4/23〜4/29のサンフレッチェ日記



<00.4.29> 今朝の中国新聞のメンバー予想によると、今日の福岡戦はやはり前節東京戦と同じ布陣で臨む模様です。昨年のアウェイの福岡戦はちょうど1年前の4月28日。前節の神戸戦での惨敗の後の対戦でした。前半、高橋と山口のゴールで先制しながら、下田が蹴ったクリアボールが山下に当たってゴールされるなどで同点に追いつかれる展開でしたが、後半ロスタイムに久保が起死回生のゴールを決めて勝利を得ました。考えてみれば、今年もチーム状態は良く似ている、と言えば似ています。今年もまた、福岡で出口を見つけることができるかどうか。復活の久保、そして古巣相手に燃える藤本の活躍がカギ、と言えそうです。
<00.4.28> 「優勝争いをする」と言いながら、気づいてみれば降格圏の15位とはわずかに勝ち点2の差となったサンフの明日の相手は、「眼下の敵」福岡。ナビスコ杯での主力温存事件で1000万円の制裁金を課せられることとなりそう(これで新外国人選手獲得を断念したらしい)な上に、エース山下が骨折で全治1ヶ月半だとか。まさに「泣きっ面に蜂」状態ですが、しかし2試合前の柏戦を見る限り力を出し切ったときのサッカーの質の高さはとても侮れるものではありません。ここまでの福岡の戦績をまとめると、
福岡 ○2-1● 川崎F 【福】中払、モントージャ、【F】鬼木
福岡 ●0-2○ 東京  【東】佐藤、アマラオ
福岡 ■0-1□ 鹿島  【鹿】ビスマルク
福岡 □2-1■ 名古屋 【福】山下2、【名】呂比須
福岡 ●0-2○ V川崎 【V】飯尾、中沢
福岡 ●1-2○ 磐田  【福】平島、【磐】高原、OG
福岡 ○2-0● 柏   【福】野田、山下
福岡 ●0-4○ G大阪 【G】小島3、森下
と、負けが込んでいるものの強豪相手にそこそこ競ったゲームをしていることが分かります。ただ、前節のガンバ戦は小島、森下のスピードと運動量にやられているだけに、そのへんを見習って走り負けないようにすれば得点は取れる、と思うのですが。
こちらのメンバーですが、「広島フットボール」を見ると大きな変化は無さそう。しかし、個人的にはサテライトで大活躍したと言う高橋をぜひ使ってほしいので、次のようなメンバーを希望します。
       下田

  伊藤 ポポヴィッチ 上村

沢田   森保       駒野
         コリカ
      藤本

    久保    高橋

SUB:加藤、川島、桑原、森崎和、栗原
なお、この布陣が「広島フットボール」の「希望」と同じになったのは全くの偶然です(^_^;)。トムソン監督は東京戦後のインタビューで、上手く行っているのに変える必要はない、と言ったそうです。しかしそう言いながら今週前半の練習では、攻撃陣をいろいろ入れ替えながら「崩し」の練習をしていたらしい。今年になってボール支配率は全体的に高くなったものの、なかなかシュートも打てないゲームを続けているサンフは、ある意味「Jリーグの壁」にぶち当たっているようなものです。「優勝」あるいは「ベスト4」を狙うためには、ここは何としても這い上がってもらわなければなりません。
<00.4.27> 昨日の韓国戦の敗戦で、またまた「トルシエ解任」の声が大きくなっているようです。(スポーツ紙を見る限り。)U-19代表やU-22代表で実績を上げたトルシエ監督も、フル代表ではさえない成績。特に同レベルと目されるイラン、中国、韓国に対して2分1敗の成績では、そう言う声が出るのも無理はない。特に昨日のゲームはFWが点を取れなかったばかりかシュートも打てず、前半にはミスから危ういシュートを打たれる場面が2回。自慢の中盤もこぼれ球を次々と拾われ(前半は、ですが)、これで世界の強豪を相手にするW杯で通用するのか、と言われると、疑問の声が高くなるのは仕方がないことだと思います。
ただ昨日のゲームに限って言えば、敗因はモティベーションの差、と言い切っていいように思います。日本にとって昨日のゲームは、ただの親善試合です。新しくメンバー入りした選手は柳沢のみで、「どうしてもレギュラーを取ってやる」と燃える選手が少なかったとしても不思議ではありません。こう言うときにチームを引っ張る立場の中山もサウジからの遠征帰りで疲れが溜まっていたでしょうし、他の選手だって混戦のJリーグが気になっているでしょう。これでは「ホームでの負けは許されない」と120%のパワーで臨んだ韓国代表に気合い負けしても不思議ではない、と思います。そもそも協会だって、この韓日戦はトルシエ監督との契約延長の材料にはしない、と明言していたそうですし、目標らしい目標を設定していなかった、と言うところにこそ一番の問題点があったのではないでしょうか。
結局のところ、代表の強化に一番の責任を持つのは協会です。監督は重要な役割を果たしますが、しかし所詮は雇われた「駒」の一つに過ぎません。協会は、トルシエに任せるなら全面的にサポートする。問題があるならきっちりと理由を挙げて更迭する。上がそう言う責任のあるはっきりとした対応をしなければ、監督はやりにくくてしょうがないでしょうし、選手だってやる気が出ないと思います。韓国戦前にトルシエ監督は「孤立している気分だ」と語ったそうですが、代表監督をそう言う立場にしてしまうようでは誰が監督になっても同じです。協会が協力関係を結んだと言う元フランス代表監督のエメ・ジャッケ氏が、W杯前にフランス協会からどのようにサポートを受けたのか、それがどのようにW杯優勝に結びついたのか、そのへんを良く学ぶべきではないでしょうか。
<00.4.26> 一昨日私は、今のサンフは崩壊一歩手前かもしれない、と書きましたが、しかしこれは考えすぎだったかも知れません。これは日曜日の中国新聞に「陥落した広島は、イバラの道に足を踏み入れた」と書かれていたことにかなり影響を受けていたように思います。特にその記事の中で森保選手が「許されるミスと、許されないミスが分からなくなっている」と言っていたと書かれていたことで、これは選手がチーム戦術に疑いを持ち始めた兆しかもしれない、と思ったのです。崩壊するチームと言うのは、選手同士や選手と首脳陣の不信感が高まって、お互いの批判が増えてくるものです。数年前の上手く行っていないときのサンフもそうでしたし、監督や主力選手に軒並み退団の噂が出ているフィオレンティーナや、2部陥落一歩手前のドルトムントもそうらしい。サンフがそうなっている、あるいはそうなりそうなら今の体制に未来はない。監督のクビをすげ替えるかどうか、あとはタイミングだけの問題です。しかし「広島フットボール」等で報じられている限りでは、この敗戦を真摯に受け止め何とか打開しようとしているようです。選手達は、上村選手を中心に意見を出し合って気持ちを固め合ったそうです。また監督は監督で東京戦を「100%良かった」と言って、極力ポジティブに取り上げようとしています。これは監督がチームの上向きの雰囲気の変化を感じ取って、これを勇気づけるような発言をした、と考えられると思います。
こう言う状況を考えると、今のサンフレッチェのチーム状態は決して悪くはない。それどころか、ようやく「お目覚め」して戦闘態勢が整ったところなのかも知れません。今のJリーグは混戦ですが、これはどのチームにも決め手がない、と言う事です。首位の磐田はハードな日程で疲労がたまっていますし、2位の横浜はFWもDFもいない中でようやくやりくりしている状態です。3位以下のチームもそれぞれに問題を抱えながら、短期決戦を走っています。これからサンフレッチェは上位チームとの対戦が続きます。以前なら戦力的に苦しい、と思ってしまうところですが、しかし今の力関係は違うでしょう。上位チームと正面からぶつかっても、決して負けないだけのものがあります。チームがうまく回転しさえすれば、全部勝つことだってできると思います。自力で上位チームを引きずり下ろし、優勝することは可能だと思います。
今日は日本代表は韓国と戦います。このメンバーにサンフから一人も選ばれなかったのは残念ですが、しかし逆にこう言う時にチームを離れる選手がいない、と言うのは幸いでした。東京戦では、少し久保選手とのコンビネーションが合わないところも見受けられましたし、この1週間にじっくりと練習して、そして「5月反攻」に備えてほしいと思います。
<00.4.25> 日曜日に行われた京都とのサテライトのゲームは、川島、高橋のゴールでサンフが2-0で勝ちました。メンバーは、GK:佐藤、DF:川島、宮澤、八田(→吉田87分)、MF:駒野、森崎浩、古賀、山口(→石川77分)、栗原、FW:高橋、上野、SUB:植田、宮崎。Niftyの書き込みによると、ゲームは前半はゆっくりとした展開。後半になるとサンフが圧倒し、開始早々に駒野のCKを川島が押し込んで先制。続いて15分過ぎにクロスを中央で高橋が頭で合わせて2点目をゲットしたそうです。この高橋はゲーム全体に渡って大活躍で、どこにでも顔を出す驚異的な運動量で攻めのリズムを作ったそうです。東京戦ではベンチ入りしたものの出番がなく、自分のポジションに川島が着くのを見送っていたわけでかなり屈辱的だったのではないでしょうか。久保の復帰、それにサイド攻撃が復活しつつあることでそろそろ高橋の動ける条件が整ってきました。トムソン監督には、ぜひ福岡戦で使ってほしいと思います。これでサテライトは4勝1敗とCグループを独走状態。この勢いを、トップチームにも持ってきてほしいものです。
<00.4.24> 土曜日の東京戦は、決定機らしい決定機は圧倒的にこちらが多く、PKまでもらったのに無得点。ゲーム終了後は「何て運がないんだ」とむこうを向いて行ってしまった女神を呪ったものですが、後からよくよく思い返してみるとやはり「負けに不思議の負けはない」と言う野球の格言の通りだと思いました。
このゲーム、確かに選手たちの「勝ちたい」「点を取りたい」と言う気持ちは伝わってきました。でも、その点では東京の選手も同じ。「3連敗はしたくない」と言う気持ちで集中力を切らさずに守っていましたから、それを打ち破るのは容易なことではありません。では、一体どこが東京との勝敗を分けたのか。私はマイボールにしたときのサポートの差、特にその質の差が結果に表れたのではないか、と思います。
象徴的だったのは、後半の早めの時間帯。左サイドでボールをドリブルで進める藤本が、中央に切れ込むと見せかけて左サイドにパスを出します。しかし、そこに上がっているはずの服部はずっと後ろの位置。ボールは転々としてサイドを割ってしまいました。「なんだよ、何でそこにいないんだよ」と言う感じの藤本に対して、服部は「え、俺?」ときょろきょろあたりを見回す始末。ハーフタイムに3針縫ったという藤本にはっきりとした意識が無かったのがそのプレーの直接の原因だったのかも知れませんが、しかし「広島フットボール」によると森保も「セカンドボールへの反応にしても、マイボールになった時の動きも少し遅い」と感じていたそうです。この日のサンフは全体にマイボール時のサポートが遅く、結局やむを得ず放り込むかドリブルで進もうとして潰されるだけ。ボールを奪うとあっと言う間にゴール前に何人も殺到する東京と比べてなんと違うことか。東京の得点シーンでは、ツゥットのシュートの時にゴール前には佐藤、神野の2人も詰めていたのに対し、サンフの選手は途中で走るのを諦めてました。昨年のサンフはそんなことは無かったはずなのに、一体どうしたのでしょう。他人任せで無駄走りをしないサッカーで、どうして勝利を手繰り寄せることができるのでしょう。このままじゃ強敵が続く5月ラウンドに連敗してチーム崩壊、と言う事にだってなりかねない、と思います。
昨年の1st stageは開幕3連敗で修正し、神戸戦での惨敗でネジを締め直してその後立て直しをしました。今年はこれまでは悪いなりに勝っていたため目立ちませんでしたが、しかし状況的には昨年より悪いかも知れません。今週末は、下位相手としては最後となる福岡戦です。ここで内容とともに結果を出さなかったら、本当にまずい事になりそうな気がします。
<00.4.23> 優勝戦線生き残りのために必勝を期して臨んだ東京戦。久保の復活により見せ場はありましたし、また「点を取りたい」「勝ちたい」と言う選手の気迫も伝わっては来ましたが、結局は運にも見放されての敗戦。足取りの重い選手達には拍手よりもブーイングの方が多いゲームとなりました。
久保が復活して当面のベストメンバーを組んだサンフは、登録上は藤本とのツートップながらワントップ気味の次のような布陣でした。
       下田

  伊藤 ポポヴィッチ 上村
  (→川島78分)
沢田  桑原   森崎和  服部
         (→森保63分)
     藤本 コリカ
     (→大久保59分)
       久保

SUB:加藤、高橋
前半はほぼ互角。開始早々にエンジン全開だった東京の攻撃をしっかりと受け止めると、その後はどちらかと言うとサンフのペース。シュート数は広島6に対して東京が5とほぼ同じでしたが、決定機は右サイドからのコリカのヘディングシュート、久保のヘッドなどサンフの方が多く、途中からカウンター狙いに切り替えた東京を攻めます。エースのアマラオを途中で怪我のために欠いた東京は、カウンターのときの鋭さは見せるものの堅いサンフの守備に阻まれてペナルティエリアの中にもなかなか侵入できず。前半はやや眠たい展開ながら、お互いのせめぎ合いのまま推移しました。
後半になると試合が動き出します。中盤でボールを支配するサンフに対してカウンター狙いの東京という構図。サンフはボールを持つ時間は長いのですが、しかしサポートの動きに欠けるためかもう一つボールが回らずなかなかゴール前に攻め込むことができません。逆に東京はここぞと言うところでのパスの繋がりが良く、何度かサンフゴール前に殺到します。しかしこちらも肝心なところでミスが出たり、またサンフのDFの身体を張った守りでなかなかシュートまで行けません。ジリジリするような展開だった20分ごろ、状況を打開したのはやはり久保でした。右サイドに出たロングボールを拾った久保は、DFと1対1で抜いてペナルティエリア内に入り込もうとしますが、相手は堪らず倒してしまいます。非常に良い時間帯にもらった最大のチャンスに、蹴るのはいつものポポヴィッチ。先制点の期待が最高潮まで高まる中、慎重にボールをセットして左足で蹴ります。しかし、何となく予感がしたのか「蹴る瞬間に迷ってしまった」ボールは、右に飛んだGKの懐に力なく収まってしまいました。このポポヴィッチにしては珍しいPKの失敗は、その後のゲームの流れまで変えてしまいました。その2分後に久保が見せた、まさに「規格外」(out of standard。トムソン監督による)と言うべき弾丸のようなシュート。(森保がカットしてダイレクトで出したボールを、久保がワントラップして左サイドペナルティエリアやや外から左足で放ったシュート。初めはクロスかと思いましたが、アウトにかかったボールは強烈な弾道をたどってファーサイドに飛び、ポストを大きく揺らして飛んで行きました。観戦したすべての人が度胆を抜かれた、そんなシュートでした。)上村のロングスローから得たゴール前の混戦で、2度もフリーでシュートしたのに入らなかった場面。これまで「幸運の女神」に好かれているかのようだったサンフでしたが、この日は女神が微笑みかけることはありませんでした。
逆に東京は後半28分。中盤でのパスカットから得たチャンスを、神野からつないだボールをツゥットがシュート。下田は辛うじて弾きましたが、しかし詰めていた神野に決められて痛恨の失点を喫してしまいました。その後、川島をトップに入れ、スピードのある沢田をストッパーにして力攻めに攻めるサンフでしたが、結局東京のゴールを割ることはできずに敗れました。日刊スポーツによるとサンフのボールキープ率は62%と圧倒的。シュート数も13で東京のほぼ倍、決定機の数も圧倒的にサンフで、それだけなら圧勝しても不思議ではない展開でした。しかし、結果的には今季好調の東京にしてやられたと言う感じで、本当に悔しい敗戦だった、と思います。
これでサンフは、消化ゲーム数が1試合少ない状況ながら勝ち点9のままで10位。こうなってしまうと普通なら「目標を2nd stageに切り替えて」と言いたくなるところですが、幸か不幸か空前の混戦で1位と勝ち点6差でまだまだ射程距離内です。しかし逆に下から2番目の川崎Fとの勝ち点差もわずか2で、降格争いからも無縁だとは言えない状況になってきました。これをどう立て直すのか。トムソン監督の真価が問われているように思います。
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