2/21〜2/27のサンフレッチェ日記



<99.2.27> プレスリリースによると、サンフレッチェは明日、明後日、そして3/4の3回にわたり、街頭キャンペーンを実施します。場所と時間は、まず2/28(日)は13:00〜15:00に紙屋町の広島そごう本館前、八丁堀の福屋前、新井口のアルパーク前、3/1(月)は7:30〜8:15にそごう前と福屋前、そして3/4(木)は7:00〜8:15にJR広島駅南口と横川駅前となっています。選手が参加するかどうかは分かりませんが、フロントのスタッフなどがキャンペーンチラシ、ポケット日程表、後援会入会申し込み用紙を配付します。こういうキャンペーンをやる側からすると、配付物を受け取ってもらえること、励ましの言葉をもらうことが何よりも力づけになります。お近くにお越しの方はぜひお立ち寄りを。
ところで、「後援会」は今年から「5万人の会」と合体して会員を募集しています。「5万人の会」会員は5,000円の会費でホームゲーム4試合に入場できます。「4試合も見に行けないかも」と思われる方もおられるかも知れませんが、2試合見れば元は取れますし、なによりその会費によってサンフレッチェを助けることができるのです。お問い合わせは、サンフレッチェ広島後援会事務局(092-233-3233)と広島県内の各サッカー協会事務局までどうぞ。(ちなみに私は妻と一緒に、「賛助会員」(会費1万円、入場券3枚と選手名鑑、カレンダー、情報誌がもらえます)に入会しました。)

<99.2.26> プレスリリースから。サンフレッチェは今シーズンのキャッチフレーズを「NO SURRENDER」に決定しました。「決して諦めない」と言う意味の、英語ではよく用いられる言い回しでトムソン監督が決めたそうです。昨年、粘り強い戦いで1部残留を果たしながら、その後気を抜いた戦いをしてしまったサンフにとって、今年の課題はいかにどんな状況でもモティベーションを高く保つか、と言う事だと思います。新しい選手の加入でポジション争いも激化し、昨年までレギュラーだった選手が出場機会に恵まれない、と言うこともありうるでしょう。しかしチームとしても、また個々の選手にとっても決して諦めずに最後まで戦う、と言う姿勢を保つことが、最終的に良い結果をもたらすことになるだろうと思います。

<99.2.26> 昨日一日休みをとったサンフレッチェの選手達は、今日からまた練習を再開します。今日は10時半から吉田サッカー公園でトレーニング、そして明日は吉田清神社で必勝祈願を行った後、13時からアビスパ福岡とのトレーニングマッチを行います。シーズン開幕前の唯一のJリーグチーム相手の練習試合。これまでの仕上がり具合を見るためにも、重要なゲームになりそうです。私のメンバー予想は昨年の布陣をベースにした次のようなノーマルなものですが、いろいろな選手と組み合わせを見るために後半に入るあたりからどんどんメンバーを入れ替えるのではないか、と見ます。
        下田

    伊藤 フォックス 上村

 沢田   桑原        服部
          吉田康
     山口

      久保 ヴィドマー
選手にとっては、開幕スタメンを賭けた貴重な実戦テストの機会です。リーグ戦さながらの、激しい戦いぶりが見れるのではないでしょうか?

<99.2.25> サンフレッチェのメンバーは一昨日のゲーム終了後(10時過ぎだったらしい)慌ただしく荷物をまとめ、昨日午前5時にアデレードを出発、その後シドニー経由で午後6時過ぎに関西空港に到着し、夜遅くに新幹線で広島に戻りました。上村選手会長は「キャンプはいい形で終ったし、仕上げもできた。狙い通りでした」と語っていたそうです。プレスリリースによると、トムソン監督はキャンプを振返って「すべてが上手く機能し、最終戦を勝利で飾ることができた。このキャンプでは、順調にチームを75%のところまで仕上げることができた。帰国後、アビスパとの試合を含めて、開幕までに100%まで持っていく。戦術面を含めて、すべての面で日に日にチームは良くなってきている。移籍組の中では、沢田が攻守にわたって上手く機能していた。練習へ取り組む姿勢についても、素晴らしいものがあった。藤本はドリブラーとしても素晴らしいし、菊池は頭のいい選手だという印象を持った。昨年に比べ、選手層は確実に厚くなってきている。シーズン開幕が楽しみだ。」と総括しました。中国新聞の記事によると、キャンプ中はDFとMFの戦術練習に大半の時間を割いたそうで、これが予想以上の出来につながったとのこと。特に選手のモティベーションの高さが昨年と違う、とのことで「選手全員が期待を持っている。3年目で最もシーズンが楽しみ。愚かなゴールを与えなければ、チャンスはある」と語っています。また、「75%」の現状のチーム力を昨年の総合10位と比較して「8位」と分析。この位置をどこまで上げることができるか、がこれから1週間の課題になりそうです。
ところでこのキャンプで中盤より後ろはいい形ができて来た一方で、「決定力」と言う点でまだまだだったようです。頼りの久保がまだ本調子でなく「ボールタッチの勘を失っている。回復にはまだ時間がかかる」状態、ヴィドマーも怪我で出遅れ、松永も骨折とFW陣に不安がいっぱい。このままだと、「守って守って最小得点差で勝つ」と言う昨年のパターンから脱出するのは難しそう。ヴィドマーの復調を待つとともに、ワントップにして中盤を厚くして戦う、などの戦術も今後練習していくのかも知れません。

<99.2.24> 豪州キャンプ最終日の昨日行われたトレーニングマッチ第3戦、アデレード・シティ(豪州リーグ6位)との対戦は、久保の2試合連続ゴールで1対0で勝ち、3連勝でキャンプを終えました。サンフのメンバーは、リベロに桑原、ボランチに吉田康を入れた新布陣(と言っても、一昨年はあったように思いますが)で次のようだったと思われます。
        下田

     伊藤 桑原 上村

 沢田    吉田康     古賀

    山口      服部

      久保 ヴィドマー(→大木45分)
前半は互角。サンフは右サイドの沢田からのチャンスが多く、いい攻撃を見せたようです。前半終了間際には山口がドリブルでゴール右に侵入し、折り返したところをヴィドマーがヘッドで合わせたもののポスト直撃に終りました。後半に入ると、2日前にリーグ戦を戦ったばかりのアデレードは運動量が落ち、広島がボールを支配します。そして先制点は60分。左サイドでパスをつないだ後上村がスルーパス。これを受けた久保が相手GKの動きを見ながら確実に左足で蹴り込みました。その後も服部の思い切りの良いシュートや沢田の意表をついたシュート、そして後半から出場した大木のヘディングなど、見せ場はあったものの追加点はならず。しかしながら、守備は安定していて危なげなく逃げ切った、とのことです。決勝ゴールを決めた久保は「あれは決めないと。パスが良かったから」と特に喜ぶ様子もなく、「昨日までよりは身体が動いた」と謹慎で出遅れた分を取り戻すのに必死、と言う感じだったようです。トムソン監督は好結果に上機嫌で、「選手はよく動いた。パス回しも良かった。非常にいいゲームだった」と讚えたらしい。トレーニングマッチの相手も順序も昨年と同じだったわけですが、昨年は4-1、2-0、2-3の2勝1敗で内容的にもいろいろと問題がありました。今年はそれに比べると確実に結果を残していますし、何と言っても内容が非常に良かった様子。選手の戦術理解が深まったこと、新しい選手が入ったことなど良いチーム作りが進んでいる様に思えます。
ところで、中国新聞のカコミ記事には「新天地 速攻見せた」と沢田選手が取り上げられています。右WBで3試合ともに出場しましたが、この日も開始早々から再三スピードのある攻撃と闘志あふれるディフェンスを見せたそうです。「豪州は当たりが強いから、初めからガツンと行かないと」と先のことを考えてセーブすることもなく全力でプレー。宮澤と言う友人がいるからかチームにもすぐに馴染んだそうで、戦術面での理解も早かったらしい。前半から右サイドの突破からどんどんクロスが上がり、攻撃のリズムを作りました。トムソン監督は彼を「すばらしい」と絶賛し、早くもレギュラー確定の太鼓判。昨年末柏をリストラされた彼は、「心機一転って言うのは、こういうことなんですかね」と語るように環境が変わったことで完全に生き返った格好です。柳本が「中盤が悪い」「戦術が悪い」と文句たらたら(?)だったのに比べると、右サイドは確実にレベルアップできた、と言えそう。早く沢田の入った布陣でゲームを見てみたいものです。

<99.2.23> また日時が前後しますが、プレスリリースから豪州キャンプ第6日目、第7日目の様子をお知らせします。2/19は9対9のミニゲームが中心メニュー。その後、前日のアデレード・シャークス戦に出場しなかった選手のみフィジカルトレーニングを行っています。また、前日まで別メニューだったヴィドマー(昨年までの登録名「ビドマー」を変えたそうです)が練習に合流しました。この日、前ヘッドコーチでキャンベラコスモス監督のセルマーニ氏がキャンプ地を訪問しています。キャンベラは15連敗で豪州リーグ最下位に沈んでいたチームでしたが、セルマーニ監督就任以降は「守りの安定が結果につながった」ことで2勝2分けと負け無しなのだそうです。
2/20は午前中11対11で、プレーを止めての戦術の徹底、またセットプレーの練習を行い、その後ホテルのプールでストレッチを行いました。夕方は動きの中でのシュート練習と、9対9のミニゲームがメニュー。この日から、発熱で隔離されていた前川選手が合流し、別メニューで練習再開しました。15時過ぎからは昨年に引き続き日本人補習校関係者を対象にサッカークリニックを実施しました。今西総監督、島コーチ、下田、服部両選手に佐々木マネージャーが参加し、3歳の幼児から高校生、それに補習校OBや保護者まで30名ほどが参加し、2チームに分かれてのミニゲームやPK大会を行ったそうです。
ところで、昨日のラジオに今西総監督が電話で出演し、キャンプについて語っていたそうです。それによると、豪州をキャンプ地に選んだ理由は暖かいこと、時差が無いこと、同程度の練習相手がいることだそうで、国内だと「同程度」の相手と言うと「手の内を明かしたくない」Jリーグチームになってしまうのでそれは避けたい、のだそうです。そう言う意味では豪州は最適の場所の一つと言えそう。経費の面でもツアーを利用したり人数を絞ったりすることでかなり節減していて国内キャンプと変わらないそうですし、豪州キャンプは来年以降も定着しそう。今季の戦力については、GK、DFとも質・量ともに十分で、またDHと両WBも森保、沢田、菊池の加入で心配ない様子。特に柳本と沢田を比較して、身体能力が高いもののクロスの質が悪かった柳本に比べ、沢田はかなり良い様子。攻撃面では攻撃的MFは藤本、山口ともに好調でレベルの高い争いとなっていますが、問題はFW。ヴィドマーが出遅れているうえに松永が右足甲を骨折(全治6週間)し、大木1人しかいない状態です。ヴィドマーが一年を通して働けるかどうか分からないので、現在新外国人を物色中、と言うことらしい。これはおそらく、1st stageで結果を出せなければ再契約をせず、新しい選手に代えると言うことだろうと思います。そして、これまでのキャンプの手ごたえは十分で、昨年までとは全然違ったサンフを見せることができる、磐田、鹿島、清水、横浜、名古屋の「5強」の一角を何とか崩したい、とのことです。
昨日も書きましたが、選手補強と若手のレベルアップでチーム内競争が激化し、それが全体的なチーム力のアップにつながっている模様。トムソン監督になって3年目ということで戦術理解も高くなっているでしょうし、今年は他チームが調子を上げる前の開幕直後が勝負!のように思います。

<99.2.22> 豪州キャンプ第8日目、今季2試合目となる南豪州選抜とのトレーニングマッチは、開始早々にミスを突かれて先制されたもののその後ゲームを支配、後半に2点をあげて逆転し、2連勝となりました。サンフの先発は、次のように1試合目に出なかったメンバーが中心。
        佐藤

    池端 フォックス 伊藤(→上村57分)
    (→吉田康69分)
 菊池   森保(→桑原45分) 古賀
 (→沢田78分)   
    石川(→山口59分)藤本

      久保  大木
      (→服部59分)
開始早々の失点は池端と佐藤の連携ミスを突かれたものだそうで、ゴール前での中途半端なクリアを繋がれて決められました。その後試合の主導権を握ったものの前線でのパスの通りが悪く決定的なチャンスを作ることができず前半を終了しました。同点に追いついたのは、後半始まってすぐの46分。左サイドの古賀からのパスを受けた藤本が久保へ絶妙なスルーパス。久保は落ち着いてGKとDFをかわし、左足で同点ゴールを奪いました。ハーフタイムで「もっと前でプレーしろ」と指示された直後に、その指示を忠実に守ってのゴールでした。その後も久保、大木、藤本が相手DFの背後へ走り込み、また素早いパス回しで翻弄します。勝ち越しゴールは60分。交代で入ったばかりの山口からの右からのクロスを大木が流し込みました。サンフはその後も次々とレギュラークラスを投入して攻守に圧倒し、そのまま逃げ切りました。
トムソン監督は「前半、ゲームは支配したものの、横パスが目立ち、得点チャンスが作れなかった。ハーフタイムに早いパス回しを指示、後半はMFとFWの連携が上手く機能するようになった。今日は、若手の池端や石川、移籍組の菊池が良かったと思う。キャンプのここまでは、順調な仕上がりだといえるだろう。」と語っていたそうですが、相手に先制を許すきっかけを作った池端が「良かった」と言われたことに注目。中国新聞によると、「いきなりの失点が19歳の若者に良薬になった」そうで、失点以降ベンチから「詰めろ」「もっと前に」等と指示の声が集中したそうです。池端自身は、そのミスと指示通りにしか動けなかったことが「声は出せない。動けない。全然ダメです」と言う反省の言葉につながったようですが、しかし戦術の浸透具合に注目している首脳陣は、一度のミスより指示を受けた後のプレーを重視しての評価だったようです。若い選手なのですからミスをするのは当然のこと。それよりも1日のうち、1試合のうちにでも成長できるのが、逆に若さの特徴でもある。先日ユース代表から落選し、髪を切って出直しを誓って気合いを入れていた池端。才能があることは確かでも、むしろ精神的な面で成長しきれていないような印象を持っていましたが、この日のようにいきなりミスをした後でもきっちり切り替えてチーム戦術に合わせることができるようになった、と言うことは彼の成長を表しているように思います。今年の目標は控えめに「サブ定着」だそうですが、相手との接触プレーが多いDFは怪我の多いポジション。いくら広島がDFラインに豊富な人材を誇っていると言っても、いつか先発出場のチャンスが巡ってくると思います。上村だって入団1年目、2年目はサブとしてベンチに入るだけだったりFWで使われたりもしましたし、また五輪代表でも落選したりまた入ったり、と言うことをしていたわけです。ミスを反省することも大事ですが、もっと自分の力に自信をもって、いつでもレギュラーを取ってやるぞ、と言うつもりでやって欲しいものです。
なお1試合目、2試合目を通じて目立つのは移籍組や若手の活躍。アデレード・シャークス戦は沢田、菊池、藤本が目立っていたそうですし、この日は石川、菊池、池端。山口が交代出場してすぐにアシストを決めたように、実力のある新しい選手の加入がこれまでいた選手も大いに刺激し、チームを活性化したのは間違いないようです。昨年は先発メンバーを挙げるだけでやっとだったのに比べると、層が厚くなったことは間違いないし、またそれが全体的なレベルアップにもつながるようにも思います。サンフはこれでようやく、優勝争いに絡んでいくだけのスタートラインに立った、と言えるのではないでしょうか。

<99.2.21> 「アスリートマガジン」3月号が発売されていますので紹介します。今月のカラーページは、アスリート年間MVA特別賞受賞記念特集「久保竜彦を見よ」スペシャル。しかし、ちょうどこの記事が書かれる頃久保選手は交通事故で謹慎中。残念ながら取材が叶わなかったようで、練習中の写真が1枚と「試練を、乗り越えろ!」のタイトルのみ。本来なら今年にかける意気込みなどを聞くインタビュー記事になるところだったのでしょうが、残念なことです。その代わり、と言うわけか、森保選手のインタビュー「"POICHI", COMING BACK!」が6ページにわたって掲載されて読みごたえ充分。京都での「移籍してきた元日本代表のサムライたちをまとめられるのは、客観的にみても、森保しかいなかった」と言う状況の中で、チームをまとめるために奮闘した森保選手。最終戦で立ったビッグアーチでの試合終了後、スタンドのあちこちからの「帰ってきてくれ」、の感動的なコールや、また今西総監督などからの「是非帰ってきて欲しい」の声が、(京都を最優先で契約交渉をしたにしろ)結局広島に帰ってくることになったカギだったそうです。レギュラーが約束されている京都から、桑原らとの厳しいポジション争いが待っている広島へ。ポジション争いに勝つ自信はある、と言う彼の今季の目標は何らかのタイトルを取ること。一昨年、「残りたい」と言う森保を引き止めることもなく放出してしまったサンフの状況とは全く逆の現状を如実に表した、非常に読んでいて力が出るインタビューだ、と思います。(なお、森保の京都を語る言葉と柳本のインタビューをぜひ比べて頂きたい。人間の差、が表れていると思います。)
その次の記事は、「補強は、成功したのか。」今季の補強の状況から今季のメンバーの予想までを行っています。中盤から後ろの補強はうまく行ったもののストライカーの獲得に失敗した状況がありつつも、若手の成長で補いうる、と評価しています。今年の新加入選手がどういう選手か、どういうポジションに入るのか興味のある方には必見の記事です。
広大サッカー部の沖原監督の連載記事「サッカーの世界へようこそ」は1st stageの順位予想。グランパス、ジュビロ、マリノスを3強、エスパルス、アントラーズ、レッズをそれを追いかけるチームと位置づけ、サンフレッチェとガンバがこれを追いかける展開、と予想しています。そして一番最後のページの「LOST of TIME」もサッカーの記事で、Jリーグが「リストラ」で大物外国人選手がいなくなっている現状に警鐘を鳴らしています。「アスリート」は広島県内の書店やコンビニ、全国の大きな書店で購入できるほか、通信販売もしています。電話で(株)アスリート(082-238-7550)までお問い合わせください。
なお先日も書きましたが、これまでサンフレッチェ関係の記事を一手に引き受けて書いていた中野和也さんが、この号を最後に「アスリートマガジン」のライターを下りることになりました。これまでもカープが優先でサンフレッチェはJTと並んで二の次、三の次だったのに、これからどうなってしまうのかいささか心配です。来月以降どういう構成になるのか、サンフレッチェファンが定期購読を申し込むのは、少し様子を見てからの方が良いかも知れません。

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