3/18〜3/24のSANFRECCE Diary



<01.3.24> 昨日行われたジャパンユースカップの1回戦、南米予選4位のチリ代表と対戦したU-20日本代表は、前半に2点リードされる苦しい展開ながら田原のハットトリックなどで4-3で勝ちました。先発メンバーはGK:藤ヶ谷、DF:中澤、羽田、今野、MF:平島、森崎和、青木、駒野、山瀬、石川、FW:前田。前半はボールを支配しながらもカウンターから続けざまに失点。フル代表同様フラット3を敷くDFラインの熟成度の低さを見せたそうです。西村監督は35分には平島に代えて大久保を、また後半からは中澤に代えて田原を投入し、4-2-3-1に変更します。この超攻撃的布陣が大当たりで、後半11分には駒野のCKからのこぼれ球を大久保が押し込み、更に15分には駒野のクロスを田原が頭でゲット。山瀬を佐藤寿に代えた直後の28分にはまたもや駒野のCKを田原がヘディングで決め、リードを奪います。その後セットプレーから1点を失いますが、41分に大久保のドリブル突破から田原が3点目を奪って見事な逆転勝利を収めました。駒野は2アシストだけでなく何度もクロス、あるいはセットプレーからチャンスを演出。森崎和は前半は青木とともに中盤の底に、また後半は2.5列目に位置し、攻撃サッカーの指揮を振るっていたそうです。U-20代表は日曜日に駒場で、ウクライナを破ったメキシコと決勝を戦います。
<01.3.23> 広島フットボールなどの報道によると、鹿島戦、磐田戦の連敗を受けて一昨日の福山大との練習試合には4-4-2(広島フットボールによると4-1-3-2)の布陣で臨んだそうです。布陣はこんな感じ。
      加藤

   上村  トゥーリオ
森保          沢田
      桑原

高橋    コリカ    藤本

  ジューリッチ 久保
得点はまず18分に藤本のCKのこぼれを森保がミドルシュートで決め、2点目は24分にジューリッチが久保のパスを倒れ込みながらゲット。3点目は38分に桑原がコリカのパスを決め、4点目は後半9分にジューリッチからのパスを大木が押し込んだそうです。(後半はこれまで通り4-2-1-3で、GK:林、DF:李(→西嶋)、河野、八田、宮崎、MF:松下、奥野、山形(→中山)、FW:大木、ジューリッチ、金。)中盤を厚くしてサイドバックには守備に重点を置かせる、という意図らしく、これまでの2試合でサイドのスペースを突かれて何度もピンチを招いていた事を考えての戦術変更のようです。福山大とはレベル差が大きく結果はあまり参考になりませんが、広島フットボールによると動きは結構機能スムーズだった模様。しかし選手の感想も賛否両論、と言う感じだそうで、怪我人や代表選出で選手が揃わない事も考えると戦術変更は大きな賭け、と言えそうです。とりわけ次から当たる札幌と柏は3バック+2ボランチの堅い守備が身上のチームで、鹿島や磐田とはタイプが大きく違います。それらのチームを相手に4-1-3-2がいいのか、あるいはこれまで通り4-2-1-3が良いのか。ヴァレリー監督の試行錯誤は続きそうです。
<01.3.22> 遅くなりましたが、先週発売の「紫熊倶楽部」Vol.29を紹介します。2大特集は久保選手と森崎和幸選手。「孤高の天才 久保竜彦への想い。」「初めての開幕。2度目の国立。」と題して、チームの中心と存在感を増している2人について書いています。ヴァレリー監督のキャンプ終了後の会見の内容を挟んで、鹿島戦と福岡戦のレポート。徐々に明らかになってきたヴァレリー監督のサッカーを解明します。サンフレッチェの後援会長で、広島銀行の会長でもある宇田誠氏のインタビューは、広島の経済界がいかにサンフレッチェに期待しているか、そしてどのようにサポートしていくと考えているかが分かる内容となっています。ページ増により増えたコラムは、今回は4本。「担当記者より」で日刊スポーツの中上記者が、「バックルームより愛を込めて」で佐々木マネージャーが、更に「サポーターから」と言うことで私とKASAさんが書いています。更に後ろのカラーページの「連載 21世紀のルーキーたち」では林選手が取り上げられています。今号からのリニューアルで38ページとなり、読みごたえが格段に増えて70円の値上げ以上に価値が増えた感じがします。ぜひ一度、手にとってご覧下さい。
<01.3.22> 昨日発表されたジャパンユースカップに向けてのU-20日本代表に森崎和、森崎浩、駒野の3選手が選ばれました。今回選出されたのは次の18人。
【GK】藤ヶ谷(札幌)、岩丸(神戸)
【DF】池田(清水)、羽田(鹿島)、平島(福岡)、中澤(柏)、井川(G大阪)
【MF】森崎和、森崎浩、駒野(広島)、石川(横浜FM)、青木(鹿島)、今野(札幌)
【FW】山瀬(札幌)、前田(磐田)、佐藤寿(市原)、田原(横浜FM)、大久保(C大阪)
香港に遠征したメンバーからは、黒河(清水)、那須(駒沢大)、田中(横浜FM)、小森田(福岡)、茂原(神戸)、永井(柏)、児玉(G大阪)、飯尾(東京V)が抜けて平島、井川、森崎浩が入った形になっています。久々選出の森崎浩は、中盤の上がり目かボランチで試されることになるのではないでしょうか?
<01.3.21> 今朝の中国新聞によると、服部選手が右股関節痛で、また川島選手が左太もも痛でそれぞれ1週間、3週間の故障をしたとのことです。これで川島選手の次節札幌戦での出場は絶望となりました。磐田戦では両サイドを何度も崩されてピンチを招いていただけに、この2週間でどう修正するかが課題でしたが、U-20代表合宿に参加の駒野選手に加えてこの2人の不在はかなり影響が大きいと思われます。サテライトで活躍した宮崎、西嶋両選手の抜擢もあるかもしれません。
<01.3.20> 攻守に圧倒されての1-4の惨敗だった磐田戦。正直言ってビデオを見るのがいささか怖かったのですが、結果を知っているからか思ったほどのショックは受けなかった、と言うのが私の第一印象です。磐田との個人能力や完成度の違いを見せられたのは事実ですが、しかしだからと言って未来を感じなかったわけではない。むしろ、ヴァレリーサッカーの狙い、方向性、そして課題が見えたゲームだった。逆説的ではありますが、そう言う意味では現状では最高の結果だった、と言っても良いのではないでしょうか。
まず簡単に試合展開を振り返ります。メンバーは梅田を初めて先発に起用して次のような感じ。
      下田

   上村  トゥーリオ
沢田          服部
    森崎和  桑原

      コリカ

  藤本  梅田  久保

SUB:加藤、川島、奥野、森保、高橋
立ち上がり、ワンタッチパスを繋いで攻め込もうとする広島でしたが、中盤でのパスミスを狙われ両サイドを崩されて何度も決定的ピンチを迎えます。上がった両サイドの裏にボールを通され、ゴール前を左右に振られてセンターバックが引きずり出され、フリーの選手を作ってしまってシュートを許す、と言うパターン。若いトゥーリオの経験不足があったとはいえ、これまでほとんど守備練習をして来なかった(らしい)ツケを払わされることになります。前半22分に中山の折り返しから藤田に、更にその4分後には高原をペナルティエリア内で倒して与えたPKを服部年宏に決められ、早々と2点のリードを許してしまいました。
ヴァレリー監督は後半から次のように3バックに変更して守備の組織の再構築を図ります。
      下田

  桑原  上村 トゥーリオ

川島    森崎和     沢田
      (→森保66分)
      コリカ

  梅田  久保  高橋
スリートップの組み合わせはともかく、スリーバック、更に左サイドの沢田というのは練習でも試したことのない布陣。しかしこれが意外に機能します。森崎和を中心にしたパス回し、沢田の小刻みなステップによる突破と川島の重戦車のような攻め上がりで両サイドから崩し、高橋もゲームメークに参加して何度か磐田ゴール前に迫ります。しかし得点を奪えないうちに時間が経過し、逆に後半27分の藤田のFKが直接ゴールネットを揺らして、事実上ゲームの行方が決まります。運動量ががくっと低下してボールを支配され、何度も追加点のピンチを迎えます。高橋の1年半ぶりのゴールでいったんは2点差にしたものの、その直後に高原に決められてジ・エンド。雨の中にも関わらず1万人を越えたサポーターにとっては、苦い後味のゲームとなってしまいました。
結局残った結果は3点差での完敗で、そう言う意味では半年前のビッグアーチ(0-3で負け)と全く一緒、と言われても仕方がないかも知れません。個々の選手の能力に差があるにも関わらず、正面からぶつかって敗れた、と言う意味でも同じである、とも言えるでしょう。しかし、だからと言って何も変わっていないのかというとそうではない、と思います。相手の守備陣を決定的に崩す、あるいはシュートを枠内に飛ばすところまではなかなか行かないものの、DFがボールを奪った瞬間に一斉にゴールに向かって走り出す、と言う点では明らかに昨年よりもしっかりと意識付けされていましたし、また組立段階でワンタッチでリズム良くパスを繋いで展開する、と言う事も何度かできていました。パスの出し手と受け手の意志が一致せずにミスとなって奪われる、と言うシーンは相変わらず多かったのですが、しかし鹿島戦で目立った単純なミスよりは磐田の選手の出足の速さにやられた、と言うパターンの方が多かったように思います。特に、攻めの構築の点での磐田との大きな違いは、大きな展開ができるかどうか。サンフのパス回しは狭い地域でのショートパスが中心で、繋いでいるうちに周りを囲まれて最後に奪われると言うパターンが目立ったのですが、磐田のパスはショートだけでなく中長距離のものが多い感じ。これはサンフの中盤でのプレスが効いていなかった、と言うのがたぶん一番の理由ですが、それ以上に磐田の選手の一人ひとりのキープ力とパスの精度が高いことと、ボールの無いところでの動きの質が高いこと、そしてチーム全体の戦術の理解度が高い事でしょう。これらの点で磐田に追いつくのは容易なことではないのは事実ですが、しかし決して不可能なことではない、と思います。選手一人ひとりが監督とチームメイトを信じること。そして一つ一つのプレーの精度と動きの質を高めること。それが今、一番必要な事のように思います。
この磐田戦を見ると、ヴァレリーサッカーの完成まではまだまだ時間がかかりそうだ、と言うのは確かですが、しかし昨年のサッカーからかなり変わっているのは事実。そしてそれが試合を重ねるごと良くなっている、と言うのも(たぶん)間違いなのではないでしょうか。広島フットボールにも書いてありましたが、ヴェンゲル監督の名古屋でさえ開幕から3連敗し、PK勝ちを挟んでまた4連敗と戦術浸透に時間がかかっているのです。今季は開幕から鹿島、磐田と強力なチームと当たってしまったのは不幸でしたが、しかし優勝を狙うとは言えない現状を考えれば敗戦は織り込み済み。むしろここでいろいろと試すことができたのは、後に大きく生きてくるかも知れません。
加茂監督が日本代表を初めて率いた95年1月のインターコンチネンタルカップでは、世界のトップに位置するナイジェリアとアルゼンチンを相手に、松永、都並、堀池、柱谷、ラモス、福田らベテラン選手を起用し、プレッシングサッカーで正面から戦って0-3、1-5と完敗しました。この起用と戦い方は当時大きな論議を呼びましたが、しかし内外にどういうサッカーを目指すかをアピールし、(悪い言い方ではありますが)ベテラン選手に引導を渡し、山口素弘ら新しい選手の台頭を促す、と言う点で大きな効果がありました。加茂監督は最終的には解任されましたが、しかし代表のサッカーを変え、その後のフランスW杯出場への道筋を付けたのは明らかです。加茂監督がその出発点で強豪相手に完敗したのをその後のチーム改革につなげた、と言うのは、ヴァレリー監督のチームを考える意味で示唆的なのではないでしょうか。大事な公式戦の2試合を捨て、いろいろなテストに使ったヴァレリー監督の見据えるのはサンフレッチェの未来です。昨年までのレギュラー選手がどこまで新しいシステムに対応できるかを見極め、トゥーリオ、梅田など新しい戦力の力を試し、更にサテライトでは若手選手が切磋琢磨しています。我々ファン、サポーターはもうしばらく、我慢すべきなのだろうと思います。
<01.3.19> 昨日吉田サッカー公園で行われたサテライトリーグ第1節の神戸戦は、2-1でサンフレッチェが勝ちました。広島フットボールによるとメンバーは
         林

     八田    河野
西嶋              宮崎
       李   松下

        山形

   大木   中山   寺内
と、大木以外はJリーグの実績の無いメンバーばかり。対する神戸はGK:小針、DF:長手、三上、北本、MF:春永、森、菅原、和田、薮田、FW:難波、森岡。サテライトとは言え半分はトップでの実績の豊富なメンバーでした。サンフレッチェはこれを相手に素晴らしいサッカーを披露したそうで、李、松下のプレスからの素早い展開、西嶋、宮崎の正確なサイドチェンジ、そしてワンタッチでテンポ良く回るパスと、「これぞヴァレリーサッカー」と言うべきものだったとのことです。先制点はサンフレッチェで、前半10分の右サイドのFKから。松下が蹴った低いボールに八田が合わせました。更にその後も攻勢を続け、松下のループシュートや山形が抜け出してGKと1対1になるなど何度も決定機をつかみます。トップチームと同様、何度も両サイドのスペースを突かれてピンチを迎えはするものの、それを上回るほどのすばらしい攻撃を構築。最後のシュートの正確性を欠いたため得点を重ねることができず、それが災いして一度はPKから同点に追いつかれましたが、終了間際の山形の股抜きシュートで突き放し、勝ちという結果を残すことができました。一昨日の磐田戦では能力と完成度の差を見せられたそうですが、この神戸戦で活躍した19歳以下の若手選手が育ったときにはきっと素晴らしいチームになっている、と言う希望を持たせる結果だった、と言えるのではないでしょうか。
<01.3.18> 昨日行われたJリーグ第2節、ジュビロ磐田との対戦は1-4と完敗。2試合を終えたところながら最下位に転落してしまいました。試合内容などについてはまだ見ていないので、明後日書く予定です。
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