11/26〜12/2のサンフレッチェ日記



<00.12.2> 昨日韓国戦に向けてのトレーニングキャンプに召集される日本代表候補が発表され、広島からは久保が選出されました。しかし、下田、上村らは残念ながら選ばれませんでした。
<00.12.2> 中国新聞によると、レンタル中の栗原選手の退団が決まったそうです。当初は正式移籍の可能性もあったようですが、広島とヴェルディとの保有権を巡る交渉がまとまらなかったとのこと。今年序盤戦は怪我の影響もあって出場機会も少なく、最近になってようやくフィットしてきただけに残念な決定だと言えます。久保のパートナーをどうするか、久保が不在の時にどう戦うかは積年の課題。来季に向けて、外国人や日本人FWの移籍での獲得がまたもや至上命題として浮上しそうです。
<00.12.2> 今日の14時からビッグアーチで、京都とのチャレンジャーズリーグが行われます。このゲームは中国新聞によるとトップ同士のゲームになるそうで、天皇杯に向けての調整試合としてはち行われることになります。トムソン監督はヴェルディ戦後のインタビューで「天皇杯では、カズ・浩司・松下・山形らにとって、チャンスになる。彼らがどこまでできるか、わかるだろう」と述べていますので、これら若手選手をトップに入れた場合の試運転、となりそうです。因みに私のメンバー予想はこんな感じ。
        下田

    川島  伊藤  上村

駒野    松下  森崎和   服部

     山形    森崎浩

        久保
U-19代表組は疲れが溜まっているので途中からの出場になる可能性もありますが、いずれにしろ来季以降を占うようなメンバーで見れそう。また、京都からは戦力外通告を受けて話題の三浦知良選手も出場するとのこと。チャレンジャーズリーグは無料ですので、お暇な方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
<00.12.1> 中国新聞などの報道によると、サンフレッチェは昨日までに、山口、上野、古賀、大久保、石川、佐藤、植田の7選手と来季の契約を結ばないことを通告した、とのことです。今年新たに獲得する選手が6〜7人になること、来季は30人体制となることを考えると中堅どころで出場機会の少ない選手にはチャンスはあまり無いと思っていましたので、ほぼ予想の範囲内ではあるな、と言う感じはします。
この中で山口選手は、言うまでもなく一昨年の功労者。J2降格がちらつく98年夏に急きょ入団し、その卓越したキープ力とパス出しの能力で安定していなかった中盤を落ち着かせ、チームを蘇らせました。久保選手などサンフレッチェの若手は今でも「トシさんが一番巧い」と言っているそうですが、その技術だけでなく出場機会が無くなっても真摯に練習に取り組む姿勢が若手のお手本となっていました。私の個人的な記憶としては、昨年のアウェイの京都戦が一番の思い出。古巣相手の「お礼」とも言えるスーパーなミドルシュートは、今でも鮮烈に脳裏に浮かびます。ファンの一人としては、これらの功績を考えるとそのまま指導者として?サンフレッチェに残ってほしい、と言う気もするのですが、しかし彼の「サムライ」を思わせるこれまでの生き方を考えると、最後の最後までプレーの機会を求めて渡り歩く方が彼らしいようにも思います。今後どこかのチームでまた彼のプレーを見たい、と思います。
古賀選手は今年も貴重なバイプレーヤーとして活躍し、一時は服部選手をも凌ぐプレーの切れを見せて勝利に貢献していました。それを考えるとここで手放すのは惜しい選手だと思いますが、しかし以前から指導者になることを目指していて既に昨年?一度引退を決意していた、と言う話を聞いたことがあります。おそらく年齢と共にスピードや体力の面での衰えを自覚しての事だと思いますし、ここは敢えて引き留めずに新しい道に送り出すのが彼のため、と言えるのかも。
大久保、石川両選手はいずれも技術的にはチームでも高いレベルのプレーヤーだと思います。しかし二人ともここぞ、と言うところで怪我に見舞われる不運があったのが残念。特に石川選手は、プロ入りして2年間はほとんどリハビリに費やしてきており今年が実質的には一年目でしたが、若手の台頭とチームの若返りの方針で弾き出された格好となりました。しかし彼らのサッカー人生はまだまだこれから、と言う感じですし、ぜひ新しいチームを見つけて、その秘めた実力を花開かせてほしいと思います。
上野選手は元ユニバーシアード代表の実績を引っさげ、今年福岡から移籍して「久保の代役」としてその高さを生かしての活躍が期待されていました。しかし実際には出場機会にあまり恵まれず、高さが必要な場面でも上野を差し置いてDFの川島選手が投入されるという屈辱的な扱いを受けていましたから、こう言う結末はある程度予想されていた、と言えるかも知れません。
そして佐藤、植田両選手はいずれも下田選手の厚い壁を破ることができませんでした。サブとしても今年から加入した加藤選手の後塵をも拝し、林選手の獲得が内定したということで今後も出場機会無しと判断されたのだろうと思います。争う相手が日本代表GKと言うことで、言わば「相手が悪かった」と言う感じで、特に佐藤は昨年名古屋から請われてレンタル移籍するなど実力が評価されていることは間違いないと思います。彼ら二人もどこか良いチームを見つけて、プレーを続けてほしいと思います。
<00.12.1> Jリーグは昨日、今季の優秀選手賞の35人と優秀新人賞の3人を発表し、サンフレッチェからは森崎和幸選手がただひとり優秀新人賞に選ばれました。優秀新人賞は他に川崎Fの我那覇と京都の松井で、これらの中から12/11のJリーグアウォーズで新人王が選ばれることになります。今年の新人王はツゥットで決まり、と言う下馬評でしたが、優秀新人に選ばれなかったということはやはりJ2での実績があったから、と言うことなのでしょうか?また、ライバルの一人と目されていたV川崎の飯尾も選ばれなかったと言うことで、森崎和が新人王になる可能性は結構高いのではないか、と思います。
<00.11.30> 一昨日の中国新聞の「シティー」欄で、ビッグアーチボランティアのこの1年の活動を紹介しています。このボランティアは広島市スポーツ事業団が1月に募集し、3月から実施した試行事業。登録したボランティア168人が、サンフレッチェの試合だけでなく、ワールドユーステニスカップなどの運営の補助を行いました。ビッグアーチのホームゲームを見に行ったことのある人なら目にしていたと思いますが、黄色のジャンパーを着てチケット確認やプレゼントやチラシを配っていたのがこのボランティアの人達。スタート当初は「交流ができない」「立ちっぱなしが苦痛」等の不満の声もあったものの、徐々に支える喜びが生まれるとともに提言などをしてサービス向上にも一役買ったそうです。選手達も試合後にお礼の言葉をかけたり最終戦後に交流会を開くなど「みんなと一緒に戦っているという感じがする。僕たちは、こうした地域の人に支えられていることを忘れてはいけない」(森保選手)とこのボランティア活動に感謝していたとのこと。今年は「試行」と言うことだったため来年以降どうなるかはまだ決まっていないそうですが、地域の人達がサンフレッチェを身近に感じる機会となったことや400万円以上の運営費削減につながった事も考えると今後もぜひ継続して欲しいもの。むしろ来年はもう少し条件を緩くして(今年は18歳以上でビッグアーチまで1時間以内で通えること、2/16か20の説明会への参加、イベント3回に参加することという条件があった)、より多くの人が自分のできる範囲で活動できるような方法を考えて欲しい、と思います。
<00.11.29> サンフレッチェは昨日、レンタル中だった山根、金本両選手の大分への正式移籍を発表しました。昨年から大分でプレーしていた2人でしたが、山根はボランチとして完全にレギュラーを獲得、金本も貴重なバックアップメンバーとして活躍していました。サンフレッチェとしては森保、桑原の後を継ぐ選手として復帰も考えていたようですが、森崎和、松下の成長もあったため今回の決定となったものと思われます。ただし、これは決して「厄介払い」のようなものではないはず。むしろ今年、レンタルの選手をやりくりしてリーグを戦ってきた大分が、将来のチームの中心選手として期待して正式移籍を望んだ、と言うものだと思います。彼らには今年以上にレベルアップして、2002年にはぜひとも大分とともにJ1に戻ってきてほしいと思います。
なお、先週の段階ではミゲルの契約解除も発表されました。スコットランドのセント・ジョンストンから「点の取れるストライカー」と期待されての移籍でしたが、結局リーグ戦は3試合出場・無得点に終わりました。昨年夏にヴィドマーが退団してからそれに代わる外国人をずっと探し求め、複数の選手をテストしたりしながらもなかなか決定に至らず、ようやく今年になって決まったのがミゲルでした。スコットランドリーグやUEFA杯での実績のあるポルトガル人だと言うこと、それに織田強化部次長も直接目で見て採用を決めたと言う事でかなりやるだろう、と思われましたが、実際にはキープ力が無く、また動きの質も悪く期待外れに終わりました。これは、これまで「安くて質の良い外国人を取ってくる」と言う定評のあったサンフにしては珍しい失敗だったように思います。しかし私が思うにこれは強化部の失敗というわけではなく、「安くて良い外国人」を探してくること自体が非常に難しくなって来ているからではないか、と思うのです。
トルシエ監督によると「日本人選手の100〜200人が欧州レベル」なのだそうですが、それを信じるならばJ1のレギュラークラスのほとんどが「欧州レベル」だということになります。とすると、逆に欧州リーグでレギュラーとして活躍できるような選手でないとJリーグでも苦しい、と言うことになるでしょう。すなわち、ボスマン判決以降高騰した年俸と移籍金に見合うだけの予算を用意しないと、良い選手を獲得するのは至難の技である事になります。従って、今後選手獲得のための予算が飛躍的に増えない限りミゲルのような失敗はまた起こり得るのではないか、と思います。
こう言う状況は、例えばセリエAなどトップリーグの下位チームや、それ以外の国のクラブと同じ立場に立っていると言っても良いでしょう。そしてそう言うクラブはどうしているかと言うと、例えばアフリカやアジアの国から実績の少ない安い選手を連れてきたり、あるいは若いうちにクラブに入れて育成する、と言う手法を取っています。従ってサンフレッチェの場合も、今後は(フォックスがそうであったように)有望だが実績のない若手選手を獲得してきて育てる、と言う方向になっていくような気がします。今回リやトゥーリオを獲得したのは、その一環なのかも知れません。ツゥットやエメルソンのように、来日前はさほど実績がなかったにも関わらず大ブレイクした例もあるだけに、その育成の手腕を外国人選手にも発揮するのも良いように思います。
<00.11.28> 一昨日深夜に放送されたアジアユースの決勝は、延長前半14分のイラクのゴールで敗戦を喫し、2大会連続での準優勝となりました。この最後のゴールシーンだけを取り上げれば確かに不運な敗戦、と言えるものでしたが、ゲーム全体を見ればU-19代表選手達の能力の高さと経験不足から来る脆さの両方を見せたゲームで、敗戦となったのもある意味必然だった、と言えるように思います。
前半、イラクは速い攻めを見せて何度も決定機を作りました。これは、解説者も度々言っていたように外部の人間ばかりでなく選手達にとっても意外な展開だったのかも知れません。これまでイラクは、韓国戦、あるいはイラン戦と攻められ続けても堅い守備で守り勝ってきたチームでした。逆に日本は攻撃型で、フル代表と同じフラットスリーを採用して失点覚悟で攻めるチームです。従って展開的には「攻める日本、守るイラク」となるだろうと予想されていました。しかし、その予想は試合開始後数分で覆されます。先制点の欲しいイラクは前線からどんどんボールを取りに来て、速いパス回しで日本の守備陣を翻弄します。これで慌てた日本はずるずるとラインを下げて前線と中盤の間が間延び。中盤でのルーズボールをことごとく奪われ、守備に入った場面では数的優位を作れず何度もイラクの攻撃を許します。失点の直接の原因は森崎和のパスミス(それも、ゴールに向かってのパスを奪われるという最悪のもの)からだったのですが、そこに至るまでに何度もあった決定的ピンチを凌いでいた後だっただけに日本の選手全体に一瞬の集中の途切れがあったのではないか、と思います。逆に日本の攻めは単発的。前線にボールを持ち込んでもフォローが足りず、逆に分厚い守備を敷くイラクの網に掛かってシュートもなかなか打たせてもらえませんでした。この原因は多分にメンタルなもの。立ち上がりのイラクの強いプレッシャーに対する心の準備ができておらず、押し込まれてチームの形が崩れ、それを修正できなかったと言うことなのではないかと思います。これはひとえに、若いが故の未熟さが出たのだろう、と私は思います。
後半になると、西村監督の修正が効いたのか日本が押し込みます。青木、森崎和のドイスボランチによるこぼれ球の掃除とボールの散らし、両サイドの突破、トップ下に下がった前田のキープ力、そして中央に構える田原の高さとそれぞれの武器を有効に使ってゲームを支配。後半17分に駒野の鋭いFKのボールを田原が完全に競り勝ってゴールに流し込んだときは、「これで勝った」と私は思いました。
しかし、これに対するイラクはしたたかでした。同点に追いつかれて焦って前に出てくるかと思えばさにあらず。疲れが出て来たこともあってか決して無理をせず、ゴール前に厚い守備の壁を作って追加点を阻みます。日本は良く攻めたのですが、しかし最後には疲れで足が動かなくなって攻撃の鋭さが半減。途中交代で入って元気に走り回った飯尾もシュートの精度が無く、結局決めるべきときに決められなかった事が最後の失点につながったように思いました。
今回のU-19代表は、何度も書くように「谷間の世代」と揶揄され、国際経験の不足を指摘され続けてきたチームでした。チーム立ち上げの時期からメンバーとシステムについて試行錯誤を繰り返し、最終的に「フラットスリー+スリートップ気味の布陣で行く」と決まったのは最後の中東遠征の時。本番の直前になって主力と見なしていた阿部、茂庭が離脱したこともあって「熟成されたチーム」とはとても言えないものでした。しかし、今の若者の戦術理解度のなんと高いことか。大会本番になって徐々にチームを固めると一番大事だったクウェート戦でその力を爆発させ、その余勢を駆って難敵中国にも力の差を見せつけて快勝し、準優勝という結果を残しました。決勝こそ相手の戦術にはまり、十分に力を出せないままの敗戦となってしまいましたが、これまでの過程を考えれば上々の結果。むしろ今後に向けての課題がはっきりしたと言う意味で、貴重な経験になったと言えるのではないでしょうか?
サンフレッチェから選出された3選手は、森崎浩はほとんど出場機会のないままに終わりましたが、森崎和と駒野はチームの中心として大活躍だった、と思います。駒野はサイドアタッカーとして、そして右でも左でも蹴れるフリーキッカーとして貢献。主に左サイドでの出場でしたが右もできるというマルチな才能は、チームに欠かせないものでした。課題があるとすれば、疲れてきたときの対応に問題があったように思えたこと。決勝の終盤、疲れた足を引きずるようにしながらも左サイドを突破、あるいは中央から切れ込んでチャンスメイクしようとする意欲は分かったのですが、しかし上手にコントロールできなくなった足から放たれるパスはほとんどがミスパスに終わり、逆襲を浴びてますます疲れが募る事が多かったように思います。彼の場合、精神的にやや弱いところがあるわけですが、厳しい状況になったときにどのようにゲームを作るのか、はこれから学んで行かなければならないところなのかも知れません。逆に森崎和は、どんな状況になっても冷静さを失わずに自分のプレーを続けることができるところが持ち味です。失点の原因となったミスパスは責められても仕方のないものですが、しかしそれ以外の場面ではピッチの中央でゲームをコントロールし、そのキープ力とパスの能力(特にふわりと浮かしたパスの上手さは天下一品!)でチームの要としての働きでした。しかし、そう言う立場の選手にはそれに応じた責任があります。チームが精神的に追い詰められ、バラバラになりかけたときに引き締めることができるかどうか。その声やプレーで、チーム全体を鼓舞し続けることができるかどうか、が重要です。今後彼がそう言うプレースタイルを身につけ、本当の「10番」、本当の「フィールドの指揮官」らしい働きができるようになったとき、彼は超一流選手への階段を一歩上がることができるのだと思いますし、サンフもユース代表も貴重な宝物を手に入れる事ができるのではないでしょうか?
ともあれ、彼らU-19代表の選手には次の目標があります。アルゼンチンで行われるワールドユースでどれだけの結果を出せるかが、今大会の優勝よりも重要です。今回イランに行った選手達はもちろん、それ以外の候補選手達にはこの半年で更に大きく成長し、そしてより強いチームを作って臨んでほしいと思います。
<00.11.27> 昨日の等々力は「ヴェルディ川崎」としては最後のゲーム。いろいろとイベントもあった(と言っても、23日のビッグアーチに比べれば何も無いも同然でしたけど)にも関わらず7千人に満たない観客(6,948人)で、いささか寂しいものがありました。たぶん、普通のサッカーファンはここからさほど遠くない国立競技場で行われた「優勝決定戦」を見に行ったか、あるいはテレビ観戦を選択したのではないかと言う気がします。
サンフのメンバーですが、名古屋戦と同様の「ベストメンバー」で次のような感じでした。
        下田

   伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田      桑原      服部

    コリカ     藤本

      久保  栗原(→松下75分)

SUB:加藤、川島、森保、山形
前半は、ボール支配率はヴェルディの方が上。しかし横パスばかりであまりゴール前に入り込むシーンが少なくピンチは2回ぐらいだったと思います。そう言う場合、サンフとしては「ボールを奪って素早いカウンター」に徹すれば良いはずなのですが、しかしたまにボールを奪ってもパスがぶれてあまりチャンスにならず。この日は特に両サイドが不調で、その上頼みのセットプレーも単調な放り込みに終始してチャンスが作れません。ちゃんと覚えてないのですが、前半はシュート自体も少なかったのではないでしょうか。両チームともミスが多い、下位チーム同士の戦いにふさわしい?前半だったと思います。
後半になると、両チームともやや動きが大きくなります。サンフは久保と藤本が右に、左に精力的に走ってリズムを作ってヴェルディのDFラインの裏を狙います。中澤、米山らのヴェルディのチェックが厳しく、またパスの出し手と受け手のタイミングが合わずに相手DFを崩せずなかなかシュートに至ることができず苦心の攻めでしたが、しかし先制点につながったのはシンプルなプレーの連続からでした。後半4分、DFラインからのロングボールに藤本が上手に落下点に走り込みます。ここでこれまでボールをこね回してチャンスを失うことの多かった藤本は、今度はシンプルにワンタッチでゴール前にクロスを送り込みます。そこにDFと並走しながら飛び込んできていたのが久保!中央で右足を叩きつけるようにしてゴールに押し込みました。
この1点で「重し」が取れたのか、サンフは俄然動きが良くなります。それまでほとんど取れなかった中盤でのボールの競り合いにも勝てるようになり、速いボールの動きから何度かチャンスを作ります。しかし、ここで出たのが「シュートを打たない病」。ゴール前で何度かボールを回しながらシュートに至る前にボールを奪われる、と言うシーンが多くストレスが溜まります。そうこうするうちに後半27分、左サイドからのFKで米山をフリーにしてしまって同点。その直後に栗原に代えて松下を入れるもののゴールを割る事ができず、延長入りとなりました。
延長に入ると、最後の等々力に勝ちがほしいヴェルディが怒涛の攻撃を見せます。延長に入る前までのように横パスを回して時間潰しをすると言うパターンでなく前へ、前へとボールを運んで何度もサンフゴールに攻め入ります。しかし、こう言う閉塞した状況を打ち破ったのは久保のエゴイスティックなプレーでした。この日の久保はこれまで以上に一人ででもゴールに向かおう、と言う姿勢が目立っていたのですが、今日最後のシュートシーンはドリブル突破から。中央やや右寄りでコリカからのパスを受けた久保はゴール前を斜めに横切るようにしてペナルティエリアに侵入し、ゴールが見えると左足を一閃!このシュートは「エース」らしい強烈なものだったと言えるように思います。
全体を通してみると、チームとしての出来は決してよくなかった、と思います。勝ちたいという気持ちは分かるものの、動こうとしてもタイミングが合わずまた動いてもパスが来ないと言うことで消耗。前半の最後などは攻めに入ったシーンでの押し上げもできないような状態でした。それでもジュビロ戦のように着々と失点しなかったのは、ひとえにヴェルディがヘボだったから、でしょう。パスがつながってもゴール前でのアイディアが乏しく、ボールの支配率の割には危険なシーンはさほど多くなかったように思いました。
それから2度目の出場となった松下でしたが、相変わらず落ち着いたプレーを披露しました。後半終了間際には右サイドからのクロスに飛び込む、と言うシーンもありましたが、全体的にはコンビネーションが合わない点も多かった、と思います。しかし延長に入ってすぐに一度見せ場を作ります。右サイドでボールを持った沢田が中に切れ込むと、それと入れ替わるように右サイド深くに進出。そして余裕を持ってクロスを上げるとドンピシャで久保の頭に合うというシーンがありました。この日はそれまでサイドからの(他の選手の)クロスがほとんど全くと言ってよいほど味方の選手に合わなかった事を考えると、ある意味「未来が見えた」シーンだった、と言えるのではないでしょうか?
逆に山形の出場機会は残念ながら無しに終わりました。しかし、このような競ったゲーム展開では入れる隙が無かったのも事実だと思います。このゲームは勝ちでも負けでもどっちでも良い、とは言え集まったサポーターは勝ちを期待して来たのも事実。それに「勝利」と言う歓びを与えたと言うトムソン監督のやり方は、決して間違いではないと思います。実際、試合終了後にトムソン監督がゴール裏にお別れの挨拶に来たのですが、その時の雰囲気は磐田戦の終了後とは比較にならないほどの暖かいものでした。それに、少なくとも松下にとっては厳しい状況でのゲームを体験し、勝つ歓びも感じることができました。山形にしたって出れない悔しさはあったでしょうが、しかしきっとそこから学ぶところは大きかったと思います。このゲームは色々な意味で「トムソンのチーム」の集大成であり、それで「勝ち」と言う結果を残すことができたと言うことは意味のある事だったと言えるのではないでしょうか。
<00.11.26> 土曜日に行われた天皇杯1回戦で、ユースとしては初めて県代表となったサンフレッチェユースは長野県代表の上田ジェンシャンと対戦しましたが、前半に奪われた1点を取り返すことができず敗れました。メンバーはGK:渕上、DF:川端、宮本、田森(→守生88分)、MF:板垣(→本田67分)、清水、流田、古岡、対馬(→沖本56分)、FW:寺内、三山、SUB:古川、秦。ゲーム全体としてはユースのシュート13本、上田が6本とユースのペースだったそうで、特に後半は惜しいシーンの連続でしたが相手ゴールを割る事ができなかったそうです。
<00.11.26> 今朝の中国新聞によると、先発予想は名古屋戦と同様でしたが松下に加えて山形を遠征に帯同するとのこと。若手のテストも行うことになりそうです。テレビ放送ですが、地上波、BSともに全国中継はなし。(関東ローカルのみ日本テレビで深夜にあるはず。)スカパーは11/29(水)22:30からch121での放送です。
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