12/9〜12/15のSANFRECCE Diary


<01.12.15> 明日の天皇杯4回戦の相手は清水。ステージ終盤に3-0で勝っていますが、その時の清水は代表招集などで主力選手に疲れがたまっており、モティベーションもやや下がっていました。が、その直後に三都主が帰化すると次の福岡に大逆転で勝ち、柏にも1-0で勝っています。清水は在籍する全選手との契約を来季も継続することを決めており、戦いに対するモティベーションは相当高い、と考えて間違いないのではないでしょうか。とりわけ今回の会場は、1st stageでは1-5で惨敗を喫するなどこの5年間で一度も勝っていない日本平。サンフの天皇杯制覇のためにはここが最大の関門、と言っても良いかも知れません。
 明日のサンフレッチェのメンバーですが、仙台戦で怪我をして心配された駒野、大木は今週の後半から練習に復帰しているとのこと。他の選手にも特に問題はなく、現状でのベストメンバーを組むことが出来そうです。
       下田

   オレグ 奥野 上村

駒野     桑原     沢田

    藤本    森崎和

     久保  大木

SUB:加藤、森保、コリカ、梅田、スカチェンコ
 3バックで臨むのか、あるいは4バックで行くのか良く分からないのですが、ちょうど1ヶ月前に勝った時と同じ3-5-2の布陣を取る可能性が高いように思います。その場合トップ下にコリカを入れるのか、それとも藤本で行くのか。中盤の底は桑原なのか、あるいは森崎和を入れるのか。いずれにしろ木村監督代行の決断が、ゲームの流れを決めそうです。
<01.12.15> 最近の報道によると浦和レッズは、来季の監督に元日本代表のオフト氏の就任を決めたのに続き、元サンフレッチェ監督のビム・ヤンセン氏をコーチとして招くことを決めたそうです。更に噂によると、札幌でGKコーチをしているディド・ハーフナー氏にもオファーを出しているとのこと。偶然か、あるいは意図してのことなのか知りませんが、来季の浦和のベンチにはマツダ〜サンフレッチェに在籍したスタッフが勢ぞろいしそうな感じです。初期にはトリビソンノ等アルゼンチン選手が多かった浦和でしたが、その後ルンメニゲ、ブッフバルト、バイン等ドイツ人選手が増えるとともにオジェック、ケッペルとドイツ人指導者が続きました。その後も監督はア・デモス(オランダ)、外国人はベギリスタイン(スペイン)やペトロヴィッチ(ユーゴスラビア)など「欧州路線」を取っていましたが、今年からピッタ監督、チッタコーチ/監督とブラジル人による指導体制を確立するとともにトゥット、エメルソン、アリソンなど続々とブラジル人を補強していましたが、結局1年で路線変更することになります。果たして今回のこの人事が何を意図しているものなのか、他チームなのでどうでもいい(^_^;)事ではあるのですが、新しい首脳陣に広島ゆかりの人が揃うとなると今後がいささか気になるところです。
<01.12.14> 昨日日本サッカー協会は12/17-20に行われるトレーニングキャンプに向けてのU-20代表候補を発表し、サンフレッチェからは森崎和、駒野、松下、林の4人が選出されました。今回選ばれたのは、次の28人。
【GK】藤ヶ谷陽介(札幌)、高木貴弘(市原)、林卓人(広島)、川島永嗣(大宮)
【DF】茂庭照幸(湘南)、北本久仁衛(神戸)、中澤聡太(柏)、井川祐輔(G大阪)
    小原章吾(横浜M)
【MF】森崎和幸、駒野友一、松下裕樹(広島)千島徹、鈴木啓太、田中達也(浦和)
    石川直宏(横浜)、阿部勇樹(市原)、大久保嘉人(C大阪)、青木剛(鹿島)
    今野泰幸(札幌)
【FW】氏原良二(新潟)、杉本倫治(C大阪)、山瀬功治(札幌)、大友慧(仙台)
    前田遼一(磐田)、飯尾一慶(東京V)、佐藤寿人(市原)、田原豊(横浜M)
この招集はアテネ五輪に向けてのチームの立ち上げとなるものですが、まだ監督も決まっていないため候補選手を集めて様子を見る、と言う程度の意図だと思われます。またワールドユースに参加したメンバーのうち羽田憲司(鹿島)や森崎浩司(広島)など怪我のために選ばれていない選手もいるので、このメンバーから今後大きく入れ替わっていく可能性もあるでしょう。しかしそれでも、森崎和と駒野にはこのチームを引っ張っていくことが求められるでしょうし、また松下、林には大きなチャンスが与えられることになります。特に初めて選出された林は「代表は初めてです。ぴっくりしてますよ、選ばれると思ってなかったし」(広島フットボールより)と言いながらも「自分が以前キーパートレーニングで行った時も、黒河さん(清水)とか岩丸さん(神戸)とかいましたけど、できると思ってましたから」と語っているとのこと。毎日、望月コーチと泥にまみれて練習してきた事が認められたわけですから、彼の今後にとって大きな財産になるものと思われます。
<01.12.13> 長い間噂だけが先行していたU-18代表FW茂木弘人選手(福島・聖光学院)の獲得が、昨日正式に決まりました。U-17代表の一員としてトリニダード・トバゴでも活躍した茂木は、フィジカルの強さとどこからでもゴールを狙う意志を持つストライカー。瞬間的な動き出しの速さやプレーの選択の確かさも併せ持ち、将来的には日本代表のエースとなりうる素材だと思います。従って彼の獲得には広島のほか名古屋、仙台も名乗りを上げていたと言われており、彼を強化指定選手にしていた仙台は清水監督が直接交渉に乗り出し、また名古屋もかなり強烈な勧誘活動を行っていたそうです。しかし茂木は「練習に参加して雰囲気が良かったし、自分が一番成長できるチームと判断」してサンフレッチェ入りを決めたそうです。今西総監督は「新人の目玉選手。久保、大木、藤本の3トップのバックアップは高橋しかいないので、茂木の加入は心強い」と期待の言葉を語っています。
 ところで茂木はこの会見の席上で、「将来は海外のクラブでプレーしたい。まずサンフレッチェで活躍し、日本代表でも頑張りたい」と語っています。また聖光学院の鋤柄監督も「中田や小野のように世界へ出られる素質の持ち主。あとは努力次第」と述べています。サンフレッチェはこれまで久保、下田など次々と代表クラスの選手を育ててきましたし、また吉田康や藤本など海外移籍を指向している選手を抱えた経験も持っていますが、実際に「商売」になる移籍を実現した事はありません。従って今後茂木をどう育てるか、チームの中にどう位置づけていくかは、将来的には結構難しい事になるかも知れない、と言う心配はあります。が、そう言う問題が出てくるのは茂木がレギュラーを取ってからのこと。我々サポーターは、しばらくはこの茂木の成長という夢を見ることが出来そうです。
<01.12.12> 昨日サンフレッチェはロシア人指導者のガジ・ガジエフ氏を監督として迎えることを発表しました。契約期間は来年1月5日から2003年1月1日までの1年間。ガジエフ氏は1945年生まれの56歳で、現役時代はMFとして活躍していたものの27歳で引退してディナモ・マハチカラの監督に就任。大学でスポーツ心理学とトレーニングについての博士号を取るなど「学者肌」の人で、昨日の会見では「ジョーク一つ飛ばさず、淡々と小さな声で質問に答え」ていたそうです。(今朝の中国新聞より。)
 80年から85年の間はCSKAモスクワでコーチ、85年にはソ連ナショナルトレーニングセンター、87年からはソ連五輪チームのコーチを務め、88年のソウル五輪での金メダル獲得に貢献しました。99年からは2部のアンジ・マハチカラの監督に就任して14位だったチームを優勝に導き1部昇格。更に翌年はリーグ4位に食い込んでUEFA杯への出場権を獲得していて、昨年のロシア最優秀監督となっているそうです。これまで国外で指導した経験は無く国際的には知名度の低い指導者ですが、ロシア国内では名の知れたコーチで、かなりの実力者であることは間違いない模様です。
 昨日の会見ではサンフレッチェを見た印象について「いいチームだとは思うがスーパーなチームではない」と率直に感想を述べ、ヴァレリー氏の後任というプレッシャーは感じていない、と自信の程を示しました。またチーム作りの方針としてはまず「選手との信頼関係を作りたい」と強調し、その上で「まず、勝利の価値観を育てたい。そのために、攻撃的なサッカーをやりたい。ただ攻撃だけじゃなく、守備も大切。攻撃と守備、そのバランスをとりたい」と語っています。今西総監督はこの会見の席で「サッカーについてもロジカル(論理的)であり、さらに現実を直視してそれを根気よく修正し、スタッフや選手とコミュニケーションをとりながらやっていくタイプです。そういう意味では、私たちが願っていたタイプの監督」である、と期待の言葉を述べています。
 これまでオフト、バクスター、ヤンセン、トムソン、そしてヴァレリー・ニポムニシと多くの外国人監督と一緒に仕事をしてきた今西総監督が決めた人事ですから、ガジエフ氏の指導者としての実力に間違いは無いでしょうし、また目指す方向性にも間違いは無いでしょう。選手がこの1年で学んだこと、成長したことをベースにいくらかでも上積みできれば、今年以上の成績を残すことも可能だと思われます。ただ、やはり気になるのはガジエフ氏が初めて国外に出て指導する、と言う事です。ロシアとは気候も文化も何もかもが違う日本で、強いプレッシャーの中でしっかりと仕事を続けることが出来るのか。生き方もサッカーに対する考え方も違う日本人選手と本当に心を通じ合わせる事が出来るのかどうか。こればっかりはやってみないと分からない、と言わざるを得ないと思います。今西総監督を始めとするスタッフがどれだけサポートできるか、選手がどれだけ自分から歩み寄れるかと言う事とともに、サポーターもどれだけ我慢できるかがポイントとなりそうです。
<01.12.11> 先日日本代表ニュースに「磐田が広島FW久保竜彦、横浜FMのFW城彰二に興味を示している。」と言う記事が出ました。あるネット上の噂(何でも磐田系の掲示板だとか)では「広島が久保の成長を期待して1年限りのレンタルを申し出た」と言うのもあったそうで、これを目にして心配した人も多かったのではないでしょうか。しかしこれについて広島フットボール/紫熊倶楽部の中野編集長はHFニュースの中で、
「クラブに確認したところ、
久保選手を磐田にレンタル移籍させるよう、広島から磐田に働きかけたことも、
また、磐田からの正式なオファーもありません、
とのことです」
と断言しています。日本代表ニュースはスポーツ新聞の記事やサポーターからの「タレコミ」などの怪しい情報が出ることも多く、情報の確度や信ぴょう性はそれほど高くない事が多いと思います。この久保の件に関しても出典は示されておらず、内容的には「噂」の域を出ないもの。チャンピオンシップで敗れた磐田にとってみれば高原の不在が痛かった、と言う思いはあるでしょうし、代わりのFWを補強したい、と言う考えもあるでしょうから、チームスタッフの誰かが何かの拍子に「久保が欲しい」ぐらいは言ったかも知れません。しかしそう言う「欲しい」「欲しくない」と言う発言と実際に獲得に乗り出したかどうかは全く別な話で、広島に久保を出すつもりが無く久保に出るつもりも無い以上、久保の移籍と言うことが起きるわけが無い、と言って良いでしょう。サンフレッチェが「優勝なんてしなくていい」と思っているなら別ですが、今季2nd stageの3位という成績の上を行こうと思うなら久保の存在は不可欠。来季の契約がまだ成立していないのも、別にもめているわけではなく単に手続き上のもののようですから、我々サポーターとしては何も心配する必要はない、と言って良さそうです。
<01.12.10> 昨日広島スタジアムで行われた天皇杯3回戦は、ベガルタ仙台を圧倒したものの決定力に欠け、1-0でようやく勝利をものにしました。
 コリカ、森崎和が戻ってサンフは現状でのベストと言うべきメンバーを組みました。
       下田

     オレグ 上村
駒野(→梅田78分)     沢田
       桑原
   コリカ    森崎和
   (→森保72分)
 藤本          大木(→スカチェンコ31分)
       久保

SUB:加藤、奥野
 サンフは序盤より高い位置からボールに行って攻めの形を作ろうとしましたが、仙台はボールを失うとあっという間に下がってしまいなかなかチャンスを作れません。久保、大木に対するマークが厳しかったのかそこまでボールが繋がらず、藤本やコリカが下がってボールを受けるもののなかなかゴール前まで入り込めません。駒野が何度か良い動きを見せて右サイドを突破しますが、深くえぐらずにアーリークロスを入れることが多くことごとくDFに跳ね返されます。逆に仙台は時折広島陣内に攻め込むのですが、組み立て段階でのミスが多く広島ゴールを脅かすまでには至らず。仙台の攻撃を、前半はシュート0に抑えました。
 前半の半ば過ぎ、サンフはようやく決定的なチャンスを作ります。まずは26分に藤本のスルーパスから久保がフリーでシュート。しかし当たりが悪かったのか本来の強烈な弾道にならずにGKに弾かれます。また27分には桑原がロングシュート。更にその直後にも藤本がシュートを放ちますが、枠を外れたり相手GKの好セーブに阻まれたりでなかなか得点を奪えません。点を取られるような気はしないもののこちらも点がとれず、苛々感が募る前半でした。
 後半もだいたいにおいて同じような一方的な展開で、ボールはサンフが支配してあの手この手でゴールをこじ開けようとします。藤本、スカチェンコ、藤本、久保。次々と決定的シュートを放ちますが、仙台はゴール前に人垣を作り、GKが必死で守ってなかなかゴールを割らせません。しかし後半20分、久保のプレーがゴールのきっかけとなりました。コリカのパスを受けて右サイドでキープした久保が、ルックアップしてゴールを狙うそぶりを見せます。必死で身体を寄せる仙台の選手。しかし久保が見ていたのはゴールでも、中央にいた藤本、スカチェンコでもなく、ファーサイドに走り込んだコリカにふわりとした球を合わせます。コリカはワントラップすると左足で鋭いシュート。これにはさすがに仙台のGK高橋も反応できず、ようやく1点を奪いました。
 これでほっと一息をついた広島スタジアムは、その7分後の森保の登場に沸きます。得点を求めて上がってくる仙台の攻撃を中盤でぴしゃりと止めると攻撃の起点にもなり、ロングシュートやスルーパスなど生き生きとプレーして、長年サンフで戦ってきたその姿をサポーターの目に焼き付けました。仙台は1度だけマルコスが決定的なシュートを放ちましたが、これは下田が素早く反応してナイスセーブ。これが入っていたら分からなかった、とは言え全体的には全く問題なく勝った、と言って良いゲームだったと言えるでしょう。
 このゲームは点差、内容には不満が残るものの、昨日はJ1のチームが横浜FM、名古屋、福岡、FC東京、札幌、柏と5つも敗退したことを考えれば「勝ち」と言う結果を残しただけでもよしとしなければならないかも知れません。いずれにせよ問題は次からで、特にアウェイで戦われる4回戦の清水戦が問題です。この日は沢田が不調でミスが多く、また駒野に代わって右サイドに入った梅田は守備も攻撃もまだまだであることを露呈しました。広島フットボールによると駒野の怪我はそれほど酷くはないようですが、清水の両翼・三都主&市川との勝負に勝てないようだと勝利は遠のきます。この苦戦を糧にして、今後の1週間でしっかり次のための準備をして、そして森保の「このチームでもう一度優勝したい」と言う望みを叶えて欲しい、と思います。
<01.12.9> 広島フットボールや中国新聞によると、天皇杯の初戦を迎えるサンフレッチェの選手達は「あの神戸戦前を彷彿とさせるような気迫に満ちた練習」をしていたそうで、「格下」と戦うと言う気の緩みは無さそうです。とりわけ今日はガジエフ氏が視察に来るそうですから、その前でサンフレッチェの強さを見せつけて欲しいものです。今日のキックオフは1時で、前座として皆実高校と東福岡高校の試合が10時半から予定されています。また、ゴール裏サポーターを中心に、このゲームを最後に広島でのユニフォーム姿が見れなくなる森保選手への寄せ書きを集めることになっています。今日はメインスタンド中央部以外は全て自由席チケットで出入りできますので、ゴール裏以外の方も是非お越し下さい。11時頃から12時半ごろまで受付をしているそうです。
<01.12.9> 昨日の新聞報道によると、サンフレッチェの来季の監督としてガジ・ガジエフ氏が就任することが明らかになったそうです。ガジエフ氏は88年のソウル五輪時のソ連代表のコーチで、金メダル獲得に貢献。今年7月まではロシア1部リーグのアンジ・マハチカラの指揮を執ってUEFA杯出場に導いた実績があるそうです。ただ、「実績」と言ってもナショナルチームを率いた経験を持つトムソン、ヴァレリー両氏などこれまでの監督に比べれば無いのも同然。彼に決めた理由はただ一つ「ヴァレリーの推薦」だと言うことですから、サンフレッチェとしてはかなり思い切った人事をすることになります。サポーターとしてはいささか不安が残りますが、しかしいくら外国で実績を残したからと言って日本で(あるいはサンフレッチェで)活躍できるとは限らないわけで、逆に考えれば名前が知られていないからと言って期待できないと言う事は無いはずです。ここはガジエフ氏を推薦したヴァレリー前監督と彼に決めた今西総監督を始めとするフロントを信じたいところ。ガジエフ氏には一刻も早くチーム状況を把握して、今後に期待を持たせて終わったヴァレリーサッカーを完成させて欲しい、と思います。
<01.12.9> 昨日の日刊スポーツに、福岡を退団することになった尾崎勇史選手の獲得に乗り出した、との記事が載っていました。尾崎は昨年まで磐田に在籍。今年福岡に移籍して1st stageの10試合に出場していましたが、2nd stageは0試合の出場に終わっていました。正式決定はまだですが、織田強化部長は交渉中であることを認めている、とのことです。
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