9/6〜9/12のサンフレッチェ日記



<98.9.12> サンフレッチェのオフィシャルサイトの新着情報によると、「デオデオ・インターネット・ショッピング」からのチケット販売が開始されました。web経由での申し込みをして銀行振込や現金書留、クレジットカードで払い込みすると、これに対してメールが返信されます。このメールのプリントアウトを持ってビッグアーチに行くとチケットをもらえる、と言う仕組みです。本人であることの確認がメールのプリントアウト、と言うのがちょっと不安ではありますが、手軽に購入できるというのはいいですね。また、このチケット販売サイトの売りの一つは、各席からのピッチの見え方が良くわかる、と言うこと。座席の図をクリックするとそこから見たゲームの様子の写真が出てきます。なかなか新しい試みでいいと思いますが、しかしここで改めてビッグアーチでのピッチの見にくさを感じてしまった(私だけかなぁ?)と言うのがちょっと情けないところ。第一球技場改修の「新スタジアム計画」が早く進展してくれるといいんですけど。今日は国内では仙台スタジアムに次ぐ良質のサッカー場である鹿島でのゲーム。私も応援に行ってきます!


<98.9.11> 明日はアウェイで鹿島が相手。監督の交代や本田のリタイアなどでかつてのような「強さ」が感じられないこの頃ではありますが、ジョルジーニョも出れそうですし手強い相手には間違いありません。広島の鹿島でのゲームは比較的競った展開になることが多く、昨年は延長の末Vゴール負け、一昨年はPK戦で勝利といずれも延長にもつれ込んでいます。清水戦で見せた「絶対負けない」と言う気力をチーム全体が発揮できるかどうか、がカギとなりそうです。予想されるサンフのメンバーは、
         下田
        
  フォックス ポポビッチ  上村
    
 柳本    桑原  吉田康   服部

      山口敏  ビドマー

         大木

SUB:前川、宮澤、伊藤、皆本、秋元
と言うところでしょうか。久保のところを大木に代えただけですが、「ウイニングチーム・ネバー・チェンジ」と言うようにここのところうまく回転しているチームをそういじる必要は無いでしょう。アウェイゲームということで、清水戦よりはより慎重な、守備に重点を置いた戦い方を選択するのでしょうが、このメンバーで充分そう言う戦い方ができると思います。


<98.9.11> 昨日書いた久保選手の処分についてですが、Jリーグは昨日通告してきた、と中国新聞の記事にありました。「審判への侮辱」と言うことで2試合の出場停止、とのこと。私の昨日の予想は外れたわけですが、しかしこれまでの同種の問題に関する裁定では「4試合出場停止」(昨年のラモス、ストイコビッチ)と言うものが出されていただけに、それに比べると「情状酌量」してもらったらしく、これには、元審判の方やサポーターからのJリーグ事務局へのファックスなども効果があったようです。久保選手にはこれをいい薬にしてもらいたい。どんな事情があろうとピッチ上での暴力行為は許されないこと、それがチームに迷惑をかけ、自分のためにもならないこと、そしてみんなそれを見てるんだよ、と言うことを自分に良く言い聞かせて欲しい。ファイトする気持ちを前面に出すのは必要なことですが、一緒にプレーする相手や審判を尊敬する気持ちがまず無くては、一流選手にはなりえない、と思います。先日の審判の問題はJリーグにもちゃんと反省して欲しいし、2度とあのようなことが起きないようにして欲しい、と言う気持ちは私も一緒ですが、だからと言って審判を小突いたことは正当化されないわけですから。久保選手には今後もう一つ成長した姿を、ガンバ戦で見せて欲しいものです。なお、先日書いた「ガンバ戦ツアー」ですがこの火曜日の「ゴ〜ル!」ではまだ席に余裕がある、と言っていました。割合お得なツアーだと思いますので、久保選手の復活を見たい方は是非。


<98.9.10> 清水戦で退場処分を受けた久保選手が何試合の出場停止になるか気になるところ。私なりにいろいろと調べてみているのですが、今のところはっきりした情報はつかんでいません。この種の処分を決めるJリーグの規律委員会は7日に開かれているので、既に決まっているはずなのですが。昨日の毎日新聞によると、神戸戦で相手選手を殴ったマリノスのバルディビエソと、平塚戦で相手を蹴った京都の山田隆裕の両選手がともに「乱暴な行為」と認定されて2試合の出場停止になったとのことですが、久保選手についての記述はありません。第3節で退場処分を受けた選手は全部で6人いますが、大岩、スコルテン、レディアコフの3人はイエロー2枚での退場ですので1試合の処分で済んでいるはず。ですから久保選手だけが不明なわけですが、新聞で特に言及していないということは「出場停止1試合」と言うことなのかもかも知れませんね。因みに7日の夜に放送された「ゴ〜ル!」では、今岡祐子さんがちらっと「久保選手は鹿島戦だけ出られない」と言っていましたが、これは規律委員会の情報を得た上で発言だったのかも。どんな事情があっても、審判に手を出すのは許されることではない(プロ野球でさえ、退場ですから^_^;)のですが、久保の場合主審ですらイエローかレッドかで迷ったぐらいですから、バルディビエソ、山田より処分が軽くても当然、と判断されたのかも。再開後はホームで4連勝中のサンフレッチェ。次々節の柏戦はアウェイ帰りでなおかつ中2日しかない、と言う苦しい日程でもあり、久保選手には是非復帰してもらって、「反省」のゴールを決めて欲しいものです。


<98.9.10> 10月10日体育の日に行われる「JOMO Cup」の日本人チームを選ぶサポーターズ投票が9月20日まで行われていますが、9月4日に発表された第2回中間発表ではサンフレッチェからランキング入りしている選手が1人もいない、と言う非常に寂しい状態になっています。インターネット投票も可能(1人毎週1回投票できるらしい。毎月曜〆切ですので、あと2回投票できることになります)ですので、こちらのページからぜひサンフレッチェの選手に投票を。


<98.9.9> 8/29の札幌戦で右ヒザ前十字じん帯を損傷し、一時は手術の必要があるかも、と心配された大久保選手ですが、意外に症状は軽く順調に回復しつつあるそうです。(昨日の「ゴ〜ル!」と、清水戦でサイン会をしていた本人に直接聞いた情報による。)怪我から2週間でランニングが可能な程になっており、10月半ばの復帰へ向けてリハビリ中、とのこと。となると、10/17の磐田戦か10/21の川崎戦あたりが目標になりそう。せっかく調子が上がってきたところだけに残念なリタイヤではありますが、よもやこれで来年の契約をしてもらえない、と言うことは無いでしょうし、来年以降に向けてじっくり直して欲しいものです。


<98.9.8> 右ひざを痛めて戦列を離れていたグッドマンが、昨日の練習から5週間ぶりに復帰しました。(今朝の中国新聞から。)メニューを全部こなした練習後は、「まだ右足に痛みはあるが、ボールを蹴った感触は問題なかった。日々良くなっている」と語りましたが、今週末の鹿島戦については「前日まで待たなくては分からない」とのこと。トムソン監督は「1試合程度はサテライトで試したい」と言っており、早ければ10日(16:00-)に揚倉山健康運動公園で行われる広島経済大学戦に出場するのではないでしょうか?一方、8/8の鹿島戦で右足首を痛め、練習への合流と離脱を繰り返していた大木も昨日全メニューをこなし、「今日は痛みが無かった。いい状態になっている」と、早ければ鹿島戦で復帰できそうな感じ。久保不在で得点力の低下が心配されるだけに、この2人にはなんとか早く復帰して来て欲しいものです。


<98.9.8> 日曜日に行われたチャレンジャーズリーグの京都戦は、雨の中の対戦となりましたが5-2で勝ちました。サンフレッチェのメンバーは、GK:前川、DF:宮澤、小島、川島、MF:金本(→安武67分)、山根、古賀、石川、皆本、FW:松岡、松永(→秋元69分)、SUB:植田、行友、山下、岩村。対する京都は、GK:櫛引、DF:小田切、平岡、角田、大森、MF:アマリウド、吉田、朴、冨田晋、FW:福留、伊藤。サンフは松永がワントップでその下に松岡、山根、石川がボランチで皆本がゲームメーカー的役割を果たしていたそうです。ゲームは序盤は落ち着かない展開で、5分に京都の平岡、8分に広島の石川、10分に広島の宮澤、16分に京都の福留がゴールして2-2となります。ここから徐々にサンフレッチェがペースを握って行き、ダイレクトでの球回しなども良く通るようになったそうです。36分には松岡が左足で、41分には川島が頭で決めて突き放すと後半はすっかり広島ペース。59分には川島がミドルシュートを決め、結局このまま試合を終えました。メンバー的には勝って当然、と言う気がしますが、ともあれ怪我人が順調に復帰してきているようでなにより、というところでしょうか。後はグッドマンと大木の復帰を待つだけ、と言うところですね。


<98.9.7> 清水戦の2点目について、気持ちが収まらないのでもう少し書きます。新聞などによると、マッチコミッサリーの氏家祐輔と言う人は、「審判団と話したが、ボールが二個あったかどうかは確認できなかった。しかし、試合のすべては主審の裁量である」と語っていたそうです。確かに「試合のすべては主審の裁量」かもしれません。が、だったらマッチコミッサリーは何のためにいるんでしょう?「全能の支配者」である審判を、一番高い立場から監督するためにいるのではないのでしょうか?「審判団と話したが、ボールが二個あったかどうかは確認できなかった」と言うのは、要するに審判だけでなく氏家氏自身も良くわからなかった、ということでしょう。でも実際はどうだったか。テレビの映像などを見る限り、確かにこちらもピッチ上に2個同時にボールが存在している瞬間は捉えていません。しかし、昨日「元気丸」で流れたサンフゴール裏からの映像によると、まず久保と清水の安藤がボールを追いかけるシーンに寄って映していたところ、安藤が慌ててボールを蹴り出す。そこでさっとズームで引いてゴール前を映すと、既に清水の選手がペナルティエリアに殺到していました。その間、ほんの0.何秒か。少なくとも、ボールがピッチの外に出て、それからスローインした、と言う時間の余裕はなかったことは間違いありません。昨年から導入されたマルチボールシステムは、どのボールがプレーされているボールか審判がしっかりと管理して、両チームの選手に徹底しないことには機能しません。昨日も書きましたが、あの時はそもそもボールがラインを割った、と言う審判の判断が遅かった。本来ならラインを割った時点でさっと副審の旗が上げられ、間髪を入れずに主審が笛を吹くべきですが、あのときは服部(ビドマー?)が蹴ったボールがピッチ内で何バウンドかしてから吹かれています。その時にはボールはラインのかなり(2mぐらい)内側にあったので、笛がなる瞬間まで選手がそのボールに意識を集中していたのは当然です。で、笛が遅かったため、選手達は一瞬何の笛なのか分からなかった。ボールが落ちたのが清水のDFラインの付近だったので、「オフサイド?」と思った人も多かったはずです。こう言う状況だったら、まず選手はプレーを止め、審判を見ます。もし笛がなったのにプレーを続け、ボールを蹴ったりしたらイエローを貰うのは必定ですから。そこでふっと集中が切れた瞬間、笛が鳴ったときにボールがあったところとは別のところから清水のスローインがあったわけです。これははっきり言って、ボールが2個あったかどうか、と言うのとは別のことです。審判の判断の遅れが、両チームの選手に均等であるべきプレーの機会をアンバランスなものにしてしまったのです。もちろん、こう言うときは審判はプレーを止めて、ボールを反則のあった元の位置(いったい、どこが正しい位置だったんでしょうねぇ?)に戻してプレーを再開させるべきでした。審判の明らかなミス、と言えるでしょう。
さて、そこで次の「久保退場」のシーンに続くのですが、最初久保はそれほど激高して抗議していたようには見えませんでした。単に冷静に副審に抗議した、と言うように見えます。ところが副審は全く聞く耳を持たない。すると主審が走ってやってきます。この主審に抗議する皆本や柳本、そして桑原。主審と副審が並んだところで周りを取り囲んでいたのはむしろこれらの選手達で、久保は押しだされるような形で後ろに下がります。副審は顔を引きつらせて無視を決め込んでいます。これを見た久保は再び副審のところに行って何か言います。「元気丸」によると、「新しいルールでもできたんか?」と言ったそうな。そして同時に手で肩のあたりを押したように見えました。すると副審は突然大声とジェスチャーで、久保を指さして主審にアピール。主審はこれに応えてイエローを出します。しかし副審はこれに収まらず再び顔を引きつらせてアピールします。その間久保は、何もしていません。むしろ他の選手に押しだされるように後ろに下がっていました。しかし主審は、そこで「1枚目」としてレッドを提示するのです。実際、後の記録を見ても1枚目のイエローの記録はなく、退場の記述があるのみです。つまり、1枚目のカードは「ウソ」だったわけで、ここでも審判はミスを犯していることになります。これらについて、サンフレッチェと久保だけが罰を受けて、審判は何もおとがめを受けない、とすれば、いささか納得できないものがあります。
レッドを受けた久保は、激高している、と言う感じではなくむしろ悲しそうな表情でした。そして更に抗議を続けるチームメイトに背を向けて、1人とぼとぼとベンチに向かって帰っていきました。ガラス窓の向こうからピッチを見つめる姿は、自分を責めているような、そんな感じを受けました。このところの久保は、アウェイの清水戦や札幌戦でピッチ内でレッドカードをもらっても不思議じゃないような暴力行為をしていたので、そう言う意味では「良い薬」になったかもしれません。しかし、例えば教育現場で子供にして悪いことを教える時には、悪いことをしたその時に、きっちりと指摘してやらないと意味が無いんですよね。久保の場合のように、本当に悪いことをしたときに叱らず、同情の余地のあるときに罰を与えると言うのは、教育のやり方としては最低なのです。この件で久保がいったい何試合の出場停止になるのか分かりませんが、この件を糧にして更に成長してくれるか、あるいは「グレて」しまうのか。トムソン監督は今回の件で、提訴しても無駄だからしない、と言っていたそうですが、久保のためにも、何らかのアクションを起こして欲しい、と願いたいのですが。


<98.9.6> 昨日の清水との対戦は、山あり谷ありのドラマのような展開の末、PK戦で勝利しました。サンフのメンバーは次の通り。
         下田
        
  フォックス ポポビッチ  上村
    
 柳本    桑原  吉田康   服部
 (→伊藤88分)
      山口敏  ビドマー
      (→皆本55分→秋元90分)
         久保

SUB:前川、宮澤
「ホームでは攻撃的」の言葉通り、サンフは前半からラインを押し上げて積極的に攻め込みます。序盤からワントップ気味の久保にボールが通って2度ほど決定的場面を迎えます。しかし、なぜか1対1に弱い久保のシュートは枠を捉えることができず、「また札幌戦の再現?」と悪い予感が。一方清水も何度か決定的場面を迎えますが、この日は小さなミスが多くゴールできません。ただ、サンフのラインが高かった関係で下田が前に出ていることが多く、これを見て遠目から頭越しのシュートを放って来てひやりとするシーンも何度かありました。両チームとも良く足が動き、拮抗した展開だった前半22分、サンフは右サイドから柳本がやや内に切れ込んで柔らかいボールをDFラインの裏に出します。これに反応した久保がかぶるような形で前を向くと、そのまま直接ファーサイドに流し込むようにシュート!簡単な場面で外すくせに難しいゴールを決める、久保らしい鮮やかな得点で、これがサンフレッチェとしてJリーグ通算300点目のメモリアルゴールでした。前半はこのまま行くか、と思ったらまたやってくれたのが久保。相手のパスをカットした山口敏が右サイドでボールをキープ、それをシュートに行くと見せかけて中央に位置した久保にパスします。これを打ったボールはDFに当たってもう一度久保のところへ。これをボレーで叩き込み、貴重な2点目をゲットしました。前半を終わってスタンドは楽勝ムード。「アルディレス監督が何というか聞いてみたい」との声もちらほらで、サンフの素晴らしいサッカーに酔った前半でした。
しかし、これまではこの日のゲームの単なるイントロでしかありませんでした。後半、いいところの無かった澤登を変える、と言うショック療法を施してきた清水が猛攻を仕掛けてきて、最初からずっと押されっぱなし、攻められっぱなしになります。清水の1点目は、CKからのこぼれをオリバが地面に叩き付けるシュートを放ったのが大きくバウンドして下田の頭を越えるという、やや不運なものでしたが、しかし流れとしては仕方が無かったような気がします。その流れは、山口敏から皆本に代えて守備を固めても止まりません。久保がワントップで頑張り、中盤もDFラインに吸収されないように我慢しますが、清水にパスを回されて守備が混乱し、そのうち誰かをフリーにしてしまって決定的な場面を迎えるという、まるで1ヶ月前のアウェイのような展開。残り時間もたっぷりあり、守りきれるかどうか心配していた後半26分にその「事件」が起きます。左サイドでボールをキープした服部(ビドマーだったかも?)がサイドライン沿いに前線の久保にボールをフィード。これをサンフの選手が何人かで追います。すると一拍おいて審判の笛。「あれ、どこでボールが出たの?」と選手も観客も怪訝に思いながら、まだピッチ内にあったボールに気を取られます。ところがボールボーイが清水の選手に手渡したボールは服部(ビドマー?)が居た位置から素早くスローインされ、あっという間にゴール前に侵入され最後は中央で待つオリバがゴール。なんだかあれよ、あれよと言う間のできごとで、収まらないのはサンフの選手達です。この日はバックスタンド前の副審のジャッジが不安定で、何とは無しに自信なさ気に旗を上げていたのですが、この時も服部(ビドマー?)の位置でボールが出ていたのならそこでジャッジすべきだし、蹴ったボールがラインを割っていたのならスローインの位置が違っていたはず。それにスローインした時点ではピッチ内にボールが二つ入っていたのです。主審も副審も、笛を吹いてスローインを止めるべきでした。ゴールが認められると選手達は審判に詰め寄ります。特に久保が副審に詰め寄り、小突いたようにも見えました。これでまずイエローが提示され(おそらくこれは暴言)、次いでレッドカード(非紳士的行為か?)が出されてしまいました。点を失っただけでなく攻撃の要をも失う、と言うサンフにとってはまさに痛恨のできごとでした。
しかし、これでサンフイレブン(じゃなくて、もう「テン」になっちゃったけど)が燃えます。それまで精神的にも清水に押されていたのが嘘のように、1人減ったのが嘘のように気迫あふれるプレーを展開します。こんなことで負けてたまるか、勝って絶対に見返してやる、と言う気持ちが乗り移った感じ。こう言うことがあると、えてしてプレーが荒れてイエロー続出、と言う感じになるものですが、この日はそうはならずクリーンで激しいゲームとなります。まあ、全体として攻められ続けたのは確かだし、攻めはというと本来中盤のビドマーがワントップということでほとんど形にならなかったのですが、それでも「勝つ意思」を感じさせるサンフのプレーはあの「事件」に怒る観客をも巻き込んで徐々にビッグアーチを一つにして行きました。これに答えたのがトムソン監督。後半終了間際に足の状態が良くない柳本を伊藤に代え、更に延長に入って「守備要員」の皆本に代えて新人の秋元を投入します。この秋元は元気に走り回って清水のDFラインに脅威を与え、延長前半には単独でドリブル突破して中央に走り込むビドマーにパス、ビドマーのシュート!と言う決定的場面も演出しました。(なお、この場面はビドマーがGKの正面に打ってしまい、Vゴール勝ちがならなかったのが残念でした。)延長後半、1人少なくて疲れているサンフよりも先に足が止まったのはむしろ清水。ずっと押されっぱなしだったサンフは、最後の力を振り絞って攻め込みます。本来攻撃的ポジションの選手が少ない分を、伊藤やフォックスや、ポポビッチ、上村が入れ替わり立ち替わり前線まで上がってゴールを狙います。最後まで集中力を極限まで保って攻め、守り、ゲームはPK戦での決着となりました。
さてPK戦。実はゲームの前半、応援は清水のサンバ隊に押されてどっちがホームか分からない、と言う感じだったのですが、後半はゴール裏以外のそれまでおとなしかった観客も声を出し、手を叩いて応援してビッグアーチが一体となっていったのです。それがPK戦での観客の大移動を呼びます。選手達が休憩している間に観客がゴール裏に続々と集まり、最後には元々のゴール裏サポーターの数倍(もしかすると10倍ぐらい?)の数に膨れ上がりました。ゴール裏に行かなかった観客もエキサイトして、自然発生的に「止めろ、止めろ」のコールも。この応援の後押しもあってサンフの選手はPKでは一つのミスもなく、吉田、桑原、フォックス、ビドマー、ポポビッチ、伊藤、上村、秋元と決め、下田が清水の8人目の大榎を止めて長い戦いに決着を付けました。
勝ち点3を取るはずが1しか取れなかったサンフは、これで2nd stageの順位を1つ落として8位。通年順位は12位で変わらないながら、13位の平塚に勝ち点で並ばれてしまいました。しかしこのゲーム、押されながら、10人になりながら最後に勝利を収めたというのは、勝ち点以上に得たものが大きかったのでは?チームの団結、気迫、そして自信を得たことは、次節以降へつながるものと信じます。


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