4/18〜4/24のサンフレッチェ日記



<99.4.24> 今朝の中国新聞によると、捻挫が心配された藤本の出場は問題無さそう。ゴールを決めた場合には「改良版阿波踊り」を披露するそうです。また怪我で1試合お休みしたフォックスも復帰できるとのこと。個人的には前節活躍した伊藤を使って欲しいところですが、フォックスの場合いざとなれば中盤に上げて攻勢をかけるというオプションも使えるだけに、戦術的には心強い復帰です。今日の広島地方は心配された雨も上がって暑くもなく寒くもない上々の天気になりそう。パスをつなぐ面白いサッカーをして欲しいものです。また、今季初のBSでの生放送もあります。遠くにいて見に行けない人は、テレビの前で応援しましょう!(私はもちろん、バックスタンド中央付近で応援の予定です。)

<99.4.23> 4連勝、そして3試合連続完封を続けている(その上、2得点も3試合連続)サンフレッチェの明日の相手はヴィッセル神戸。97年にJリーグに昇格した神戸とはこれまで4試合戦って3勝1敗です。
97年     (A)□1-0  (H)○2-0
98年     (A)○2-0  (H)●2-3

(○●は90分の勝敗、□■はVゴール、△▲はPK戦)
昨年の2nd stage、せっかく名古屋や磐田などの強豪チームに勝って期待を持たせたホームで、ミスだらけの無様なゲームで敗れたのは記憶に新しいところ。今年も神戸はまだ調子が上がらず勝ち点3の15位。順当なら勝ちを期待できる対戦ですが、しかし金度勲、河錫舟、崔成勇の韓国代表トリオが好調で、彼らに引っ張られるように気迫のこもったゲームをすることもあり侮れません。
        下田

   伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    藤本

      高橋  久保

 SUB:佐藤、川島、桑原、吉田康、ヴィドマー
「ウィニングチーム・ネバーチェンジ」の鉄則通り、市原戦と同じ先発で来ると予想します。伊藤が好調なので、怪我でリタイア中のフォックスを無理させる必要はないでしょう。また、藤本が捻挫をしたと言う情報がありますが、市原戦の後も別に痛そうにはしていませんでしたし、出れないほどひどくはないだろう、と期待も込めて先発を予想します。
明日の上位陣は「清水×磐田」「横浜FM×鹿島」と潰しあいです。展開次第では2位浮上の可能性もあるだけに、確実に勝っておきたいところです。明日はBSの放送の関係?でいつものように15時ではなく、14時に広島スタジアムでキックオフなのでご注意を。

<99.4.22> また一つ、歴史が生まれました。ナイジェリアで戦うユース代表は日本時間の今朝未明、ウルグアイと準決勝を戦い、2-1で勝利を収めました。サッカーの日本代表が世界大会で決勝に進出したのは初。マリを3-1で破ったスペインと、日本時間で25日(日)午前1時(土曜深夜)に優勝を争うことになります。
それにしても、このU-20日本代表の選手達の精神的な強さには驚かされます。これまでの日本代表といえば、「目標」を越えた後にがくっとパフォーマンスが落ちるのが常でした。古くはドーハ。それまでどうしても勝てなかった韓国に勝って喜んだはいいものの、肝心の予選突破はできず。アトランタのアジア予選でも、サウジアラビアに勝って目標としていた予選突破を果たした後決勝で惨敗。昨年のW杯でも、目標としていたグループリーグ突破がならないことが決まった後のジャマイカ戦では、モティベーションの低下から良い結果を残すことができませんでした。そしてこのワールドユース。日本代表の目標はベスト4でしたので、私はこれを達成した後でもモティベーションを保つことができるかどうか、に注目していました。しかし、その心配は杞憂でした。若い選手達はしっかりとチーム力を保ち、攻めている時間帯にきっちりと点を取り、押されていた時間帯を集中力を切らさず守りきる、と言うある意味理想的なゲーム展開で勝つことができました。後半、体力的に相当きつい様子がテレビの画面からもありありでしたが、それでも勝ちきることができたと言うことは、精神的な力強さを表していると思います。これまで国際的な経験不足、を言われ続けていた日本代表ですが、ようやくここに来て長期間にわたる強化計画が花開いた、と言えるのではないでしょうか。この選手達が次のW杯にそのまま出るわけではありませんが、この結果はきっと貴重な日本代表の経験となって、2002年に受け継がれていくのではないでしょうか。
さて、中二日の休養を置いていよいよ決勝です。キャプテン小野が累積警告で出場停止、また期待の稲本も後半途中で出ながらすぐに引っ込められるなど調子が悪そうで、不安材料がいくつかあります。しかしトルシエ監督はこれまで大活躍の本山、遠藤を途中で休ませると言うしたたかな采配を見せており、更にこれまで不発だった永井がゴールを決めて上り調子です。スペインはイングランドなどとは違い、ベストメンバーに大人数のスタッフと、万全の体制で臨んでいるそうです。しかし、ここまで来れば条件は一緒。日本の選手達が自分たちと自分たちのサッカーを信じて戦えば、きっと良い結果が付いてくる、と思います。

<99.4.21> 今日はネタが無いので、「監督」についてちょっと思っていることを書きます。一昨日書いたように、トルシエ監督はワールドユースのベスト4進出でその優れた指導力を示しました。ほとんどがJリーグのレギュラー選手で固められた「史上最強」の呼び声高い今回のU-20代表は、チーム結成からずっと大きく期待されており、力を出し切りさえすれば上位進出は可能、と言われていました。しかし、清雲氏を監督としたアジア予選では守備陣の不安定さを露呈して韓国に2連敗を喫し、更に今回のナイジェリア行きの前には金古、市川のリタイヤ、稲本の怪我など主力選手を次々と欠く事態となっていたわけです。どこの国でも代表監督というのは注目度も高く、批判にさらされるのは常。フランスをW杯優勝に導いたエメ・ジャッケ監督でさえ、優勝するまで(いや、優勝してからでさえ)フランス唯一のスポーツ紙「レキップ」にこけ下ろされていたのは有名な話です。トルシエ監督もブラジル戦での敗戦や予防接種問題でのトラブルでマスコミにも散々叩かれており、そう言う「雑音」が選手に入ってチームが壊れてしまっても不思議ではなかった、と思います。しかし、そう言う逆風吹き荒れる中でも選手を掌握し、結果を出すことができたわけで、いわゆる指導力だけでなくチームの総合的なマネージメント能力と言う点でも優れていることを示した、と言えるのではないでしょうか。また、同様にこれまで批判にさらされることが多かったサッカー協会の技術委員会も、いろいろと行き違いはありつつもトルシエ監督を選択しサポートしてきたという意味で、「ベスト4入り」の功績は選手、監督と同じだけあるように思います。協会の理事の中には釜本氏のようにトルシエに批判的な(少なくともブラジル戦の後は。今でも同じ意見なのかなぁ?)人もいるようですが、そう言う雑音に惑わされずに自分達の信じるところを貫くべきだと思います。
さて翻ってJリーグの監督ですが、優勝を期待されながら結果を出せていなかった名古屋の田中監督はわずか6試合で事実上の解任を受け、また同様に期待に答えていない札幌の岡田監督もクビが危ない、とウワサされています。それぞれ、その采配についてサポーターからも疑問の声が出ていた(いる)ようですし、特に田中監督については選手との不協和音も公になってしまっていたので退任は仕方が無かったのかも知れません。しかし、田中監督はJリーグ開幕の93年にワールドユースで準々決勝に進んだ経験のある人です。まだ岡田監督も、日本代表を初のW杯に導いた監督です。どちらもその指導力が他の監督よりも劣っている、と言うことは無いと思うのです。だとすると、彼らをサポートしきれていないフロントの側の責任も大なのではないか。名古屋の場合、Jリーグ開始時には「お荷物チーム」と揶揄されましたが、ヴェンゲル監督の力で強いチームに変身しました。その後、ヴェンゲルの遺産とチームを支えるスポンサーとサポーターの力で何とか強豪チームという地位を保ってはきましたが、しかしそれにも限界があるようです。ヴェルディ戦の前後の主力選手追放事件や、田中監督の「解任」の前後のこのチームのフロントの対応を見るととても確固としたヴィジョンの元に戦うチーム作りをしているようには見えないのです。
ところでサンフレッチェですが、トムソン監督就任3年目にしてようやく内容のあるサッカーをし、なおかつ結果を出せるようになってきました。一からチームを作ったヴェンゲルやバクスターとは違い、それまであったチームを一度壊して新しいものを構築したトムソン監督の力量には敬意を表さざるを得ませんが、それよりも大事だったのは今西さんが総監督としてきちんと責任も権限も持つ立場にいて、しっかりとしたヴィジョンの元にチーム作りをしてきたこと、そして久保社長がその今西さんを全面的にサポートしてきた事だと思います。昨年までのベテラン頼りを若手中心に切り替えて成功しつつあるヴェルディ(ここも李総監督+松永監督の体制がうまく行っているようです)を見ても分かるように、チームがうまく行くかどうかは選手と監督がよければいい、と言うものではなく、チームをオーガナイズすると言う総合的なマネージメント能力が問われているように思います。そう言う意味でサンフレッチェと、それに日本代表の未来は明るいと言えるのではないでしょうか。

<99.4.21> 怪我で戦列を離れている宮澤選手ですが、昨日の「ゴ〜ル!」及び「広島フットボール」によると、サテライト京都戦で再び悪化(右足十字じん帯断裂)させ、手術をすることが決まったそうです。また藤本選手もジェフ戦で右足首を捻挫。昨日の練習は別メニューだった、とのことです。

<99.4.20> 一昨日行われたサテライトの第7節、ヴィッセル神戸との対戦は、前後半に1点ずつ奪って2-0で勝ちました。得点は森崎(浩司)と秋元。これで3連勝で通算成績は6勝1敗。また秋元は3試合連続ゴールとなっています。

<99.4.19> 日本時間では今朝になる18日、U-20日本代表はワールドユース選手権でメキシコに完勝し、初のベスト4進出を決めました。この試合、日本は前半4分に本山のヘディングシュートで先制すると、前半24分には小野のヘディングで追加点、そしてその後のメキシコの攻勢も落ち着いて跳ね返し、ある意味これまでで一番良いゲーム展開での勝利を収めることができました。
私はこのゲームをテレビで観て、彼らU-20の選手達がこの大会を通じて大きく成長して来ていることを感じました。後半の前半、メキシコの攻勢でDFラインを破られかけたシーンも何度かありましたが、これを素晴らしい集中で防ぎ本当に決定的なピンチは無し。体力的にかなり消耗していることは見た目にも明らかだったのですが、「精神的な悪魔のサイクル」(湯浅健二氏による言い方です)に入ってしまったのはむしろメキシコの方。日本代表は相手がいやがること、例えば時間が迫るに従って相手のゴール際でボールをキープして最後はシュートで終わるとか、ボールを走らせて相手に追いかけさせるとか、これまで日本が強い国の代表と対戦したときにやられたパターンのお返しをしていたようにも思いました。
何度もあった決定的な場面を決められず、最後に逆転負けを喰らってしまったカメルーン戦。リードしながらも内容的には押されていたアメリカ戦。高い集中力で決勝トーナメント進出を決めたイングランド戦。そして、相手の高い技術と激しい闘志にたじたじとなりながらも、体力的に厳しい条件をクリアして勝ち抜いたポルトガル戦。彼らはまさにこれらのゲームを通じて学び、成長して来ました。これまで日本代表を語るうえで必ずついて回った「経験不足」と言う枕詞は、2大会連続ベスト8進出のユースの経験、ビッグアップセットを果たしたアトランタ五輪での経験、そして初のW杯の経験、と段階を踏んで積み重ねることにより解消してきている、とも言えるでしょう。もちろん、これだけでワールドユースでの優勝が見えてきたと浮かれるのはまだ少し早いし、更には2002年での活躍が保証された、等と考えるのは甘いことですが、少なくとも世界の強国に伍するための階段をまた一歩上がった、と考えるのは間違いないと思います。
今回のこの大会に臨むにあたって、トルシエ監督とサッカー協会との不協和音が話題になりました。そして「トルシエは『このメンバーは私が選んだ最強メンバーではない』と言い訳を用意している」等と言われ、更には「選手達からもあまり相手にされていない」だの「実質的には山本コーチが仕切っている」だのと悪口三昧を書くマスコミもあるようです。(「サッカーダイジェスト」には「これほど無指導、無策ぶりを披露しても勝ってしまう運の良さ。アフリカでは、まだ白い呪術は有効らしい。」とまで書かれています。)しかし彼がU-20の監督になってから、課題だったDFラインの不安定さが解消したのは事実だし、1試合ごとにチームを成長させてきたことも事実です。有望な選手を次々と生み出し、ついにはW杯での優勝も勝ち取ったフランスで育ったトルシエは、まだまだこれからの日本サッカーにとって「優秀な教師」であることは間違いないことを、既に証明したと言っても良いように思います。日本のマスコミと多くのサッカーファンは、勝てば持ち上げ負ければ落とす、と言うことを簡単にします。だから例えば今後、まず「ワールドユースベスト4進出」を持ち上げておいて、南米選手権で代表が勝てなかったり、あるいは五輪予選で苦戦したりするとあっさりと手のひらを返すように批判する、と言うことをするかも知れませんが、しかしそう言う一つ一つの勝敗に惑わされてはならないと思います。まずは自分たちの進歩を信じること。そして決して慌てて結果を求めないこと。そうすれば、今後の日本サッカーの未来は明るいのではないでしょうか。

<99.4.18> 1st stage第7節をジェフユナイテッド市原と対戦したサンフレッチェは、苦しみながらも2-0で勝利し、連勝を4に伸ばしました。仙台戦で内転筋を痛めたフォックスは大事を取って欠場し、次のような布陣でした。
        下田

   伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    藤本
     (→吉田康71分〕
      高橋  久保
      (→桑原62分)

 SUB:佐藤、川島、ヴィドマー
序盤はサンフの出足が速く、また短いパスも良く繋がり攻勢に出ます。一方市原も、中盤でつないで右サイドの廣山が突破する、と言うパターンで広島ゴールに迫ります。その均衡が破れたのは前半22分でした。左サイドからのCKを蹴るのは藤本。ニアに鋭く入ったボールを伊藤がバックヘッドで逸らすと、これがファーでフリーになった久保へ。久保は難なく頭で押し込み、今季3点目となるゴールを奪いました。この後市原も押し返し、何度かCKを取るなど攻め込みますが広島の安定したDFラインと亡父に完封を誓った下田が落ち着いて跳ね返します。逆にサンフも、中盤で良く動いてボールカットからの素早い攻めなどでジェフゴールを脅かします。前半はシュート数5対6と、ほぼ互角で折り返しました。
後半に入ると、ジェフが反撃を開始します。中盤の厳しいチェックでボールを奪うとスピードのある攻めでサンフゴールに迫ります。何度も決定的ピンチを迎えますがサンフのDFは必死の守りで耐えます。後半のサンフのシュートは2本だったのに対してジェフは8本。更にCKはサンフが0だったのに対してジェフは14本。この数字からも、いかにジェフのシュートをDFが身体を張って防ぎ、CKに逃れたか分かると言うもの。それでも何度かフリーでシュートされる危ない場面がありましたが、力んで放たれたボールは全て枠の外へ大きく逸れて助けられました。
これまでの市原の戦い方からして後半20分過ぎから足が止まるだろう、と思えばさにあらずで、むしろ足が止まったのは広島の方。ナビスコ杯をシードされた市原との差がこんなところに出たのでしょうか。サンフの選手がボールを持っても、まわりの有効なフォローが全く無くボールを奪われて攻め込まれる、と言うシーンが続出します。これを見たトムソン監督は、前線でフォローが無いままに頑張っていた高橋に代えて桑原を投入し、更に山口を吉田康に代えて守備固めを計りました。逆に市原は、林を投入してスリートップにして更に攻め込みます。とにかく後半の45分間、攻める市原、守る広島というパターンが続きます。ここまで攻められ続けたのはいったいいつ以来だろう?と記憶をさぐったぐらい。とにかく今季初めての苦しい展開のゲームになってしまいました。
1-0のままピンチの連続で「いつ集中が切れるだろう」「いつ点を失うだろう」と心配していた後半42分、ついにゲームが動きます。演出したのは藤本。ワントップの久保をフォローする形で1.5列目に位置した藤本は、相手ボールをカットしたボールを受けるとドリブルを開始します。一人、二人とかわして詰まったところでオーバーラップしてきた上村に預けるとそのままゴール前へ走り込みます。上村はDF1人をかわしてペナルティエリア深くまで侵入し、鋭いクロスを中央へ折り返し。これが藤本にドンピシャで合い、ついにサンフは待望の追加点をゲットすることができました。喜ぶゴール裏のサンフサポーターに、藤本が披露したのは約束通りの「女阿波踊り」。今度は途中で邪魔する選手もなく、それまでイライラがたまっていた選手、サポーター共々歓びを分かち合うことができました。そして長かったロスタイムも無難に凌いでタイムアップ。カップ戦に続くアウェイゲーム、と言う難しい状況にふさわしい、苦しいゲームを素晴らしい集中力で乗り切って貴重な勝利をあげることができました。
この日の勝利でリーグ戦は4連勝で勝ち点12。順位こそ6位で前節と変わらないものの、勝ち点で5位横浜Mと並び2位鹿島まで勝ち点2の差(ただし鹿島の勝ち点は暫定のもの)に迫り、次節の展開次第では2位浮上も有り得る、と言う状況となりました。昨日は横浜Mの他清水も敗れ、1st satageは混戦の度を深めて来ています。「強い」と言われるチームにとっては、この日のような苦しいゲームをものにして行くことが大切です。そう言う意味では、サンフの選手達には敬意を表したい。1週間のうちに「ロングボール主体のパワープレー」(G大阪戦)、「中盤を支配した横綱相撲」(仙台戦)、そして「攻めを凌いでのカウンター攻撃」(市原戦)と、3つのパターンで勝つと言う懐の深さを見せたサンフレッチェが昨年に比べて成長している、と言うのは間違いないところ。今後の展開がますます楽しみになってきました。

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