6/18〜6/25のサンフレッチェ日記



<00.6.24> 今日の神戸戦は、観客動員のために大作戦が展開されます。まず、恒例になった小中学生の入場料100円。ビッグアーチ周辺にはお祭りのお店やグッズのお店が並び、キックターゲットやサイン会などの催しが行われます。また、「デジモンアドベンチャー02のキャラクターショーや撮影会も行われます。当日券発売は1時から、開場は2時からで、キックオフは4時となっています。またアストラムラインでお越しの方は、自由席入場券とアストラム1日乗車券と合わせて2,800円のチケットがV-POINT、本通駅、県庁前駅、大町駅の各窓口で発売されています。更にどうしてもスタジアムに行けない人は、BSとテレビ新広島で放送がありますのでそちらで応援を。
ところで、ここまで長い間(確か5年間)スタジアムジョッキーを務めていたNEN-CHANこと広田稔氏が、この度交代することになったそうです。スタジアムに響くあの声で、サンフレッチェのホームゲームらしさを感じていた人も多かったと思いますが、これでちょっと雰囲気が変わるかも。今度はどういう人になるのでしょうか?
<00.6.23> 長かったような、短かったような1ヶ月のブレイクも終わり、明日から2nd stageが始まります。期待外れだった1st stageの名誉挽回、と行きたいサンフレッチェの初戦の相手は、またもや神戸。ここまでの対戦成績は3勝4敗とほぼ五分ですが、98年の2nd stageから4連敗しています。選手達には何となく苦手意識が湧いてきているかも知れませんが、しかし逆にこれを克服すれば、波にも乗れるというものです。ホームゲームでもありますし、何とか勝って良い滑り出しをしたいところです。
メンバーですが、コリカ、ポポヴィッチは豪州代表のゲームのため欠場の見通し。また、森崎兄弟と駒野はU-19代表の遠征から帰って来たばかりですから無理はさせないでしょう。しかしそれ以外の選手には特に目立った怪我も無いようです。
       下田

   伊藤  桑原  上村

沢田     森保     服部

    藤本   大久保

     久保  栗原

SUB:佐藤、川島、古賀、山口、ミゲル
「広島フットボール」によると、先日行われた紅白戦並の11対11の練習では、レギュラー組は大久保の代わりに古賀が、久保の代わりにミゲルが入った布陣だったとのこと。しかしこの組はパス出しの起点になる選手がおらず、むしろ控え組に押され気味の展開だったそうです。その練習の中では大久保が、無気力なプレーで監督から大目玉を食ったらしい。しかし、叱られるということは期待の裏返しでもある。コリカ、森崎和のいない時こそ大久保にとっては大きなチャンスです。ここでしっかりとアピールして欲しいところです。
<00.6.23> 2002年のW杯チケットをどのように販売すべきなのか。先日私は、ずっとサッカーを見続けて来たディープなファンと、流行っているから、注目されているから見に行くというようなファンを平等に扱うのはどうか、と書きました。特に、ブラックマーケットが繁盛するのを防ぐ意味でも、必ず見に行く可能性の高い人に販売すべきではないか、と書きました。そして、同じような観点から動き出している「チケット半券運動」を支持する、と意見表明しました。この運動が、JAWOCや協会に問題提起すると言う意味では非常に重要だと思いますし、また大衆運動はなるべく要求と戦術を単純化した方が効果が高いので、そう言う意味でも良い方法だと思います。ただ、半券を送ればチケットが優先的に買える、と誤解されても困るのも事実。具体策をどうするべきか、と言うことも、同時に考える必要があると思います。
そこで参考になりそうなのは、フランス大会でのやり方です。聞くところによると彼らは、開催地をホームとするクラブチームのソシオ会員や年間パス購入者に、優先的にチケットを販売したそうです。私はこれに、全面的に倣ってもいいと思いますし、更にはその地元に住む住民にも、優先購入の権利を与えても良いのではないか、と思います。
その理由の一つは、W杯会場となる自治体の住民はいろいろな意味でW杯に関わらざるを得ない、と言うことです。先日のキリン杯の第一戦は、宮城県営スタジアムの柿落しのゲームでした。交通が不便なところにあるスタジアム、開幕前には混乱を避けたいと言うことで、近くの団地の住民はかなりピリピリとしたムードだったそうです。それと同じか、それ以上に凄いことが、W杯の本大会では間違いなく起きるでしょう。フーリガンとは言わないまでも、各国の筋金入りのサポーターが来日して、夜を徹して大騒ぎすることは間違いない。そう言う中で、その地域の住民にただ我慢しろ、と言うのは芸のないこと。「踊るあほうに見るあほう」の阿波踊りではありませんが、お祭りはただそばで見ているよりも、一緒に参加した方が楽しいに決まっています。それでなくてもW杯会場は、巨大な税金を投入して作られています。つまりその地域の住民は、既にW杯開催のために大きな負担をしているわけですし、更には将来にわたっても負担を続けなければならないのです。従って彼ら住民には、スポンサー企業と同等の「見る権利」があると思います。
同じ事は、そのスタジアムを利用するクラブのファンにも言えるでしょう。新潟や大分などの自治体では、プロサッカークラブが作られた動機の一つに、W杯用スタジアムの有効利用がありました。つまり、そのクラブはW杯を支える手の一つとして期待されていたわけです。そして、そのクラブを支えるのがそのファンです。従って、そのクラブのファンにはW杯を見に行く権利があるのではないか、と言う理屈です。W杯の開催会場の住民が、みんなで参加国とそのサポーターを迎え、一緒にスタジアムで応援する。それによってその国の人達との親善も図れるし、サッカーに対する関心も高まるでしょう。そうすれば、その気持ちが地元のクラブを応援する気持ちにつながるのは、自然なことではないでしょうか?それこそ、Jリーグの「地域密着」の理念にも結びつく、と言うものです。
そしてその次に優先されるべきなのが、一般のサッカーファンでしょうか。W杯開催地域でないクラブのファンクラブ会員であるとか、フレンドリークラブの会員証を持っているとか、あるいは3年前の天皇杯のパンフレットを持っているとか(実は全部私に当てはまるのですが^_^;)、とにかく何らかの形でサッカーファンであることを証明できる人は優先的に抽選に参加できる、としたらどうでしょう?そしてその人が確実に見に行く事を保証するために、供託金を20万円ぐらい預けて、もし行かなかったらその自動的にサッカーマガジンを4年間定期購読することになるとか。あるいは、どこかのクラブの年間パスを10年分購入予約することを義務づけるとか。とにかく、サッカーファンなら、必ず見に行く人なら全く気にならないけど転売目的だとビビって手が出ないような、そんなペナルティを課したらどうでしょう?
とにかく繰り返しになりますが、2002年のW杯を「一過性の大騒ぎ」にならないよう、後の日本のサッカーの発展につながるよう、良く考えたチケット配分方法にしてほしいものです。
<00.6.22> 移籍などによる戦力の獲得は無し。フォックスの退団が決まり、ポポヴィッチの動向も不透明。コリカは代表のゲームで合流が遅れ、練習試合もできない。こんな状態で本当にセカンドステージは大丈夫なのか、と言う声が、いろいろなファン、サポーターからも聞こえる状態です。しかし私たちがここで心配してもたいした役には立たないわけですし、それよりもなんとか希望を持って応援したい。と言うことで、私はここで敢えて「安心理論」を唱えたいと思います。
その一つは、チームの柱と頼む久保の存在です。5月末から代表でずっと過ごした久保は、チームメイトともかなり馴染んだ感じでした。またボリビア戦の直後にはトルシエ監督から直接指導を受ける様子も見せ、いろいろな意味で成長したことは間違いなさそうです。ゲームでの活躍こそほとんどありませんでしたが、紅白戦ではゴールを決めるなど身体の切れも良さそうですし、これで「試合をしたい」と募る気持ちが良い方に働けば、Jリーグでの爆発は間違いないところ、ではないでしょうか?
久保が完調ならば、脇を固める攻撃陣は力以上のものを発揮できます。特に1st stageでゴールの無かった藤本と高橋。この2人は、「紫熊倶楽部」のトムソンインタビューによると技術的なものよりも精神的なものが不調の原因だったとのこと。1ヶ月のブレイクの間に自分の事を見つめ直すことができれば、昨年以上の活躍は十分に期待できる、と思います。
更に、期待できるのが「スーパーセブン」の面々です。U-19代表で活躍するユース出身3人組は、既に1st stageから練習でもレギュラークラス(もちろん、森崎和は既にレギュラーですが)に遜色のない動きをしていたそうです。これにこのところ松下が著しい伸びを見せているそうで、この森崎浩、駒野、松下の3人が戦力として食い込んでくれば、もしかすると外国人を入れる以上の戦力アップが見込めるかも知れません。中盤にコリカ、森崎和、松下を並べ、これに森崎浩や駒野を組み合わせた布陣が機能すれば、今年の目標だった「中盤を支配しながら勝つサッカー」が実現できることは間違いありません。心配なのは、11月にあるアジアユースのため彼らが引き抜かれてしまうことだけ、かも知れません。
そして、これらの若手が伸びることによって、ベテランもまた刺激を受けるでしょう。森保や沢田、伊藤だけでなく、1st stageは出番がほとんど無かった山口や宮澤も虎視眈眈と出場の機会を狙っていますし、ミゲルだって山形で見せたような素晴らしいゴールを再び見せてくれるかも知れません。
最後はちょっとヤケクソ気味(^_^;)でしたが、サンフレッチェのこれまでの成績は、もともと相当期待外れのものでした。1st stage、序盤は「頑張らなくても勝てる」と言うような勘違いがあって調子を崩してしまったが、最後は自分達の姿を見つめ直して本来の力を発揮した、と言う流れだったと思います。従って2nd stageは、そう言う勘違いを廃したところ、自分達の原点から出発すれば、それなりの戦いができるはずです。サンフレッチェの良いところは、選手全員が意思を一つにして勝利のために全力を尽くすこと。個人の力に頼らなくても、みんなの力で勝利を手繰り寄せることができるところです。ですから下手に新しい戦力を入れるより、チームとしての熟成を進めることが大事なのだ、と信じたいと思います。
<00.6.22> グアムで行われていたU-19アジアユース予選において、U-19代表はベトナムを8-1、ブルネイを10-0、グアムを8-0で破り、3連勝で予選突破を決めました。注目の広島組ですが、ベトナム戦では駒野、森崎兄弟の3人が揃って先発。駒野は途中で交代したものの森崎兄弟はフル出場したそうです。また、続くブルネイ戦では森崎兄弟が先発し、森崎浩がフル出場しています。彼らのプレー内容についてですが、今週のサッカーマガジンによると森崎浩は「左サイドからチャンスを作り出し」ベトナム戦で3、ブルネイ戦で4アシストを記録。正確なプレースキックも披露したそうです。今回は唯一欧州遠征組以外からの代表参加でしたが、それでもそれだけの活躍ができた、と言うことは彼がいかに広島で良い準備ができていたか、を物語るのではないでしょうか?またすっかり「代表の10番」が板に付いた(?)森崎和は、阿部とともに中盤に君臨し、大きなサイドチェンジのパスなどでリズムを作っていたようです。逆に駒野についてですが、サッカーマガジンには記述なし。これまでずっとレギュラーで使われていたのに第2戦では出番がありませんでしたが、怪我をしたのでなければ良いのですが。
<00.6.21> この前のファン感謝デーで発表された女性版クラブマスコット(サンチェ君の彼女)の名前が、「フレッチェ」に決まったそうです。応募総数が2,312通のうちなんと920通がこの名前だったとのこと。2位の「レッチェ」を倍以上引き離しての得票で、まずは無難なところに収まった、と言うところでしょうか。その姿は中国新聞の写真で見ましたが、最初に発表されたときとちょっと変わったような気がします。私の妻によると「かわいくなった」とのことです。(^_^;)
なお、その「ファン感」で行われたTBS系のスーパーサッカーの収録は欧州出張中の水沼さんの代役の水内氏(元浦和、仙台)を迎えて無事行われたそうで、大久保選手が凄い記録を出したそうです。放送がいつなのかは正確には分かりませんが、先週「広島に行くぞ」と予告していたので今週の放送になりそうな気がします。
<00.6.21> 先日、シドニー五輪に向けてのメディカルチェック(ドーピングチェックだったかも知れません)が行われ、五輪に参加する可能性のある57人が受診しました。サンフレッチェからは下田、上村、藤本、久保の4人が参加しましたので、彼らは今後五輪代表に選ばれる可能性がある、と言う事だと思います。逆に服部、川島、高橋などは年齢的に五輪の可能性があるのですが、残念ながら選ばれませんでした。
<00.6.20> 先週ちょっと触れましたが、2002年W杯のチケットについて。このチケットの販売については先日大筋が決まり、日韓合わせて300万枚のうち半数をFIFAが海外向けに販売し、残りの150万枚を半分ずつに分けて日韓それぞれの国内販売に回すそうです。そしてその国内販売分は、10月に希望者を募った上で抽選になると言うことです。一見、公平なチケット配分の為に考えたシステムのように見えますが、しかしこれには様々な問題点があるように思えてなりません。
イベント好きの日本人にとって、世界最大のスポーツイベントであるW杯で盛り上がることはほぼ間違いないところ。世間の人が忘れようとしても、マスコミが煽ってくれて過去の五輪の時のような大騒ぎになることは必定でしょう。その上世界各国からディープなサポーターがたくさん来日、来韓するわけですからいやでも雰囲気が変わります。普段あまりサッカーには興味がないような人でも、「まあ1試合ぐらい見に行ってみるか」と言う気になるでしょうし、またそう言う人が増えてこそ「開催国でのサッカー振興」につながるでしょう。更にこのところ着々と力をつけている日本代表がどのような戦いをするのか。遠くフランスの地までツアーを組んで見に行った人がたくさん居たことを考えれば、日本代表のゲームは何もしなくても超満員になることは間違いないところです。
では、そう言う人がチケットをどうやって手に入れるか。正規のルートとしては10月に予定されている国内販売の抽選しか無いわけですから、少しでも見たい、と思っている人はそこに応募するしかありません。対戦カードが未定の上に1年半先の予定がきっちり立っている人なんているわけないので、ほとんどあてずっぽうで申し込むしかないでしょう。(日本のグループリーグ戦は除く。これはこれで、とんでもない倍率になることは間違いない。)これで外れてしまったらどうするか?どうしても見たかったら何とか伝手を頼って「関係者向けチケット」を手に入れる(そんなことが本当に可能なのか、私は知りません)か、海外向けを手に入れるように努力するか(それも可能かどうか知らない)、あるいはブラックマーケットに流れたチケットに大枚を払うしかないでしょう。逆に運良く抽選に当たった人も、2002年の6月に本当にサッカーを見に行くか、行けるかどうかは分かりません。仕事が入ったりあるいは病気や怪我になって行けなくなるかも知れない。対戦カードの魅力が無くて、行く気が失せるかもしれない。善良な人ならそのまま高額なチケット(最低でも7千円)を使わずにとっておくか、あるいは友人などに譲るかも知れませんが、しかしブラックマーケットで高値が付いていると知ればそちらに流したくなってしまうのは人情です。なんでもチケットに名前を入れて、本人以外は見に行けないようにすると言う話が伝わってきますが、それでうまく行くのはそう言うチケットが少なかった場合です。もし5万人収容のスタジアムで1万人がそう言うチケットを持ってきたら、混乱を避けるために目をつぶって入れることになりそうな気がします。とりわけ、日本代表絡みのゲームや準決勝・決勝などの重要なゲームはブラックマーケットでとんでもない高値が付くのは間違いないところ。(一説には50万円は下らないだろう、とのこと。)私自身は「ダフ屋」は大嫌い(彼らはスポーツに群がる寄生虫です)なので絶対に利用しないと心に決めているのですが、しかし一生に一度しか無いチャンス、と思ったら、誘惑に負けてしまうかも知れません。
では、どうすれば良いのか。私は、今後の日本のサッカーの振興という事を考え、それを優先するためのシステムを良く検討すべきだ、と思います。思い返したいのは、一時期「プラチナチケット」だったJリーグの事です。当時の激しいチケットについてどうだったか、をすべてのクラブについてここで述べることはできませんが、例えばサンフレッチェについては「スポンサーの方ばかり目を向けていた」「県のサッカー協会関係などへの優先はなかった」等と言う噂を良く聞きます。その結果、ブームが沈静化して一時的なファンが離れていった後で残ったのは、チケットが売れない、観客が集まらない、と言う現実だけでした。黙っていてもチケットが売れるときこそ、誰に売るのか、誰にスタジアムに来てもらうのかを考えることが重要だということを、サッカー界は既に学んでいるはずなのです。最初に「公平なチケット配分」に問題がある、と書いたのですが、もし本当に完全に公平だとすると(それはまずは有り得ないと思いますが。少なくともスポンサーや協会、選手関係者には優先的に配るでしょう)その場合ずっと長い間サッカーを見て来たファンと、ブームだからちょっと見に行ってみるか、と言う人が全く同列に扱われる、と言う事です。それが2002年のイベント終了後に何をもたらすのか、をサッカー協会とその関係者は良く考えるべきなのです。
先日紹介しましたが、日本代表を長くサポートしている「ウルトラス」と、大人のためのサッカー教室などで活躍している「サポティスタ」が中心になって、この件に関する問題提起の運動が起きています。(詳しくは半券運動総本山を参照してください。)「普段スタジアムに行っているファンへ優先的なチケット配分を」求めて、スタジアムに行った証明である「チケット半券」を集めてJAWOCに送付しよう、そしてチケット配分方法について考え直してもらおう、と言う運動です。これがどれだけ効果があるのか、とか、いつも見に行っているファンとそうでない人をどうやって見分けるのか、あるいは地方在住でなかなか見に行けない人は差別するのか、とかいろいろと問題点を指摘することができないわけではありません。しかしここで重要なのは、システムが本決まりになる前に行動すること、ファンの声を上の方に伝えること、だと思います。本来、純粋に技術的な問題であるはずの代表監督の事でさえ、協会はファンの声を無視できませんでした。(トルシエ監督を5月で解任できなかったこと、キリン杯での「トルシエ・ジャパン」コールに協会幹部が感動していたらしいことから見ての判断です。)従って、ここでファンが声を上げる事は、きっとJAWOCや協会に強いインパクトを与えるに違いありません。フランス大会でも、ファンクラブ会員などを「ファミリー」として、チケットを優先的に販売したそうですし、日本でそれができないはずがない、と思います。
<00.6.19> 昨日のキリン杯のボリビア戦は、主力を欠いて攻めての少ないボリビアに対して日本代表が終始主導権を握り、2-0で勝利を収めました。昨日の横浜はかなり気温が高かったようで選手は動きが重かったように見えましたし、また「初キャップ」が多かったとは言えテクニックが優れた南米選手に振り回される場面も見られました。しかし日本代表の選手達は集中力を切らすことなく落ち着いてゲームをコントロールし、優勝のためには「最低条件」とも言えるスコアをクリアしました。中田英、名波がいなかったことや五輪に向けてのテスト的な選手起用をしたことなども考えれば、トルシエ監督とスタッフ、そして選手達は良い仕事をした、と言えると思います。
ところで、ハッサン2世杯からキリン杯に至る6月の4試合は、トルシエ監督の「最終査定」の場として位置づけられていました。協会の「強化推進委員会」は本来代表監督をサポートする立場であって評価のための組織ではなかったはず。ですから、ここまでの内容と実績を正しく見ることなく「トルシエ解任」で動いていた事自体、かなり失礼な事だったと思います。その上、この4試合を「強化」ではなく「テスト」と位置づける事で、これまでの流れを止めてしまうだけでなく、下手をするとチームを壊してしまう可能性だってあったわけです。監督の座が危なくなった日本戦前の韓国代表監督のように、それまで積み上げてきた形を壊してでも「勝利」と言う形にこだわり、結果として強化が遅れてしまう可能性もある、と私は思っていました。しかし、トルシエ監督は予想以上にしたたかでした。予定通りにハッサン2世杯はアジア杯への、キリン杯はシドニー五輪への準備のために使い、その上2勝2分、得点9、失点3とこれ以上望むべくも無い結果を残しました。従ってトルシエ自身が昨日の記者会見で語っていたように、この4試合で逆に彼の方が「強い立場」になった、と言うのは間違いないところだと思います。今度は協会は、トルシエを逃がさないように、多少の金銭的な無理を聞いてでも2002年までの再契約を求めなければならない立場になってしまった、と言えるかも知れません。(まあ、自業自得と言えるでしょうが。)
さて、サンフレッチェのファンとして一番気になる久保ですが、ボリビア戦でも10分ほどの出場にとどまりゴールに絡むことはできませんでした。テレビの画面では良く分からなかったのですが、ペアになった高原を生かす動きをすることに専念して、自分からゴールを狙う姿勢は少なかったように思います。それが良かったのか、悪かったのかは監督の指示と深く関係するので何とも言えないのですが、ゲーム終了後に笑顔で高原の頭を叩いていたこと、またその後トルシエ監督から通訳を介して何かを言われ、それを真剣な表情で聞いていたことが強い印象として残りました。トルシエ監督の初采配のゲームが代表デビュー戦となり、怪我などが無い限りは必ず代表に呼ばれていた久保。しかしこれまでは常に残り時間が少ないところからの途中出場ばかりで、これと言った実績を残すには至っておらず、彼のファンとしては歯がゆいものがありました。しかし、ここで、結果を焦っても仕方が無いようにも思います。むしろトルシエ監督は、久保をものにするために慎重に育てている、と言うようにも見えます。久保が今後代表に選ばれ続けるのか、可能性のあるシドニー行きのメンバーに選ばれるかどうかは分かりません。しかし選ばれるにしろ選ばれないにしろ、トルシエ監督としては久保にとってより良い選択をしている、という事のようにも思います。ここで久保に性急に結果を求めることは、協会がトルシエに勝利を求めたことと同じです。久保の才能は誰もが認めるものなのですから、あとはそれが代表で発揮されるが早いか遅いかだけの問題だと思います。私も焦ることなく、久保の代表での将来のブレイクを待ちたい、と思います。
<00.6.18> 一昨日配信の「広島フットボール」によると、外国人枠の関係で登録を抹消されていたフォックスの退団が決まったそうです。移籍先は未定ですが、欧州のクラブを狙っているものと思われます。フォックスはオーストラリアからアヤックスの下部組織にスカウトされ、また19歳でアトランタ五輪のメンバーに選ばれていたことでも分かるように、豊かな才能に恵まれた選手です。実際2年前に広島に入団してからもその高さと意外に?柔軟なボール扱いの能力を見せ、ポポヴィッチとともに最終ラインを支えてきました。豪州五輪代表ではキャプテンを務め、日本との親善試合では直接FKを決めたり、あるいは昨年の天皇杯ではハットトリックを決めるなどDFらしからぬ派手さを持ったプレーヤーでしたが、しかしその反面、精神的な不安定さが顔を出すことも多く、昨年はポジションを伊藤に奪われていました。もともとヨーロッパでのプレーを目指していたもののアヤックス、ビーレフェルトでは出場機会に恵まれず、広島でチャンスをもらい、トムソン監督の指導を受けて成長した選手だ、と言えると思いますが、ここで新たな道を求めることが彼にとって良いことなのかどうか。精神的にまだ未熟なフォックスにとって欧州のリーグの激しい競争の中に身を置くことが、必ずしも彼のためにはならないような気がして仕方がないのですが。
一方、再契約がまだのポポヴィッチの動向ですが、噂になっていたドイツ移籍の可能性は少なくなってきたとのことです。広島サポーターにとっては心配の種が減った、と言うことだと思いますが、しかし私は逆にポポヴィッチこそ、今が移籍のチャンスだと思っています。トムソン監督に見いだされて豪州リーグからJリーグ入りした彼は、来日して間もなくよりDFの要として君臨。その高さ、読みの鋭さ、統率力でサンフのDFラインには欠かせない選手になっています。しかし彼自身のキャリアを考えた場合、広島の中心選手と言うだけで満足できるものかどうか。トムソン監督の来季の動向も不透明であることや、彼の年齢的なことも考えると、どういう形でもいいから欧州に送り出してやりたいと言う気さえします。それにポポヴィッチの能力と性格さえあれば、どこの国でプレーしても結果を出せるだろう、と思います。
更に広島フットボールによると、皆実高出身で現在明治大学在籍のFW梅田直哉選手が練習に参加しているとのこと。184cmの長身でヘディングが強いだけでなく足元の技術も確かだそうで、トムソン監督は高く評価していたそうです。
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