12/10〜12/16のサンフレッチェ日記



<00.12.16> 21世紀最初のチャンピオンに向けて、まずサンフレッチェの前に立ちはだかるのは神戸です。神戸の97年のJ1昇格後3試合は勝ちましたが、その後98年の2nd stageから4連敗。いずれも相手の術中にはまり、良いところ無く敗れて何となく苦手意識ができてしまっていました。しかし今年の2nd stageの開幕戦では、90分を通してアグレッシブなプレーを貫いて1-0の点差以上の内容差で完勝しました。従ってこの勝利で苦手意識を一掃した、と行きたいところ。特に神戸は永島の引退表明や黒崎、長谷部などの戦力外通告で揺れていて3回戦でもJFLのデンソー相手に苦戦しているだけに、少なくともモティベーションの面では負けない戦いを見せてほしいものです。
サンフレッチェのメンバーですが、このゲームほど予想が難しいのも久々ではないでしょうか。水戸戦で活躍した若手を起用するのと、前のゲームで休んでもらったベテランを復帰させるという考えと、トムソン監督はどちらを取るのでしょうか?
        下田

   伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田      森崎和      服部

    コリカ     藤本

      栗原  久保

SUB:加藤、川島、桑原、駒野、高橋
私の予想は「勝っているチームはいじらない」と言う原則に従って、水戸戦を基本とすると言うもの。特に中盤は藤本選手が「ある意味では理想的」と言っていた布陣が、J1相手にどのように機能するかをもう一度見たい、と思います。またツートップも、水戸戦では7点中5点に絡んだだけにいじる必要は無いでしょう。代えるとすれば、やや不安定なところを見せた川島に代えて伊藤を起用するか、あるいは調子が悪そうだった沢田の代わりに駒野を使うか、と言うところでしょうか。また、さすがにもう一人のボランチは松下ではなく、経験の豊富な桑原か森保を入れてくるものと思われます。今年、中盤を支配するサッカーを目指しながらリーグ戦では完成には至らなかったトムソンの戦術でしたが、ここでようやく理想に近い布陣が敷けるようになったわけですし、ぜひとも来年につながるような、レベルの高いサッカーを展開してほしい、と思います。
<00.12.15> 昨日、20日の日韓戦に向けての日本代表が発表され、サンフレッチェからは久保が選出されました。今回の代表は中田英と西澤は招集を見送られ、高原や森島が怪我や体調不良などがあったため合宿にも呼ばれていなかったため久保は数少ないFWの駒。今週行われていた合宿でもずっとレギュラー組で起用されていたらしく、特に三浦知良選手とツートップを組んでいる姿もテレビに映っています。その上Jリーグ再開後の調子もまずまずで、天皇杯も含め6試合で5ゴールと目標の「1試合1ゴール」に近い結果を残しています。これまで久保は代表に選ばれても怪我や不調などで起用自体が少なく、そして出ても今一つ不満足な出来に終始していただけに今回はブレイクのチャンスと言えるでしょう。
なお、今回選ばれたのは次の22選手。
GK:川口(横浜)、楢崎(名古屋)、DF:服部、田中(磐田)、森岡(清水)、松田(横浜)、中田浩(鹿島)、MF:藤田、名波、奥、福西(磐田)、明神(柏)、中村(横浜)、本山(鹿島)、酒井(市原)、稲本(G大阪)、小野(浦和)、FW:三浦(京都)、中山(磐田)、久保(広島)、柳沢(鹿島)、北島(柏)。
「アジアチャンピオン」となった日本代表ですが、それは既に過去のこととしてまた新たな「ポジション争い」を予感させる布陣となっています。今年、そして20世紀最後となる代表のゲームでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみです。
<00.12.15> 「日本代表ニュース」によるとサンフレッチェを退団することが決まっている上野は京都へ、また佐藤は名古屋へ行くことで内定したそうです。
<00.12.14> サンフレッチェファンクラブは、来年から新しいサービスを開始します。まず第1は、来年2月よりオフィシャルホームページ上にできる会員専用のコーナー。ここからクラブへの質問・意見・要望を送ることができるそうで、これにはクラブとそのスタッフが回答するとの事。これまではオフィシャルホームページに書き込んでも反応が鈍い、等の不満の声が聞こえていましたが、これでその問題は解消できそうです。また、ここにe-mailのアドレスを入力することによりホットニュースを配信してくれるサービスもできます。第2のサービスは、ホームゲーム試合当日のスタジアム見学へのご招待。一般の方では絶対に入れないスタジアム内や選手入場シーンを間近で見ることができます。そして3番目は広島市内のホテルの宿泊割引サービス。ファンクラブ会員証の提示で広島全日空ホテル(特別料金にて提供)、広島ワシントンプラザホテル(宿泊料10%引き)、ホテルサンルート広島(宿泊料10〜20%引き)を利用することができます。遠隔地在住のファンクラブ会員が年に何回かの観戦に来るときには、有り難いサービスだと言えるのではないでしょうか。
またこの他、ホームゲームでのファンボードと選手名鑑への氏名・グループ名の掲載、誕生日のバースデーカードプレゼント、年間パス3,000円割引(大人のみ)、ファンクラブサロンの利用、選手名鑑や紫熊倶楽部増刊「アシスト」のプレゼント、グッズやチケット、紫熊倶楽部の割引、チケット優先予約、ファン感謝デーへのご招待など盛りだくさんの特典はこれまでのまま。ファミリー会員やグループ会員にはオリジナルフラッグのプレゼントもあります。一般会員は大人が入会金2,000円の年会費4,000円、小人が年会費のみの4,000円。ファミリー会員(同一住所の2〜4名)は入会金2,000円と年会費6,000円。グループは3名以上で入会できて、入会金は一人当たり1,000円、年会費は3,000円となっています。お申し込みとお問い合わせは、サンフレッチェファンクラブ事務局(〒733-0036 広島市西区観音新町4丁目10-2 広島西飛行場ターミナルビル1F 082-297-5353)までどうぞ。
<00.12.13> 水戸戦でアップ中に足首をひねって大事を取った森崎浩司選手は、実は右足甲の疲労骨折をしていたそうで昨日府中町内の病院で手術をした、とのことです。復帰時期は未定で、少なくとも天皇杯の出場は絶望となりました。本人にとっては非常に残念なことでしょうが、しかしチームでもU-19代表でも思い通りのプレーができずいろいろと悩んでいたと言う話でしたし、ここで一休みするのは良いことかも知れません。兄の森崎和だけでなく駒野や松下などがどんどんトップで活躍しているのを見ると焦りもあるかも知れませんが、ここはむしろ天が休養を命じた、と言うつもりで、来年に向けて色々な意味での充電をしてほしいと思います。
<00.12.12> 2000年度のJリーグアウォーズが昨日横浜市で開かれ、森崎和幸選手が新人王を受賞しました。サンフレッチェとしてはもちろん初の受賞で、高卒新人としても2年前の小野伸二に次いで2人目。これまで歴代の新人王は93年の澤登(清水)から始まって、田坂(平塚)、川口(横浜M)、斎藤(清水)、柳沢(鹿島)、小野(浦和)、中澤(V川崎)と日本代表にまでなった選手ばかり。「一流選手」への階段をまた一歩昇った、と言えるでしょう。森崎和は「一生に一度しかもらえない賞。チームメイトや応援してくれた人に感謝します。最高の一日になりました」と、堂々と受賞スピーチをしたそうです。
森崎和は双子の弟浩司や駒野とともに、ユース時代から将来を嘱望され、昨年はチームとしては初めてとなる「高校生Jリーガー」となりました。今年は開幕からずっとレギュラー、あるいは準レギュラー扱いで24試合に出場。3得点を上げるなど着々とチームの中心選手としての力を蓄えてきました。リーグ戦の前半は、体力的な不足や出来の良し悪しの大きな波もあってまだまだ足りないところも目立つ選手だったように思いますが、8月末のリーグ戦中断以降はU-19代表の中心選手として活躍。アジアユースでの準優勝に貢献する中でまた一段と成長しました。先日の水戸戦ではシングルボランチとしてフル出場し、チームの「心臓」とも言えるポジションでそれにふさわしい働きを見せて勝利に貢献しました。そのシャイな性格そのままに、プレー上でも自己主張の少ない選手でそれが裏目に出ることもありますが、しかし逆に言えばどんなときにでも冷静さを失わず、チームのバランスを考えてプレーできるというのは大きな武器。相手ボールになったときには、決して激しいチェックはしませんがきっちりとパスコースを切って相手のリズムを崩し、逆にマイボールになったときは忠実にパスコースに顔を出すという「バランサー」としての役割。そして一端ボールを持つと卓越したキープ力でタメを作り、相手DFを切り裂くようなスルーパスや得意の相手の頭越えのループパスでチャンスを大きく広げるプレー。これまでサンフレッチェには、「守備的MF」はいても「ボランチ」(車のハンドル、の意味のポルトガル語)と言えるのは風間選手ぐらいしかいませんでしたから、チームはそれ以来の宝物を手に入れつつある、と言う気がします。
ところで水戸戦は、この森崎和以外にも若手の活躍が目立ったゲームでした。最初に交代出場した駒野に対して「バックスタンドから大きな拍手」と広島フットボールには書かれていましたが、実はあの拍手の大部分はバック側からピッチ外に出た沢田選手へのもの。沢田コールをしているうちにいつの間にか駒野が入っていた、と言う感じだったのですが、しかし入っていきなりそのプレーでファンの心をつかんだように思います。最初のプレーが守備だったか攻撃だったかは忘れてしまったのですが、とにかくスペースを見つけるとどんどんそこを突き、ボールを持って1対1になると必ず勝負に出て豊かなスピードとそのテクニックでサイドを突破するプレー。右足から繰り出される鋭いクロス。更に守備でも、いささか厄介な存在だった相手左サイドの15番?(川島はこの選手にあっさりとクロスを上げさせて決定的なピンチを招いています)の突破に対して後ろから追いついてきっちりと抑える、と言うところも見せました。これまで駒野はナビスコ杯の横浜戦、チャレンジャーズリーグの京都戦と2度見たことがあるのですが、その時とはまるで別人のようなプレーぶりで、これでようやく、駒野がなぜ期待されるのか、なぜU-19代表の主力として重宝されているのかが分かったように思います。駒野に必要なのは経験と、そしてちょっとばかりの自信、だと思います。今、沢田の調子がそれほど良くは無いように見えるだけに、この天皇杯では必ずまたチャンスがあるはずです。そこでJ1のレギュラー相手に水戸戦と同じような活躍ができれば、ひょっとすると一気に大ブレイク、と言うこともあるかも知れません。
また、磐田戦、V川崎戦に続いて右寄りの攻撃的MFの位置に入った松下でしたが、彼の視野の広さと球離れの良さは森崎和やコリカとは違った意味でチームにリズムをもたらしていたように思います。特に右サイドの駒野とのコンビネーションは抜群。ボールを持って相手選手を適度に引きつけておいてズバッとスペースにパスを出す、と言う感じで何度も相手DFを切り裂いていました。高校時代の松下は、中央にでんと構えて長短のパスで味方を操ると言うイメージでむしろ森崎和よりも「ボランチ」に向いているタイプかと思いましたが、この日のように前目で「司令塔」と感じのプレーも悪くない。彼も今まさに伸び盛りと言う感じですから、どんどん起用してほしいものです。
そして最後は彼ら「スーパーセブン」の1年先輩ながら、給料の面では追いつかれてしまった感じの高橋です。今年は2年目のジンクスそのままに、ほとんどどん底とも言える経験をしてきた彼ですが、最後のホームゲームで最後のゴールを決めることが出来たのは大きな収穫でした。FWとしての能力があることは昨年十分に証明済みなのですから、彼のその優秀な「サッカーブレイン」に磨きをかけ、相手との駆け引きに勝つ事ができればまた得点も増えるはず。昨年大活躍した天皇杯で、再びその輝きを取り戻してほしいし、このゴールはそのきっかけとして欲しい、と思います。
<00.12.12> 今季限りでの退団が決定していた植田選手ですが、サンフレッチェは昨日、宮崎県リーグ1部のプロフェソール宮崎への移籍を発表しました。プロフェソール宮崎については良くは知らないのですが、元サンフレッチェの笛選手や山下選手、牧野選手、須股選手などを集めているチーム。今は完全なアマチュアチームだと思われますが、ひょっとすると将来的に上を目指すような考えがあるのかも知れません。
<00.12.11> 昨日の天皇杯3回戦の水戸ホーリーホックとの対戦は、序盤はやや苦戦したものの最後には実力差を見せつけ、7-0とサンフレッチェとなって以来最多得点タイ、また点差としては最多記録となる完勝でした。
メンバーは、桑原、森保、伊藤は休養?させて次のような感じ。
        下田

   川島 ポポヴィッチ 上村

沢田      森崎和      服部
(→駒野65分)
    コリカ     藤本
    (→松下70分)
      栗原  久保
      (→高橋71分)

SUB:加藤、森崎浩
立ち上がりはいつもの天皇杯初戦らしく?相手の激しい動きに戸惑い気味。ボールは支配するもののゴールに向かうパスがつながらず、クサビのパスもすぐに後に戻すパターンが多くなかなかシュートにも持ち込めません。逆に水戸に逆襲を食らい、シュートミスに助けられるシーンもありました。前半19分には藤本が得たPKのボールを一旦栗原がセット、しかしポポヴィッチが「キッカーは俺」とばかりに奪い取って蹴るもGKのフェイントに騙されて止められた時には、スタジアムは嫌な雰囲気に彩られました。。しかし、この日のピッチ上にはコリカが居ました。それまでもコリカは質の高いプレーを見せていたのですが、ついに最初の決定的な仕事をしたのは前半26分でした。久保のパスを受けたコリカは、鋭い身体のキレを見せながら中央を突進します。コリカのパスを藤本がヒールでリターンすると、コリカはそのままスピードを落とさずにトラップしてゴール前に入り込み、まるで何事も無かったようにゴールに流し込みました。まさに、その時だけコリカ一人の時間だけが流れていたような、そんな素晴らしいゴールでした。更にその2分後、今度は森崎和と久保が魅せてくれました。センターサークル付近で前を向いてボールを持った森崎和は、相手DFの間を縫うようなグラウンダーのボールを久保に通します。これを久保はポストに入ると見せかけて反転すると、もう前にはGKだけ。これを左足で慎重に決め、ほぼ試合を決める2点目となりました。これで精神的に楽になったのか、その後は自在な攻めで水戸を翻弄。オフサイドの判定等で得点には至りませんでしたが、何度も美しい展開を見せて前半を終了しました。
早く3点目を取って若手をテストしてくれ、と言うのがハーフタイムのスタンドのファンの声でしたが、「広島フットボール」によるとトムソン監督も同じ事を思っていたそうです。そして、その待望の3点目が入ったのは後半開始わずか1分のことでした。まず左サイドをドリブルで突進したのは藤本。相手選手を一人、二人とかわしながら突き進みますが、しかしペナルティエリア付近で潰されます。ああ、だめだったかと一瞬スタンドには落胆が広がりかけますが、しかし藤本はその直前に久保にパスを出していました。久保はここで一瞬のフェイントの後コリカへ。これで完全にフリーになったコリカは落ち着いてGKをかわしてゴールを決めました。更に21分には、コリカが4点目の起点となります。駒野のクロスを拾った栗原から服部へ、そして逆サイドのコリカへと回して相手DFの組織を切り刻むと、コリカは美しいループシュートを放ちます。これは惜しくもバーを叩きましたが、しかし落ちたところには栗原がいました。前半のオフサイドになったゴールやその後のシュートミスも含めたように気持を込めたボールを叩き込み、これで水戸の集中力を完全に奪ってしまいました。24分には右サイドで完全にフリーになった久保が、敢えて自分で打たずに藤本に流して今季ホーム最後の阿波踊りを呼び、更に32分には高橋のパスから栗原がゲット。そして最後に高橋が、今季公式戦初ゴールをループで決め、この日のゴールラッシュを締めました。
これで4回戦に進出を決めたサンフレッチェの次の相手は神戸。いつも、攻め込みながらも術中にはまるように苦戦させられる「苦手」ではありますが、しかし神戸は2nd stageはなかなか勝ちに恵まれず、昨日のゲームも苦戦しています。従ってサンフがこの日のように若い力と中堅・ベテランの力が上手く噛み合えば、楽に勝ってもおかしくない相手であるとも言えるでしょう。トムソン監督がどのような選手起用をして神戸戦に臨むかも含めて、楽しみな4回戦であると言えそうです。
<00.12.10> 昨日の広島フットボールによると、やはり今日のゲームでの若手のテストは「程々」にするようです。トムソン監督はインタビューに「まず、勝つことが最優先なんだ。若手が出るかとか、そういうことは二の次の話」と答えて勝利を優先することを宣言。まずはレギュラー組でリードして、勝ちが見えた段階で若手を使う、と言う形になりそうです。広島フットボールのメンバー予想は、GK:下田、DF:上村、ポポヴィッチ、川島、MF:沢田、森崎和、服部、藤本、コリカ、FW:久保、栗原、SUB:加藤、駒野、松下、森崎浩、高橋。伊藤や桑原をメンバーに入れずに若手をサブに入れることにより、展開次第で若手に経験を積ませる事になるようです。今日のキックオフは午後1時、広島スタジアム。雨模様の天候ですので、寒さ対策を忘れずに。
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