9/26〜10/2のサンフレッチェ日記



<99.10.2> 今日のセレッソ戦では新企画「今度こそ勝つぞ!当てるぞ!サンフレッチェ勝利占い」が行われます。これは試合当日、試合結果のスコアとサンフレッチェの得点者を当てる、と言うもの。入場口で配布された投票用紙に書き込んでキックオフの15時までに投票する、と言う方式で、スコアを当てた方から抽選で10名に希望選手のサイン入り写真パネルを、またスコアと得点者の両方を当てた方から3名に希望選手のレプリカユニが当たります。なお、当然のことながら(?)福岡の勝利を予想した方には、(もし当たったとしても)何も賞品はありませんのでご注意下さい。(でも、この「占い」と言う企画名はちょっと変な感じがしますね。「めったに当たらない」あるいは「信じるものは救われる」と言う意味でも含んでいるんでしょうか?^_^;)
なお、今日の中国新聞によると先発はフォックスの他に桑原と高橋が入る、「バランス重視」の布陣になるようです。今日の広島地方の天気予報は晴れ後雨で、夕方から降るだろう、とのこと。試合終了までは保ってくれるとよいのですが。

<99.10.1> 明日は中止になった第3節の福岡戦の再試合が行われます。セレッソ戦の敗戦で優勝争いから離れてしまったサンフにとっては、勝つかどうかは上位に食いついていけるかどうかのカギとなります。逆にアビスパとしては、ほぼ手中にしたと言ってよい(年間勝ち点28は浦和と9点差)J1残留を確実にしたいところ。更にここで勝てば2ndの順位も6位まで上昇する可能性があります。お互い、中断期間を気分良く迎えるためには是非とも勝っておきたいゲームです。サンフレッチェのメンバーですが、上村選手が累積警告で出場停止、また吉田康選手も肉離れの状態が良くないようで、出場の可能性は薄そうです。
        下田

  伊藤 ポポヴィッチ フォックス

沢田      森保      服部

    山口      藤本
        
      久保  森山

 SUB:前川、川島、古賀、桑原、高橋
セレッソ戦では押し込みながらなかなか点を取れず、カウンターから失点を喫するというパターンで敗れました。アビスパ戦も同様のパターンになる可能性があるだけに、早い段階で得点を重ねて楽にゲームを進めたいところ。中盤でいかに相手からボールを奪い、素早く攻撃に繋げて行くかがポイントになりそうです。

<99.9.30> 昨日の日経新聞等の記事などによると、親会社のフジタの経営不振による撤退で危機に陥ったベルマーレ平塚が、そのフジタの支援も受けて地元資本の新会社として再出発することに決まったそうです。昨年は横浜フリューゲルスが親会社の都合であっさりと消滅させられたのに比べると、これは非常に明るいニュースだと言えるでしょう。平塚にとってベルマーレは財産、と言う考えを平塚市が貫いただけでなく、周辺の自治体を含めてこのチームを支えて行くことで一致したのが一番大きな要因でしょうが、それ以上に偉い、と思えるのはフジタの態度です。企業の立場からすれば、このサッカークラブは赤字を出し続ける不採算部門。会社はいつ倒産してもおかしくない(少なくとも株価は「正常な状態」のボーダーラインの100円を大きく割り込んで70円台をさまよっています)状態では、一刻も早く精算してしまいたいところでしょう。企業スポーツ界ではそのような判断は日常茶飯で、つい先頃も松下電器が女子サッカー部と女子卓球部の、川鉄千葉が女子陸上部の廃止を決定したばかり。フジタが「後は知らないよ」と投げ出しても全然不思議では無かったところです。それをフジタはチームが残るよう最大限の努力をした上で手を引こうとしているわけで、その姿勢はフジタのこれまでのサッカー界への貢献とともに賞賛されてしかるべきだと思います。ベルマーレはこれまで良いゲームをしながらも勝ち点に恵まれず、ほとんど残留絶望圏内まで来ています。これを見たJリーグ各チームからは、若手有望選手へのオファーが殺到している、と言う噂もあります。広島のファンの立場からすれば、例えば高卒時にオファーを出した(らしい)西本竜洋選手(岩国高)を獲って欲しい、等とも思うのですが、しかし逆にベルマーレの今後を思えば、せっかく育ちつつある若い芽を残して来年1年J2でしっかりとチーム作りをして、再び「湘南の暴れん坊」として上がって来て欲しい、とも思います。そうして危機に陥ったクラブが新しい形で復活することは、Jリーグ全体の今後に繋がっていくのではないでしょうか。

<99.9.29> 今日はネタが無いので、テレビで見たチャンピオンズリーグ「グラスゴー・レンジャース×バイエルン・ミュンヘン」について雑感を一つ。スコットランドは代表がW杯の常連であるわりにリーグの実力は低く、UEFAランキングは26位で、なんとキプロスやグルジアよりも下です。これはスコットランドの優秀な選手はほとんどイングランドのリーグに取られてしまうため、と言うことだけでなく、レンジャース1位、セルティック2位、後は混戦、と言うリーグが長年続いてきたため刺激が少なく、なかなかレベルアップできなかった、と言う事情もあるようです。しかし、その状況はここ数年で変わりつつあります。そのきっかけは、2年前。ヤンセン監督率いるセルティックが、レンジャースの10連覇を阻止したこと。これはレンジャースにとってかなり衝撃だったようで、それまでの単純なロングボール放り込み戦術を廃して近代的な戦術を取るチームに脱皮するきっかけとなったとのこと。ヨーロッパの他のビッグクラブのように選手を各国代表で固め、スコットランド人がほとんどいない(昨年のW杯では代表に一人しか出していなかった)多国籍軍として覇権を奪回するに至ったわけです。そしてその進化がどこまで進んだか、を示したのがこのバイエルンとのホームゲームでした。バイエルンは不調だとは言え咋シーズンのファイナリスト。戦前の予想では、レンジャースはこのグループでは4番手チームで、上位に一泡吹かせられるかどうか、と言うものでした。しかし、このゲームは違いました。ボール支配率ではバイエルンが上でしたが内容的にはレンジャースのゲーム。バイエルンはタルナートの「ロケット砲」(W杯でもそのFKの威力を見せつけていました)で引き分けに持ち込むのがやっと。世間の評価は相変わらず「レンジャースが金星を逃した」と言うものかも知れませんが、たぶん彼らはそんなことは考えていないでしょう。むしろ、上位進出に向けての手ごたえを感じたのでは無いでしょうか。熱狂的な沢山のファンに支えられ、身近にセルティックというライバルを持つこのチームが、今後欧州の常連になっていく条件は揃っていると言えるでしょう。今後に期待したいと思います。
ところで、このレンジャースは「多国籍軍」とは言えいわゆる一流国の代表はほとんどいない、と言うもの面白いところ。豪州代表のトニー・ヴィドマー(もちろん、サンフにいたオーレリオの(たしか)弟ですね)やアメリカ代表のレイナなど、日本と実力的にさほど変わらない国の選手が活躍しています。ドイツ人やイタリア人、オランダ人もいますがいずれも代表経験の無い(と、思いますが未確認)選手ばかり。つまり、選手の名前を見る限りではとてもバイエルンに匹敵するようなチームでは無かったわけです。しかしそれでもこれだけのチームが作れる、と言う事は非常に勇気づけられる事かも。サンフのJリーグでの位置づけは欧州でのレンジャースの位置づけと同じようなもの。スコットランド人のトムソン監督はいろいろと難しい条件を克服して、きっといずれこの日のレンジャースのような質の高いチームを作ってくれるのでは無いでしょうか。

<99.9.28> 昨日行われたU-22代表の韓国との親善試合について、新聞報道などには「あまり攻撃の形が作れなかった」などと書かれているようですが、確かに「苦戦」には違いなかったと思います。中田英、小野がいないだけでなく中村も先発から外し、ゲームメーカーと言えるのはJリーグでもレギュラーを取っていない小笠原のみ。韓国が序盤から激しいプレッシャーをかけてきたこともあって中盤でボールが繋げず苦し紛れの最終ラインからの蹴り込みしか策がなく、本山のドリブルも全く通用せず。前線の二人もなかなかポイントを作れず、言わば久保と山口のいない時のサンフのような感じでした。また、中盤でパスが弱くてカットされたりお見合いのようになってボールを失ったりと局面局面でのミスも多く、自分から苦しくしていた場面もありました。その上、副審が最悪。アウェイでのゲームである程度はそう言うことがあるのは仕方がないとしても、あれほど極端に日本の飛び出しはオフサイドにとり、韓国の方は流すという事をされては福田がキレるのも無理はない、と言うものです。(まあ、テレビでは途中からオフサイドラインのビデオを流さなくなったので本当の所は分かりませんが、しかし逆に韓国のテレビとしては不都合なことは映したくなかったのでしょうね、きっと。)チャンスの数から見ても引き分けが妥当なところで、良く1点差で逃げきることができた、と思います。
しかしそれはある意味当然のこと。ホームとアウェイではゲームの流れが違ってくるのは当たり前である以上に、トルシエ監督のメンバーが今後の予選のアウェイでの戦いを見据えた「苦しいときのためのテスト」と言った布陣と戦術だったと思われるからです。アウェイの戦いをする中で、一番大事なことはどんなことがあっても集中を切らさず守り切って、最悪でも引き分けに持ち込むことです。そうやって我慢していれば、昨日のように数少ないチャンスがやってきて、そしてちょっとの運の手助けで得点することができる。そしていったんリードしてしまったら、ある程度相手に攻めさせてカウンターを狙い、またマイボールにしたらなるべく相手陣内のコーナー付近でボールキープする。柳沢のレッドカードと福田のイエローカードは余計でしたが、それ以外の部分は本当にプロらしい、したたかなプレーぶりを見せました。そう言う意味では、アウェイの親善試合としては最高のゲームと言えるのではないでしょうか。
ところ相手の韓国ですが、確かにその鋭い出足と強い当たりなど伝統的なスタイルは健在で、選手個々の能力の高さは見せました。良く知られているように韓国のサッカー選手は皆スポーツエリートで、「大学生」とは言っても日本の大学生とは違います。そしてその純粋培養の選手をヨーロッパに遠征させ、あちらでは同年代の代表チームやクラブチームなどに連戦連勝で帰ってきました。しかしやはり、親善試合と真剣勝負とは違う、と言う事でしょうか。何時間もの練習よりも90分の試合の方が選手を成長させるのと同じように、何試合もの親善試合よりも1試合の真剣勝負の方がチームを成長させる。日本U-22代表の選手にとっては、まずJリーグでゲームに出るためのチーム内の戦いに勝ち、そしてゲームで真剣勝負を日々行っていることが大きな経験値として蓄積されているのだろう、と思います。今後対戦するカザフスタン、タイがそれぞれどんな強化をしてきているのか知りませんが、少なくとも国内リーグのレベルの点で日本より勝っていることは無いでしょう。どんな戦いでも油断は禁物ですが、しかし今度の五輪予選に限って言えば、日本は突破できるはずだしまた突破しなければならない、と思います。
こうなると心配なのはこの上にあるはずのA代表です。今のところ2002W杯以外これと言った目標が無い上に監督がU-22代表を兼任している(と言うより、U-22代表の監督がA代表監督も兼ねている、と言った方が正しいかも)ため、強化が遅々として進んでいません。U-22代表と比較して、個々の選手を見ればA代表の方が上であることは間違いないし、「経験値」と言う意味でも今のところ上回っているはずですが、しかしトルシエの戦術の理解度やモティベーションを考えると確実に上である、とは言えないような気がしてきました。キリンカップ前後では(ペルー代表との対戦結果でも分かるように)A代表の方が間違いなく上でしたが、今対戦したらひょっとするとU-22が勝ってしまうかも知れない、と言う気さえします。そして、これがシドニー五輪の後になったらどうなるか。トルシエ監督はU-23に何人かを付け加えることでA代表を構成するに違いありません。(U-22にU-20を大量に加えてチーム作りをしたように。)これが、果たして2002年を目標にした上で正しい道なのか。2002年に本当に間に合うのか。トルシエ、と言う薬は確かに日本のサッカー界にとっては「苦いが良く効く薬」ですが、しかしかなりの劇薬です。サッカー協会が処方を間違えないことを願うばかりです。

<99.9.27> 昨日行われたJユースカップの第2戦で、広島ユースは福岡に2-1(前半1-0)で勝ちました。同グループは現在G大阪が勝ち点12でトップ。これを、消化試合が2試合少ない広島が勝ち点6で追っています。サンフ、ガンバの他、福岡、大分、鳥栖の5チームで争われるF組は1位、2位のチームが勝ち上がり、他の組からの8チームとJユース以外の6チームを合わせた決勝トーナメントに進出することになります。

<99.9.26> 昨日の中国新聞の報道によりますと、(株)サンフレッチェ広島は24日に臨時株主総会を開き、総額4億円の第三者割当増資を正式に決めたそうです。この3月期決算で1億6千万円の単年度赤字となったため累積赤字が10億円を越え、資本金12.1億円に対して債務超過となる可能性があるため増資が噂されていました。出資企業はデオデオが2億円を追加したのをはじめ、Jリーグオフィシャルスポンサーの一つ(で創業者が広島出身)のカルビーが2000万円、Jリーグ開幕当初からユニフォームの背中に広告を入れている住建産業と吉田サッカー公園を持つ吉田町が1000万円を新たに出資。その他、大野石油店(広島県内のガソリンスタンド大手)、共立(もガソリン店でしたっけ?)、広島市信用組合、大和重工、長沼電業社、広島建設工業(いわゆる「ヒロケン」だと思います)、モルテン(アディダスのサッカーボールのOEM生産もしているボール業界の大手)の広島市内の企業、尾道市の佐藤汽船、それに大阪市の電通西日本が新たな新規出資者となり、アビスパの82に次ぐ59の株主が名を連ねることになりました。今回の増資の理由の一つは「債務超過を避けるため」ではありますが、むしろ昨年久保社長になって展開される経営とチームの改善を更に進めるための「原資」を増やす、と言う積極的な意味合いが強いと思います。昨年も久保、下田など活躍した選手の給料を上げ、吉田サッカー公園にクラブハウスを持ち、若手選手の寮を建設するなどいろいろとチーム力の充実のための手を打ちながら(そしてJリーグからの分配金も減りながら)も、観客数増による入場料収入の増加、広告料の増、そして不要な部分の支出削減などがあって単年度の赤字額を圧縮しています。つまりサンフレッチェを一つの民間企業として見れば、放漫経営(?)と不況による危機を脱し、体質改善を成し遂げた伸び盛りの会社。その対象とする市場には大きな競合相手も無く、投資の回収がかなりの確率で見込める、と言うことに成るのでしょう。それが、社会全体が不況からなかなか脱出できず、円高の進行でマツダをはじめとする多くの企業に先行きの不安感が広がる中でこれだけの新規株主を獲得できた要因ではないかと思います。
かつてJリーグ創設時の人気の陰りが見えてきた頃、その「斜陽の象徴」として取り上げられることの多かったサンフレッチェ。最初の頃はほとんど何もしなくても毎試合数万人の観客が押しかけ、半自動的に単年度黒字も達成してしまったことが、いろいろと「ボタンのかけ違い」を生みその後の観客の減少とチーム力の低下など苦しい事態を招きました。そして広島が地方のチームである事もあって、中央のマスコミやサッカー関係者、そして広島以外のファンにはいまだに「人気のないサンフレッチェ」と言う印象が先行しているように思います。しかし「Jリーグの優等生」と言われる鹿島や浦和でも経営的には大きな赤字に苦しみ、そしてビッグアーチ並の収容力である国立競技場のゲームでは空席が目立ちます。しかしこれは別にJリーグが飽きられた、とかサッカー人気が落ちた、と言うわけではなく、地道にファンの獲得を行い、経営を確立していかなければならない、その本来の出発点に戻ったと言うだけに過ぎません。そして広島がここで一刻も早く単年度黒字を達成し、親企業に頼らなくても地元に依拠することで一つのスポーツクラブとしてやって行ける、苦しい状況からでも立ち直ることができると言う事を示すことができれば、他のJリーグクラブにとっても大きな力づけとなるのではないでしょうか。


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