12/3〜12/9のサンフレッチェ日記



<00.12.9> 明日の天皇杯3回戦の相手はJ2で9位だった水戸。昇格1年目ということで苦戦が予想されましたが、ひたむきなプレーとまとまりの良さで意外な健闘ぶりで、15勝21敗の戦績はナビスコ杯で苦戦した山形よりも上。ただ、このところの水戸は監督の退任や選手12人の大量解雇で揺れ動いていて、サポーターも「これでこの選手を見れるのは最後かも」と言うことでかなり気合いを入れている様子です。そう言う状況のチームの「最後の力」の強さは2年前の横浜フリューゲルスを見ても分かります。例年サンフは天皇杯の初戦で苦戦していることも考えると、決して侮ってはいけない相手だと言えるでしょう。少なくとも必死で戦いにくる水戸に失礼のないように、J1らしい戦い方を見せてほしいものです。
サンフレッチェのメンバーですが、広島フットボールと中国新聞によるとU-19代表組など若手を多く起用した布陣で来季に向けてのテストと経験を積む場とする模様です。負けの許されないトーナメント、とりわけトムソン監督にとっては敗戦の日が即退任の日となるだけに、トムソンらしくない?冒険的な起用だと言えるでしょう。ただ、逆にそう言うビリビリするような緊張の中で起用されてこそ経験になると言うもの。若手選手達には、自分の力と周りのサポートを信じて力を存分に発揮してほしいと思います。
私の先発予想は、次の通り。
        下田

   川島 ポポヴィッチ 上村

駒野      松下      服部

    コリカ    森崎和
    
      藤本  久保

SUB:加藤、伊藤、沢田、桑原、栗原
一昨日の広島フットボールよると練習では森崎浩を入れた布陣をテストしていたそうですが、どうも彼自身プレーに迷いがある様子。特に攻撃的MFとしての自分と、守備をうるさく言われる事とのギャップに苦しんでいるようです。もしかすると、アジアユースであまり出場機会が無かったのがゲーム勘の狂いとして出ているのかも。ここはむしろ守備力の高い松下を使った方が、中盤のバランスの点からも良いように思います。特に松下はリーグ戦終盤から京都との練習試合と連続して出ていて良い経験を積んできています。ここで先発起用することで、本当の戦力として開眼してくれるかも知れません。
今季のチームから既に12人が退団することが決定または内定し、今の「若手」と言われる選手が育って来ないことには来季はメンバーを組むのにも苦労しそうです。そう言う意味では、彼らに残された時間は決して多くはありません。チャンスをつかんでそれをものにするのも実力のうちですから、ここで起用されるであろう若手選手達には是非その機会を生かしてほしい、と思います。
<00.12.9> 昨日サンフレッチェは奈良育英高のMF、西島弘之選手の獲得を発表しました。中国新聞によると名波のような選手を目指しているとのこと。森崎兄弟や松下ら1年先輩の選手にとっては、李に続いてまた一人強力なライバルの出現、と言えそうです。
<00.12.8> 昨日配信の「広島フットボール」によると、水戸戦に向けて若手の起用の準備のため次のようなメンバーで紅白戦が行われ、0-0で終わったとのことです。メンバーは次の通り。
      【レギュラー組】             【控え組】

        下田                  加藤(→佐藤)

   川島 ポポヴィッチ 上村       沢田  伊藤  八田  古賀(→宮崎)

駒野     森崎和      服部       森保    桑原

    コリカ    森崎浩          山口(→山形) 松下

      久保  藤本              栗原  上野(→野村:練習生)
                          (→高橋)
U-19代表組総出演のレギュラー組は、期待に反して全くの低調な出来に終わってしまったそうです。特にレギュラー組の中盤が壊滅的で、控え組は森保、桑原の強烈なプレスでボールを奪われると山口、松下がボールを配給し、特に高橋と宮崎が入った後半は何度も決定的なチャンスを作ったそうです。原因は中盤の3人のコーチング不足によるコンビネーションの悪さ。特に森崎兄弟が攻めるのか守るのか分からない中途半端な動きに終始し、更に駒野も単調なアーリークロスの放り込みばかりでほとんど久保、藤本にボールが渡らなかったとのこと。若手で言えばむしろ控え組に入った松下や古賀の方が生き生きとプレーしているように見えたとか。水戸戦に本当にこのメンバーで行くのか、その場合本当に勝つ事ができるのか、不安が募るばかりの紅白戦となってしまった模様です。
<00.12.7> 今朝の中国新聞によると、契約更改交渉が昨日から始まりました。(と新聞には書いてあるのですが、C契約の選手は既に更改済みのはず。)昨日は主力11人が交渉に臨み、代理人を伴って「お金の話は次回。精度の説明を受けた」と話す藤本など3人が保留し、8人が契約に合意。中国新聞の推定によると、久保と上村が2,300万円、森保が2,100万円、桑原が1,500万円、服部が1,300万円、川島が700万円、高橋が540万円だとのことです。今季から基本給+勝利給(1試合勝つごとにベンチ入りメンバーに50万円を支給)と言う制度になったため、基本給のみの額は全体的に少なめとなっていますが、それを考えても今季の成績を反映して全体的に下がっているように思います。一方、森崎和は800万円へ320万円のアップ。出場給も合わせると1,000万円近い年俸になったそうで、「お金の実感はないけど、満足している。今年は代表も経験し、プレーの幅が広がった」と笑顔だったそうです。
<00.12.6> 先週発売の紫熊倶楽部Vol.22のトップ記事は、U-19日本代表のワールドユース出場権獲得について。広島から代表入りしている3選手に焦点を当てた記事となっています。次いで「ベールを脱いだ、名パッサー」としてコリカを取り上げ、リーグ再開後に突然ブレイクした「謎」に迫ります。今号から新たに登場のページ「サンフレッチェ、オーレ!」では、磐田戦に足を運んだサポーターの写真と生の声を紹介。沢田選手のコラムは、先日豪州に移籍した「親友」宮澤選手を取り上げています。後のカラーページは鹿島戦と磐田戦のレポート。そして最終ページでは日刊スポーツの元広島担当記者の大塚美紀さんがベルギーのサッカー事情を紹介しています。
<00.12.6> 昨日Jリーグが発表した移籍リストに、山口、大久保、石川、植田の4選手が掲載されました。「戦力外」となった7選手のうち上野、佐藤、古賀の3人が載っていませんが、移籍リスト掲載は「どのチームとも交渉できる」と言う意味だったはずなのでこの3人は既にどこかと交渉中なのかも知れません。佐藤は昨年も名古屋にレンタルされるなど他のチームなら十分活躍できる実力を持っていますし、上野は昨年広島入りの前に鳥栖と交渉していた、と言う噂を聞いた記憶があります。どこか良いチームが見つかって、来季以降もプレーできると良いのですが。
なお、一部の報道によると伊藤選手への来季の契約のオファーを出しているものの、関東のチームへの移籍希望が強く難航しているとの事。伊藤選手にはFC東京や市原が興味を示していると言う噂ですが、果たしてどうなるのか。ポポヴィッチも欧州への移籍希望を持っている事を考えると、来季のDFがどうなるかいささか心配です。
<00.12.5> 元サンフレッチェの高木琢也選手(札幌)は昨日、今季限りの引退を表明しました。以前より痛めていた膝の状態が良くないらしく、今季のリーグ戦はいずれも途中からの17試合の出場にとどまりノーゴールに終わりました。天皇杯での出場はするという事で、先日の2回戦の草津東戦では後半ロスタイムにゴールを決めていましたが、それはお膳立てを全て整えてもらった上でのいわゆる「ごっつぁんゴール」。テレビで見ていたのですが、高校生相手にボールキープもままならずまたスピードもますます衰えたという感じで、このままプロでやって行くのは苦しいな、と思わざるを得ない出来でした。今後は指導者を目指すと言うことですが、広島にマンションを持っているという話を聞いたことがあるので帰ってくる、と言う可能性もあるかも知れません。
また、こちらも元サンフレッチェの影山貴志選手(阪南大)はセレッソ大阪への入団が内定しました。影山は96年に大商学園高から広島入りしていきなりリーグ戦でデビューしましたが、その後伸び悩んで結局5試合の出場にとどまりました。そこで98年に広島を退団して阪南大に入学。その中でユニバ代表になるなど活躍したのが認められて、今回のJリーグへの復帰となったわけです。この経歴から考えると彼は今年3年生のはずですが、たぶん大学リーグには年齢による出場制限があって来季からのプロ入りとなったものと思われます。今年の夏頃には広島の練習にも参加していましたが、広島に入ると阪南大もやめなければならなくなる事もあって、地元のセレッソ入りを選択したのではないでしょうか?来季はプロとしてプレーしながら、阪南大卒業を目指すそうです。
<00.12.4> 来年のナビスコ杯は、J2に昇格予定の横浜FCを入れると28チームで争われることになります。ナビスコ杯の方式については数年は同じやり方を踏襲する、と言うことだったので、来年も今年同様のホーム&アウェイ式のトーナメントとなることは確実。それも、組み合わせは今年の結果から自動的に決まることになるはずです。となるとナビスコ杯ベスト4のチームをシードとして、それ以外は年間順位から決まる次のような「ナビスコ杯ランキング」を元に組み合わせが決まることになります。
1 鹿島アントラーズ      15 ヴィッセル神戸
2 川崎フロンターレ      16 ジェフユナイテッド市原
3 名古屋グランパスエイト   17 コンサドーレ札幌
4 京都パープルサンガ     18 浦和レッドダイヤモンズ
5 横浜F・マリノス      19 大分トリニータ
6 柏レイソル         20 大宮アルディージャ
7 ジュビロ磐田        21 ベガルタ仙台
8 セレッソ大阪        22 サガン鳥栖
9 ガンバ大阪         23 アルビレックス新潟
10 FC東京          24 湘南ベルマーレ
11 清水エスパルス       25 水戸ホーリーホック
12 東京ヴェルディ1969     26 モンテディオ山形
13 サンフレッチェ広島     27 ヴァンフォーレ甲府
14 アビスパ福岡        28 横浜FC
なお今年までは前年度Jリーグチャンピオンも第5シードになりましたが、来年は1チーム増えるためにそれは無くなると思います。組み合わせの「山型」はこれまで上位チームはなるべく下位チームと戦うような形になっていましたので、たぶん自動的にこうなります。
鹿島 ───┐           ┌───川崎
      ├─┐       ┌─┤
札幌 ─┐ │ │       │ │ ┌─浦和
    ├─┘ │       │ └─┤
市原 ─┘   │       │   └─神戸
        ├─┐   ┌─┤
G大阪─┐   │ │   │ │   ┌─F東京
    ├─┐ │ │   │ │ ┌─┤
湘南 ─┘ │ │ │   │ │ │ └─新潟
      ├─┘ │   │ └─┤
水戸 ─┐ │   │   │   │ ┌─山形
    ├─┘   │   │   └─┤
C大阪─┘     │   │     └─磐田
          ├─┴─┤ 
横浜M─┐     │   │     ┌─柏
    ├─┐   │   │   ┌─┤
横浜F─┘ │   │   │   │ └─甲府
      ├─┐ │   │ ┌─┤
仙台 ─┐ │ │ │   │ │ │ ┌─鳥栖
    ├─┘ │ │   │ │ └─┤
東京V─┘   │ │   │ │   └─清水
        ├─┘   └─┤
広島 ─┐   │       │   ┌─福岡
    ├─┐ │       │ ┌─┤
大宮 ─┘ │ │       │ │ └─大分
      ├─┘       └─┤
京都 ───┘           └───名古屋
つまり、サンフレッチェの初戦の相手は大宮、そして2回戦は京都。組み合わせの妙で?いずれも来年J2のクラブとの対戦ということになります。(ただし、この組み合わせはあくまで「予想」ですのでご注意!)その後が順当なら「天敵」横浜M(2年連続で敗れている)が相手、というのが気になるところですが、来季若手が経験を積む場、としては絶好のものとなるかも?
<00.12.3> 昨日のチャレンジャーズリーグ京都戦は、トップ同士のゲームだったことと移籍先が注目される三浦知良選手が出場するということで、700人を超える観客を集めてビッグアーチで行われました。
サンフの先発メンバーですが、天皇杯と来季を見越して若手中心という噂通り次のような感じ。
        下田

   川島 ポポヴィッチ 上村

駒野      松下      服部

    森崎和    森崎浩
    
      高橋  上野

SUB:加藤、八田、山口、山形、吉田
これは、逆に言えば「トップ」とは名ばかりでサテライトに毛が生えたような感じのメンバー。しかもその「毛」の部分の一人上村が前半早々にイエローを2枚もらって退場してしまったそうです。(私は遅れて行ったので見ていないのですが。)が、練習試合ということで?代役を入れることが認められてその後には八田が入っていました。因みに京都のメンバーはGK:平井、DF:大嶽、エジーニョ・バイアーノ、手島、MF:野口、望月、遠藤、富田、朴、FW:松井、三浦、SUB:高島、辻本、中村、大槻、宮崎、熱田、黒部。ヘジスがいませんが、それ以外は完全にフルメンバーでした。
こんなメンバーだと京都の一方的なゲームか、と思えばさにあらずで、前半はサンフが着々と点を加えます。得点はいずれも左サイドからで、先制点は服部が蹴ったFKをGKが弾いたのを上野がゲット。2点目は服部の突破から中央で森崎和がヘディングで押し込み、3点目も左サイドからのクロス(出したのは上野?)を高橋が頭で決めました。ボールの支配率は京都がやや上だったかも知れませんが、やはりこのサンフの中盤だとキープ力が違って、松下と森崎兄弟を中心に絶妙なハーモニーを醸し出していました。また、このメンバーだと伸び伸びとプレーできるのか、あるいは先輩としての責任を感じていたのか知りませんが、服部が素晴らしいキレを見せていました。いきなり入って心配だった八田もまずは無難な出来で、意外にも3-0と大量リードで前半を折り返しました。
後半になっても初めは相変わらずサンフのペースで、高いボールキープ力で京都を翻弄します。しかし、ボールを回せてもゴールまで突き進む力強さに欠けるのがこのメンバーの泣き所で、追加点を奪えないままに後半も半ばに差しかかります。ここでサンフは上野に代えて山形を投入し、同時に京都も三浦とあと誰か(^_^;)を下げて黒部らを入れました。それでもその後しばらくはサンフのペースが続き、山形もなかなか良い動きを見せます。しかし、それが暗転したのが30分ぐらいを過ぎたあたりでした。京都のパスにかなり前目のポジションでクリアしようとしたポポヴィッチでしたが、真正面から照りつける西日が目に入ってボールを見失います。これで運良くDFラインの裏に出た黒部が、そのままペナルティエリアに突進してシュートを決めて1点目。更にこの黒部が今度は右サイドを突破し、カバーに入った八田?をかわして入れたクロスを熱田に押し込まれて1点差に迫られます。こうなると浮き足立つサンフの若手選手。なかなかボールを前に運べなくなり、京都の波状攻撃を受けます。立ち上がってポポヴィッチに指示を送るヒックマン。同点になるのも時間の問題かと思われましたが、しかしチャレンジャーズリーグという事もあってか京都の詰めも甘く、結局そのまま逃げ切る事ができました。
このサンフのメンバーの中で、この日一番嬉しかったのは高橋じゃなかったでしょうか?なんせ今年、公式戦や練習試合も含めトップ相手に得点を決めたのは初めてですから。後半、山形との「ちびっ子ツートップ」になってからはかなり苦しかったのは事実ですが、それまでは良く動き回り、また持ち前のヘディングの強さも見せてまずまずの働きだったと思います。また、ワンボランチとしてチームの中心に位置した松下も目立っていました。やはりリーグ戦で2試合出たことで、かなり自信を付けたのではないでしょうか?森崎浩は相変わらず自己主張の少ないプレーでちょっと歯がゆかったのですが、でも後半の押し込まれていた時間帯に左足で放った強烈なミドルシュートは良かったと思います。駒野はいまいち見せ場を作れず。八田は意外に?安定していましたが、2点目の時に黒部に付いていたのにクロスを入れられてしまったのは1点減点。山形は最初は良かったものの、その後は消えてしまっていました。せっかくスペースはあったのですから、もう少しボールのないところでの動きの質を高めて行かないといけないんじゃないかな、と思いました。全体的には若い選手達が着々と育っている様子が見えて嬉しい勝利。せっかく彼らは結果を出したのですから、「格下」が相手となる天皇杯の3回戦では彼らを大量に起用しても良いのではないかな、と思います。
それから、やはり注目の的は「キング・カズ」こと三浦知良選手。途中交代で下がるときも、試合終了の挨拶の後にもいずれもファンにサインをせがまれ、またマスコミに取り囲まれていました。何でも先日の東京スポーツに「カズ、広島入りか?」と言う観測記事が出ていたらしく、マスコミが殺到したのはそのへんの絡みもあるのかも知れません。飛ばし記事の得意な東スポがソースでは信用度が低いのが残念なのですが、しかしサンフが三浦カズの獲得に行くのは十分に有り得る、と思います。この日、チャレンジャーズリーグとしては今までにないほどの観客を集めたのは間違いなくカズ効果。かつて呂比須や小野の獲得に名乗りを上げたように、観客動員増が期待できる選手であれば無理をしてでも取りに行くと言う久保社長の方針からすれば、十分に獲得の価値のある選手です。その上栗原の退団でFWのポジションがぽっかり空いて、経験豊富で決定力のあるFWの補強は焦眉の課題となっています。私は以前、望月獲得の噂が出たときに「チームの年俸面でのバランスが崩れる」として反対論を書きましたが、三浦カズの場合は人気、実績の両面から群を抜いている選手。仮に他の選手を圧する年俸を取ってもおかしくないと思います。また久保に対して「英才教育」が出来、大ファンだという藤本も喜ぶ(^_^;)と言う効果もあるでしょう。幸い?獲得の噂が出ていた福岡や札幌は断念したそうですし、個人的にはぜひ取りに行ってほしい、と思います。
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