10/24〜10/30のサンフレッチェ日記



<99.10.30> 今日の鹿島戦はビッグアーチで午後3時キックオフ。「秋のサンフレ大感謝祭」と言うことで(まるでスーパーの大売り出しみたい^_^;)様々なイベントが行われます。目玉は200円を払って参加できる大抽選会。選手の愛用品やサンフレッチェグッズ、食事券など空くじ無しでプレゼントされます。昨日の中国新聞の夕刊によるとポポヴィッチの30cmの靴(スパイクだったかな?)も出されるそうで、当たってもたぶん履くわけには行かないので「魔除けにしてください」とのこと。午後1時からで先着1,000名様限定となっていますので、お早めにどうぞ。その他、ハーフタイムプレゼントは「森保、久保、沢田との昼食会」へのご招待。明日12:00〜13:30にリーガロイヤルホテルで行われるそうです。更に先着プレゼントとして「勝ちカチッしゃもじ」6,000本、デンターライオン800個、ジェット風船3,000本を用意。フォックス、服部のサイン会や、「親子でハイタッチ」(受付13:30〜)など盛りだくさんの企画となっています。
ところで、昨日「古賀×名良橋のマッチアップが心配」と書きましたが、名良橋は出場停止だったんですね。(チェックするのを忘れてました。)広島フットボールによると、代役の右サイドは内藤になる模様。スピードはそれ程でもなく守備に強みを発揮する選手なので、むしろ古賀がどれだけ攻撃参加できるか、がポイントになりそう。展開によってはU-22でサイドに起用されるかもしれない(?)藤本をここに置き、中央に山口が入る布陣も有り得るかも知れません。

<99.10.29> 明日からいよいよ2nd stage再開です。優勝に絡むためには残り5試合もう一つも負けられないサンフレッチェの最初の相手は鹿島。今年はこれまで怪我人の続出と戦術面がフィットしていなかったのとで下位に低迷してはいるものの、潜在的な力は十分に備えているチームです。本田、増田と主力選手も続々と復帰してU-22代表の平瀬などは実戦練習にも入れてもらえないそうで、上位をかき回す、と言うつもりで(またナビスコ杯決勝への準備のつもりで)全力をあげてサンフを叩きに来るものと思われます。こちらのメンバーは、ポポヴィッチ、服部、フォックスを欠いて次のようになると予想します。
        下田

    伊藤  桑原  上村

沢田        森保    古賀
     吉田康
         藤本
        
      久保  高橋

 SUB:前川、川島、吉田幸、山口、森山
先週の上海戦の前の予想では「ユースの選手を入れるかも」と書きましたが、「広島フットボール」によるとそれは無さそう。リベロに桑原を入れて、先日の「紫白戦」に出場した選手でメンバーを構成するものと思われます。ポイントはリベロ、そして左サイド。特に古賀が名良橋に1対1で負けて、あるいはスピードで振り切られてサイドを破られると、上村が引きずり出され桑原がカバーに走り、中央が手薄になってピンチを招く、と言うパターンが続出する可能性があります。ここでの守備をどれだけ頑張るか、そして名良橋が上がった裏を藤本などがどれだけ使えるか、がゲームを分けることになるかも。主力を欠く、とは言え攻撃の面子は揃っているので、1点取られても2点取り返す、と言うつもりで頑張ってほしいものです。

<99.10.29> 昨日発表された五輪予選カザフスタン戦に向けてのU-22日本代表候補に、藤本主税選手が選出されました。先日も書いたように個人的には次も選ばれるだろうとは思っていましたが、しかし実際に中田英が選ばれても落とされなかったのは、やはりタイ戦でのパフォーマンスが高く評価されてのことでしょう。これでシドニーに向けて第2関門を突破した、と言う所だと思います。フォーメーション的には攻撃的MFに中田英が入ることは間違いないので、藤本が使われるとすればサイドかFW。藤本は、FWでも右サイドでも左サイドでもどこでもやれと言われればやれる、と意欲満々の様子です。実際キャンプではトルシエ監督にマンチェスターユナイテッドのベッカムを例に挙げて「今のサッカーは10番の選手がサイドに行く時代だ」と言われたそうで、U-22代表自体も藤本がサイドに入ることでまた新しい姿を見せてくれるかも知れません。藤本は2回目の召集ということもあって今度は「グラウンドに出て、ゴール決めて、勝って(五輪出場を)決めたい」と語り、ゴールを決めたときの阿波踊りを公約。また中田英に関しては、福岡時代にやったが「あまり印象に残っていない」。「みんな、凄い凄いって言ってるけど……悔しくないんかなあ、そういうのって」と、同年代の選手として負けたくない、と言う強いライバル意識を持っている様子。このへんも、ついつい中田英頼りになりがちなU-22代表にとっては重要かも知れません。「正直に言えば、今は土曜日の試合しか、考えられない。そこで頑張って、いい感じで行きたいですね。」と語る藤本の、明日のパフォーマンスが非常に楽しみになってきました。(なお、インタビューの内容は「広島フットボール」から引用しています。)

<99.10.28> 熊本国体のサッカー少年男子の部は昨日準決勝が行われ、広島選抜はユースの森崎浩が得点したものの1-3で敗れました。3位決定戦は長崎の国見高と対戦します。

<99.10.27> 今朝の報道によると、日本サッカー協会の大仁技術委員長はトルシエ監督と会談し、五輪予選の残り2試合にペルージャの中田英選手を召集する方針を確認したそうです。私はこの話を初めに聞いた時、この予選突破が至上命題のトルシエ監督と協会にとっては打てる手を全て打つのは当然だろう、と思ったのですが、しかし今回のこの召集は「予選の情勢に関わらず」と言うことらしい。つまり30日のタイ×カザフスタンが引き分けになって日本の予選突破が決まっても呼ぶ、と言う事になります。となると、召集の意図は「チーム作りのため」と言うぐらいしか理由は考えられません。シドニー五輪は出場するだけでなく、今度は最低でもグループリーグの突破をと考えるなら、中田英の出場と活躍は必須。となると、その中田英を入れた「本来の布陣」で一試合でも多くこなしてチームを熟成させたいところなのでしょう。(昨日あたりの報道では、シドニーでも「3人枠」が採用されたとしても日本はO-23の選手の補充はしない方針、だそうですから。)それに所属チームとの力関係もあります。これまで中田英を召集するときはペルージャの意思をできるだけ尊重し、セリエAのゲームが無いときに限っていました。しかし、来年シドニー五輪がイタリアのリーグ戦の真っ最中に行われる以上、どこかで強引に行かないといけないわけです。となると、ここで強く協会の意思を主張しペルージャに譲歩させると言うのは、ひょっとすると今後のことを考えて重要な駆け引きの一環なのかも知れません。今後この問題がどうなるかは、協会の政治力が試されている、と言う目で見る必要があるかも?
ところで、そうなると気になるのは中田英が召集されたときに藤本選手はどうなるか、と言う事です。もともと藤本の召集は、中田英が不在の中で攻撃的MFのポジションを補強するためのもの。藤本はその期待に見事に応え、十分役目を果たせるところを見せました。ところが今度は「本家」の中田英が来るわけで、普通に考えればその「代役」は不要になる、と考えることもできます。しかし私は、少なくとも次の合宿には呼ばれるだろう、と思います。藤本は先日のタイ戦で十分持ち味を発揮しましたが、しかしそれは単に「活躍した」と言う一言で片づけられない価値があることでした。私がタイ戦の前に(余計な^_^;)心配をしたように、先日の召集は藤本にとっては突然のことで、準備不足で力を発揮できないという可能性は十分にあったわけです。ところが、彼はいつ呼ばれてもいいように常に備え、調子を整えていた。そしてたった二日間の練習(それもアピールの場は特に与えられず、戦術練習だけだったらしい)でチームに入り込み、ライバルたちと軋轢を生むことも無くチームに溶け込めました。(別に本人に聞いたわけではありませんが、試合中の表情を見れば一目瞭然でしょう。)その上、スタッフから「左サイドもできるか」と聞かれて「どこでもやります」と即答したそうです。このへんを見る限り、彼のサッカーに対する「クレバーさ」が並外れたものであることが伺えます。こう言う選手は、チームが苦しい状況になればなるほど必要とされるもの。ゲームに出れても出れなくても、その存在自体がチームにプラスに働く選手です。だから個人的には、中田英の代役を十分に務められず左サイドもいやいややっている中村が外されることがあっても、藤本が外されることは無い、と見ます。藤本選手が尊敬する都並氏が、ゲームに出れるコンディションではなかったのにドーハまで一緒に行ったように、藤本もU-22代表に不可欠の選手、と言う事になるのではないかと思いますし、またそう期待したいと思います。

<99.10.27> 熊本で行われている秋季国体で、サッカー少年男子の広島選抜は着々と勝ち上がっています。1回戦は森崎和(広島ユース)、堀(皆実)のゴールで2-1で三重選抜を、2回戦は森崎浩(広島ユース)、OG、寺内(広島ユース)のゴールで3-2で茨城選抜を破り、昨日の準々決勝では柴村(皆実)と寺内2のゴールで大分選抜を3-2で下して準決勝に進出しました。ベスト4は静岡選抜、国見高(長崎)、千葉選抜と強豪揃い。2試合連続で延長を戦っている選手達は体力的にも大変でしょうが、皆実高の高校総体優勝に続いて2つめのタイトル、と行きたいところです。なお成年男子は1回戦で京都選抜に1-0で勝ったものの2回戦で熊本選抜に0-3で敗れ、更に成年女子も残念ながら準々決勝で福岡選抜に敗れています。

<99.10.26> 今朝の中国新聞と昨日の広島フットボールによると、昨日の練習中ポポヴィッチが左足ふくらはぎを肉離れし、今季の出場が難しくなりました。ペドロ氏によると2週間の安静が必要で、リハビリを含めると最低3週間はプレーできないとのこと。復帰は早くても11/20のガンバ戦以降となり、下手をするとシーズン終了まで難しいことになりそうです。とりわけ困ったことになるのが今週末の鹿島戦。フォックスも出場できない(服部同様、累積警告です)のだそうで、代役のリベロは桑原が務めることになりそう。優勝争いに絡むためにはもう一つも負けられないサンフにとっては、この鹿島戦を乗りきれるかどうかが最大のポイントとなりそうです。

<99.10.25> 広島フットボールによると、予定していたサテライトのチャレンジャーズリーグの日程が変更になり、土曜日はトップ、サテライト合同で紅白戦(ユニの色が白と紫なので、「紫白戦」と言うべきか?)を行ったそうです。メンバーは
   【白(レギュラー)組】             【紫(控え)組】

       下田                     前川

   伊藤 ポポヴィッチ 上村          ロニー フォックス 川島

沢田   桑原  森保     古賀    宮崎      吉田康     服部(→宮崎46分)
                      (→吉田幸46分)
       藤本                 山口      大久保

    高橋    久保               森山    大木
                           (→秋元46分)
ここでロニーは練習に参加している18歳のブラジル人(ただし獲得の意思無し)。ゲームは起伏に富んだ非常に面白いもので、広島フットボールによると「上海申花戦よりも、100倍くらい楽しかった」のだそうです。ゲームは最終的には3-3だったのですが、ゴールはいずれも非常に美しいもの。先制点は紫組で、山口がループ状にDFの頭越しに出したパスを大木が鋭く右足を振り抜いてネットに突き刺しました。2点目は久保の同点弾。横パスをかっさらってDFの間を抜けるとGKと1対1になり、フェイントでかわしてゴールを決めたもので、「まるで、ロベルト・バッジオ。国立を湧かせたアーティステッィクなフェイントが、吉田サッカー公園で再現された」と最大限の賛辞が贈られています。3点目は服部のシュートのこぼれに森山が鋭く反応。4点目も久保で、1点目同様相手のミスを拾ってあっと言う間に前川と1対1になり、脇を抜けるシュートを決めたそうです。5点目は藤本のスルーパスに抜け出した久保を前川が倒してしまいPK。そして6点目は、後半終了間際にフォックスが壁の外側を巻くようにしてゴールを陥れた「スピードといい、角度といい、描いた軌跡といい、まさにファンタスティック」なものだったそうです。控え組をそのままゲームに出しても遜色のないメンバーと言えるほど層が厚くなったサンフの「紫白戦」は、非常に充実した実のあるものだったようで、今週末のJリーグ再開に向けてまずは順調な仕上がりと言えるのではないでしょうか。
なお、ここを読んで居る方のほとんどは既に広島フットボールを御存知だと思いますが念のため紹介しておきます。「広島フットボール」はサンフレッチェを中心に日本代表、世界のサッカーから広島県のサッカーまで話題満載のメールマガジン。週3回の発行で、講読料は1,500円/月から10,000円/年の間のいくつかのパターンから選べます。この「紫白戦」の内容は、ここに紹介した分量の10倍ぐらい書いてあって読みごたえもたっぷり。サンフレッチェのファンの方すべてにお勧めします。お申し込みは広島フットボールホームページからどうぞ。

<99.10.24> 今日はサンフレッチェのネタがないので、昨日のアジアスーパーカップ「ジュビロ磐田×アル・イテハド」の感想を。リーグ戦の王者とカップ戦の王者が対戦する「スーパーカップ」は、ヨーロッパでは多くはチャリティマッチと言う形式で行われるように一種の「花試合」。その年のシーズンが始まる前に、プレシーズンマッチの一環として行われることが多いものです。アジアの「スーパーカップ」はこれまでそう言う意義すら希薄。そしてやはりエキシビジョンの域を出ないもので、第1回大会の勝者が横浜フリューゲルスだった、なんてほとんど誰も覚えていなかったのでは無いでしょうか。しかし、今年は意義が違います。どういう政治的な意図があったのか知りませんが(たぶん、サウジアラビア選出のFIFAの理事が関係しているのでしょう)、このカップ戦の勝者が来年の世界クラブ選手権の出場権を得ることになったのです。(本来なら、アジアクラブ選手権〜ヨーロッパチャンピオンズリーグにあたるもの〜の勝者が出るべきだと思うのですが。)世界クラブ選手権はヨーロッパや南米のクラブにとっては不評ですが、アジア勢(等)にとってはめったにないチャンス。是非とも出場して、マンチェスターユナイテッドやパルメイラス(今年の場合ですが)の胸を借りたいところでしょう。と言う事で今年はこのカップ戦の注目度もアップして、BSで生中継が行われるほどになったもの、と思われます。これまで日本は「アジアの一員」とは言いながら「アジアクラブ選手権(ACC)」や「アジアカップウィナーズカップ(ACWC)」はほとんど無視されJリーグとの日程の重複はしょっちゅうで、テレビ中継はもとより二軍を送るクラブも多かったことを考えると、非常に前進した、と言えるように思います。
と言う事で、その磐田×アル・イテハドのゲーム。名波が抜けた後、パスを繋ぐ良いサッカーを展開しようとして壁に当たって結果が出ていない磐田が、サウジの勝負強いサッカーとどれだけ戦えるか、と言う事が注目点だったと思います。序盤はサウジのペース。高い位置からのプレスで磐田に自由にプレーさせず、全体的に押し込んでゲームを展開しました。しかし磐田は落ち着いてこれを抑え、前半半ばからイーブン〜磐田ペース。ワンタッチ、ツータッチの速いパス回しでサウジを翻弄し、何度かチャンスを作ります。しかし、磐田の選手は全体的にシュートが遅い!ボールを繋いでゴール前に入っても、ダイレクトで打たずトラップしてから、と言う意識が強すぎるのかなかなかゴールに向かってのプレーができません。しかしサウジはそこまでも行かない。時折個人技で一人、二人と抜くものの、ゴールまでのラストパスが余りにも雑でシュートにも入り込めずに決定的チャンスが作れません。お互い中盤のプレッシャーが緩いところでは組み立てができるもののゴール前のタイトなところではアイディア不足、と言うアジアでは良くあるパターンでゲームが推移しました。
ゲームを決めたのは中山。CKのクリアミスを見逃さずにゴールに蹴り込んだもので、中山としては怪我から復帰しての久々のゴールでした。中山はこれ以外にも中盤から前線まで至るところに顔を出し、怪我の後遺症を感じさせない「日本代表」らしいプレーぶりだったと思います。逆にさえなかったのは、U-22代表で売り出し中の高原。前線でポイントを作るべきところであっさり潰されるなど、中山と比べるとどうしても未熟さが目立つプレーが多かったと思います。全体的に押しながら追加点が取れなかった磐田のプレーぶりには不満も残るのですが、しかしそれでも思うのは日本のチームの成長ぶりです。ほんの数年前、例えばドーハのアメリカW杯予選、あるいはアトランタ五輪予選、サウジアラビアは大きな壁でした。サウジの選手個々の高い技術に振り回され、日本選手はあっぷあっぷの状態でようやく勝ちを拾っていた、と言う感じでした。しかし少なくともこのゲーム、日本代表を多く輩出していてかつ外国人はアジウソンしかいないジュビロと、新旧のサウジ代表及びU-22代表を揃えるアル・イテハドのゲームは違いました。序盤の猛攻を落ち着いて凌ぎ、その後長い時間自分達のペースでゲームを進め、そして最後は時間稼ぎをして勝ちを確実にする。先日はU-22代表の、一種の「老獪さ」に驚きましたが、このゲームではクラブレベルでの試合の進め方にも「ナイーブさ」が無くなってきた、と言う事を示したように思います。ジュビロはJリーグでは負けが込んだ2nd stage序盤戦とほとんど同じメンバーで、サウジの強豪チームに落ち着いたゲーム運びで勝つことができた。これこそが、日本のサッカーが世界に追いつこうとして着実に歩を進めている、その証左ではないかと思います。
ところで、こういうゲームを見て思うのはこの場にサンフが居ないことの残念さ。先日は上海とゲームをしましたが、しかしやはりタイトルマッチは違います。大事なゲームである、と言う緊張感さえちゃんとあれば、水曜のような気合いの入らないゲームをすることは無かったのではないか、と思います。そのためには、こういうゲームに出るためにはやはり国内でタイトルを取ることでしょう。まだ諦めてはいないJリーグ優勝、そしてこれまで相性の良い天皇杯の優勝。これらを今後勝ち取ることによって、来年こういうアジアのゲームに出る権利が得られるのです。チームのため、ファンのため、そして選手自身のために、来年こそはタイトルを取って、これらのアジアレベルのゲームへの出場権を得てほしいと思います。

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