11/24〜11/30のSANFRECCE Diary


<02.11.30> 今朝の中国新聞によると、遠征メンバーとなった17人は昨日ビッグアーチで行われた練習でもぴりぴりした緊張感に満ちていたそうで、上村選手は「札幌戦1試合で、今年一年の評価が変わるわけではない。自分たちのサッカーができるかどうかだ」と力強く語り、決意を込めて昨日の飛行機で札幌入りしたそうです。神戸との直接対決に引き分け、残り3試合で14位との勝ち点差6と言う絶望的状況から盛り返したサンフレッチェ。その崖っぷちでの最後の戦いに、今季の全てを賭けることになります。
 今日の会場は札幌ドームで、午後2時キックオフ。同時刻に神戸は清水と、柏はG大阪といずれもホームゲームを戦います。テレビはNHK広島放送局が総合テレビで、またNHK-BSでも生中継で放送されます。更に広島県サッカー協会は紙屋町の基町クレドでパブリックビューイングを行います。札幌まで行けない人も、広島から、そして日本中から応援の気持ちを送りたいものです。
<02.11.29> 激戦が続いた今季のJリーグも明日が最終節。残留を争うチームにとっては、「運命の一日」となります。サンフのここまでの年間通算勝ち点は26。これに対して神戸は28で柏は29。サンフが負ければその時点で降格決定なので、まずは90分で勝つこと、それもできれば2点差以上をつけて勝つことが求められます。
 最終戦の相手は、開幕戦に5-1で勝った札幌です。
H△2-2柏   【札】小倉2、【柏】玉田、根引
A●0-1京都  【京】朴
H●1-2神戸  【札】曽田、【神】オゼアス、アリソン
A■0-1横浜FM 【横】平瀬
H●1-2浦和  【札】堀井、【浦】エメルソン、鈴木
H■0-1磐田  【磐】中山
A●0-3清水  【清】ペツェル2、アレックス
H●0-4FC東京 【F】アマラオ、ケリー2、加地
A●0-1G大阪 【G】マグロン
H○1-0市原  【札】新居
A■2-3鹿島  【札】小倉2、【鹿】柳沢2、石川
A■2-3東京V 【札】相川、西田、【V】エジムンド、ロペス、羽山
H○1-0名古屋 【札】佐藤尽
A●0-2仙台  【仙】マルコス2
 11節には降格が決定した札幌は、2nd stageの得点がリーグ最小の10。失点もワースト2位の25で、勝ち点7しか取れずに最下位なのも仕方のない成績です。ただ、1点差以上を付けられて負けたのは清水戦、FC東京戦と仙台戦だけで、あとは全て1点差だと言うところには注意すべきだと思います。札幌が低迷したのはここぞと言うところで点を奪えず、また取られたから。内容的に圧倒されて負けてきたわけではなく、もうちょっとのところでの運の無さや精神面の弱さで勝てなかった、と言う感じです。前節は残留に燃える仙台の勢いに押されて敗れましたが、それ以外のゲームはむしろ精神的な重しがとれて伸び伸びと戦っている、と言う印象。ビジュ、大森、佐藤尽の3バックの前に今野、森下を配した守備ブロックは堅固で、西田、和波も上がる回数を少なくして両サイドを抑えてきます。個人の能力は確かにJリーグの平均からは劣りますが、その分をチーム全体の力でカバーしようとしていて、簡単に打ち破れる相手ではない、と考えた方が良さそうです。
 これに対するサンフですが、柏戦での快勝で心配された気の緩みの様子も無く、今週もまた良い雰囲気で練習が出来ていたそうです。メンバーは、出場停止だった藤本、服部、ビロングが戻ってきますが、前2試合の勢いを保つため次の先発で行く可能性が高そうです。
      下田

   八田 上村 駒野

沢田  森崎和 桑原  服部

  茂木      森崎浩
      久保

SUB:林、ビロング、トゥーリオ、高橋、藤本
 森崎浩をシャドーストライカーに据えた3トップの布陣としていますが、練習ではやや戸惑いが見られたそうで消極的なプレーが目立ったとのこと。ここはむしろはっきりと3-5-2にして、森崎兄弟や両サイドがどんどん飛び出してくる形にした方がいいかもしれません。広島フットボールによると水曜日の紅白戦では藤本をFWに入れた形も試していたそうですが、Bチームでは良かったものの「Aチームに移った途端、藤本の悪い癖が出た」ようで、ボールを持ちすぎて、あるいはスルーパスを狙ってボールを失うことが多かったそうです。また、少々心配なのが選手の疲れとコンディション。茂木に夏ごろのキレがなく、森崎和も右足内転筋に張りを訴え、更に昨日は久保が練習を休むなど不安材料がいくつかあります。ただ、ここに来て体調が完璧な選手などはどのチームにもいないはずで、大事なのはチーム全体で戦う気持ち、だと思います。先発で出る選手も、ベンチからスタートする選手も、スタンドやテレビでしか見れない選手も。監督・コーチやフロントやその他のスタッフも。そして札幌に遠征して、基町クレドに集まって(紙屋町の基町クレドの「クレドビジョン」でパブリックビューイングが行われるそうです)、あるいは自宅でテレビを見ながら応援する全てのサポーターも。サンフレッチェに関わる全ての人が心を一つにすれば、きっと奇跡を成し遂げることが出来るはず。まずは札幌に勝って、その上で清水とG大阪の勝利を願うだけです。
<02.11.28> 日本サッカー協会は昨日、12/2〜6に行われるトレーニングキャンプに参加するU-19代表候補27名を発表し、広島からはFW茂木が選出されました。また来季の広島入りが内定している大久保(市船橋高)、高木(香川西高)も選ばれました。今回のキャンプは、来年行われるワールドユースに向けてのチーム再立ち上げ、と言う位置づけを持つもの。アジアユースで準優勝となったメンバーは藤枝東の成岡(フェイエノールトやアヤックスから練習に招待されているらしい)を除いて全員が選ばれており、このメンバーをベースにまたメンバーのシャッフルが行われるのではないでしょうか。
 なお茂木ですが、前節の柏戦で規定の出場時間に達してA契約となり、25日に契約を結びました。広島フットボールによると「今年中にA契約になることが目標だったので、嬉しいです。一つの区切りがつきました。少し不安だったんですよ。代表とかもあったし、帰ってきたら試合数も少なかったし。でも、これで本当のプロになった、って感じはします」と語っているとのことです。
<02.11.27> 大木が欠場し、服部、藤本、ビロングが戻ってくる札幌戦のメンバーがどうなるか。多くのファンが気にしているところだと思いますが、広島フットボールによると2連勝の立役者となった3バックの起用はほぼ確定的だとのこと。また服部が左サイドに復帰し、右は沢田が務めるのも間違いなさそうです。問題は中盤から前で、森崎和と久保の先発は間違いないものの、残る3つのポジションが流動的。桑原の献身的な働き、森崎浩のキープ力、高橋の勢い、茂木の一瞬の速さ、そして藤本の技術とそれぞれ一長一短があって、どう組み合わせるか結構難題と言えそうです。この中では今のところ森崎浩と桑原の起用が有力で、FWの一角を茂木、高橋、藤本で争うことになる模様。いずれにしろ今日ビッグアーチで行われる予定の紅白戦で、ある程度の形が見えそうです。なお、天気予報によると今日から北海道は雪になるとのこと。試合はドームで行われるため天候は関係ありませんが、コンサドーレの練習は通常屋外の「白い恋人グラウンド」(だったっけ?)で行われるため、ホームとは言えハンディキャップがある可能性があります。相手チームには悪いのですが、ここはどんな事でもプラスに考えて、北海道の雰囲気に呑まれないように気をつけながら全力を尽くして欲しいものです。
<02.11.26> 前節の前半途中で退場した大木ですが、やはり右太腿裏肉離れだったそうで全治3週間と診断されました。これで次節の出場は不可能となり、また12/15の天皇杯の初戦も難しくなりました。
<02.11.25> 柏戦の戦いについて、評論家の湯浅健二氏がご本人のホームページでレビューしています。サンフレッチェの勝因を「素晴らしい守備意識の高さを見せつけた」事だとして、戦いの内容を高く評価しています。ぜひご覧のほどを。
 ところで今季ここまで苦戦した原因はいろいろあるとは思いますが、やはり良い形でボールを奪って素早く攻める、と言うコンセプトが実行できなかったからではないか、と思います。相手の攻撃を怖れてラインを下げる。中盤が空いてボールを回される。早く前線にボールを入れようとしてミスパスでボールを奪われる。クロスを入れてもゴール前の人数が揃わず、DFにクリアされる。一人ひとりの選手が頑張っていても、それらが連動して有機的な動きとなっていなかったことがあまりに多く、選手のパフォーマンスがチーム全体のパフォーマンスに繋がっていませんでした。また何人かの選手が調和を乱す動きをしたときに、それを修正できなかった事が多かったのも問題でした。この試合も、前半はその傾向があったと思います。柏がボールを持つと速さを怖れて引いてしまい、3トップとそのうしろとの間が空いてセカンドボールを拾えなかった時間帯がありました。また中盤でボールが落ち着かず、攻め上がりも遅く分厚い攻撃ができていませんでした。何度かあった決定的なチャンスも単発的で、相手を圧倒して勝つ、と言う迫力は感じられず。まるで引き分けに終った東京V戦や神戸戦のような雰囲気で、正直言ってハーフタイムには「このまま終ってしまうかも」と悲観的にならざるを得ない内容でした。
 ところが、このゲームはそこから悪い流れを断ち切ることが出来た。それは、選手自身とベンチの力だった、と思います。特に活躍が目立ったのは、沢田、桑原、上村のベテラン勢。この3人は試合の初めから意欲的でしたが、その積極性がチームを引っ張って、呪縛に捕らわれていた若い選手たちを動かしました。特にかつて柏をクビになって広島に来た沢田の奮闘は凄かった。今季、レギュラーの座を与えられず右や左、ボランチなど便利屋のように使われた沢田。夏場には切れを失い、すっかり「守備の人」になってしまっていた沢田が、この日は日本代表に選ばれた頃の「超攻撃的サイドバック」の姿を思い出したように輝いていました。柏戦の先発メンバーの中で唯一「生え抜き」でない彼がチームを救う活躍をし、記念の500ゴール目を決めたことはある意味象徴的な事だった、と思います。そして彼らの奮闘を無駄にしなかったのは、若い選手たちの技術の高さでした。この試合ではチーム全体の守備が良かったのですが、2試合目の組み合わせとなった八田、上村、駒野のDFラインはほとんど破綻を見せずに守りました。特に「急造ストッパー」のはずの駒野の安定感はピカイチで、スピードのあるエジウソンらにほとんど仕事をさせず、またボールを奪ってからのボールキープとフィードはチームを落ち着かせました。更に途中出場で結果を出した高橋も見事なプレーぶり。今季のサンフは選手交代からチームが崩れることが非常に多かったのですが、この日ばかりはこの采配が大当たりでした。(大木退場は偶然だったにしろ。)高橋のヘッドの強さ、献身的な守備、思いきりの良さ。それは悩み抜いた今季の高橋ではなく、彗星のようにデビューした1年目の姿でした。広島フットボールによると彼はインタビューで「ボールを受けた時は、GKとゴールしかなかった。いつも以上に、冷静にできた。ボールが止まって近づいてくる感じがしたし、まわりも止まっていたように感じた」と語っていたそうで、この集中力があれば今後も彼本来の力を発揮できるのではないでしょうか。
 湯浅氏は「この吹っ切れたサッカーがもっと早くできていれば」とも述べています。それは確かにその通りで、鹿島戦、柏戦のような臨機応変の吹っ切れたサッカーがもっと早くからできていれば、今のように降格争いにどっぷりと浸かっているはずはないでしょう。しかし、逆に言えばこの大事なところに来て良いサッカーができるようになってきた事は、チームにとって非常に重要です。少なくとも昨年のC大阪のように降格決定後に勝てるようになったわけではなく、まだ「生きて」いるうちにチャンスを掴むことが出来るわけですから。柏戦の勝利は貴重ですが、これで全てが終ったわけではありません。次に勝つ事が絶対条件で、それでも柏と神戸が勝ってしまえば降格となる現実には変わりありません。が、だからと言って諦めるのは早すぎる。「天は自ら助くる者を助く」の言葉通り、最後まで全力を尽くしてこそ運命の女神は微笑んでくれるのです。
<02.11.25> サンフレッチェが後援会のサポートを得て募集した「札幌戦応援ツアー」ですが、昨日10時の受付開始からわずか8分間で定員の30名に達し、即日締め切られたそうです。広島ー札幌往復の正規の航空運賃は65,600円。(JASの場合。)それに対して今回のツアー料金は食事や宿泊、チケットも付いて46,800円と言う大変お得な料金となっているからだと思われますが、それ以上に柏戦の熱い戦いを見て、何としても残留を勝ち取るためにチームと一緒に戦いたい、と言う気持ちのサポーターが多かったのだと思います。運良くツアー参加の権利を得た方は、ぜひ1万8千人のサポーターの代表のつもりで応援をよろしくお願いします。
 なお今から他の手段ででも行こうと考えている方は、航空各社の特割チケット(JASで往復59,600円)が良いと思います。JRの夜行列車を利用する手もありますが、可能性があるのは12:09発札幌行きの特急トワイライトエクスプレス。(札幌着は翌日の朝9:07。)大阪からの片道が23,620円ですので飛行機よりも安い、とは言えませんが、1泊付いていると考えれば悪くないかも知れません。航空券とホテルがセットになったツアーは、通常旅行代理店と航空会社の契約の関係で1週間前までの予約が原則なので今からは難しいと思いますが、以前私はどこかで5日前が締め切りのツアーを見た記憶がありますので探せば(今日中なら)なんとかなるかも知れません。また札幌ドームは大きなキャパシティを誇りますが、最終戦と言うことで満員に近い観客が予想されます。遠征を検討している方は、まずはチケット確保を優先した方が良いかも?
<02.11.24> 昨日、サンフレッチェの危機を救おうとビッグアーチに駆けつけたファンは、今季最高の18,404人。バックスタンドからゴール裏まで埋めた紫色に後押しされたサンフは沢田、高橋のゴールで2-0でライバル柏を下し、J1残留の望みを繋ぎました。
 森崎和が戻ったもののビロング、藤本、服部が出場停止。苦しいメンバー構成を余儀なくされて、森崎浩を左WBに使って次のような布陣でスタートしました。
      下田

   八田 上村 駒野

沢田  森崎和 桑原  森崎浩

  茂木      大木(→高橋38分)
 (→エルツェグ78分)
      久保

SUB:林、トゥーリオ、李、高橋、エルツェグ
 予想通り攻めに人数をかけてこない柏に対し、サンフもまた慎重な立ち上がり。エジウソン、リカルドのブラジル人ツートップのスピードを警戒したかDFラインからのビルドアップを放棄して、縦への長いパスでチャンスを作ろうとします。が、高さに強い柏のDFはこの攻撃をことごとくはね返し、両者ともチャンスらしいチャンスが作れないままに5分、10分と推移します。逆に柏は両サイドが高く張るものの中盤からのパスが出て来ず、こちらも後ろから長いボールを放り込むばかり。これには上村を中心としたDFラインが冷静に対応して、シュートどころかボールキープすら許しません。どちらも決め手の無いままに時間だけが推移しましたが、しかし先にペースを掴んだのは絶対に負けられないサンフの方でした。前半20分、駒野のパスカットから前線の久保へ。ダイレクトではたいたボールを受けた大木が左足を振り抜いて両チームを通じて初めてのシュートを放ちましたが、これはスライス気味に枠の外に流れます。27分には上村のヘディングシュート。また30分には久保のミドルシュート、更に33分には上村の右からのクロスに久保が合わせてゴール右隅を狙いますが南の好セーブに防がれます。前半37分には大木が右太ももの肉離れのためピッチを後にして高橋IN。その直後、沢田が右サイドを突破して意表を突いたシュートを放ち、そこから得たCKから高橋が折り返して八田がシュートを放ちます。そして42分には久保が頭で流したボールを高橋がダイレクトボレーでシュート。組立がうまく行っていた、とは言えないものの、広島優勢(柏の前半のシュートはゼロ)のままで前半を終了しました。
 後半も立ち上がりはイーブンペース。レイソルは前半よりは前からプレッシャーをかけてくるようになりましたが、サンフのDFラインは落ち着いて対応します。 初めての左WBが今一つ機能していなかった森崎浩がいつの間にか右寄りに移動し(森崎和の指示だったらしい)前半はボールタッチが少なかった森崎兄弟がよくボールに触るようになり、徐々に組み立てが良くなって行きます。15分には久保が倒されて得たFKが相手ゴール前を横切り、その後のCKから森崎和が強烈なボレーシュートを放ちます。17分には高橋のパスを受けた沢田が強烈なシュートを放って激しくポストを叩きましたが、これはわずかの差でゴールラインを割ることが出来ません。しかしその直後、茂木、久保、高橋とダイレクトで繋いだボールを沢田が強烈なシュート。沢田の「3度目の正直」はファーサイドのネットを揺らし、待望の先取点を得ることが出来ました。(因みにこれがチーム通算500ゴール。)更に22分には沢田のパスカットを久保が繋いで高橋にスルーパス。高橋はこれを冷静に流し込んで、柏を突き放します。柏は慌てて北嶋を投入しますが、効果的な攻撃はできず。逆にサンフが何度も速い出足から柏ゴールに殺到し、久保の右足のシュート(これはサイドネット)や高橋のシュート(GK正面)、更に32分には森崎和のパスカットから波状攻撃を仕掛けます。焦って攻めようとする柏の攻撃を落ち着いてはね返し、相手を押し込んでそのままタイムアップ。シュート数16本対3本と言う数字に見られるように内容的にも圧倒して、今季2度目の連勝で望みをつなぎました。
 昨日の勝利でサンフの通算勝ち点は26。柏は29のまま、また神戸も負けて28にとどまりました。仙台が勝って抜け出しましたが、3チームが降格の可能性を残したままで決着は最終節までもつれ込みました。サンフは次もやはり勝たなければならないのは確かですが、しかし勢いはこちらにあるのは間違いないでしょう。まずは札幌に勝つこと。それもできれば2点差以上を付けて勝つこと。それによってきっと運命を切り開くことが出来るはずです。
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