7/8〜7/14のSANFRECCE Diary


<01.7.14> 昨夜配信の広島フットボールと中国新聞によると、中盤に森崎和とコリカを並べて攻撃的に行くことで打開を狙うとのこと。また契約更改のためにこれが本当のラストチャンスになる大木の起用もありそうです。守備が崩壊して苦しいサンフですが、だからと言って守りに行ってうまく行かないのは清水戦で証明済み。下手にやり慣れないことをやって苦しむよりも、1点取られたら2点、3点取られたら4点を狙うと言う本来の攻撃サッカーを思い出して、「あれがピクシーとのラストゲームだった」と心に残るようなゲームにしてほしいと思います。今日のチケットは既に何カ月も前から完売しているそうですし、テレビ放送はNHK-BSで午前1時から録画中継の予定のみ。(スカパーは月曜日の夜10時からの録画。)チケットを持っていない人は、名古屋方面に向けて祈るしかない(?)ようです。
<01.7.13> 明日の対戦相手の名古屋は、ピクシーのホームでのラストゲームと言うことでチームもサポーターもはっきり言って燃えています。3連敗と状態の悪い広島にとっては、非常に厳しい相手である、と言って間違いないでしょう。ここまでの名古屋の成績は、
名古屋 ○2-0● 浦和  【名】ウェズレイ、平岡
名古屋 □2-0■ 市原  【名】ウリダ、森山、【市】管野
名古屋 △1-1△ 横浜FM 【名】ウェズレイ、【横】上野
名古屋 ○1-0● FC東京 【名】酒井
名古屋 □2-1■ 鹿島  【名】ウェズレイ、森山、【鹿】秋田
名古屋 ●0-3○ 磐田  【磐】高原2、中山
名古屋 ○3-1● C大阪 【名】ウェズレイ、岡山哲、平岡、【C】大久保
名古屋 ●0-2○ 神戸  【神】薮田、和多田
名古屋 □3-2■ G大阪 【名】ストイコビッチ、OG、平岡、【G】山口智、ニーノ・ブーレ
名古屋 △2-2△ 札幌  【名】ストイコビッチ、福田、【札】ウィル2
名古屋 ●1-4○ 柏   【名】森山、【柏】渡辺、柳、加藤、大野
名古屋 ○4-0● 福岡  【名】ウェズレイ4
名古屋 □2-1■ 清水  【名】福田、原、【清】アレックス
となっていて、ここまで勝ち点22の4位。大勝もする代わり大敗もあるので「強い」と言う印象はあまりないのですが、しかし延長に入ったら負けない、と言う粘り強さは特筆すべきもの。ここに来てジョアン・カルロス監督のサッカーが浸透して来た、と言うところではないでしょうか。このチームはもともと選手一人一人の能力は高いだけに、まとまりが出てくると非常に厄介。広島が唯一付け込むところがあるとすれば、水曜日にゲームがあって(それも延長まで戦って)疲れが溜まっている、と言う点ぐらいでしょうか。しかしその清水戦では出場停止だったウェズレイは逆に休養十分。これと言った怪我人も無く、ほぼ万全の状態で来るものと思われます。
それに対してサンフレッチェは、前節崩壊したチーム、特に守備の組織をどのように立て直してくるかが問題です。名古屋のピクシー、山口、ウリダらの中盤の質の高さは清水以上、と言っても良く、ここでいかにボールを自由にさせないか、そしてこちらがきっちりとキープできるかどうかが、ポイントとなるのではないでしょうか。メンバーですが、昨日も書いたように森崎和、駒野の先発復帰が濃厚で次のようになるものと思われます。
      下田

   奥野  トゥーリオ
駒野          服部
    沢田  桑原

      森崎和
 藤本        高橋
      久保

SUB:加藤、川島、森保、コリカ、大木
守備も問題なのですが、実はもっと問題なのは攻撃の方かも。4連勝中には3人のFWのコンビネーションが良く取れていたのですが、今はバラバラ。攻めは久保の個人技に頼るしか無く、ボールがキープできず繋がらずで走り回らされて、最後はバテバテになってやられてしまう、と言うパターンが多いように思います。これまでトムソン前監督の元での名古屋戦は、やたら守備的に行って耐えきれず敗れると言うパターンが多かったのですが、ヴァレリー監督のサッカーはこれとは180゜違うもののはず。少なくとも清水戦のように守りに行って守り切れず惨敗、と言う無様なゲームだけは見せて欲しくありません。勝ってほしいのは当然ですが、仮に負けるにしても明日に繋がるようなサッカーを見せてほしい、と思います。
<01.7.12> 昨夜配信の広島フットボールによると、体調を崩して欠場した駒野、途中出場したものの本来の出来からは程遠かった森崎和の2人は今週の練習では好調なところを見せ、名古屋戦は先発できそうだと言うことです。特に急性腸炎という発表ながら原因は不明だった駒野は元気一杯で、ピクシーへの応援の声でやりにくいであろうアウェイのゲームについても「僕は中東で凄いアウェイの雰囲気を経験してますから」と気にも留めていない様子。このところの数試合はサイドからの攻撃があまり見られていないだけに、駒野の正確なクロスに期待したいと思います。また森崎和は前節先発出場した田原、石川らユース代表組の動向が気になる様子で、「自分も負けられない」と気合を入れているとのことです。スタイルは違うとは言えピクシーは中盤のお手本。この最後の戦いで、何かをつかんでほしい、と思います。
なおテスト中のパシニンですが、なかなかクレバーなプレーぶりを見せているとのこと。やや大人しい感じだ、と言うのが気になるところではありますが、これから慣れてくれば本領を発揮してくれるはず。その実力の見極めと共に、W杯の最終予選との絡みも契約の判断基準になるようです。
※ウズベキスタンのゲームは8/17, 26, 9/8, 15, 22, 28, 10/13,19に予定されているので、全部出場するなら契約する意味がありません。モスクワがレンタルを考えているのは、そのへんの事情もあるのかも?
<01.7.11> 昨日の中国新聞などの報道によると、パシニンの「テスト」は獲得を前提としたものとなっている模様です。記事によるとパシニンはもともとロシア人で、今年からウズベキスタン代表に入りしたのは「ウズベキスタン協会の誘いで」とのこと。詳しい事情は良く分からないのですが、ウズベキスタンもロシアももともと「ソ連」と言う一つの国だったので国籍の境目は無いのも同然なのかも知れません。これまでロコモティブ・モスクワに6年間在籍して129試合に出場し、またチャンピオンズリーグやカップ・ウィナーズ・カップに20試合以上出場するなど完全にレギュラークラスの選手。守備陣のリーダーとして、あるいはヴァレリー監督の意図を伝える「ピッチ上の監督」として期待できるものと思われます。獲得が決定した場合、レンタル移籍に向けて所属クラブと交渉することになるとのことです。
<01.7.10> 先週発売の紫熊倶楽部の特集は、昨日閉幕したワールドユースについて。高い能力を持ちながらもグループリーグを勝ち抜けなかった日本U-20代表について、森崎和を中心にした3人のインタビューを交えながら解説しています。巻頭記事は、「眠れる大器・大木勉、人生を賭けた左足シュート」と言うタイトルでナビスコ杯FC東京戦と、「疑いない。日本最高のストライカー!久保竜彦」と言うタイトルでG大阪戦をレポートしています。清水戦と名古屋戦の展望記事の後ろには、先日紹介したポポヴィッチの退団インタビュー。更に、6期ぶりの単年度黒字達成が報告された株主総会の記事が続きます。早川文司さんの「名選手物語」の第3回はヴィドマー。99年4月14日のナビスコ杯で、急造GKとして活躍したゲームを取り上げています。佐々木温さんの「バックルームから愛を込めて。」は今回も絶好調(?)。「周りの反応が全く無いため...不安になって」いた、とありましたので、感想を是非「SUPPORTER'S AREA」か編集部へどうぞ。
<01.7.9> 昨日高槻市で行われたサテライトのG大阪戦は、1-4で敗れました。得点は19分に宮崎が先制点を挙げましたが、その後前半に3点、後半に1点を奪われて逆転負けしています。サンフレッチェのメンバーは、GK:林、DF:李、河野、八田、西嶋、MF:松下、森崎浩、山形、FW:吉田(→寺内45分)、中山、宮崎、SUB:松岡。内容は不明ですが、シュート数で見ると前半は2-14、後半は6-3。前半はCKもなく、圧倒的に攻められるという展開だったのではないでしょうか。また後半PKを一つもらっていますが、多分外しているものと思われます。逆にガンバのメンバーは、GK:松代、DF:井川、山口智(→嵜本)、朝比奈、児玉(→橋垣内)、MF:岡村、橋本、森下、ヘルゴビッチ、FW:小島(→中山)、松波。猛暑の中、控えもほとんどいない若手ばかりのサンフに対し、実績の有る選手がずらりと顔を並べるガンバと言う事で、かなり苦しいゲームだったようです。詳しくはふぇりくすさんの「むらさきぐま日記」をご覧ください。
<01.7.9> ポポヴィッチの退団、上村の怪我でできた穴を埋めるべく、ウズベキスタン代表DFが今日から練習参加します。ロシアリーグのロコモティブ・モスクワに所属するオレグ・パシニンで、185cmの26歳の選手だそうです。昨秋のアジアカップの代表メンバーに入っていませんでした(だから日本に1-8で敗れたメンバーではない)が、W杯予選の1次リーグには出場していたようです。テスト期間は10日間余りとかなり長く取っており、おそらく他のDFとのコンビネーションやコミュニケーションが取れるかどうか、をじっくり見ようとしているのではないかと思われます。しかし、じっくり見てやっぱり駄目だ、となったらどうするのかいささか心配も残ります。1st stageはあと2節残っていますが、2nd stageの開幕は8/11で今から1ヶ月後。パシニン獲得が決まったとしても、それまでに間に合うかどうかぎりぎりのところです。ヴァレリー監督もチームスタッフも、このパシニンが役に立つ選手であってほしい、と祈るような気持ちで見ることになるのではないでしょうか?
<01.7.8> これを「完敗」と呼べば良いのか、それとも「惨敗」と呼ぶべきなのか。昨日行われた清水エスパルスとの対戦の結果は今季最悪の5失点。日本平での無得点記録こそ止めたものの、それ以上の収穫は何も無い敗戦を喫してしまいました。
清水の両サイドの攻撃力を警戒してヴァレリー監督が「守備的に行く」と宣言して臨んだこのゲーム。布陣はたぶん次のような感じだったと思われます。
      下田

   奥野  トゥーリオ
沢田          服部
    森保  桑原
    (→川島45分)
      コリカ(→森崎和64分)
 梅田(→藤本45分) 高橋
      久保

SUB:加藤、大木
一応4-3-3の並び方ですが、いろいろな情報を総合すると桑原も安永のマークに付いて実質的には5-1-1-3と言う感じだったらしい。後ろを厚くしてしっかり守ろう、と言う意図だったようですが、しかし数から見ても分かるようにいつも以上に中盤がスカスカ。日本代表の戸田、伊東だけでなく若い平松にまでいいようにかき回され、最後にはサイドの市川、アレックスに攻められると言う恐れていた最悪の形になってしまいます。1点目は早くも前半8分。左サイドでボールを持った市川はマークに付こうとする服部を構わず振り切って鋭いクロス。これに中央でバロンが合わせて頭で押し込まれました。その後も中盤でボールを自由に持って、何度も攻め込む清水。広島はマイボールになってもパスをつなげることができるのはDFラインのみ。コリカはリズムが合わずにボールを奪われてばかりで、梅田も高橋も起点になれず、結局は久保の個人の力に頼るのみ。単発的な攻撃で何度か決定的なチャンスは作りますが、しかしシュートミスで逃してなかなか得点を奪うには至りません。結局何とか1失点で凌ぎはしたものの、守ろうとして守り切れず、攻めの形も構築できずで、ストレスばかりが溜まる前半でした。
何とかこの状況を打開したいヴァレリー監督は、後半から右サイドに川島を入れて沢田をボランチにし、また藤本を投入して攻めに転じようとします。前半ほとんど作れなかったサイドからの攻撃の形が何度か出来るようになり、またボールを前に運べるようにもなりますが、前半から飛ばしていた久保の動きが止まり気味。逆に、上がった右サイドの裏をアレックスに使われるパターンも増えて行きます。2点目は後半15分で、森岡のパスを中央で受けた澤登がゴール前に突破してクロスを入れると、中央で待ちかまえていた斎藤が頭で決めました。セットプレーで上がっていたDF斎藤をつかまえきれずにフリーにしてしまったための失点で、マークの受け渡し(なんてしているのかどうかは知りませんが)の失敗か、あるいは集中切れが原因とも思えるような失点でした。
これで一気に敗色濃厚になったサンフレッチェでしたが、しかし3分後に意地を見せます。久保からのボールを受けた高橋がスルーパスを出すと、飛び出したのが藤本。シュートを打つと見せかけてGKを十分に引きつけて出したパスを、右に流れるように受けたコリカが右足で蹴り込みました。実に535分ぶりに日本平で奪ったゴールは追撃の狼煙となるはずでしたが、しかし前半から清水の流れるようなパスに走らされ続けた広島の選手にとっては、これが最初で最後の輝きでした。なんとか追いつこう、と気ばかり焦って前にボールを運ぼうとするものの、足も止まってパスがつながらず、あるいはタイミングが合わずにボールを奪われ逆にカウンターの危険にさらされます。後半29分には右サイドでアレックスのマークに付いていた川島が、一瞬ラインを割ったかと思って?気を抜きます。(少なくとも私にはそう見えた。)しかしアレックスは上手に身体を入れてボールを素早く前に運ぶと鋭いクロス。飛び込んだ澤登のシュートは何とか下田が弾きましたが、ファーサイドに詰めていたバロンに押し込まれて決定的な3点目を失いました。この後は気持ちだけは前に行こうとする広島に対し、冷静にカウンターを狙う清水、と言う展開。後半36分にはバロンのパスを受けた澤登に、そして終了間際には奥野が与えたFKをアレックスに直接決められ、今季最悪となる5失点の敗戦となってしまいました。
広島フットボールによると、記者会見でヴァレリー監督は「戦術もスタメンも間違えた。交代もそう。監督の責任だ」と語っていたそうですが、まさにその通りとしか言いようが無いでしょう。3トップはそのままでDFラインの人数を増やせば中盤が更に薄くなるのは道理で、もともと技術の高い清水の中盤を自由にしたのではああ言う展開も当然です。テレビの画面では分からなかったのですが、解説の木村さんによるとサンフレッチェのDFはマークの受け渡しはせずにマンマーキングで対処していたそうですが、FWはともかくサイドの選手までずっとついている訳には行かないでしょう。そしてその服部も川島もスピードでは市川やアレックスには敵わないわけで、「ヨーイドン」で1対1で競争すれば振り切られてしまうのは当たり前。そういう時こそ、ボランチやCBの選手と協力して数的優位を作って守るとか、あるいはポジションを高く取って相手の位置を下げさせるなどの工夫が必要なはずなのに... この守備の崩壊は、ポポヴィッチや上村、あるいは駒野などの不在だけでは説明できるものではありません。特に前半は守りを固める、後半は何とか点を取る、と言うゲームプランに忠実に動いたにも関わらずどちらも上手く行かなかった事は、チームに大きなダメージを与えたように思います。果たして次の名古屋戦、ピクシーのホームラストゲームに燃えるチームを相手に立て直しが効くのか。更にその後の浦和戦や2nd stageに向けての展望が見いだせるのか。6月以来3連敗となったサンフレッチェは、一時は最下位に転落した第4節〜第6節の3連敗時以上の危機の淵に立っている、と言って良いかもしれません。
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