6/10〜6/16のSANFRECCE Diary


<01.6.16> 今朝の中国新聞と昨日配信の広島フットボールによると、FC東京戦で3点すべてに絡んだ山形のリーグ戦デビューは間違いなさそうです。ポポヴィッチの不在や沢田、森保の怪我の影響など守備面での不安は拭えないだけに、山形、久保らの爆発で攻め勝つゲームを見せてほしいものです。ここで勝てば、優勝した94年1st stage以来の5連勝。メンバーが揃わず苦しいのは確かですが、そういう時こそ声を掛け合い、力を合わせて戦ってほしいものです。今日のゲームのテレビ放送は、スカイパーフェクTVのch121で3時から生中継です。
<01.6.16> W杯のオセアニア地区予選ですが、2組は予想通りニュージーランド(NZ)が勝ち抜きを決めました。これに伴い2次予選は、20日と24日に豪州との間で行われることが決まりました。ここに臨む豪州代表ですが、予定通り?ポポヴィッチ、コリカ、そしてフォックスらを招集。ヴィドゥカ、キーウェル抜きの、コンフェ杯とほぼ同じメンバーとなっています。メンバーやチーム状態等からすると豪州の優位は明らかですが、実力通りの結果が出るとは限らないのがサッカー、そしてW杯予選の恐ろしいところ。コリカ、ポポヴィッチはチームを犠牲にして代表に合流しているわけですから、何としてでも勝ち抜きという結果を残してほしいと思います。
ところでこの6月で契約が切れるポポヴィッチですが、今のところ新たに契約を結んだという情報はありません。コンフェ杯のパフォーマンスを見ればオファーが殺到していてもおかしくない、と思いますので残留する可能性はあまり高くないだろう、とは思います。ただコンフェ杯後の記者会見の様子を見ると、個人的な望みよりもW杯出場という夢を最優先だと思っている様子。そしてそのために日本のクラブにいることはプラスになる、と言う考えを持っているようです。いったん欧州のクラブに行けば、代表の招集に常に応じられるとは限りませんから、少なくともW杯出場が決まるまでは日本でプレーする、と言う選択も有り得るのかも知れません。そう言う意味でもこのNZとの予選は必ず勝って、そして夢の実現の可能性を残して欲しい、と思います。
<01.6.15> 明日はJリーグ1st stage第11節を神戸と戦います。神戸はここまで広島より勝ち点が1だけ少ない12で、11位に付けています。
神戸 □1-0■ 横浜FM 【神】布部
神戸 ○2-0● F東京 【神】土屋、三浦
神戸 ■0-1□ G大阪 【G】小島
神戸 ●0-1○ 清水  【清】久保山
神戸 △0-0△ 札幌
神戸 ●1-5○ 柏   【神】和多田、【柏】柳、北嶋3、田ノ上
神戸 ○2-1● 福岡  【神】和多田2、【福】山下
神戸 ○2-0● 名古屋 【神】薮田、和多田
神戸 ■1-2□ 浦和  【神】三浦、【浦】トゥット、小野
神戸 ●1-4○ 市原  【神】薮田、【市】大柴、ムイチン2、林
ここで目立つのは守備の堅さです。大敗した柏戦、市原戦はいずれも途中で退場者を出したのが原因で、これを除くと90分で敗れたのは第4節の清水戦のみ。そしてこの清水戦も失点したのは後半ロスタイムになってからでした。逆に得点力の不足は深刻で、総得点10はF東京、横浜FMと並んでリーグ最下位となっています。その上大黒柱の三浦カズは臀部痛のため欠場が濃厚となっているそうで、しっかり守って逃げきるという戦術を取ってくるものと思われます。好調の広島攻撃陣がいかに神戸の守備網を破るかの勝負になるでしょう。
これに対するサンフレッチェですが、広島フットボールによるとヴァレリー監督は水曜日の試合終了後、「神戸戦は面白いことをしようと思います。楽しみにしていてください」と語っていたそうです。面白いこと、と言っても全く見当がつかないのですが、これまでも沢田のボランチや左サイド、奥野のトップ下など「面白い」起用をしてきていますので、それに匹敵するようなびっくりを考えているのかも知れません。私の予想は、スタンダードに次のような感じで行きます。
      下田

    上村 トゥーリオ
沢田          服部

   森保    桑原

      山形
 藤本        高橋
      久保

SUB:加藤、川島、奥野、松下、梅田
神戸、と言うと昨年の2nd stageこそ勝ったもののそれまで4連敗。更に昨年の天皇杯でも敗れています。いつも攻めながらもちょっとしたことで負けてしまうと言う感じで、何となく相性の悪さを感じる嫌な相手です。ここは一つ、代表では不完全燃焼だった久保の再びの爆発と、自信を付けた山形の切れ味鋭いプレーに期待したいところです。
<01.6.14> 断続的に降り続く雨の中行われた昨日のナビスコ杯2回戦のFC東京戦は、一度は逆転しながらリードを守り切れず、3-3の引き分けに終わりました。
サンフレッチェのメンバーは、上村は足の痛みがあるということで控えに回って次のような布陣でした。
      下田

   トゥーリオ 奥野
沢田          服部
(→上村46分)
   森保    桑原

      山形(→松下79分)
 藤本        高橋(→梅田46分)
      久保

SUB:加藤、川島
序盤は両チームともミスが目立つ展開。3週間ぶりの試合ということでゲーム勘が戻っていないからか、思うようなサッカーができません。サンフはパスをつないで攻めようとするものの組み立て段階でのパスミス、トラップミスが多くなかなかシュートにまでも行きません。その点では東京も似たようなものだったのですが、しかし先に自分達のサッカーを思い出したのは東京の方でした。前半23分、中盤でのトラップミスからボールを奪われると一気にサンフゴール前に運ばれます。やむなく下田が飛び出しましたが、しかしこれが中途半端。フェイントであっさりかわされると、無人のゴールにボールを流し込まれました。逆に数少ないチャンスを生かしたのはサンフで、前半40分で起点は久保。シュートのこぼれを高橋、藤本とつないで右サイドの沢田がクロスを入れます。これは一旦ファーに流れてチャンスは潰えたかに見えましたが、ここに居たのが前半は存在感のなかった山形でした。ふわっと浮かしたボールを入れると、ここに走り込んだ久保が頭で押し込みました。攻め込まれながらも同点で折り返せたのは、単に東京の攻撃のアイディア不足と精度の無さのおかげだったかも知れません。しかし初先発でどうもコンビネーションが合っていなかった山形、ボールが足に付いていなかった久保のコンビで点を取ったことは、後半につながるものだったと言えるのではないでしょうか。
後半に入ると、ヴァレリー監督は思い切った手を打ってきます。一つは沢田に代えて上村を投入しての3バックへの変更。この日の沢田は怪我の影響(練習に復帰してわずか1週間しか経っていなかったらしい)か精彩が無く、パスミスが多くまた右サイドを何度か崩されていましたので、これは納得の交代でした。更に高橋に代えて梅田。こちらはちょっと疑問が残ったのですが、ともあれこのシフトチェンジは大正解でした。後半開始早々は中盤を完全に支配してゴール前に何度も迫り、前半は起点になれず苦労していた久保も何度もシュートレンジに入り込めるようになります。また、前半はコンビネーションが悪く空回り気味だった藤本と服部が完全に生き返り、更に期待の山形が前を向いてボールを持てるようになって素晴らしいプレーを連発します。20分頃までは、これらの選手が織り成す夢のようなサッカーの時間帯。東京は完全に浮き足立ち、このまま行けば一体何点取れるのだろう、と思えたものでした。後半17分の2点目は山形からで、前を向いて高速ドリブルで進むと服部にスルーパスを出します。服部は相手DFを振り切ってペナルティエリアに侵入し、中央の久保にドンピシャのクロスを入れ、久保はこれを難なく押し込みました。更に3点目も起点は山形。藤本のコンビネーションでペナルティエリアに入り込むと、相手を十分に引きつけて久保にパスします。久保はこれをダイレクトボレーで決め、プロ入り初(生涯初、と言う話もある)のハットトリックを決めました。
しかし、この素晴らしい「夢」はその2分後に壊されます。その犯人は下田、そして奥野でした。何でもないバックパスの処理にもたついて相手にボールを奪われ、そのままゴールを許すという信じられないミスで、せっかくの押せ押せムードに水を掛けてしまいました。それでもサンフは諦めずに4点目を狙いに行きますが、しかし決定的なチャンスを決められずに徐々に相手にペースが移ります。そして最後は3バックの布陣ではおなじみの中盤が空いて相手の波状攻撃を受ける、と言うパターン。山形に代えて松下を入れますが焼け石に水で、カウンターからの久保の突破は二人がかり、三人がかりで止められ、藤本が得たGKとの1対1のチャンスも途中出場の伊藤の必死の守りに止められて得点できず、あとは耐えるだけの時間帯が続きます。そしてロスタイム3分ももうそろそろ終りか、と言う時に、左サイドで相手を引っかけてFKを与えてしまいます。喜名が蹴ったボールは最も注意すべき選手の1人であるケリーにぴたりと合い、とても納得できない同点劇で試合が終わってしまいました。
と言うことで、得点シーンは全て素晴らしく、失点シーンは全てアホらしいというある意味当然(^_^;)の結末でした。でも考えてみれば中断前も同じような感じで、素晴らしい得点もあればアホらしい失点も多いというチームでしたからこの日はその傾向が特に顕著に出た、と言うだけなのかも知れません。とにかくレギュラー・準レギュラークラスを5人も欠いていたのですから、その割には良いゲームだった、と言えないこともない、と思います。特にこの日公式戦初出場を果たした山形が、「時間帯限定」とは言え素晴らしいプレーを連発してくれたのは大きな収穫だった、と言えるでしょう。でも逆に、そう言う苦しい状況のときにチームを支えなければならないはずの下田、奥野、沢田、更には上村や森保らにミスが目立ったのは残念でした。久々のゲーム、時折強く降る雨、そして濡れたピッチと集中力を保つのが難しいのは分からないでもないのですが、それにしてもそんな状況は今までも何度も経験しているはずです。幸いナビスコ杯はアウェイゴール2倍ルールはありませんから、来週は単に勝てば良いだけのゲームとなります。今日出来が悪かった選手達には失敗を猛反省して、その教訓を土曜日の神戸戦と来週のFC東京戦に生かしてほしい、と思います。
<01.6.13> 昨夜配信の広島フットボールなどによると、16日から始まる豪州代表のキャンプに合流するポポヴィッチ、コリカの2人のFC東京戦、神戸戦への出場はやはり難しいとのこと。これによりトップ下としての公式戦初出場がますます有望となった山形ですが、インタビューではやや弱気なコメントを吐いている様子です。ただ、めったに無いであろう大きなチャンスに緊張するのは当然のこと。むしろ精神的に追い込まれたときこそ、その人の本当の力が見えるものです。山形はJリーグのクラブでの出場で満足するような素材ではなく、いずれは五輪代表や、あるいはフル代表へと駆け上っていく選手のはずです。そんな選手が、その第一歩で緊張しすぎて力を発揮できないようでは困ります。「スーパーセブン」の中で一番最初に入団が内定した(ユース組をのぞく)山形は、サンフレッチェのファン、サポーターにとっては期待の星です。今日のゲームで出場機会を得たら、是非とも全力でプレーして欲しい。そして一つでも二つでも、光るプレーを見せてほしい。失敗を恐れず、どんどんチャレンジして、そして持ち味を発揮してほしいと思います。
ところで今日のゲームは広島スタジアムで7時キックオフとなっています。天気が持つかどうか微妙なところのようですので、雨具のご用意を忘れずに。
<01.6.13> 昨日行われた高校総体の広島県予選決勝で、広島朝鮮が延長Vゴールで皆実を破り、初の全国大会出場を決めました。試合は終始皆実のペースだったもののボールに対する執着心と運動量で広島朝鮮が勝り、粘り勝ちしたとのこと。各種学校扱いになる朝鮮高級学校の全国大会出場は、大阪朝鮮に続いて2校目となります。なお、2回戦以降の結果は次の通り。
【2回戦】
沼田   2-0 山陽
広島朝鮮 2-1 広陵
神辺旭  2-1 尾道東
美鈴が丘 2-1 城北
修道   1-0 広島学院
海田   3-0 三次
瀬戸内  2-1 安芸南
皆実   2-0 国泰寺

【準々決勝】
広島朝鮮 1-0 沼田
美鈴が丘 1-0 神辺旭
修道   2-1 海田
皆実   2-1 瀬戸内

【準決勝】
広島朝鮮 2-2 美鈴が丘(PK4-2)
皆実   4-0 修道

【決勝】
広島朝鮮 1-0 皆実

<01.6.12> 日本代表に燃えた2週間が終わると、すぐまたJリーグの戦いが始まります。リーグは今週土曜日再開ですが、明日はその前哨戦ともいえるナビスコ杯2回戦が行われます。サンフレッチェはホーム広島スタジアムにFC東京を迎えることになります。
FC東京相手のゲーム、と言うと思い出すのは何と言っても5/3に行われた第7節でしょう。第6節に最下位に転落したサンフレッチェでしたが、このゲームから4バックに戻して戦い高橋のハットトリックで3-0と快勝しています。そしてそこから5月は負けなしの4連勝。つまりFC東京戦が快進撃のきっかけになったわけで、そう言う意味では良いイメージで戦える相手、と言えそうです。ただ、FC東京もその後はアマラオが完全復活して持ち直しています。
FC東京 ●0-3○ 広島   【広】高橋3
FC東京 ○2-1● 札幌   【F】アマラオ、佐藤、【札】ウィル
FC東京 ○2-0● 柏    【F】ケリー、アマラオ
FC東京 ●1-2○ 福岡   【F】戸田、【福】久永、山下
特に明日のゲームで気になるのは、代表組の影響です。FC東京はユースもコンフェ杯も誰も招集されておらず、フルメンバーで戦術の徹底をしてきているはず。それに対してサンフレッチェは、U-20代表の森崎兄弟と駒野が不在で、コンフェ杯メンバーのコリカ、ポポヴィッチ、久保、上村はチームに戻ってきたばかりです。日曜日の出場がなかった上村、30分だけだった久保の出場は可能でしょうが、11日間で360分以上もプレーしている豪州代表組の先発はまず無理だと思います。と言うことで明日の予想メンバーは、
      下田

    奥野  上村
沢田          服部

   森保    桑原

      山形
 藤本        高橋
      久保

SUB:加藤、ポポヴィッチ、トゥーリオ、コリカ、梅田
この中で、注目は何と言っても山形でしょう。昨年入団した「スーパーセブン」のうち、これまで唯一公式戦の出場機会が無かった彼ですが、もともと能力の高さは折り紙つき。広島フットボールによると髪を銀色に染めて気合いを入れていたそうで、課題とされていた動きの少なさも克服されつつあるようです。若い選手は、「経験」をスポンジのように吸って成長していくものですが、彼の場合も先月の福岡とのPSMでフル出場したことが大きな糧となっているに違いありません。メンバーが揃わない、と言っても山形の周りを固めるのは経験豊富な選手ばかりです。多少の失敗があったとしても、きっとフォローしてくれるはず。それを信じて、思い切ったプレーを見せてほしいものです。
<01.6.11> 昨年、私は天皇杯の決勝に行ってその素晴らしさに感動したのですが、さすがにFIFA主催の国際大会の決勝戦の雰囲気はそれにも増して格別のものだったのではないでしょうか。開催決定から紆余曲折を経てようやくゴールにたどり着いたコンフェデレーションズカップは、開催国日本の準優勝というほぼ最高に近い結末で幕を閉じました。
中田英が居なくなった日本は、代役として小野をトップ下に入れるかと思えばさにあらず。GK:川口、DF:中田浩、森岡、松田、MF:小野、稲本、戸田、伊東、波戸、FW:森島、西澤と、森島をやや下がり目に置く変形1トップでトリプルボランチの布陣でフランスに相対しました。ボールを支配してハイテンポで攻め込むフランス。これをDF+両サイドの3人とトリプルボランチで迎え撃つ日本。フランスの速いパス回しに食らいついてボールを奪い、小野のパスと波戸のスピードで相手ゴールに迫ろう、と言う戦術で、これはある程度機能します。しかし、やはり役者はフランスが一枚上手でした。前半30分、右サイドでボールを持ったルブフが一瞬フリーになります。ゴール前のスペースに入れたロビングボールに競り合うビエラと松田、そして飛び出す川口。しかしビエラの高さが勝ってポーンと上がったボールは川口の頭の上を越え、ゴール内で弾みました。
リードを奪って余裕の出たフランス、これに対して何とかして同点に追いつきたい日本。しかしなかなか攻め手が見いだせず、ジリジリした時間だけが過ぎます。そこでトルシエ監督が後半15分に切ってきたカードが、久保の投入でした。ここまでなぜか一度も使わなかったこの「切り札」は、やはり押し込まれている時にその個人能力で突破してくれ、と言う期待の現れだったのでしょう。久保は元気にピッチに飛び出して、相手のDFラインに張りついて上がらせないようなポジショニングを取ります。そしてその位置から裏を狙ったり(一度素晴らしい飛び出しを見せたもののオフサイドになった〜テレビの画面で見る限りではオンサイドだったように見えました)、一旦下がってワンタッチでボールをさばいて裏を狙ったり(これは森島が惜しいところでコントロールミス)して攻めのリズムを作ろうとします。しかし、残念ながらシュートを打つことはできず格別な見せ場は無しに終わります。その後29分に投入された中山とともに日本が攻勢をかけた時間帯のアクセントとしてまずまずの動きだったとは思いますが、しかし期待に応えることができた、とは言えなかったのが残念でした。結局、日本は最後に気力を見せて攻め続けて試合を盛り上げたもののフランスを本当に慌てさせることはできずそのままタイムアップ。最後まで力を出し切ったという思いとともに、それでも勝てなかったという悔しさとの両方が残ったゲームだったと言えるのではないでしょうか。試合終了後の日本代表の選手達は、久保と上村を含めて充実感と悔しさがない交ぜになった表情でしたが、この思いこそが「世界」との正確な距離感なのではないか、と思います。ここで分かった世界との距離をこれから1年でどれだけ詰めて行けるか。それは、今回選ばれた代表選手が自分達だけの体験として終わらせるのではなく、各クラブに戻ってチームメイトに伝える事から始まるのではないか、と思います。久保と上村には代表で得てきた経験を、ぜひチームにフィードバックさせて欲しいと思います。
<01.6.10> 昨日のコンフェデレーションズカップの3位決定戦は、オーストラリアがブラジルの猛攻を凌ぎ、逆に終了間際にセットプレーから1点を奪って今大会2つめの「金星」を挙げました。ムーアが出場停止、オコンなど数人がエマートン妹の結婚式出席のためチームを離れてメンバーの揃わないオーストラリアは、GK:シュワルツァー、DF:T・ヴィドマー、ポポヴィッチ、マーフィー、ホルバート、MF:スココ、ラザリディス、コリカ、チッパーフィールド、FW:ゼーン、ズドドリッチ、と言うメンバー。これに対するブラジルは、監督との確執で出場機会が少なかったバンペッタをカナダ戦以来久々に先発起用し、必勝体制で臨みます。前半はブラジルがやや押し気味ながらほぼ互角。オーストラリアは持ち味の速いパス回しで何度か好機を作ります。コリカは疲れからか運動量は少なめでしたが、しかし右サイドを1人で突破してペナルティエリアに入り込んで決定的なラストパスを送るシーンもあり、ブラジルを苦しめました。しかし後半になると1週間で韓国→日本→韓国を往復した疲れが出たのか足が止まります。コリカとスココを下げ、守備重視の戦いを選択し、ブラジルの攻勢を受けます。何度も決定的なシュートを打たれますが、しかしGKの好セーブとポポヴィッチを中心とした守備陣の高い集中力でゴールを割らせません。そして逆に後半39分、右サイドからのFKにマーフィーが頭で合わせ、「注文通り」の勝利を収めました。
今大会のオーストラリアは、開幕前の評価は決して高くはなくむしろダークホースと言う位置づけだったと思います。主力が何人も欠場し、チーム全員が集合したのも大会開幕直前。FIFAランキングも60位台で、A組の4チームの中では一番下でした。しかし、開幕してみるとこのチームの技術と組織力の高さはなかなか見るべきものがあり、イングランドスタイルの「真面目」なサッカーは3位の価値は十分にあるものでした。この中で、ずっとレギュラーとして出場し続けたポポヴィッチ、コリカはどちらも持ち味を出し切って、チームの快進撃に貢献しました。彼らをいつも見ているサンフレッチェのファンにとっては当たり前のこと、と言う気はしますが、たぶん他チームのサポーターには「こんな良い選手が広島にいたなんて、初めて知った」と言う人も多かったのではないでしょうか?我々にとっての一番の心配は、これでポポヴィッチの名前が知られてオファーが来て、6月の契約切れてチームを退団してしまう可能性が高まった、と言うことかも知れません。
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