12/19〜12/25のサンフレッチェ日記



<99.12.25> 中二日で準決勝に臨むサンフレッチェイレブンは、疲れを取ることを考えて昨日はプールトレーニング、今日は早めに大阪に移動して身体を動かすだけにするとのことです。サンフレッチェのメンバーですが、フォックスが清水戦での2枚目のイエローカードを受けており、準決勝は出場停止になるはず。そうなった場合、代役はこのところの成長が著しい川島で決まりでしょう。その他のメンバーをどうするか、も難しいところですが、ヴェルディ相手を考えた特別な戦術練習はできない事を考えると、福岡戦と同じ布陣で行く可能性が高そうです。
       下田
       
  川島 ポポヴィッチ 上村

沢田   森崎和 桑原   古賀

    山口    藤本

       高橋

SUB:前川、伊藤、服部、大久保、森山
対するヴェルディはそもそも故障者続出で解雇予定の牧野を使わなければメンバーがそろわないほどだった上に、横浜戦では要の中沢、北澤が怪我。この二人が出れないとすると出場が可能なフィールドプレーヤーは14人しかいないそうで、メンバー構成に苦労しそうです。とは言え、準々決勝は中沢、北澤が途中退場した直後に先制して巧みなポジション変更で横浜の攻撃を凌いだだけに、ヴェルディの戦術能力を侮ることはできません。今シーズンのヴェルディとの対戦は2連敗。それも1st stageの等々力でのゲームは交通事故のようなミドルシュートで敗れ、2nd stageのホームゲームでは2点リードした後の疑惑のPKの判定から崩れて敗れました。いずれも内容的には上回りながらヴェルディの勝負強さに負けた形でしたし、ここは選手の能力とか戦術よりも、チームとしての「勝つ」と言う意志の強さ、モティベーションの高さが勝敗を分けるような気がします。クラブは既に決勝戦進出を予定して、飛行機で往復する「応援ツアー」を企画しているそうですし、清水戦同様全員の力で「ミレニアムを国立で」の目標を果たしてほしいものです。

<99.12.24> 地面に雪が残る仙台スタジアムでの天皇杯準々決勝、清水エスパルスとの対戦は、サンフレッチェがベンチも含めた全員の素晴らしい集中力で清水を完封し、トムソン体制となって初の準決勝進出を果たしました。
サンフレッチェの布陣は、「広島フットボール」によると次のような5-1-3-1だったそうです。
          下田
       
沢田 フォックス ポポヴィッチ 上村 古賀

          桑原

   森崎和    藤本     服部
   (→川島63分)(→森山89分)
          高橋(→大久保78分)

SUB:前川、山口
序盤からペースは広島。全員の集中力と動きの良さで清水を圧倒し、中盤でボールを支配します。特に相手左サイドのアレックス、右サイドの市川という二人のキープレーヤーを沢田+森崎和、古賀+服部のペアで抑え込む戦術がうまく機能します。更に攻撃面では、アレックスの守備が弱い右サイドを突く戦術を取りますが、これが成功したのが試合早々の3分。サイドの高い位置でボールを受けた沢田がワンツーを狙って森崎和へ。森崎和はいったんフォックスに戻すとリターンパスを受けたときには完全にフリーになっていました。そして中をしっかり確認してハイボールを高橋に送ります。高橋は戸田、斎藤という清水の誇るDFにヘッドで競り勝つと、こぼれたボールに素早く反応してシュート!ボールはファーサイドに飛び込み、高橋自身としては10/30の鹿島戦以来8試合ぶりのゴールとなりました。公称173cmの高橋が競り合った相手は178cmと182cm。この二人よりも先に頭にボールを当てた上に、競り合いの後転んでしまった戸田、斎藤に対し全くバランスを崩さなかった高橋の能力の高さを存分に見せたゴールでした。この日の高橋はワントップというポジションの厳しさをものともせずに奮闘。得点シーン以外にも惜しいシュートを2本放つなど、途中交代するまで素晴らしい働きぶりでした。サンフの追加点は35分。右サイドからのCKを蹴るのは服部。一度跳ね返されたボールを右サイドで服部が拾うと、もう一度ハイクロスをゴール前に放り込みます。飛び出す相手GK真田。競り合うDF。しかしボールの落下点にいたのはファーサイドから一直線に入り込んだ上村でした。一番高い打点でしっかりと頭に当てたボールはDFラインの背後に転々とし、クリアしようと追いかける戸田を嘲笑うかのようにゴールに飛び込みました。その後攻めに出る清水に対し、久々の先発のポポヴィッチを中心とした守備陣は全く崩れを見せません。早い段階からのチェックと最終ラインのふんばりで、前半は清水のシュートらしいシュートをゼロに抑えました。(記録上は2本。)
後半になると、清水は2人交代させスリートップにして勝負を賭けてきます。これに対して広島は、今年しばしば見せた2点リードから勝手に崩れる悪癖を出すことなく、高い集中力で守備を固めます。それだけでなく、時折繰り出すカウンターがまた効果的。藤本が、川島が、大久保がDFラインの裏を突いてゴールに迫り、攻め続けた清水を決定的なチャンスの数では圧倒します。清水はサイドからの突破やロングシュートなどで打開しようとしますが、しかしこの日の広島守備陣には全く通用しません。ペリマン監督はテクニカルエリアを遥かにはみ出しながら声を嗄らしますが、それも効果無し。逆にトムソン監督は余裕の采配で、大活躍の森崎和、高橋を疲れが出る前に川島、大久保に交代させ、これがまたバランスを保つのに役に立ちます。結局ゲームはそのままタイムアップ。サンフにすればゲームプラン通りとも言える会心の勝利で、26日の準決勝進出を決めました。
準決勝の会場は長居。相手は今年、内容的には上回りながら凡ミスと審判の疑惑の判定で2連敗したヴェルディ。入場券は今日と明日、広島西飛行場内の球団事務所とV-POINTで指定席(4000円)と自由席(2000円)を合わせて525枚売り出します。天皇杯チケットはローソンでも販売しているはずですし、沢山の応援でサンフの決勝進出を後押ししたいところです。

<99.12.23> 昨日発表されたカールスバーグカップ(2/5-8・香港)に向けての日本代表候補に、下田崇選手が選ばれました。12月初旬に行われた合宿ではGKが10人も呼ばれ、元フランス代表のジョエル・バツ臨時コーチの指導が行われました。そこで最終的に残った選手は川口、楢崎、高桑、曽ヶ端の4人。下田は怪我のため別メニューで、バツコーチやトルシエ監督のお眼鏡にかなったかどうか心配でしたが、今回川口、楢崎、曽ヶ端とともに選ばれたことで、とりあえずは10人→4人の関門は突破したことになります。今回選ばれた31人の代表候補は1/22からの合宿を行い、その後22人に絞られる予定です。

<99.12.23> 「広島フットボール」によると、今日のゲームでの森保の復帰は無さそう。また、4回戦での伊藤選手の欠場については怪我などの情報は無いので、単に調子が悪いだけなのかも。4回戦ではなかなか良かったらしい川島がそのまま先発するかも知れません。清水相手のゲームは、2nd stageでポイントとなった沢田とアレックスのマッチアップも楽しみですが、伊東、サントス、澤登の中盤に森崎和がどう挑むか、も大きな注目点となりそう。今日のBSの録画中継は1時間半しか枠が取られていないので、ぜひとも90分で決着をつけてほしい、と言うのが個人的な願いです(^_^;)。

<99.12.22> 天皇杯準々決勝の相手は、今季もっとも沢山の勝ち点をあげた「最強」の清水。2nd stageでの対戦は、優勝争いに絡むゲームとしてお互い持ち味を出しながら沢田の怪我で惜しくも敗れたゲームでした。このゲームも厳しい戦いとなりそうですが、しかし清水は一番の目標だったチャンピオンシップの激闘を終えたところである上に、その後のタイトな日程でかなり疲れが出ている様子。3回戦の専大戦、4回戦の京都戦ともやっとのことで勝ち上がって来ました。出場停止で「休養十分」のアレックスが帰ってくる、と言うプラス要素はあるものの、実力をフルに発揮するのは難しいのではないでしょうか?対するサンフレッチェは怪我から回復してきたポポヴィッチが久々に先発しそうです。
       下田
       
  伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田   森崎和 森保   服部

    山口    藤本

       高橋

SUB:植田、フォックス、桑原、大久保、森山
4回戦で欠場した伊藤、森保の状態がどうなのか分からないのですが、今朝の中国新聞によると「戦力的にもほぼベストの布陣」とありますので復帰できるのではないでしょうか。これまでの天皇杯での清水との対戦成績は1勝1敗。96年に準々決勝で当たったときは3-0で快勝し、その後決勝まで進んでいます。その時の再現がなるか。仙台スタジアムでのキックオフは1時。またBSでの放送は7時からとなっています。

<99.12.22> 昨日、大分に期限付き移籍する前川選手の記者会見がありました。前川選手は時折声を詰まらせながら「14年間の広島でのプレーは、周りに仲間がいて楽しくできた」と振り返り、「何年か後にまた戻ってプレーしたい」と広島への愛着を語りつつ、「一年勝負の気持ちで行く。来年はJ1昇格の吉報を広島のファンに伝えたい」と決意を語ったそうです。その一方で、福岡のFW上野優作選手、元札幌のGK加藤竜二選手との契約を正式にかわしたとのこと。更に大分に期限付き移籍中の山根、金本両選手についてはレンタル期間を2001年1月末まで延長したそうです。

<99.12.21> 昨日の日刊スポーツによると、元サンフでヴェルディを解雇された高木琢也選手に対し福岡がオファーを出したそうです。2年前にサンフレッチェのビジョンが見えない、とヴェルディ移籍を選択した理由の裏には首都圏に行けば良い医者がいる、と言うものもあったそうですが、わずか2年で福岡に引っ越しになるとは皮肉な話です。また、同じく元サンフで柏を戦力外となった片野坂知宏選手へは大分からの話が来ているらしい。今年惜しいところでJ1昇格を逃した大分ですが、もともと今年は準備段階で来年が昇格を決める目標とする年。今年の躍進を支えた神野、塩川、崔大植等の選手が続々とチームを離れていますが、その一方で新しい選手の導入も着々。芝生の練習場も新しく完成するなどまるで社長交替時のサンフのような明るい雰囲気がクラブを取り巻いているらしく、こう言う中で元広島の選手がチームの主軸として活躍し、そして来季の昇格を勝ち取ってくれれば我々にとっても嬉しいことではないでしょうか?

<99.12.20> 昨日の天皇杯4回戦は藤本の2ゴールでアビスパ福岡を下し、2年連続37回目(マツダ時代からの通算)のベスト8進出を決めました。サンフレッチェのメンバーは次のようだったそうです。
       下田
       
   川島 フォックス 上村

沢田   森崎和 桑原   古賀

    山口    藤本
    (→森山66分)
       高橋(→ポポヴィッチ75分)

SUB:植田、服部、大久保
ゲームは両チームとも決定力を欠き後半の途中まで無得点でしたが、広島は何度も繰り返した上村からのロングスロー攻撃が後半17分に結実します。ペナルティエリア内での競り合いで、福岡の小島光がハンドの反則をおかしPKをもらいます。普通キッカーとなるポポヴィッチはまだ入っておらず、次に蹴る優先順位は桑原でしたがここで積極的にボールを取りに行ったのは藤本。ゴール左に蹴り込んだボールは小島伸の逆を突き、待望の先制点となりました。しかしそのわずか2分後、今度は広島がPKを与えてしまいます。DFの裏にふわっとボールを浮かして切れ込んだ野田に、上村が後からチャージして倒してしまいます。福岡のキッカー三浦泰の蹴ったボールは下田の読みと逆だったのか一歩も動けず、同点に追いつかれてしまいました。この後は一進一退。お互いペナルティエリア内での攻防が続きますがなかなか決めることができずにロスタイムにもつれ込みました。ここで決着をつけたのは森崎和と藤本のコンビでした。川島が落としたボールだと思うのですが、中盤でのルーズボールを鋭い出足でカットしたのが森崎和。前方でフリーだった藤本にワンタッチでさばくと、藤本はフェイントを入れながら反転してDFを振り切ります。そしてそのままペナルティエリアに侵入すると思い切って右足を振り抜きます。ボールは鋭いドライブを描いてファーサイドのネットへ。歓び爆発の藤本は、国内では久々の阿波踊りを披露しました。この場面、森崎和はたまたまそこにいてボールをフィードしたのではなく、ボールがこぼれてくることを読み、更に藤本がフリーであることを確認してパスを出したそうで、彼の視野の広さ、読みの鋭さがこの公式戦初のアシストに繋がった、といえそうです。これで92年にサンフレッチェになってからは6回目の準々決勝進出。この間の成績は

93年 ○3-1 横浜マリノス
94年 ●0-3 横浜マリノス
95年 ○1-0 ヴェルディ川崎
96年 ○3-0 清水エスパルス
98年 ■1-2 鹿島アントラーズ

となっています。次の相手の清水は強敵ですが、あちらも調子は今一つのようですし、ぜひ勝ち抜いてほしいと思います。

<99.12.19> 今日の天皇杯4回戦の福岡戦は、桑原と森崎和のドイスボランチの先発となりそう。これまで森崎和が出場するときは大久保との組み合わせが多く、どちらかと言うと守備に重心を置いたプレーでした。しかし彼の持ち味はキープ力と展開力。桑原が「潰し役」に徹してくれることによって、彼の実力がますます発揮できるかも知れません。

<99.12.19> 今朝の中国新聞によると、元札幌のGK加藤竜二、福岡のFW上野優作の獲得が決定したとのことです。上野については獲得のオファーを出したものの契約はまだ、との事で、もともと「サンフレッチェでやりたかった」上野がすぐに契約に至らなかったのがちょっと不思議ですが、もしかしたら今季の年俸から大きく離れた金額でちょっとうろたえた、と言うところかも。しかし、上野が広島から声がかかる前に有力視されていた鳥栖は更にお金の点で苦しいクラブ(何でもサンフから鳥栖入りした山口哲の月給が7万円らしい)なので、そう時間がかからずに入団決定、と行きそうです。

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