2/20〜2/27のサンフレッチェ日記



<00.2.26> 昨日アデレードで行われた札幌との練習試合は、0-1で敗れました。「広島フットボール」によると先発はヴェルディ戦に出なかったメンバーが中心で次のような布陣。
        下田

   川島 ポポヴィッチ 宮澤(→上村45分)

駒野   大久保  森崎浩   古賀(→服部67分)
(→沢田60分)(→森保60分)(→森崎和60分)
        山口(→藤本60分)

    上野      高橋
    (→ミゲル60分)
ゲームの序盤は広島ペース。ポポヴィッチのロングパスからの古賀のクロス、そして山口のシュートや、高橋が抜け出して作った1対1のチャンスから森崎浩、山口、大久保と続く連続攻撃、そして山口のFKから高橋がフリーでシュート、など何度か見せ場を作りましたが、キャンプ中盤で疲れが溜まっているのと気温28度という状況で選手のコンディションが悪く、なかなかゴールを奪えず徐々にペースが落ちます。逆に札幌にスペースを使われ相手のブラジル人のテクニックに翻弄される場面も多かったそうです。後半になると宮澤を上村に代え、また大久保をトップ下に、山口をボランチに下げる新布陣を試したとの事。これはある程度機能したもののやはりバランスの面で問題があり、後半11分にはそこを突かれて失点。その後初登場のミゲルを初めレギュラークラスを投入して追い上げにかかるものの精彩が無く、シュートすら打てずそのまま敗れました。期待のミゲルはほとんどボールが回って来ず数タッチしただけに終わりましたが、長旅で疲れているにも関わらず積極的にボールを奪いに行こうとするなど意欲は見せた模様です。
このゲームに関してトムソン監督は「ポポヴィッチのカムバック」のみが収穫、と言う言い方をしていたそうです。また駒野、森崎浩、大久保に関しても評価しましたが、しかし「アタッカー陣に対しては少々がっかりしている」と語るなど渋い表情だったとのこと。記事によると、昨年の「引いて守って速攻」と言う形から、やや高めにラインを保ってボールを積極的に支配する戦術を試しているとの事でそのへんで戸惑いがあるのかも知れません。またキャンプ入りから紅白戦、豪州への長旅、そしてヴェルディとのゲームと息つく暇も無いハードスケジュールが続き、かなり疲れが溜まっている様子。今日のキャンプ中唯一の休みでリフレッシュして、南豪州選抜戦、そして来週土曜日の福岡戦できっちりと仕上げて行って欲しいものです。
<00.2.25> 「単なる打撲」と言いながら別メニューが続き心配な久保選手の状態ですが、昨日の「広島フットボール」によると特にひどいわけではなく、久保選手本人が慎重に慎重を期しているためらしい。どうやら、昨年謹慎での遅れを取り戻すために無理に調整を進めて、結果的に一年を通して膝の痛みに苦しめられたことを考えて「今年はシーズン中のリタイアは避けたい」と思うが故の判断だそうです。それでも昨日からシュート練習を始めたそうで、練習試合には間に合わないまでも開幕はOK、と言えそうな感じです。また栗原選手もやはり昨日からシュート練習。久々のボールの感触に明るい表情だったそうです。
<00.2.25> 今朝の日経新聞のスポーツ欄のコラムに、トムソン監督が登場しています。Jリーグ最長となる4年目の指揮を執るトムソン監督はこれまでの20年の監督生活で一度も解雇されたことがないらしい。日本では結果が出ないとすぐに監督を更迭しますが、これは実はヨーロッパの真似でも何でもない、と批判。ファーガソン監督が17年務めるマンチェスター・ユナイテッドなどを例に出して、強いチーム作りのためには「育てる」事が必要であると説いています。先日の「紫熊倶楽部」で今西総監督は「いずれは日本人の指導者で」と考えながらも「今はまだその時期ではない」とトムソン監督に育成を託す方針を語っていましたが、ようやく形になってきたトムソンサッカーがどこまで行けるのか、その完成形を見るまではこのまま指導してほしい、と個人的には思います。最初の練習試合では完敗を喫してしまった今年のスタートですが、昨年練習試合を全勝でシーズンに突入しながら3連敗で始まったことを考えると、かえって今のうちに負けておいた方が良いかも。豪州でどれだけ仕上げてくるのか、また上野、栗原、ミゲルがどこまでやるのか。非常に楽しみです。
<00.2.24> オフィシャルホームページ、及び中国新聞によると、昨日アデレード・ハインドマーシュスタジアムで行われた今季初のトレーニングマッチは、1-3でヴェルディに敗れました。サンフレッチェのメンバーは、GK:佐藤(→加藤45分)、DF:伊藤、桑原、上村、MF:沢田、服部、森保、森崎和(→ポポヴィッチ71分)、藤本(→大久保69分)、FW:高橋、上野。ゲームは5分にFKから上村が先制しましたが、キャンプも最終日のヴェルディとの仕上がりの差は大きくその後ペースを奪われます。23分に追いつかれると後半早々の49分北澤に勝ち越しを許し、更に74分にはPKで3点目を取られそのまま敗れました。トムソン監督は「初めての試合だし全体としては良くやった」と評価。「あと3試合やればチームを仕上げることができる」と語っていたそうです。
<00.2.23> オフィシャルホームページの「アデレードキャンプ情報」によると、昨日の練習では栗原、久保両選手が別メニュー。久保選手は単なる打撲、と言う事だったはずですが、意外に長引いている模様です。今年はオフの間から身体作りをし、また膝の状態も良くなって順調に来ていたはずですが、ここに来てのペースダウンはやや気になります。その他の選手は、フルコートを使っての戦術確認やシュート練習、セットプレーの練習など主に攻撃面の練習を重ねたそうです。中国新聞によるとトムソン監督は「雷」を落として精神面を引き締めたそうで、「ハードトレーニングは選手の状況を考えてのもの。明日は昨年の流れでの起用を考えている」と語っています。今日は同じく豪州でキャンプを張るヴェルディとの練習試合ですが、「昨年の流れ」と言う事から見てGK:下田、DF:伊藤、ポポヴィッチ、上村、MF:沢田、森保、森崎和、服部、藤本、FW:高橋、上野、と言う布陣か、あるいは中盤にもう一人山口か大久保を入れ高橋のワントップ、と言う天皇杯の布陣となるのではないでしょうか?
<00.2.23> 豪州代表のチリ遠征に参加していたフォックスは、3試合のうち2試合(チリ戦とスロバキア戦)にリベロとして(?)フル出場しました。ゲームはチリに1-2で敗れ、スロバキアとは0-0のドロー。また元平塚のレイバットがリベロに入ったブルガリア戦は、終了間際に追いつかれて1-1の引き分けでした。なおそのフォックスですが、新聞報道によると疲労骨折をしてしまい1st stageは絶望、との事。オフらしいオフがほとんどなかったツケが回ってきてしまった、と言うところでしょうか。サンフとしては川島の成長や宮澤の復活があるので十分穴埋めはできるでしょうが、プレミア移籍を狙っていた(?)本人にとっては本当に痛い負傷かも知れません。
<00.2.22> 昨年何度か行われて好評だったアウェイゲームのバスツアーが、今年も行われます。第一弾は開幕戦となる3/11(土)の神戸戦。試合会場である神戸ユニバ記念競技場への日帰りで、もちろんバス代、ゲームのチケット、お弁当(2食)が付いて大人7,500円、小中学生6,000円とお徳なツアーとなっています。これまでですと応援グッズのプレゼントがあったり、またバスの中で過去のゲームのビデオが放映されたりとゲーム以外にも楽しみがあるそうです。お申し込み、お問い合わせはサンフレッチェ広島ホームタウン推進部(tel. 082-233-3233, fax.082-233-3251)まで。〆切は3/3ですが、定員が80名となっておりますのでお早めにどうぞ。
<00.2.21> アジア杯予選、ブルネイ戦、マカオ戦は順当に勝利したもののすっきりとしたものとは言えず、マスコミやサポーターからはまたもや「代表はこれでいいのか」「監督はトルシエでいいのか」と言う声が沸き起こってくるのでは無いかと思います。しかし私自身としては、この2試合(シンガポール戦も含めて3試合)は相手との実力差があまりにもありすぎて、とても評価できるようなものではないと言う意見です。どんなスポーツ(プロに限らず)でも相手が強ければ実力以上の力を発揮したり、また逆も有り得るわけで、相手に合わせてしまうのは良くあること。「代表ならどんな時でも全力を出してプレーするべき」と言う人もいるでしょうし、また代表生き残りのアピールの場として重要だと言う人もいるでしょう。しかし逆に言えばあれだけ自由にボールを持ってプレーできる場でアピールしても、強いプレッシャーの中で良いプレーをできることの証明にはならないわけです。従って、監督にしても選手にしてもあのゲームは「練習にもならない」と言うのが本音ではないでしょうか。その中でトルシエ監督は、一番重要な目的である「予選突破」と言う成果を得ただけでなく、選手同士のコンビネーションを見て「どう言う組み合わせが今後の代表の核になり得るか」を確認したと言えるように思いました。そう言う意味では、今後2002年に向けて本当のスタートが切れた、それなりに意味のあるゲームだったように思います。
そもそも今回の代表の目的は、昨年完全に分かれていたA代表とU-22代表の選手を融合させることでした。(と、トルシエ監督が語っていたように記憶しています。)実際12月から合宿に大量の選手を呼び、徐々に絞り込むことでこの3試合、ほぼ固定したメンバーで戦うようになってきています。そして、望月や伊東の怪我によるリタイアがあったにしろ、結果的に生き残ったほとんどの選手はU-23代表の選手達。例えば昨日のゲームの最後のメンバーを並べてみると次のようになります。
【GK】楢崎
【DF】中澤、松田、中田浩
【MF】明神、稲本、服部、小野、中村
【FW】中山、高原
このなかでU-23世代でない選手は楢崎、服部、中山の3人だけで、図らずも(?)オーバーエイジ3人を入れた、このままシドニーに行って行けないことは無いメンバーになってしまったわけです。メキシコ戦の最初にはU-23世代とオーバーエイジ世代が各ポジションに均等に配置されていたことを考えると、今回トルシエ監督がやったことは代表をU-23世代に切り替えることだった、と言えるようにも思います。(これは加茂監督がインターコンチネンタルカップで取った手法と良く似ています。)昨年A代表とU-22代表がそれぞれで活動し、「もしかしてU-22代表の方が強いんじゃないだろうか」「いや、やはりベテランの経験は捨て難い」と言う議論が沸き起こったのは記憶に新しいところ。私自身も当初は「いくらU-22の能力が高くても、オーバーエイジの経験には勝てないだろう」と思っていたのに徐々に「いや、もしかしてそうでも無いかも」と考えが変わっていたのですが、今回のトルシエ監督はそう言う「雑音」を、選手の力を見せることで現実にシャットアウトし、今後の代表の行方をU-23世代に託す方向性を決めた、と見れるようにも思います。
確かに今回の代表は、まだまだ未完成です。このまま世界の強豪と対戦して、対等に戦えるとは思えない。しかし彼ら若い世代の選手達が急激に成長したときにどのようなものが見られるのか、我々サンフレッチェのファン・サポーターは藤本、高橋、森崎和の天皇杯でのプレーぶりを見て良く知っているわけで、それと同じ事が代表で起きようとしているように思えます。サンフではこれら3人+久保が中心となり、ベテランがサポートし、彼らを更に若い世代が追いかける、と言う形で本当に強いチームが姿を現そうとしていますが、それと同じように代表も成長する、そのちょうど直前のところに今居るのでは無いでしょうか。トルシエ監督と再契約するのか、あるいは他の監督に切り替えるのかが焦点となっていますが、ここで他の監督に代えてしまってはここまで作って来たものは元の木阿弥。このチーム作りがいったいどこまで到達できるのか最後まで見て見たい、と私は思います。
<00.2.20> 冷たい風の吹く吉田サッカー公園で行われた今季3回目の「紫白戦」は、レギュラー組が再び貫禄を見せ3-1で勝ちました。メンバーは、この日も久保は出場を回避して次のような感じだったとのことです。
【白組】(レギュラー組)           【紫組】(サブ組)

         下田                     加藤(→佐藤)

    伊藤   桑原   上村            川島  宮澤  八田
    (→川島)                   (→石川)
沢田   森崎和    森保    服部    駒野   大久保  森崎浩   古賀
                                  (→松下)
         藤本                     山口

      上野    高橋               中山(→吉田)山形(→中山)
「広島フットボール」によるとこの日のヒーローは藤本。12分には25mの位置からGKのポジションを見てハーフライナー状のロングシュートを決め、その後も高橋とのコンビでファンタスティックなプレーを次々と披露。何度も紫組の守備を混乱に陥れたそうです。また前のゲームで駒野にやられっぱなしだった服部もこの日は発奮し、コンビネーションを使った突破から素晴らしいクロスを供給したそうです。29分にはこのクロスをきっかけに上野がPKを獲得。藤本がこれを決めてリードを広げました。しかし紫組もやられっぱなしでは終わりません。39分に大久保がDFラインの裏を突く絶妙のパスを放ち、これに反応したルーキー中山が1対1からループシュートを決め、1点差に迫りました。
後半になると全体的に運動量が落ちたそうですが、しかしその中で輝きを見せたのが森崎和。双子の弟が下がったこともあって中盤を支配し、ピッチの指揮官として君臨。疲れの見える藤本に代わってゲームをコントロールしていたそうです。ゲームは終了間際に服部のクロスから藤本がゴールを決めてハットトリックを達成し、そのまま3-1でレギュラー組が勝利。全体的に天皇杯で大きく成長した若手選手がその存在感を示したゲームだったようでした。
これで広島でのキャンプは終了し、今日の全日空機で関空からアデレードに向けて出発します。これまでのメンバーに加えてポポヴィッチ、フォックス、ミゲルに栗原も加えてますます激化するポジション争いに勝利する選手は誰か。豪州でどれだけチームを作って戻ってくるか、本当に楽しみです。
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