無理な話で、周りに久保や山口敏がいればもっと働けたかも知れません。清水戦で頑張った秋元やこの松永、あるいはサテライトでコンスタントにゴールしている松岡など、若いFWにとっては今がアピールするチャンスだと思います。
サンフレッチェはこれでセカンドステージは3勝2敗、勝ち点7の9位。また年間順位はセレッソに抜かれて11位となりました。また昨年の順位との通算で決まる「入れ替え戦ポイント」は平塚と並ぶ22で、こちらは12位。14位以下とは差があるものの、ギリギリのところでの戦いを続けているのには違いない状況に変化はありません。今週末の相手は年間順位が勝ち点2差ですぐ下にいるガンバ、と言うことで、負けられない対戦になります。昨夜の「ゴ〜ル!」の情報では大木もそれほどひどくなく、また山口敏もなんとか出れるのでは?と言う感じだそうですし、もちろん久保も出場できます。堅い守備をベースにして、いい試合を見せてくれるものと期待します。


<98.9.15> 今朝の中国新聞によると、今日の柏戦にはやはり山口敏は出られない模様。久保と共にサイン会に出演するそうです。大木は出れそうなので、先発は鹿島戦と同じメンバーになりそう。DFがいかに集中を切らさず守りきるか、ここぞ、と言うところで攻め上がることができるか、が勝利のポイントになりそうです。中国新聞には、鹿島戦でのポポビッチ、フォックス、上村の3バックを「3人のリベロ」と表現していましたが、これに限らずホームの清水戦でも、この3人は入れ替わり立ち替わり攻め上がっていました。これは各自の判断でやっているわけではなく、トムソン監督の指示でやっていることは間違い無さそう。でないと、簡単にDFラインを破られてしまうはずですから。トムソン監督が目指していたのはフリューゲルスがやろうとしているような「純粋スリーバック」じゃなくて、むしろドイツ代表みたいにDFの攻撃参加を許すシステムなんでしょうね。だから逆に、両WBはやみくもに攻め上がることよりも守備のバランスを第一に考える。そして必要に応じて柳本や桑原が「実質リベロ」の働きをする。8月以降アウェイの清水戦、ホームの清水戦の後半、そしてアウェイの鹿島戦と、攻められっぱなしのゲーム展開を何度か見せられましたけど、見ていての安心感、と言うか安定感がだんだん上がってきているように思えるのは、別に清水よりも鹿島の方が下手だから、と言うわけじゃ無いはず。今後は、(たまには札幌戦のようなポカがあるかも知れませんが)全体としては非常に強固な守備と意外性のある攻撃をベースにした、結構面白い(そして、ある意味通好みな)サッカーを展開してくれそうな予感がしています。


<98.9.15> チャレンジャーズリーグの京都との対戦の記録が入ってきましたので書きます。サンフレッチェのメンバーは、GK:植田、DF:川島、行友、山下、MF:安武、山根(→松岡60分)、廣池(→駒野70分)、石川、金本(→大畑70分)、FW:秋元(→森崎浩75分)、久保。行友がリベロ、安武、廣池が右と左のWBに入って山根がボランチ、そして久保がトップに張るという布陣。観戦した人によると、やはり久保と山根の「レベルの違い」を感じたそうです。一方、期待されている行友はもう一つの出来だったらしい。広島の1点目は0-1だった40分、石川から出たボールを安武が持ち込み、ファーへ飛んだクロスを秋元が押し込んだもの。2点目は、1-2と1点リードされた終了直前、川島のオーバーラップから駒野へ、これが久保に渡ってずどん、と決めたものだそうです。因みにグッドマンはサブにも名前は無し。復帰まではもう少しかかりそうです。


<98.9.14> 明日はセカンドステージ4連勝で2位、と波に乗る柏レイソルとの対戦。ストイチコフの加入で、彼の足だけでなくベンチーニョや酒井も警戒しなければならなくなりました。鹿島を完封した守備陣がこれらの強力な相手を封じることができるかがまずポイントになりそう。攻撃陣に関しては、このゲームまで久保が出場停止。また「サテライトで試してから」と言う話だったグッドマンもまだ出場できないでしょう。
         下田
        
  フォックス ポポビッチ  上村
    
 柳本   桑原   吉田康   服部

        山口敏

     ビドマー   大木

SUB:前川、伊藤、小島、皆本、秋元
問題は山口敏が出れるかどうか。鹿島戦は守備的な布陣をとらざるを得ない、と言うことで自重しての欠場だったのか、あるいは本当に状態が悪いのか。また大木が怪我をした、と言うウワサもあり、もしこの2人が出れないとするとホームとは言え守備的な戦い方を選択せざるを得ないかも。移動して、中一日で昼間のゲームと体力的にかなりきつい試合となるだけに、トムソン監督の戦術が注目されます。


<98.9.14> 先週の木曜日と昨日の日曜日、サテライトのゲームがありました。まず10日の広島経大戦。サンフレッチェのメンバーは、GK:山口哲、DF:山下、行友、川島、MF:廣池、山根、安武、金本、石川、FW:松永、松岡。ゲームは最初は押し気味ながらカウンターで攻められるが前半24分、廣池がドリブルで切れ込み、クロスを松永が叩き込む、と言う形で先制。しかし32分、左サイドを崩され同点に追いつかれその後も攻め込まれます。その後42分、松岡がペナルティエリア内に持ち込みシュートを決め勝ち越しました。後半はGKが植田に代わり、また山根が下がって石川がボランチに、また大畑が入ります。後半早々にはFKがゴールインするとサンフが攻め続け、27分に松岡のゴール、相手に2点目を許した後また松岡が決め5-3としました。その後は一進一退。サンフ側も足が止まり、全体としては消化不良気味のゲームだったそうです。続いて昨日のチャレンジャーズリーグ京都戦。試合の詳細は分からないのですが、久保が出場していた、とのこと。ゲームはこの久保のシュートで2-2の同点に追いついたところで終了したそうです。


<98.9.13> 昨日鹿島スタジアムで行われたアウェイゲームは、札幌戦とはまるで逆の展開となった末、広島が貴重な勝利を収めました。サンフのメンバーは次のような感じでした。
         下田
        
  フォックス ポポビッチ  上村
    
 柳本      桑原      服部

     皆本     吉田康

       ビドマー 大木(→小島67分)

SUB:前川、宮澤、伊藤、松永
攻撃の要である久保(出場停止)と山口敏(右足ふくらはぎ負傷)を欠いて、久々の大木がいきなり先発。攻撃的MFの位置に皆本、吉田康を並べていますが、この2人はむしろ前からの守備を担当する、と言う感じの布陣。また攻撃的なサブの選手は(秋元ではなく)松永だけで、「とにかく守って、終盤攻め手が欲しかったらロングボール攻撃」と言う意図が見えるようなメンバーでした。守り勝つためにはとにかく先制点、と言うことか、サンフは序盤はしっかり押し上げて攻めます。これが功を奏したのは開始後わずか1分。右サイドで得たFKを、服部が鋭い球筋でゴールを狙います。これにあわせようとする上村、競り合うジョルジーニョ。この競り合いはわずかにジョルジが勝つのですが、しかしこのボールはなんと目の前に陣取った鹿島サポーターを嘲笑うかのようにオウンゴールとなってしまいました。欲しかった先制点をあっさりもらい、更にサンフがチャンスをつかんだのは13分。左サイドで服部がボールをキープすると、するすると中盤を上がったフォックスにボールが通ります。フォックスはビドマーとのワンツーからきれいに抜け出してペナルティエリアに侵入すると、見事なゴール!フォックスの来日初ゴールで早々と2点のリードを奪いました。対する鹿島は好調の柳沢がしばしば前線に飛び込み、サンフゴールを脅かします。しかし上村がえげつないとも思えるような厳しいマークで仕事をさせません。サンフDFラインを鹿島の攻撃陣を比べるとスピードでは負けるですが、ポポビッチ、フォックス、上村に柳本を加えた守備陣は確実なマークの受け渡しで決定的な場面を作らせません。またジョルジーニョとビスマルクの作る自慢の中盤も、吉田康、桑原の前線からのチェックで抑えます。前半はビスマルクのゴール前での危ういシュートがありましたが、これは下田のすばらしい反応からの右手一本のセーブにより防ぐことができ、なんとか0点に抑えて前半を折り返しました。
後半になると鹿島はDFを1人外して4バックに変更し、FWに高さのある長谷川を投入してカサにかかって攻撃してきます。サンフレッチェのゴール裏から見るとほとんどの時間帯を向こう半分でゲームが展開され、こちらからは何が起きているのか良く分からない、と言う状態。後で記録を見ると鹿島のボールキープ率は試合全体を通じて63%だったそうですが、後半だけだと70%以上は確実に行っていたのではないでしょうか?とにかく攻めて、攻めて攻め続ける鹿島。しかしその攻撃は意外に単調で、両サイドからしばしば攻撃を仕掛けるものの最後はロングボール頼りになって放り込み、しかしこれを高さで勝るサンフの守備陣が簡単に跳ね返す、と言うパターンが続きます。サンフはDFだけでなく中盤の桑原や吉田康、皆本、さらにはトップのビドマーまでも疲れを知らないかのように動き回り、鹿島に攻撃のリズムを作らせません。後半の後半には攻撃をすっぱり諦め(?)、大木を外してワントップにし、中盤の底に小島を入れて鹿島の中央突破を許しません。結局守備の組織は最後まで崩れず、後半はサンフのシュートは0ながら鹿島のシュートも6本(?)に抑え、見た目には押されっぱなしながらゲームプラン通りの完勝、とも言うべき勝利を挙げました。これで広島はセカンドステージの順位を6位まで上げ、また通年順位も10位になりました。昨年の順位ポイントと合わせた1部残留のポイントでも12位で、「参入決定戦」圏内を脱出しつつあります。次の相手は4連勝中の柏、若手が育ってきているガンバ、そしてマリノス、レッズと強敵が続きます。が、この日主力を欠きながら組織を崩さず守りきったと言うのは大きい。今後の相手に対しても、そう大敗することはないでしょう。「セカンドステージは優勝争いに絡む」と言う今西総監督の話が現実味を帯びてきたように思います。
ところで、この日の審判は主審が65試合目の国際主審の太田潔さん、副審はそれぞれ76、59試合目の佐藤満さんと石沢知さんでした。いずれもベテランの審判で、前節経験の浅い審判がトラブルの元になったことを考慮しての配分だったのか、とも思いました。サンフはこの日、イエローカードを3枚もらうなど前半は「この審判とも相性が良くない?」と言う感じもしましたが、後半以降はしっかりとコントロールできていました。一方、イライラを募らせて審判を敵に回したのはむしろ鹿島の選手とサポーターの方。ある判定に対して「審判ヘタクソ」コールなどをしていたのですが、これで却って広島寄りの判定が増えたような気がしました。審判がどちらか寄りの判定をする、と言うことはあり得ないことになっているのですが、しかし彼らも人の子。敵に回すようなことをして得になることは一つもありません。審判にも、相手チームにも敬意を払うこと。これが結局は自分のためにもなることを、選手もサポーターももう一度肝に銘じる必要があるように思います。


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