1/21〜1/27のサンフレッチェ日記



<01.1.27> 昨日は時間が無くて書けなかった代表とJFLの件について、もう少し詳しく書きたいと思います。
まず日本代表候補ですが、今回選出されたのは次の45人。
【GK】佐藤(札幌)、高桑、曽ヶ端(鹿島)、川口(横浜)、
    下田(広島)、楢崎(名古屋)、都築(G大阪)、南(柏)
【DF】服部、田中(磐田)、森岡、市川(清水)、波戸、松田(横浜)、
    宮本、山口智(G大阪)、中澤(東京V)、中田(鹿島)
【MF】森島(C大阪)、名波、奥、福西(磐田)、望月(??)、
    三浦(東京V)、伊東(清水)、遠藤、中村(横浜)、
    平山、明神、大野(柏)、小笠原、本山、熊谷(鹿島)、
    酒井(名古屋)、稲本、遠藤(G大阪)、小野(浦和)
【FW】城(横浜)、鈴木、柳沢(鹿島)、久保(広島)、高原(磐田)
    小島、吉原(G大阪)、北嶋(柏)
年末から年始にかけての報道によると、トルシエ監督は来年のW杯のメンバーの80%はこの中から選ばれると言っていたそうです。そして今年はある程度メンバーを固定して、戦術理解度のアップを図るという話もありました。この報道からは何となくこの45人に入るか否かがW杯に出るためのハードルのような印象を受けますが、しかしそんなことはないと私は思います。まず今回のメンバーとして鹿島から大量8人が選出されていますが、これは明らかに昨年終盤の出来が良かったから。川崎Fから復帰していきなり大活躍だった鈴木が初選出されるなど、年末時点での調子を優先して選んでいるような選考となっています。トルシエ監督の言う「ある程度固定」と言うのは、昨年代表の中心になる選手が誰になるかが見えてきた、と言うだけの事で、他の選手に扉が開かれていないと言うことでは決してない、と思います。今回選ばれなかった選手、例えば上村であるとか藤本であるとか、あるいはユース代表の選手でもJリーグでの活躍次第で抜擢されることは十分に有り得るのではないでしょうか?
なお、ユース代表(今年はU-20代表)ですが今のところ2月に一度トレーニングのためにキャンプを行い、3月末にアルゼンチンなどのU-20代表を招いて「ジャパンユース杯」を開催する計画だそうです。またその他4月に南米遠征も予定されており、6月のワールドユースに向けてキャンプと対外試合を繰り返すことになりそうです。これは、選ばれた選手とファンにとっては良いことかも知れませんが彼らをチームの中心に置くチームにとってはなかなか大変な事態。サンフレッチェは今年以降、森崎兄弟や駒野などユース代表中心のチーム作りをして行くことになるでしょうが、この合宿や遠征の繰り返しがダメージになるかも知れません。かつてサンフレッチェから代表に大量に選出されていた頃も、春先の代表選手の大量離脱がチーム作りの遅れにつながっていましたが、そう言う事のないよう、チーム全体としてのレベルアップで選手層を厚くすることが必要だと思います。
続いてJFLについて。JリーグがJ1、J2の2部制に移行したのは99年からで、これに伴ってアマチュアに残ったクラブの全国リーグとして発足したのがいわゆる「新JFL」(これは98年までのプロアマ混合の旧「JFL」と区別される)です。当初は参加を希望するクラブが少なく、ほとんど「手を挙げれば参加できる」と言う状態だったにも関わらずわずか9チーム(それも強引に?国士館大と横浜FCを加えて)しか集まりませんでした。従ってこのJFLへの昇格を決めるための「地域リーグ決勝大会」では「上位2チームに入ったらJFLに加入する」と言う念書を取って参加させるほど。更に3、4位のチームには希望さえすれば正会員としてJFLに加盟申請できること、その他のチームにも希望すれば準会員としての加盟申請できるという特例を作ったのでした。その結果、昨年は決勝大会で優勝・準優勝だったアローズ北陸と栃木SCが昇格。3、4位だったルミノッソ狭山とYKKは参加を見送りましたが、FC KYOKENが準会員としての加盟を申請し、更に静岡産業大を加えて昨年は12チーム(水戸はJ2に昇格)で行われたのでした。そして昨年優勝の横浜FCがJ2への昇格を決め、「16チームまで増やす」と内々で言われていたJFLの残りの枠は5、と言うことになって迎えたのが、今年の地域リーグ決勝大会だったわけです。JFLはアマチュアリーグであるとは言えJ2並の力を持つ?本田技研や大塚製薬がいるなどレベルは高く、また年会費1000万円を用意する必要があるなどなかなか厳しいリーグです。(遠征費も含めると年間2,500万円ぐらいかかるらしい。)従って大会前にJFLへの高い意欲を見せていたクラブは決して多くはなかったのですが、しかし大会の結果佐川急便東京とYKKが昇格を決めた後、鳥取SC、NTT熊本が相次いでJFLへの参加を表明。更に予選リーグで敗退した愛媛FCも参加を決め、まるで雪崩を打ったように「16チーム」の枠が埋まる事になりました。
この中で注目すべきなのは、山陰から初めての全国リーグへの参加となる鳥取SCと、四国のクラブチームとしては初の参加となる愛媛FCの昇格ではないでしょうか。鳥取SCはバードスタジアムのある鳥取市ではなく米子市にあるクラブで、将来のJリーグ入りこそ掲げていないものの地域密着により「街おこし」の核になる事を目指しています。中国地域リーグには87年に初昇格しましたが、その後県リーグに降格。98年に再昇格した年は2勝12敗の最下位、99年は5勝9敗の6位と苦しみましたが、昨年見事に初優勝を遂げると一気にJFL参戦を成し遂げました。今回のJFL参加の条件は「温水シャワーを設置すること」と「ゴールポストを角断面から丸断面のものに交換すること」だったと言うエピソード(確か地元新聞の記事)があるなどなかなか前途多難を予想させますが、なんとか頑張ってほしいものです。
一方愛媛FCは「四国から初のJクラブを」と言う目的で自治体や地元会社の支援も受けて96年に発足し、元プロの選手(元広島の大西貴選手など)も含むトップチーム、レベルの高いユース、ジュニアユースなどを擁して地元での実績を積み重ねてきました。従って将来的にJFLからJリーグを目指す、と言う方向性は確立していましたが、地域リーグ決勝大会では連続して予選リーグで敗退するなど戦力がなかなか上がらず、また資金的な問題もあってなかなか前に進めない、と言う状況が続いていました。(このへんの事情は、愛媛県出身のスポーツライター二宮清純さんのホームページに詳しい。)今回のJFL参戦の決定もかなりの「冒険」だったらしく今後解決しなければならない課題も多く、JFLの「残り枠」が少なくなったことを考えての見切り発車的な昇格だったような感じも受けますが、しかしここまで積み重ねてきた5年間の実績は他のどのクラブにも負けない、と思います。少なくとも強引にチームを立ち上げJリーグ入りを果たした横浜FCよりも基盤はしっかりしているような印象を受けますし、きっとやってやれないことはないと思います。
<01.1.26> 日本サッカー協会は昨日日本代表候補45人を発表し、サンフレッチェからは下田、久保の2人が選出されました。これらのメンバーは2/18〜23にJヴィレッジでトレーニングキャンプを行います。サンフレッチェは2/18から宮崎シーガイアでのキャンプ入りをする予定となっていますので、その最初から攻守の主軸を欠いての練習をしなければならないことになります。
<01.1.26> JFLは昨日の実行委員会で、地域リーグ決勝大会で優勝、準優勝の佐川急便東京(東京)とYKK(富山)に加えて、NTT熊本(熊本)、SC鳥取(鳥取)、愛媛FC(愛媛)の加盟を承認しました。
<01.1.25> 今朝の中国新聞の地方欄に、ビッグアーチの収支についての記事が出ていました。これによると今年度の収入の見通しは5,510万円。管理運営費が1億2千万円程度なのと比較すると赤字なのはこれまで通りながら、サンフレッチェのホームスタジアムとなった1994年以降初めて前年比でプラスとなる見通しなのだそうです。今年度の収入のうち、サンフレッチェや代表などサッカー関係がやはりほとんどを占めており約9割の4,820万円。収入の多寡はサンフレッチェがどれだけ使うかに左右されるので、3月に行われる予定のホームゲームを含め15試合を開催できた(98年度は12試合、99年度は9試合)のが収入増に大きく影響している模様です。先日各紙で報道されたように、2008年五輪が大阪で開催されることになれば「予選リーグ」のゲームをビッグアーチで行うとのこと。ピッチの部分は90%前後の利用率があるのにトラックは20%しか使われないなど「陸上競技場」と言うよりは「サッカースタジアム」としての地位が確立した感のあるビッグアーチにとって、サンフレッチェのホームゲームを開催するかどうかは生命線のようなもの、と言えるかも。クラブとサポーターの悲願であるサッカー専用スタジアムの実現のために、一番の障害となっているのはこのビッグアーチの存在自体なのかも知れません。
<01.1.25> サンフレッチェは昨日、ミゲル選手がポルトガルリーグ1部の"GIL VICENTE FUTEBOL CLUBE"への移籍が決定した、と発表しました。ポルトガルはトップリーグは「プレミアリーグ」となっていますのでたぶんこのクラブは実質2部のチームのはずです。サンフレッチェではチームに馴染めず実力の半分も発揮できなかったミゲル・シモン選手でしたが、母国でもう一度思い切ってプレーしてほしい、と思います。
<01.1.24> 一昨日、初めてのナビスコ杯の抽選会が行われました。これまでナビスコ杯は前年度の成績順に組み合わせを決めていましたが、今年からやり方を変更。前年度優勝、準優勝の鹿島と川崎F、アジアのカップ戦に出場する清水、名古屋をシードして、他の組み合わせは原則として抽選で決定されました。(1回戦は原則J1対J2。またF東京と東京Vなど「ダービー関係」のクラブは離すなどの考慮もされたらしい。)サンフレッチェは第3シードである名古屋の山で初戦はアルビレックス新潟との対戦。2回戦は甲府×FC東京と言う、天皇杯で番狂わせが起こった組み合わせの勝者との対戦となります。サンフレッチェはこれまでナビスコ杯ではめぼしい成績を収めていませんが、優勝賞金1億円を目指して頑張ってほしいと思います。なお、全体の組み合わせは次の通り。
      1回戦      2回戦      準々決勝    準決勝      決勝
      (4/4,18)   (6/13,20)     (8/8,22) (9/26,10/10)  (10/27)
鹿島 ───────────┐
              ├─────┐
柏  ─────┐     │     │
        ├─────┘     │
湘南 ─────┘           │
                    ├─────┐
浦和 ─────┐           │     │
        ├─────┐     │     │
山形 ─────┘     │     │     │
              ├─────┘     │
G大阪─────┐     │           │
        ├─────┘           │
京都 ─────┘                 ├─────┐
                          │     │
清水 ───────────┐           │     │
              ├─────┐     │     │
市原 ─────┐     │     │     │     │
        ├─────┘     │     │     │
大宮 ─────┘           │     │     │
                    ├─────┘     │
札幌 ─────┐           │           │
        ├─────┐     │           │
大分 ─────┘     │     │           │
              ├─────┘           │
C大阪─────┐     │                 │
        ├─────┘                 │
磐田 ─────┘                       ├
                                │
川崎F───────────┐                 │
              ├─────┐           │
東京V─────┐     │     │           │
        ├─────┘     │           │
横浜F─────┘           │           │
                    ├─────┐     │
横浜M─────┐           │     │     │
        ├─────┐     │     │     │
水戸 ─────┘     │     │     │     │
              ├─────┘     │     │
福岡 ─────┐     │           │     │
        ├─────┘           │     │
仙台 ─────┘                 ├─────┘
                          │
名古屋───────────┐           │
              ├─────┐     │
神戸 ─────┐     │     │     │
        ├─────┘     │     │
鳥栖 ─────┘           │     │
                    ├─────┘
甲府 ─────┐           │
        ├─────┐     │
F東京─────┘     │     │
              ├─────┘
広島 ─────┐     │
        ├─────┘
新潟 ─────┘

※「横浜F」は横浜FC、「横浜M」は横浜F・マリノス、「東京V」は東京ヴェルディ1969、「F東京」はFC東京の略です。
また、1回戦から準決勝までは下段のチームが1st legのホームチームとなります。

<01.1.23> 先週発売の紫熊倶楽部Vol.25の表紙とトップ記事は久保選手。「スーパーストライカーになるか。それともこのまま…。明日はどっちだ。久保竜彦研究」と題して、大きく期待されながら少なくとも代表ではそれに応えていない久保について特集しています。この中で広大サッカー部の沖原監督の「一昨年よりも相当厳しいマークが」付いていたこと、そしてシーズン当初に怪我で出遅れたことを考えると一昨年と比べて「成績はほとんど落ちていない...これは驚異的な事なんですよ」と言う言葉を引用して、決して彼が凡庸なストライカーに堕ちてしまったわけではない、としています。しかしその一方で「もし広島というチームの状況が変わらなければ、残念ながら昨年・一昨年が久保にとっては精一杯」であると指摘。ヴァレリー監督になって攻撃のパターンが変わることが、久保自身の成長にとっても重要であるとしています。先日私はkasaさんのホームページの書き込みで2トップと3トップ(変形1トップ)のどちらが良いか、と言う議論をしましたが、そこでも出たようにまずはエース久保が成長することがチームにとっても久保本人にとっても重要である、と言えるのではないでしょうか。
この特集の次には、「サポーターから」として昨年を振り返る内容の私の文章を載せてもらっています。(実は原稿を書いたのは昨年だったので2000年を「今季」と表現していたのですが、2001年に出版される事を考えて編集部の方で一部「昨季」と修正して下さったようです。文章がやや混乱しているような印象を受けますが、これは出版時期を考えずに元原稿を書いた私の責任です。^_^;)早川文司さんの「歴代監督物語」はトムソン監督編の第一回。「SUPPORTER'S AREA」を経て、後半の特集ではJリーグ全16チームの予想メンバーと共にヴァレリー監督のシステムを予想しています。そして最終ページは大塚美紀さんの「ベルギー・フットボール紀行」。今年大分入りが決まった元ベルギー代表のスターレンスの話題を取り上げ、ベルギーでの移籍の現実について紹介しています。
紫熊倶楽部はVポイントか広島県内の大手書店で購入可能ですが、手に入りにくい方は年間購読が便利です。お申し込みは紫熊倶楽部・広島フットボールホームページからどうぞ。また、昨年の創刊号から年間購読をしている方は、この25号が昨年分の契約の最後の号となっています。更新がまだの方はお早めにどうぞ。
<01.1.22> 1月14日発売の紫熊倶楽部増刊「assist」は、まずヴァレリー新監督とその目指すサッカーについて紹介しています。「東アジアサッカー界のカリスマ」と呼ばれるヴァレリー氏は、ヒディング氏よりも前に代表監督のオファーがあったほど韓国では高く評価されています。富川SKでは伝統的な韓国スタイルに逆らって4-4-2システムを採用して見事に結果を出し、サポーターを熱狂させました。更にその後中国の潘陽海獅では常に2部落ちの危険性のあったクラブを救い、中国リーグから特別賞をもらっています。個性の全く違う東アジアの2つの国でそれぞれ結果を出したヴァレリー監督ですが、もともと名を馳せたのは1990年のイタリアW杯。カメルーン代表をアフリカでは初めてベスト8に導きました。どこの国でも目指したのは攻撃サッカー。そしてそのコンセプトはサンフレッチェでも貫かれることになります。サポーターが楽しいサッカー、選手も楽しめるサッカーを展開するためには厳しいことも必要だと語るヴァレリー監督は、サンフレッチェをどんなチームにしてくれるのでしょうか?
2つめの記事は、一昨年Jリーグから新人賞を受けながら昨年はリーグ戦ノーゴールに終わった高橋泰選手のインタビュー。これに特集記事「スーパーセブンの1年を考える」が続きます。森崎兄弟、駒野、松下、山形、八田、中山。彼ら7人のここまでの到達点と課題を、それぞれの選手について書いています。(この中に「サポーターから。」と言うことで、私の文章も載せてもらっています。)
後半は、昨年を振り返っての記事。まずは2大専門誌サッカーマガジンとサッカーダイジェストの担当記者が2000年のサンフレッチェを総括。そして昨年の公式戦の全得点パターンと出場記録、公式記録がまとめられています。
「assist」は定価480円。購入方法などお問い合わせは紫熊倶楽部編集部(tel:082-890-1081/fax:082-890-1082)までどうぞ。
<01.1.21> レンタル期間終了後ヴェルディに戻る、と言う噂だった栗原圭介選手は、「日本代表ニュース」によると今度は湘南へのレンタルとなるそうです。昨年の栗原は序盤は怪我のため出遅れましたが、シーズンが進むにつれてチームにフィットし、久保や周りの選手とのコンビネーションも確立して来ていました。従ってヴェルディが自チームに戻す気が無かったのなら、せめて広島にもう一年貸し出してくれれば良かったのに、と思うのですが...もしかすると今西総監督かヴァレリー監督が「栗原は要らない」と判断したのか、あるいは栗原自身に広島から出たいと言う意思があった、と言うことだったのでしょうか?
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