7/15〜7/21のSANFRECCE Diary


<01.7.21> 広島フットボールと中国新聞によると、久保の回復は順調で今日はほぼ間違いなく出場することになりそうです。昨日の練習では動きも素晴らしかったそうで、契約延長がなった大木とのツートップでの爆発が期待できそうです。逆に浦和ですが、右サイドの山田は出場停止だそうで岡野がここに入る予定だ、とのこと。今季は出場機会に恵まれない岡野ですが、松江出身の彼にとっては広島は準地元。燃える材料はあるので注意したいところです。
今日のビッグアーチは、夏休み最初のゲームということで小中学生100円など様々なイベントが予定されています。ハーフタイムにはスタッフが山に入って取ってきたオオクワガタ5匹、カブトムシ100匹のプレゼントがあるほか、3時からゲームコーナーと工作コーナー、6時からは上村、森崎浩両選手のサイン会が行われます。今日の当日券発売は4時から、開場は5時から、キックオフは7時で、混雑が予想されます。(2万人を越えるかも、と言う話もあるらしい。)5000台分の無料駐車場はありますが満車になる可能性も高いので、なるべくアストラムラインや新井口からのシャトルバスをご利用下さい。また、広島サポーターグループは「ビッグアーチを紫の旗で埋め尽くそう」と呼びかけています。FC東京戦で配布された「12番フラッグ」などをお持ちの方は、ぜひご持参下さい。レッズサポーターに負けないよう、大きな声援で選手を勇気づけましょう。また、テレビはJスカイスポーツ2で生中継です。ビッグアーチに行けない人は、テレビの前で応援を。
<01.7.20> 磐田が独走で優勝を決めた1st stageも明日が最終節。しかし今年のシーズンとしてはちょうど半分となり、出来の良かったチームにとっても悪かったチームにとっても一つの区切りとなる折り返し地点です。各チームとも監督の交代や選手の入れ換えなどが盛んで既に2nd stageに向けての戦いは始まっている、と言うところ。ヴァレリー監督の新戦術の浸透に時間がかかって迷走気味のサンフレッチェにとっては、後半につなげるための大事なゲームになりそうです。
対戦相手の浦和は、今季J2から昇格して来たと言うことで苦戦も予想されましたが、ここまで勝ち点18の9位と健闘しています。
浦和 ●0-2○ 名古屋 【名】ウェズレイ、平岡
浦和 △2-2△ C大阪 【浦】アドリアーノ2、【C】大柴2
浦和 ○2-0● 福岡  【浦】トゥット、福田
浦和 ○1-0● 横浜FM 【浦】トゥット
浦和 ●1-3○ FC東京 【浦】アドリアーノ、【F】呂比須、ケリー、戸田
浦和 ●1-2○ 鹿島  【浦】阿部、【鹿】柳沢2
浦和 ●0-2○ 磐田  【磐】奥、中山
浦和 ○4-2● 東京V 【浦】永井雄、トゥット2、田中、【V】永井秀、三浦淳
浦和 □2-1■ 神戸  【浦】トゥット、小野、【神】三浦知
浦和 ●1-2○ G大阪 【浦】井原、【G】ニーノ・ブーレ2
浦和 ■0-1□ 清水  【清】横山
浦和 ○2-0● 札幌  【浦】永井雄2
浦和 ●2-3○ 柏   【浦】トゥット、アドリアーノ、【柏】渡辺、平山、加藤
浦和 ○3-1● 市原  【浦】アドリアーノ、小野、トゥット、【市】大柴
このチームで効いているのは、やはりトゥットの存在です。ここまで6勝を挙げている浦和ですが、そのうち5試合でトゥットがゴールを決めています。チーム全体がうまく回転していない時でも、個人の力でゴールを決めてしまうトゥット。特にアドリアーノ、小野というあたりから良いパスが供給されて一気に形成逆転、と言うこともあるだけに、非常に戦いにくい相手である、と言えるでしょう。これまでヴァレリー監督は相手のFWに対してマンマークを付けることで対処してきましたが、スピードのない広島のDFでトゥットを完全に抑えられる選手がいるとは思えませんし、守備のグループ戦術がどれだけ機能するか、がポイントとなりそうです。
これに対するサンフレッチェですが、広島フットボールによると昨日の練習では久保もミニゲームに参加していたそうです。昨日も書いたように、最終的には本人が出場するかどうかの決断をするのだろうと思いますが、出るか出ないかで戦力的には決定的な違いが出るだけに、何とか回復してほしいものです。またその他のメンバーですが、昨日は藤本がサブ組にも入らず、何とルーキー組と一緒に練習していたとのこと。代表から戻ってきてからどうもプレーに精彩を欠いており、名古屋戦では運にも見放された感があった藤本ですが、こう言うチームが苦しいときこそ全体を鼓舞して、雰囲気を変えてほしいところなのですが...
予想メンバーですが、おそらく名古屋戦のものがベースになるものと思われます。
       下田

   桑原  奥野 トゥーリオ

駒野            服部
    沢田   森崎和

       コリカ

     大木  久保

SUB:加藤、八田、森保、藤本、梅田
浦和の布陣は、おそらくトゥット、小野をツートップに置いた4-4-2。このメンバーだとトゥーリオをトゥット、桑原を小野に付けるのだろうと思われますが、やや不安もあるので八田や川島、あるいは沢田のストッパーでの起用もあるかも知れません。また攻撃面では、サイドの上がりがポイント。浦和も山田、内舘の攻撃参加がありますが、清水の両サイドほど恐れることは無いはずです。特に駒野には、積極的にボールを呼んでチャレンジして欲しい、と思います。
明日のゲームは、小野のラストゲームということもあって沢山の観客が入ることが予想されますし、またテレビなどでも注目を集めることは間違いないでしょう。そんな中で、先週に引き続いての「引き立て役」だけは勘弁して欲しいもの。これが広島のサッカーだ、と胸を張れるような、そんな戦いを見せてほしいものです。
<01.7.19> 名古屋戦で右足首を捻挫した久保ですが、16日配信の広島フットボールによると練習は別メニューで行っていたそうです。ただ病院には行かずに治療するそうで、それほど重傷、と言うわけでは無い模様。どこまで回復するか、によって浦和戦の出場が決まることになります。ただ、久保は昨年の序盤も、周囲は「もう大丈夫だろう」と言う意見なのに本人だけしか分からない事情で復帰にかなり慎重だった、と言う事がありました。ですから今回も、土曜日に出れるかどうかは直前になってみないと、そして本人が「行ける」と判断しない限り難しいかも知れません。重要なゲームにエースを欠く、と言うのはチームにとっては本当に痛いのですが、しかし久保もコンフェ杯、キリン杯と続けて代表に招集されてかなり疲れは溜まっているはず。ここで無理をして別のところを痛める、と言うことになってしまっては大変です。その分、大木や高橋、藤本やコリカ、更には中山や吉田などFWとして起用されそうな攻撃の選手には頑張って欲しいもの。むしろここで結果を出さなければ、スカチェンコが加入する2nd stageは確実にチャンスを失う、と言うつもりでやってほしいと思います。
<01.7.18> 昨日突然、セレッソ大阪は盧廷潤選手の退団とKリーグ蔚山現代への移籍を発表しました。盧選手は言うまでもなく元サンフレッチェの主力選手。学生時代から韓国では将来を嘱望されたスター選手でしたが、その後「非国民」と罵られながらもJリーグ初年度から広島入りしてプロとしてのキャリアをスタートし、94年のステージ優勝などに多大な貢献をしました。97年にはチームの戦術と合わなかったり怪我で出場できなかったり、と言うこともあってシーズン半ばで退団。オランダリーグのNACブレダに移籍し、その後99年からセレッソでプレーしていました。広島在籍中は攻撃的MFやFWでの出場が多かったのですが、セレッソではむしろボランチかWB。昨年の1st stageではチームの中心として優勝争いに貢献し、また今季の1st stageの広島戦でも1点目のアシストとなる鋭いクロスを入れるなど活躍していました。ここでなぜ突然退団となったのか。ネット上ではいろいろと噂が飛び交っているようですが、どうも副島監督との確執もあり、チームの不振の責任を取らされて?追い出された、と言う事情のようです。
先週は名古屋のピクシーの引退の話題が席巻した感がありましたが、盧のJリーグへの貢献はピクシーよりも遥かに高い、と言えるのではないでしょうか。そのプレー上の実績も素晴らしいものですが、それまでほとんど人的交流のなかった日韓のサッカー界に風穴を開け、その後の韓国人選手のJリーグへの大量流入の端緒を付けた、と言う意味ではどの外国人選手よりも多大な貢献をしたと言っても間違いないのではないか、と思います。にも関わらず、セレッソはピクシーのようなセレモニーを行うどころか、最終節にも出場させずに石持て追うように韓国に帰らせることになるようです。これはセレッソだけでなく、我々サンフレッチェのファン、サポーターにとっても非常に残念なことだと思います。盧選手はまだ30歳。一部にはこのまま引退も、と言う噂があったようですが、まだまだやれる歳だと思いますし、実際にKリーグでプレーを続けるようです。確かあるインタビューで「最後はまた広島に戻りたい」と語っていた「ノー君」。個人的には是非とももう一度、サンフレッチェでの彼のプレーを見たいところなのですが。
<01.7.17> サンフレッチェは昨日、ウズベキスタン代表DFのパシニンと、ウクライナ代表FWのスカチェンコの獲得を明らかにしました。パシニンは先週からテストを兼ねて練習に参加。フィジカルの強さだけでなく足元の技術も確かで、なかなかクレバーな選手であることを示しているそうです。またボランチもできるらしいので、うまく機能すればサンフの弱点が一気に解消、と言うことも期待できそうです。気になるW杯アジア予選への招集については、「Jリーグ優先」の意思を確認できたとのこと。広島フットボールによると出場するとしても中国戦だけ、と言うことになるそうです。またスカチェンコは、ウクライナ代表としてシェフチェンコ(ACミラン)やレブロフ(トットナム・ホットスパー)とともに活躍した選手です。プロ入り2年目(93年)にウクライナリーグの得点王となり、次の2シーズンはディナモ・キエフでリーグ優勝に貢献しただけでなくチャンピオンズリーグにも出場して5試合で2得点。96年〜97年はKリーグの安養LGに在籍(71試合出場で41得点)。その後フランスのメツに移籍(21試合で6得点)し、この春からスイスリーグのザマックス・ヌーシャティルにレンタルされて8ゴールを挙げ後期得点王に輝いています。代表として活躍していたのはEURO2000の予選まででW杯予選には出場していませんが、広島フットボールによるとウクライナ代表の得点力不足から今後の代表招集もありそうです。身長185cm、体重78kgと言う体格(久保を一回り大きくした感じ?)でポストプレーのみならず2列目でのプレーもできるとの事で、実績を見る限りではここ数年では最高の選手である、と言えそうです。スカチェンコは今週末か来週には来日してメディカルチェックを行って正式に契約を結び、早ければ2nd stage開幕から出場となります。
<01.7.16> 先週末に天皇杯広島県予選を兼ねた「全広島サッカー選手権決勝大会」の1、2回戦が行われ、昨年優勝のサンフレッチェ広島ユースは準決勝に進出しました。
【1回戦】
皆実高   2-1 マツダSC
福山大   3-0 広島フジタSC
広島大   4-1 日新製鋼呉
広経大   4-0 美鈴が丘高
広島朝鮮高 4-1 福山平成大
県工ク   3-2 呉大
広島ユース 7-3 広島教員
修道大   3-3 広島FC(PK4-3)

【2回戦】
福山大   4-1 皆実高
広島大   3-2 広経大
広島朝鮮高 1-0 県工ク
広島ユース 1-0 修道大

<01.7.15> 昨日の名古屋戦は先制されながらひっくり返し、また追いつかれると言う展開で粘り強い戦いを見せましたが、延長6分にPKを決められ敗れました。
中断からの再開後3連敗。ポポヴィッチ、上村を欠いて守備も攻撃も上手く行かなくなったサンフは、ついに3トップを捨てて3-5-2の布陣を採用しました。
       下田

   桑原  奥野 トゥーリオ

駒野(→八田60分)     服部
    沢田   森崎和(→藤本59分)

       コリカ(→森保90分)

     大木  久保(→高橋63分)

SUB:加藤
桑原が森山、トゥーリオがウェズレイ、沢田がストイコビッチを担当して厳しくマンマーク。中盤のスペースはコリカ、大木、久保が戻って埋めると言う今季初めての形でしたが、これがまずまず機能します。前半11分には左サイドを大森に破られ、飛び出したウェズレイのクロスを森山に難しい体勢から決められて先制を許しますが、その後精神的に落ち込むことなく落ち着いて対処。中盤の速いプレスで相手にボールを回させず、大木や久保のポストプレー、コリカのキープと突破などで何度もチャンスを作ります。それでもシュートが不正確だったりしてなかなか点には結びつかなかったのですが、ようやく実ったのが前半ロスタイムでした。前線、やや左サイド寄りで大木が競ったボールを西澤がわずかにトラップミスします。ここに突っ込んで行ったのが久保。あっと言う間にゴール前まで持ち込むと、GKの動きを見て丁寧に左足インサイドキックでゴールに流し込みました。
そして更に後半3分、今度は大木がやります。右サイドを突破した駒野が横パスを久保に出しますが、これはいったん相手DFに引っ掛かったかに見えました。しかしこれを奪い取った大木が相手3人に囲まれながらも強引に突破し、最後は楢崎の脇の下を抜く見事なシュートを決めました。契約切れ直前で、「本当のラストチャンス」に賭けた男の意地が爆発したゴールは、瑞穂を真っ赤に染めた名古屋サポーターを完全に黙らせる素晴らしいものでした。
しかし、ここで黙ったままにしていなかったのがストイコビッチでした。このメモリアルゲームに燃える彼は前半から華麗な「舞い」を見せていましたが、失点のわずか2分後に決定的な仕事をします。左サイドでの沢田との競り合いに身体を巧く入れて勝つと、そのままサイドを見事なステップワークで抜け出してフリーでペナルティエリアに侵入します。そして中を確認して落ち着いてグラウンダーのクロス。そしてこれを森山がまたまた難しい体勢からシュートを決めました。
その後は一進一退。前半から激しく動いたサンフ、水曜日にゲームをしている名古屋はどちらも動きが鈍くなり、なかなか試合を決定付けることができません。特にサンフは森崎和と駒野を代えたすぐ後に久保が右足首をひねって退場してしまい、攻めの形が作れなくなります。桑原をピクシーのマークに付け、高橋をトップ下にするなど苦心の采配で戦いを進めますが、記念のゲームにどうしても勝利がほしい名古屋に攻め込まれ、押し込まれて下がってしまう「悪癖」も出て終盤は防戦一方。なんとか延長、引き分けに持ち込みたいと言う感じでした。しかし後半ロスタイムに、勝利の目前まで行きます。大木が最後の力を振り絞ってペナルティエリアにドリブルで持ち込むと、DFを引きつけて藤本にバックパス。藤本はGKの前に急激な回転をかけたボールを入れます。弾く楢崎。そのこぼれ球に反応して強烈なシュートを放つ高橋。そのボールはバーに弾かれますが、しかしそのこぼれ球を今度は藤本が蹴り込んで決定的な3点目か、と思われました。しかし、この時の判定はオフサイド。たぶん藤本が最初にゴール前に入れた時に大木がオフサイドポジションにいたのでそう判定されたのだろうと思います(高橋はわずかにDFラインの内側にいた)が、しかしこの時大木はゆっくりと戻ろうとしていてプレーの意思は無し。楢崎もDFも大木には反応していなかったので、本来ならオフサイドにはならないはずのシーンでした。更に疑問の判定は延長でも見られました。延長前半6分に、ペナルティエリアでボールを持ったウェズレイが左に流れるようにドリブルします。これに身体を寄せるトゥーリオ。そして倒れるウェズレイ。確かにファウルぎりぎりのシーンでしたが、しかし決定的なPKを与えると言うのは余りに厳しすぎる判定だったように思います。結局このPKをストイコビッチが決めて、名古屋にすれば歓喜のVゴール。広島にとってはつかみかけていた勝利を取り上げられたような、そんな後味の悪い終幕だったと言えるのではないでしょうか。
と言うことで、結果的にはサンフはストイコビッチの「瑞穂ラストゲーム」を飾る引き立て役になってしまったような感じはします。盛り上げるだけ盛り上げたものの、結局勝ち点を得ることができずに4連敗。最下位との勝ち点差もわずかに3となり、「降格ライン」もすぐそこに迫ってきました。ただ、1週間前には組織が完全に崩壊していたこと、またスタジアムの異常な雰囲気の元で戦わなければならなかったことなどを考えれば、内容的には非常に良かった、と言っても良いと思います。とりわけヴァレリー監督がついに3トップを諦めて採用した3-5-2が機能してバランスを取り戻した、と言うことは、今後に向けて収穫があったと言っても良いのではないでしょうか。久保の怪我が心配ではありますが、4位の名古屋と互角に戦えることを示したサンフの行方に、わずかではありますが光が見えたように思います。これを本当のものにできるかどうか。失っていた流れを取り戻すことができるかどうか。次の浦和戦が非常に大事になってきた、と言えるのではないでしょうか。
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