3/28〜4/3のサンフレッチェ日記



<99.4.3> 今朝の中国新聞によると、今日の名古屋戦はチームの「上げ潮ムード」に乗って攻撃的に行く模様。先発予想では森保のワンボランチの前に山口、藤本を並べる布陣になっています。これまでは山口→藤本の交代のパターンが多く、一緒に使わないのは「2人とも右サイドを得意とするので重なる」からなのか、あるいは山口が途中で電池切れするため「攻撃オプションとして藤本を残している」からなのか、等理由を考えていました。が、こう言う大事なゲームで行くとすれば、単にコンビネーションが合っていなかったから、と考えるのが妥当なようですね。(唯一2人が同時にピッチに立った磐田戦では、ほとんど機能してませんでしたから。)どこにでも顔を出す運動量とスピードに乗ったドリブルで相手陣を切り裂く藤本と、懐の深いドリブルとスルーパスが持ち味の山口。この2人に好調の沢田、服部の両サイドが絡み、ツートップに質の高いボールを供給できれば、調子の上がらない名古屋につけ入る隙を与えない、と言うようなゲームができるかも。開幕から4試合、毎試合失点していて昨年までの「堅守」のイメージ通りに行っていないサンフではありますが、ほとんどがセットプレーからの失点だけに「ボランチを1枚にしても守りきれる」と言うトムソン監督の判断なのでしょう。とにかくセットプレーでは集中を切らさないこと。そしてピクシーを自由にさせないこと。大量点を取って勝つのもいいのですが、そろそろ早い段階でリードを取って余裕をもって逃げ切る、と言うゲームを見たいものです。

<99.4.3> 1日から広島市近郊で行われている「西日本高校サッカーフェスティバル」に参加しているサンフレッチェのユースは、予選リーグD組4位と下位に沈みました。結果は次の通り。
サンフレッチェ広島ユース 2-2 沼津学園(静岡)
サンフレッチェ広島ユース 0-0 城西(鹿児島)
サンフレッチェ広島ユース 0-1 関大一(大阪)
サンフレッチェ広島ユース 2-1 皆実(広島)

【順位】          勝点 勝 分 敗 得 失
(1) 沼津学園         5 2 1 1 7 6
(2) 皆実           4 2 0 2 9 5
(3) 関大一          4 2 0 2 6 6
(4) サンフレッチェ広島ユース 4 1 2 1 4 4
(5) 城西           3 1 1 2 4 9
やはり、主力の森崎兄弟と駒野を欠いたのが響いたのでしょうか?

<99.4.2> 名古屋グランパスエイトとのこれまでの対戦は9勝9敗と五分。しかしアウェイでは2勝7敗。ホーム&アウェイの有利・不利が少ないJリーグですが、この広島と名古屋の対戦に限ってはホームでは勝ち、アウェイでは負けるという順当なパターンが多くなっています。
93年1st (A)○4-1 (H)○2-0
93年2nd (A)●0-1 (H)□1-0
94年1st (H)○2-0 (A)●0-1
94年2nd (H)○4-0 (A)●0-1
95年1st (H)○4-0 (A)■1-2
95年2nd (A)●0-1 (H)●0-2
96年     (A)○2-1  (H)●2-3
97年     (A)●0-1  (H)○1-0
98年     (A)■2-3  (H)□2-1

(○●は90分の勝敗、□■はVゴール、△▲はPK戦)
かつての弱い時代の名古屋相手だと大量得点差で勝つ事も多かったのですが、ベンゲル監督の元で変身してからはどのゲームも接戦。特に昨年は2試合とも延長に突入しています。今季は両チームとも期待されながらスタートダッシュに失敗している、と言う点で似たような境遇だけに、1点が重要なゲームになることでしょう。
次に明日の先発予想。浦和戦では藤本、高橋の投入以降、相手を突き放すことができました。そのへんの流れを重視するなら藤本の先発ということもあり得ますが、前半も決してリズムが悪かったというわけではないので、基本的にメンバーは変えてこない、と予想します。
        下田

 フォックス ポポビッチ 上村

沢田      森保      服部
           吉田康
    山口

     ヴィドマー 久保

 SUB:佐藤、伊藤、桑原、藤本、大木
前節、良いデビューを果たした高橋は、残念ながら高校選抜のヨーロッパ遠征への帯同でもう日本にはいません。中野和也さんが「Hiroshima Football」のコラムに書いているように、高橋自身の成長にとっては「御褒美」の遠征よりも競争の激しいJリーグでの経験を積むほうが大事なのではないか、と私も思います。ただ、逆にこちらに残っている若いFW陣にとってはチャンスでもある。特に実績の面で遥かに勝る大木にとっては、ここで「格の違い」を見せつけなければ後輩に示しがつかないでしょう。大型補強で優勝候補に挙げられながら「チーム」としてばらばらで結果の出ないグランパスは、浦和戦で片目が開いた広島の力が本物かどうか試すのには絶好の相手。不利なアウェイではありますが、序盤から積極的に攻めてチームとしての完成度はこちらが上、と言うところを見せて欲しいものです。

<99.4.2> 今朝の日刊スポーツによると、吉田康弘選手に3月中旬、ポルトガルリーグのプラガからテストを前提としたオファーがあったそうです。本人の欧州行き熱望に答えてクラブ側も了承。本人は「年齢的にも最後のチャンスを生かしたい」とスペインなど他のクラブの受験も考えているらしく、1st stage終了後に海外移籍することは決定的とのことです。これまで中田、カズ、森山、前園など海外移籍した選手は攻撃的な選手ばかりでしたが、吉田のように中盤の「つなぎ役」の選手が評価されて移籍する、と言うことになるとこれはこれで画期的な事だと思います。サンフとして彼を失うことは惜しいことですが、ぜひ彼のチャレンジが実を結んでほしい、と思います。

<99.4.1> 昨日の「日本代表×ブラジル代表」のゴールマウスに下田が立ったのは驚きでした。元代表GKコーチのマリオが「下田は私の宝」と言い、また多くのサンフレッチェファンも「決して川口や楢崎に劣ることはない」と思っていたはずですが、しかしJリーグでも代表でも実績は川口の方が上。怪我でも無い限り下田の出場は無いと思っていましたが、代表初選出での初出場、と言うのは彼に対する期待のあらわれなのでしょう。1失点目は仕方が無い。アモローゾのスピードにDFが付いて行けなかったのが直接の原因で、ニア側のシュートコースを消しに行ったのはセオリー通り。ファーサイドにシュートを決めたアモローゾを褒めるべきでしょう。2点目は下田のミスではありますが、しかしその後崩れずナイスセーブを連発しましたから、初の出場ということを考えると合格点を与えていいと思います。ゲーム自体は韓国に敗れて本気のブラジルに圧倒され、実力差通りの結果となった、と言うこと。「惨敗」と言って騒ぐファンや評論家もいるでしょうが、これまでのブラジル戦に比べれば着実に力の差は縮まっています。今年のA代表の目標は南米選手権ですから、「本気のブラジル」相手の戦いは「親善試合」以上の良いトレーニングになったと思います。(なお、例によって湯浅健二さんのホームページに、氏のブラジル戦に対する評価が掲載されています。氏もこのゲームの日本代表を高く評価しており、鋭い視点からこのゲームの意義を分析していますのでぜひ御一読を。)

<99.4.1> サンフレッチェは今日付の機構改革で「ホームタウン推進部」を作ります。各地にある後援会事務局の運営、ファンやサポーターへのサービスの企画・提供などを担当する部で、地域との交流や街の活性化に貢献する業務を推進します。これまで広報部内の2人のグループが担当していたのを4人に拡充することになりました。また同時に広報部長と総務部長の2人の取締役が退任することになります。この改革で、より実践的な組織に模様替えすることになるのでしょう。運営体制を効率化して収益の上がる組織にする。久保社長の改革が、着々と進んでいるようです。

<99.4.1> 昨日の中国新聞夕刊によると、先日のサテライトの京都戦に前川、宮澤の2人が今季初出場しました。宮澤は後半11分まで出場し、「まだ万全ではない。今はDFがいいので焦らずじっくり治します」と余裕の表情だったとのことです。前川も無難なプレーだったそうですがしかし後半15分に暗転。相手のロングボールに対してゴールエリアを飛びだしてハンドの判定を受け、一発退場となったそうです。「強い向かい風でボールが思ったほど来なくて…」と反省の弁。まだゲーム勘が戻っていないのでしょうね。また、同じ夕刊には松岡選手の記事。愛媛出身の彼は高校卒業とともにサンフレッチェと広経大の学生との「二足のわらじ」を履いていましたが、今月上旬に大学の方を中退したそうです。せっかく入学した大学も「サッカー優先の中で時間がとれなかった」と、なんと2年間で通った日は2日間だけとほとんど休学状態だったとのこと。2年間でサッカーをやめよう、とかプロとして失敗したら復学する、など「逃げ道」にしていたようなところもあって、そう言う中途半端な状態にけじめをつける、と言う意味での今回の決断だったそうです。チーム内では独学で英語を勉強して外国人の首脳陣と積極的に会話をし、「人生の師」と呼ぶセルマーニ元コーチとは今でも英語で手紙のやり取りをしているとのこと。右ひざ痛も直って調子も上がっているそうで、今後層の薄いFW陣の争いに割って入るかも知れません。

<99.3.31> 「アスリートマガジン」でサンフレッチェ関係の記事のほとんどを書いていたスポーツライターの中野和也氏は、先頃「アスリート」のライターを降りて新しい展開に向けての準備をしていましたが、この度メールマガジン「広島フットボール」の創刊を発表しました。詳しくは広島フットボールホームページ(http://www.enjoy.ne.jp/~kayo.n)をご覧頂くと分かると思いますが、購読料を支払った方に週3回の「サンフレッチェ新聞」がメールで配信されます。私も「プレ創刊号」にあたるVol.0をテストを兼ねて見せていただきましたが、テキストファイルで35行×1000行にも及ぶ非常に充実したもの。先日の浦和戦について、マッチレポート、両チーム監督の記者会見、選手インタビュー、公式記録など、マスコミ報道に飽き足らないファンにはたまらない、読みごたえたっぷりの内容が満載です。この他サテライトやユースのレポートや次節の展望、更には広島の他のカテゴリーの情報など、これを読めば広島のフットボールシーンの全てが分かる!と言うもので、知的サンフレッチェファン(この言い方は、後藤健生さんの著書の帯のパクリです)には必見のものと言えるでしょう。購読料は全て前払いで毎月1000〜1500円(前払いの期間による)。情報の速さと内容の豊富さを考えれば、十分安い価格だと思います。スポンサーなど一切無しの、購読料のみで成り立っているメディアです。私は中野さん自身をサポートするつもりで、購読の申し込みをするつもりです。

<99.3.30> 一昨日吉田サッカー公園で行われたサテライトの第4節、京都サンガとの対戦は0-1で敗れ、連勝は3で止まりました。メンバーなどについてはまだ情報が入ってきていませんが、また分かり次第お伝えします。

<99.3.30> 千代田スポーツパークで27〜29日に行われた少年サッカーの「リベリーノ杯」は、タイ・ナショナルチームが2年連続で優勝しました。サンフレッチェ広島(ジュニアユースのことかな?)は、5位に終りました。

<99.3.29> 強豪チームを続いて撃破し、波に乗ったかと思われたJ2の大分トリニータですが、昨日の第3節では大宮アルディージャに0-5と完敗しました。広島からレンタル中の山根、金本の2人はこの日もフル出場。中盤の底で主に守備に走り回って出来は「それなり」だったとのことですが、いかんせんチームの組織が崩壊した中で、持ち味を発揮することはできずに終ったようです。なお、広島ユース出身の原田(山形)は川崎F戦に途中出場し、結果的に決勝点となる2点目につながる鋭い突破を見せた、とのことです。更にベガルタ仙台の高田。こちらも今季初先発で、ツートップの一角として90分(延長突入前まで)出場しましたが、頻繁にオフサイドにかかるなどあまり良いところは見せられなかった模様です。

<99.3.29> 27、28日に広島広域公園第一球技場で行われた中学生の大会「ナイキ・インターナショナル・プレミア・カップ」の広島県大会で、サンフレッチェみろくの里が優勝し、中国地域大会に進出しました。結果は次の通り。
【1回戦】
サンフレッチェびんご   5-0 黒瀬中
サンフレッチェみろくの里 3-0 千代田中

【準決勝】
サンフレッチェびんご   1-0 安芸ジュニアユースFC
サンフレッチェみろくの里 4-0 八次中

【決勝】
サンフレッチェみろくの里 0-0 サンフレッチェびんご
            PK6-5


<99.3.28> 昨日のビッグアーチは冷たい風が舞う中、8千人ちょっとの観客とやや寂しい入りでしたが、試合は熱く燃える内容で4-1で勝ちました。これまでなかなか点が取れず、勝てずでイライラしていた鬱憤を晴らしとなるような勝利でした。サンフのメンバーは、桑原の代わりに森保が初先発。
        下田

 フォックス ポポビッチ 上村

沢田      森保      服部
           吉田康(→桑原89分)
    山口(→藤本74分)

     ヴィドマー 久保
     (→高橋74分)
 SUB:佐藤、伊藤
連敗脱出に燃えるサンフは、前半から飛ばします。中盤での厳しいプレス、前線への速い展開などでチャンスを何度も作り、山口、久保、ヴィドマー、服部のシュートが何度も浦和ゴールを襲います。しかしボールはクロスバーを叩いたり、あるいは浦和GK田北の鋭い反応に防がれる(枠内シュートが6本!)など、どうしてもゴールを割れません。逆に浅いDFラインの裏を突かれてピンチになった場面もありましたが、下田の好判断による速い飛び出しと、DFの的確なカバーで失点を許さず、一進一退のまま前半を折り返しました。
後半、いきなりこの均衡が破れます。ゴール正面で得たFKを蹴るのはフォックス。強烈なシュートが田北を襲いパンチング。しかしこのボールは詰めていた上村の前にこぼれ、これを冷静に流し込んで広島が先制しました。これでサンフが流れをつかむか、と思いましたがさにあらず。これまで勝っていないので自信が無いのか、徐々に浦和に押し返されます。そんな中の後半9分。浦和が右サイドからのFKを得ます。広瀬が蹴ったボールはDFラインの裏とGKとの間の、いやらしいスペースに落ちます。下田が飛び出しを躊躇し、DFが戻りきれない位置に飛び込んだのがペトロビッチ。フリーのヘディングは下田をあざ笑うかのようにゴールに転がり込んで行きました。
この後の10分余りは苦しい時間帯でした。レッズの攻勢にDFラインが下がり気味になり、空いた中盤のスペースを使われます。レッズのシュートがことごとく枠を外れたため事なきを得ましたが、いつ失点してもおかしくない、精神的に追い詰められた時間帯でした。しかしこの雰囲気は藤本、高橋の投入で一変します。高橋のトリッキーな動きと藤本のスピードが、浦和のDFを混乱に陥れます。そして高橋が倒されて得た左サイドからのFKを蹴るのは藤本。鋭い軌跡がレッズDFラインとGKとの間の真空地帯を突きます。ここにフリーで飛び込んだポポビッチのヘッドはGKの頭を越えてゴールへ。これは惜しくもバーに跳ね返されましたが、ここに詰めていたフォックスが蹴り込んで、サンフとしてはのどから手が出るほど欲しかった1点を得ることができました。その直後、抗議で2枚目のイエローカードを受けたペトロビッチが退場になるとその後はすっかり広島ペースに。何度も波状攻撃でレッズゴールを攻めたてます。3点目は久保の右サイドの突破から。センターライン付近からペナルティエリアの近くまでドリブルで持ち込むと、藤本に丁寧なパス。藤本はワントラップしてDFとGKの間の針の穴のような隙間に目がけて「ゴールへのスルーパス」。「公約」の阿波踊りも飛び出す、嬉しい移籍後初ゴールとなりました。そして最後は久保。後半ロスタイムの右サイドからのフリーキック。服部の蹴った低いボールにダイビングするように飛び込んで、頭で強引にゴールに押し込む久保らしいゴールでした。代表に初選出されてから(リーグ戦で)ゴールのなかった彼にとっては、実に5ヶ月ぶりのゴール。試合の行方、と言う意味ではあまり意味がなくても、「エースの得点」と言う意味では非常に重要な得点で、トムソン監督も「得点した選手の中で、何よりエースの得点がほっとした。自信を取り戻してくれたかな」と語っていたそうです。
これでようやく1勝、勝ち点3をゲットしたサンフは、順位を一つ上げて13位。第3節までの「無風状態」とは一変して上位チームが次々と敗れ戦国リーグの状況となりそうなだけに、今後の展開次第では優勝に絡む、というのもあながち夢ではないかも!?次の名古屋戦が、非常に重要になってきました。

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