1/14〜1/20のサンフレッチェ日記



<01.1.20> 今日は、元サンフレッチェの選手の動向をまとめてみます。まず97年まで在籍した路木龍次選手はいろいろもめた末に浦和残留が決定。96年途中まで在籍した森秀昭選手は札幌への正式移籍(昨年は福岡からのレンタル)が決まり、2人とも2年ぶりにJ1に戻ってくることになります。99年後半に在籍した森山泰行選手は3年ぶりに名古屋に復帰することになります。また、昨年イングランド・プレミアリーグのウエスト・ハムへ移籍したフォックスは結局ビザの問題(就労ビザ取得のためには過去2年間のAマッチの75%に出場している必要がある)が解決せず、Jリーグのクラブに貸し出される可能性もあるそうです。
<01.1.19> 広島フットボールに、練習の様子が載っていました。「監督が変わるということは、こういうことなのか。僕は、改めて実感している。練習のやり方、雰囲気が、ガラリと変わったのだ」と最初に述べているように、新しい監督で新しい雰囲気のもと、新しい練習をやっていると言う感じなのだそうです。特に昨日はいよいよ(早くも?)フルコートのゲーム形式での練習を行ったそうですが、怪我人2人(森崎浩と沢田:軽い肉離れらしい)を除いて12対13の変則マッチだったそうです。
      【赤組】                 【黄組】
       下田                   加藤

駒野  上村 ポポヴィッチ 服部    八田   奥野    川島   宮崎

   桑原      森保           松下      李
    森崎和  コリカ          吉田    寺内    山形

  高橋        藤本         中山        大木
       久保                   梅田
最初の10分は2タッチゲーム。続いて両サイドの内側2mにマーカーを置き、サイドにスペースを作って「攻撃時にはこのスペースはフリー。DFはマークに入ってはいけない」と決めてサイドをフリーにしてクロスを入れさせよう、と言う形で行ったそうです。更に「守備側は2タッチ、攻撃側はフリー」と言うルールを決めたり、フリータッチでのゲームで「ボールを止めたら相手ボール」と言うルールにしたりいろいろな形式でトレーニングを進めたそうです。このレポートを見る限り4バックの布陣も3トップの布陣も、また「攻撃的なサッカーをしたい」と言う言葉も本物。新しいチーム作りをする時はまずは守備の組織作りから、と言う「常識」を覆すようなこの練習がどのように実を結ぶのか、本当に楽しみです。
<01.1.18> 現在発売中の紫熊倶楽部増刊「アシスト」に、また文章を載せてもらいました。(と言っても、私はまだ手にとっていないのですが。)内容を簡単に要約すると、昨年入団の「スーパーセブン」を筆頭とする基本技術の高い選手をいかに戦力にしていくかが、今後のサンフの課題だ、と言うような事です。詳しくはそちらの方を読んで頂くことにして、ここでは「戦力補強」についてもう少し突っ込んで考えてみたいと思います。
年末に発行された紫熊倶楽部にも書いてあったのですが、以前までサンフはその年のトップクラスの選手にオファーを出しては断られる、と言う歴史を繰り返していたそうです。特に東福岡高校などは「鬼門」の一つ。練習に参加させ、ほとんど内定寸前まで行っていながら最終的に他クラブにさらわれる、と言う事もあって強化部のあるスタッフは「あそこの高校から選手を取ることは今後もずっと無理なのではないだろうか」とまで悩んだこともあるそうです。しかし、昨年はそのジンクスを破るように山形選手の獲得に成功。その他にも松下選手など他のクラブとの競合があっても獲得できる程になりました。これは、一つには吉田サッカー公園や二葉寮など施設面の充実が良い影響を与えているのでしょうし、また高橋選手など若手選手の台頭で「広島は育成が上手い」と言う評判が高まっている事なのかも知れません。しかし実際にはそれだけでなく、無理をしてトップクラスを狙わなくなったという、スカウティングの戦術の変化も大きく影響しているのだそうです。
実際、今年は田原(鹿児島実)や大久保(国見)、青木(前橋育英)、あるいは中沢、永井(市船橋)と言ったU-19代表クラスの「目玉」選手には目もくれず、選手権でブレイクした松橋(国見)にもオファーを出したという噂は無し。即戦力の呼び声の高かった羽地(天理大)も避けて、広島に関係がある上に代表の対象外である李、トゥーリオや梅田など、割合手堅い補強に終始しました。しかし考えてみれば昨年も競合の末に獲得したのは7人中4人だけ。それも鹿島や横浜などメジャーどころのクラブではなく、どちらかと言うと中堅以下のクラブとの競合でした。つまり昨年、そして今年の補強は確かに上手く行っているが、しかし「劇的に変化した」と言える程では無い、と言えるように思います。
しかしながら、一方で昨年の新人選手はそれまでとは一線を画したように目覚ましい働きをしたのも事実です。これは何故かと言えれば答えは簡単。他クラブとの競合無しに獲得できるユース出身の選手の中に、その年代のトップクラスが3人も揃っていたからだ、と言う事に尽きると思うのです。森崎和、森崎浩、駒野の3人は、もちろんプロ入りしてからかなり伸びたと思いますし、その結果がアジアユースの代表となってワールドユース出場権獲得に貢献できた原因だ、と思います。しかしそれ以前から、彼らはこの年代ではトップクラスの素材でした。そう言う人材がたまたま1年に3人も揃っていたと言う事実。この僥倖が、昨年の「スーパーセブン」を生む大きな要因になったのです。
今年の目玉選手の田原は横浜へ、中沢、永井は柏へ、そして青木は鹿島に行くことが決まっています。いずれのクラブも、昨年の成績上位チーム。やはりチームが良い成績を上げて目立てば、良い選手を獲得できると言う事なのでしょう。では成績下位のチームが戦力を整備して上位に進出するにはどうしたらよいか。特に選手強化の資金が限られている時にはどうするか、と言うと多分近道は無いのです。あるのはただ、良い素材を揃え、育成していくと言う「強化の王道」しかないのだろう、と思います。そしてそのためには、競合せずに獲得できるユースの素材をいかに上手に育成できるか、第2の森崎兄弟・駒野をどのように育てていくかが、大事なのではないでしょうか?
<01.1.17> 昨年の「トムソン広島」は、2/7からの練習開始。天皇杯の決勝まで残ったためゆっくり休養を取ること、そしてトムソン体制の4年目で戦術が分かっていることから敢えてゆっくり目の始動でしたが、今年は逆の状況を考えてか昨年より3週間も早く、昨日からの練習開始となりました。初日ということでフィジカルだけの苦しいメニューかと思えばさにあらず。サポーターが楽しめるために選手が楽しいサッカーを、と宣言したヴァレリー監督らしく、口々に「サッカーって楽しいーーーーっ」と言う声が選手達から聞こえてくるような、そんな練習だったそうです。(広島フットボールによる。)午前中の練習前、初めて選手の前に立った新監督は「ボールを動かすサッカーをしよう。チームとして動くサッカーをしよう。考えてプレーしよう。そして、一人一人がプロになれ」と語ったそうです。特にコンディションに関しては、一人一人がしっかりと自分自身を管理して100%を出しきれる事を要求。更にウォームアップではそれぞれがそれぞれのペースで走るように求めるなど、管理の厳しい独裁者的な指導者だったトムソン前監督(これは紫熊倶楽部による)との「色」の違いを鮮明にした練習初日だったそうです。
その中で特徴的だったのは、初日からハーフコートのミニゲームを練習に取り入れたこと。チーム分けは、
【赤組】久保、藤本、服部、沢田、桑原、森保、上村、ポポヴィッチ
【黄組】高橋、大木、森崎和、山形、駒野、松下、奥野、川島
【青組】梅田、中山、寺内、吉田、李、宮崎、八田、影山コーチ
と、森崎浩(怪我)、コリカ(帰国中)、西嶋、トゥーリオ、林、河野(まだ高校がある)を除いた全選手を入れてのものでした。最初の10分間は2タッチ、次の10分間はフリーで20分1セットで入れ替わりで2組ずつゲームを行い、「休み組」は筋トレを行っていたそうで、身体も頭も休む暇のないかなりキツい練習だったとのことです。戦術の制限が無い分「自由な発想」でのプレーが目に付き、とりわけ新しい監督へのアピールに燃える若手選手達の元気さが目立っていたとのこと。この間、ヴァレリー監督はずっと沈黙を保ち、選手の観察に専念していたそうです。DFラインからしっかりボールを繋いで行くサッカー、どんどん点を取りに行く攻撃的なサッカー、そしてサポーターも選手も楽しめるようなサッカーを目指して、ヴァレリー監督はまず、選手の動きを良く見て特徴をつかむことから行うようです。
<01.1.16> 昨日、ヴァレリー監督の就任記者会見が行われ、「サポーターのための、サポーターの喜ぶサッカーをしたい」と改めて決意を表明しました。ヴァレリー監督は昨年見た3試合でサンフレッチェに対して「いいチーム、巧いチーム」「戦う力、勝ちたいという気持ちはあるチーム」であるという印象を持ったそうで、「だから、大変です。これからあれ以上のチームを作らなければならない」ことにプレッシャーを感じている、と語っています。インタビューを読んだ感じでは、自信家タイプで「俺に付いてこい」と言う感じだったトムソン前監督に比べ、物当たりの柔らかな人だという印象を受けたのですが、実際これまで良い結果を残せた理由は「スタッフのみんなが支えてくれたこと。いい関係をつくれたから、仕事はスムーズにできる。メディアとの関係もよかったしね」と言うことなのだそうです。ただ、だからと言ってまわりに迎合する訳ではなく「私は、他の監督とは要求することがちょっと違います。選手たちは、それを理解しなければいけません」と、端々に自分の監督としての力量に自信を持っているような雰囲気を感じさせました。今日から始まる練習については「選手たちに会ってないので、まずそれが先ですね。最初は、フィジカルからのスタートにはなるでしょうが」と口を濁しましたが、特に戦術面では「DFは相手の攻撃を止めるだけでなく、サンフレッチェの攻撃を構成することも大切」と最終ラインからのビルドアップの大切さを強調。久々に導入することになる(と言われている)4バックとともに、DFラインの再構成と守備のトレーニングから入る事が予想されます。特に最終ラインからのビルドアップは現代サッカーではサンフに限らず重要なだけに、ここの問題点をどのように解決するのか、なかなか楽しみなシーズンとなりそうです。
<01.1.15> 週末に行われたJFL昇格を目指す地域リーグ決勝大会で、中国地域代表のSC鳥取は佐川急便東京に0-1、YKKに0-2、NTT熊本に1-2で敗れ4位に終わりました。優勝は得失点差で佐川急便東京(勝ち点6)、2位はYKK(勝ち点6)。この両チームは、来季のJFLに昇格します。また3位のNTT熊本(勝ち点6)とSC鳥取も希望すればJFLに正会員として昇格することができます。(これは、JFLのチーム数が現在11チームであるための措置。予選リーグ敗退チームでも、希望すれば準会員として昇格できます。)
<01.1.14> 先日は「噂」の段階だった神戸とのプレシーズンマッチが、昨日正式に発表されました。日程は2/17(土)14:30キックオフ。神戸のキャンプ地である高知県の春野総合運動公園陸上競技場で行われます。チケットのお問い合わせは高知県サッカー協会(088-875-3115)までどうぞ。
<01.1.14> 昨日サンフレッチェは、今季の指導体制について次のように発表しました。
総監督       今西和男
監督        ヴァレリー・ニポムニシ
ヘッドコーチ    木村孝洋
コーチ(兼GK)  望月一頼
コーチ       影山雅永
GKコーチ     加藤寿一
ユース監督     中村重和
ユースコーチ    森山佳郎
トレーナー     野村博幸
トレーナー     吉崎 健
トレーナー     渡部龍也
フィジオセラピスト ペドロ・アブドン・ルース
主務(トップ)   佐々木温
主務(サテライト) 浅津伸行
昨年のトップチームは、トムソン監督、ヒックマンヘッドコーチを上野(通訳兼任)、島、加藤の各コーチが補佐する体制でしたが、今年は加藤コーチ以外は総入れ換えとなりました。トムソンは選手の育成には実績を残しましたが、コーチの育成にはこれと言って成果が無かった?だけに、ヴァレリー監督には日本人コーチとともに良い指導体制を作ってほしいと思います。また、個人的に安心したのはペドロ氏の残留。もともとはトムソン監督の「オーストラリア・コネクション」で加入した人ですので昨年限りで退団になっていても不思議はなかったと思いますが、彼の就任で怪我人が確実に減ったという「実績」は明らかでしたし、おそらくそれを評価されての事だったのだろうと思います。
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