5/9〜5/15のサンフレッチェ日記



<99.5.15> 今朝の中国新聞によると、怪我の伊藤は出場が難しい模様。また、藤本も途中からの出場となる見込みだそうですが、久保は出れそうです。今日の広島スタジアムの開門は13時。佐伯区トレセンと西区トレセンの前座試合があり、また先着2000名にとしてニコスメモ帳がプレゼントされます。広島では中国放送RCCで今西総監督を解説に招いて生中継がありますが、天気もいいことですし録画を予約してスタジアムに出かけましょう!

<99.5.14> 上位進出をかけるサンフレッチェの明日の相手は4位の柏。勝ち点差は2ですが、消化試合が少ないためプロ野球風に言えば「1.3ゲーム差」をつけられていることになります。賞金が出る3位を目標にするならば、絶対に落とせない相手、と言えるでしょう。柏とのこれまでの対戦成績は4勝6敗です。
95年1st (A)○2-1 (H)□1-0
95年2nd (A)■0-1 (H)○2-1
96年     (H)●0-1  (A)●0-3
97年     (H)●2-3  (A)●1-2
98年     (A)○1-0  (H)▲0-0

(○●は90分の勝敗、□■はVゴール、△▲はPK戦。)
ホーム、アウェイとも2勝3敗で、特に有利不利はありません。96年の2nd stageを除くといずれも1点差の競ったゲームとなっており、今季も両チームの勢いを考えると1点を争うゲームとなるのは必至。特にレイソルは得点源のストイチコフが出場停止ですし、守備の強いサンフに先制点は許さない、と言う気持ちで来るものと思われます。明日は元レイソルの沢田の誕生日。前節で山口と森保が京都へ強烈な「お礼」をしたように、沢田にも自分を解雇した古巣への意地を見せてほしいものです。そういう意味で言えば、沢田が右サイドで相対する片野坂は元広島の選手。ここでの主導権争いが、ゲームの流れを決めるかも知れません。
サンフのメンバーですが、出場停止はありません。ただひざの痛みで代表合宿を辞退した久保、前節相手選手に削られて途中退場した伊藤、足首に注射を打って治療した藤本など、続出している怪我人が出れるかどうかが難しいところ。「広島フットボール」によれば、いずれもそれほどひどくは無さそうですので、最悪サブには入るのではないでしょうか?
        下田

 フォックス ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    藤本

      久保  高橋

 SUB:前川、伊藤、吉田康、桑原、ヴィドマー
前節の終盤、藤本はツートップの一角に入りましたが、トムソン監督はインタビューに答えて「彼に来週への準備をさせようと考えました」と語っています。(「広島フットボール」より。)見ていた感じでは、足が痛かったにも関わらずなかなか良く機能していたようでしたし、久保の状態次第でその「準備」の成果を見れる可能性もあるかも。ただ柏の渡辺、洪、薩川の守備陣は高さも強さも備えていて強力。これまでの失点は1試合平均わずか1.09(広島は1.17)ですから、久保抜きとなるとかなり苦しいのは確か。トルシエ監督に皮肉は言われるかも知れませんが、チームの勝利のためには出てほしいところです。
このところ晴天が続く広島地方の明日の天気予報も晴れです。スタジアムをたくさんの観客で埋めて、後押しをしたいものです。

<99.5.13> いつも質の高い記事を提供している「広島フットボール」の昨日の記事の目玉は、今西総監督のロングインタビューでした。「今の時点でお話できること」と言うことですが色々と深いところに踏み込んだ内容で、サンフのこれまでとこれからを知る上で非常に重要なインタビューだったと思います。
いくつか紹介しますと、まず昨年までと比べてチームの状態が良い理由として「選手の中に、チームのことを最優先として考えていない人物がいなくなった」ことを挙げています。「昔は」「監督の言うことを...やりもしないで、批判をする選手」「チームのことよりも、代表のことばかりを考えていた選手がいた。そういう選手が、今はいなくなった」ことを何度も強調しています。(誰のことか、想像はつきますよね^^;)磐田や鹿島のように、突出した個人の力に頼るわけには行かない広島のチームコンセプトは「組織プレーとハードワークですよ。みんなが、チームのために、お互いの足りないところをカバーしながらやる。それが、このチームの方向性です。」そしてそれが、選手の入れ換えとトムソン監督の指導の浸透でチームの力になってきた、と言うのが今年の好成績につながっていると言うことでしょう。中心に今西総監督というしっかりした人がいて、経営陣が金銭的に苦しい中でも力を発揮させようと最大限の努力をする。そして監督は、そう言うチーム全体の状況を把握して指導する。今のサンフの順位は決して偶然のものではなく、詰め将棋のように一手一手打ってきた手がここまで結実して来た、と言うことなのだと思います。そして今後このチームはどうなっていくか。まず「年齢構成のバランスがとれて」おらず、上村の世代より上、山口、桑原(ともに27歳)の世代の下が「今エアポケットになっている」のを問題視していて、「ここに、よそからいい選手を1〜2人採らないと、チームの構成上苦しい」としています。よそのチームで言うと、ジュビロの名波やセレッソの森島、ジェフの中西の世代。チームだけでなく、日本代表でも中心的な存在となるような世代です。ここに「経験者がほしい、リーダーシップがとれる選手が欲しい」のだそうです。「とにかく、ネックになるのは、予算です」と言いながらも、「外国人1人を含めて、2人。トップと2列目が出来る選手を採りたい」「セカンドステージまでに、ヴィドマーのかわりをまず獲得したい。...それに加えて、日本人ストライカーが、欲しい」「いいチームになった、と言って頂いていますが、どこかモノ足りない。槍となれる選手、スルーパスが出せる選手。あるいは、ゴールまでいけるタレントを持っている選手を採りたい」と、われわれファン・サポーターが常々思っていることは先刻ご承知(当たり前ですが...^_^;)の上、既に手を打ちつつある様子。後は我々がスタジアムに足を運んで応援し、また入場料を払って「お金の問題」を少しでも解決することだけ、と言えるでしょう。
このほか今西総監督のインタビューでは、久保選手や高橋選手のこと、ユースの選手がなぜ育ってこないか、第一球技場の改修計画について、ヨーロッパとのレベル差、トムソン監督の評価、外国人採用のコンセプトなど、本当に盛り沢山の内容となっています。購読をされていない方でも、ホームページから申し込めば「見本誌」を送ってもらえますので、是非お読みいただきたい、と思います。

<99.5.13> 昨日のシドニー五輪アジア一次予選壮行試合で日本U-22代表(五輪出場が決まってもいないのに「五輪代表」と言うのはどうなんでしょう?)は、0-1で豪州五輪代表に敗れました。豪州の1点はフォックスが25mのFKを直接決めたもの。「サンフレッチェの時と同じようにできた。今日はベストを尽くした。これからもチームで頑張っていきたい」と満面の笑みを浮かべていたそうです。またこれを観戦したトムソン監督は「チームの時に決めないで、何でこんなときに決めるんだ」とジョーク交じりにベタ褒めだった、とのこと。私はCSは持っていないので、近所のデオデオで(^_^;)ちょっとだけ見せてもらったのですが、豪州はリベロのフォックスを中心にした堅い守りで日本の攻撃を跳ね返し、ロングボールで一気にDFラインの裏を突く、と言う戦術で、なかなか能力の高い選手を揃えているような印象を持ちました。その中でチームを率いるフォックスは、日本に引き当ててみればユースの小野か、あるいは学生時代の井原のような存在なのかも。たぶんJリーグの枠にとどまる選手ではなく、今後大きく成長して再びヨーロッパに戻っていく選手でしょうが、その時には広島が移籍金で潤う、と言うことにもなり得るかも?

<99.5.12> 日刊スポーツのホームページによると、元名古屋の森山泰行選手に広島がオファーを出していたとのことです。森山は名古屋退団後スロベニアのヒット・ゴリッツァでプレーし、3月からブラジルでのプレーを目指してテストを受けていました。残念ながら(?)森山はジュベントゥージの入団テストに合格したとのことで広島に来ることは無さそうですが、やはり現状の層の薄いFW陣に実績のある選手がもう一人二人は欲しいところ。山口選手の例に限らず、外野が「もうダメだ」と見ている選手でもサンフで再生する例は多いだけに、1st stage終了後あたりにびっくりするような選手の獲得のニュースがあるかも!?

<99.5.12> 現在発売中の「Number」470号はヨーロッパサッカーの特集ですが、その中の「現地探訪ルポ 助っ人Jリーガー、あの人は今。」にハシェックが登場しています。90年W杯にチェコ代表の主将として出場するなど55キャップを誇る彼は、スパルタ・プラハ、ストラスブールを経て94年にサンフレッチェ入団。その年、32試合に出場して19ゴールし初のステージ優勝に貢献したのは記憶に新しいところ。しかしその翌年、新任のヤンセン監督と合わずに23試合の出場にとどまり、96年に市原に移籍してしまいました。昔から現在まで「無名良品」的な外国人選手を獲得してきたサンフレッチェにとっては、唯一とも言っていい世界的なビッグネームで、良いポジショニング、171cmと小柄ながら強いヘディング、そしてゴール前での鋭い嗅覚などすばらしい選手でした。その上頭の良さも感じさせる人で、日本語学校に通って勉強している姿がテレビで放映されたこともあります。帰国後も1年ほどプレーしてその後引退し、現在はチェコサッカー協会のゼネラル・セクレタリー(日本語に訳すと「事務総長」と言うところかな?)と代表のアシスタントコーチを務めているそうで、昨年のキリン杯では代表に帯同して来日もしました。「Number」に載っている浴衣を着て日本間でくつろぐハシェック氏の顔つきは、現役時代よりも穏やかになったような気がします。「日本、とてもいいところだった」と振返り、いずれ3〜4年経ったらどこかへ行きたい、そしてそこは日本かも知れないと語る彼の力を、もう一度サンフレッチェが借りる時が来ればいいな、と思います。

<99.5.11> 藤本選手を応援するホームページCHIKARA & POWERの藤本選手本人の書き込みによると、足の痛みを完全に治すため、患部に注射を打つことにしたそうです。これをすると2日間は安静にしなければならない、とのこと。今週から次のゲームまで1週間空くことになるので、ようやく治療できると言うことなのでしょう。五輪代表候補に選ばれなかったのは残念ですが、彼自身の身体のことを考えるとここで休養と治療に専念できることは良かった、と言えるかも。オフィシャルホームページの「Hot News」で、豪州五輪代表として明日の日本五輪代表とのゲームに選ばれているフォックスが、「服部選手、藤本選手の二人ともがU-22に選ばれなかったので非常にびっくりしている...彼らが選ばれなかったと言うことは、日本のチームはもっと良いと言うメンバーが揃っていると言うこと」とコメントしていたのにはウケました。先週も書きましたが、服部、藤本の二人が他の五輪代表候補選手に劣るとはとても思えない。だいたい、代表のスタッフはナイジェリアに行っていてこのところのJリーグのゲームはほとんど見ていない訳ですから、単に「知っている選手を集めた」と言うのに近いのでは無いか、と推察します。豪州五輪代表は地元シドニーでの活躍を義務づけられたチームですから、かなり強いだろうと思います。対する日本は、アジア大会のチームにワールドユース参加選手を加えた、言わば急造チーム。中田英の不在と小野のリタイアで中村が「指令塔」になり、また中田浩が左WBに入る、と言う新しい布陣で臨むことになりそうです。このチームが豪州相手にどれだけのことができるのか。トルシエ監督の手腕に注目したいと思います。

<99.5.10> オフィシャルホームページ、及び日刊スポーツのホームページによると、代表候補に選出された久保選手は右ひざの炎症(「右分裂膝蓋骨」と言う病名らしい)により参加を辞退したそうです。どれくらいひどいのかは分からないのですが、もしかするとこのところのオーバーワークによりパンクした、と言う事なのかも。これからの選手なだけに、大事にして欲しいところなのですが...心配です。その他フル代表候補からは川口(横浜)、服部、名波(磐田)が辞退したため、数人の選手とともに上村選手が追加されました。

<99.5.10> JFLの下部にあたる中国地域リーグは昨日開幕し、優勝候補のマツダSC、広島フジタSCは揃って快勝しました。また、今年もオープン参加のユースもNKK福山に勝ちました。得点者は森崎浩2、織田、宮本でした。
マツダSC   4|2-0|0 SC鳥取
(1勝  )    |2-0|  (  1敗)

広島フジタSC 3|1-0|0 ヤマコーFC
(1勝  )    |2-0|  (  1敗)

広島教員    3|1-0|1 日石三菱
(1勝  )    |2-1|  (  1敗)

サンフレッチェ広島ユース 4-2 NKK福山 


<99.5.9> 昨日、鳥取市営サッカー場バードスタジアムで行われた京都サンガとのゲームは4-0で快勝し、順位も一つ上がって念願の5位浮上を果たしました。
先発は、流れを重視したのかフォックスではなく伊藤を使ってきてこんな感じ。
        下田

   伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    吉田康

      高橋  久保

 SUB:前川、フォックス、桑原、藤本、ヴィドマー
前半は互角。と言うか、双方にミスが多く何とも締まらないゲーム展開でした。両チームとも前半半ばまでシュートらしいシュートが無く、観客席からは「なんや、わくわくする場面が全然ないなぁ」なんて声も聞こえる始末。サンフのパスはつながらず仕方なしにロングボールを入れて跳ね返される、と言うパターン。久保は一度だけ相手DFの裏を取ってシュート直前まで行きましたが、それ以外はオフサイドに引っ掛かりまくり。一度など、副審が旗を上げていないのに自分で「またオフサイド?」と思ってプレーを止めてしまうなんて事もありました。しかし、京都はこれに輪をかけてミスばかり。シーラス(彼がボールを持った時だけ、危険な香りがしました)がボールをキープしながら「オーバーラップしろ!」と指示するのを聞いてから動き出す、と言う感じでコレクティブなサッカーなんて全然無し。一度など手島が中盤で何気なく山口にパスをして、まさか自分にそんなに簡単なボールが渡されるなんて思っていなかった山口の方がびっくりする、なんてシーンもありました。そんな中、ようやく先制点を奪ったのは前半29分。ペナルティエリアのやや外でボールを受けた高橋は、一旦相手DFにボールを奪われそうになったのですがそれをうまく身体を入れてペナルティエリアに侵入しようとします。これを京都のDFがたまらず後ろからつかみ倒してしまいます。当然PK!ポポヴィッチが松永の動きを冷静に見極めて決めました。
その後、徐々にペース上げたサンフが流れを決定的につかんだのは前半終了間際のロスタイム。右サイドペナルティエリアやや外で山口がボールを受けます。これを見た沢田が右サイドのスペースに猛ダッシュ。ここに京都の選手が意識を引きつけられるのを見ると、切り返した山口は思いきってミドルシュートを打ちました。これが飛びつく松永の指先をかすめるようにしてゴールに突き刺さります。入った瞬間、打った山口自身も「信じられないものを見た」と言わんばかりのリアクション。(^^;) これまでなぜか打たなかったミドルシュートを放った山口は、貴重な2点目を得たのと同時にサンフの選手の積極性も呼び起こしたようです。
後半は、サンフの選手が自分たちのサッカーを思い出したようなプレーぶりでした。中盤とDFラインの間のスペースを適当な距離に保つことができたおかげで、パスがつながり、セカンドボールを良く拾い、そして早めにトップの選手を目がけてボールを入れることにより何度もチャンスを作ります。空いたスペースは京都にも使われたのですが、しかしそこは強力なサンフの守備陣ががっちりと抑え込みます。勝敗を決定づけた3点目はCKから。後半10分、山口が蹴ったボールは鋭くニアサイドへ送られ、ここに飛び込んだポポヴィッチがこの日2点目となるゴールを決めました。4点目は後半21分、吉田康が起点でした。左サイドの低い位置でボールを持った吉田はおおかたの意表をついて(^_^;)素晴らしいドリブルで数人を抜いて相手陣深く攻め上がります。これを中央の山口へ送ると、山口はキープしてシュートを狙いつつ決定的なパスのチャンスをうかがいます。そして右サイドでフリーになっていた森保へ。森保はこれを難なく蹴り込んで、駄目押しともなる4点目をゲットしました。
選手交代は、前半21分に伊藤→フォックス、後半の半ばに高橋→藤本、そして終盤に山口→桑原。伊藤は誰かに蹴られて(?)怪我をした模様。かなり早い時間帯での交代でしたが、これで戦力的に落ちないのが今のサンフの良いところ。久々のフォックスは出れる喜びにあふれた(^^;)プレーを見せてくれます。フォックスが入るとポパも安心なのか、しばしばボランチの位置に上がってプレーします。藤本も足首の故障を感じさせない動き。終盤は久保と並んでツートップ、と言う感じのポジションだったのですが、「トリプルボランチ」との間に空いたスペースを埋めるべく精力的に走り回っていました。桑原も同様。中盤に「働き蜂」が居ると相手はやりにくいでしょうね。後半はこちらも何度かシュートを打たれるシーンがありましたが、本当に危ない!と言うシーンは無かったように思います。
てな訳で、結果的には4-0の快勝。鳥取は京都の「準ホーム」なのだそうですが、やはり中国地方なだけあってファンの数はイーブン、と言う感じだったのでお客さんも喜んで帰れた人が多かったようです。相手がボロボロだったので勝ちは当然、と言えば当然の結果なのですが、しかしこれまでこう言う相手に対して確実に勝ちきることができなかった事を考えると、サンフの選手達は「成長した」と言えるでしょう。トムソン監督の目標は残り3試合で1勝、のようですが、これなら2勝、あるいは全勝ということだってありうるかも。私的には「鳥取まで行った甲斐があった」と言うゲームでした。

 SANFRECCE Diaryトップページに戻る