12/8〜12/14のSANFRECCE Diary


<02.12.14> 「小野サンフレッチェ」の初戦となる天皇杯3回戦が、明日広島スタジアムで行われます。相手は、今季J1昇格をC大阪と最後まで争ったアルビレックス新潟。目立った選手は居ませんが、良く鍛えられた好チームです。
 過去の新潟との対戦は、記憶が正しければ2回だけ。昨年のナビスコカップの1回戦で、サンフはホーム、アウェイとも勝っています。
2001年4月4日(新潟) サンフレッチェ広島 ○2-0● アルビレックス新潟 【広】藤本、服部
2001年4月18日(広島) サンフレッチェ広島 ○2-0● アルビレックス新潟 【広】高橋、久保
 サンフはヴァレリー監督就任後のチームがまだ固まっていない時期で、初戦はほぼベストメンバー、第2戦は主力を9人欠いての戦いでした。結果的には2試合とも無失点で実力通りに勝ち抜き、反町監督に「個々の能力が違う。ゲームプランもはっきりしてたし、組織もしっかりしている。正直言って、広島さんがうらやましいと思った」(広島フットボール)と言わせましたが、しかし内容的にはやや問題があり、どちらのゲームでも新潟に押し込まれる時間帯がありました。特に第2戦はチャンスを与えられた若手選手の動きが悪く、森保、桑原、奥野、藤本らが頑張って勝ったと言う感じのゲームでした。新潟はその後J2のリーグ戦を4位でフィニッシュし、今年は昇格まであと一歩の3位と着々と実力を付けてきています。逆にこちらは昨年は通年で9位だったものの今年は15位。メンバーも両チームとも大きく入れ替わっていて、はっきり言って昨年の戦いは何の参考にもならない、と言って良いでしょう。
 この戦いに臨むサンフレッチェですが、小野監督が就任して「天皇杯優勝」を掲げて良い雰囲気で練習を続けているとのこと。藤本が風邪でずっと練習を休んでいて、ビロングも身内の不幸で帰国しているそうですが、小野監督は移籍を噂されている選手について「サンフレッチェのユニフォームを着ている間は、当然戦力として考えます。もちろん、サンフレチェのユニフォームを着て、チーム以外のことを考えるようなことは、許さない」と語っていて、特別な配慮はせずに純粋に戦力として考えているようです。従って明日は現状のベストメンバーで戦う、と考えて良さそうです。
       林

   八田 桑原 上村

駒野    森崎和    服部

      森崎浩
  茂木      山形
      久保

SUB:尾崎、トゥーリオ、沢田、李、高橋
 広島フットボールによるとこのところ桑原のリベロがずっと試されているそうで、そのまま八田、桑原、上村の3バックが起用されるのは間違いなさそう。桑原のリベロ起用はトムソン時代にもありましたが、その時には桑原自身が「ポパとのかねあいで回されただけだし、パズルのようにポジションに当てはめられた感じがした」と納得はしていなかったそうです。しかし小野監督は「クオリティの高い選手ですから、彼に対してはボランチだけ、あるいはリベロだけ、と限定することはありません」と彼の能力を買っての起用であることを明言。ポポヴィッチの退団以来サンフレッチェの弱点となっているDFラインのセンターを任せられる人材として、来年に向けての重要なテストとなりそうです。また札幌戦で今季初出場を果たした山形も絶好調を維持していて、紅白戦では運動量豊富に走り回っているとのことで、こちらは高橋とのポジション争いが勃発している模様。藤本の動向次第では来季はレギュラー確保の可能性も出てくるだけに、ここで何としてでもアピールしようと必死になっているに違いありません。いずれにしろ、苦しかった今年のシーズンはもう過去のこと。来季のJ1昇格に向けての第一歩として、思い切った戦いを見せて欲しいものです。
<02.12.13> 昨年好評だったサンフレッチェカレンダーのプレゼントを、今年もオフィシャルスポンサーの関係者の方のご協力により行います。今回は壁掛けタイプの大きいもの(月別の12枚綴り)のみで、部数は15部程度。希望者が多い場合は抽選とさせていただく場合があります。締め切りは1週間後の12月20日とします。希望される方はお名前、ご住所、電話番号を書いて、瀬戸までメールをお送りください。
<02.12.12> 来季サンフレッチェでプレーするかどうか確定していない4人の選手についての情報を、確定的なものから怪しげなものまでまとめてみます。
 まずは下田選手ですが、「日本代表ニュース」によると「残留が濃厚になったと報じられている」のだそうです。出典は不明でかなり怪しげなのですが、もともと下田は移籍希望を表明したわけではなく怪我のため「今は自分がどうしたいのかさえ、はっきりしない」と語っていたもので、オファーがあったと言う噂も今のところありません。来季は試合数が増えてただでさえきつい上に、林や河原に追いかけられると言う大変な立場になりますが、しかし彼らの成長のためにも大きな壁として(下田にとっての前川のように)立ちはだかって欲しいもの。地元広島のために、これからもずっとサンフで頑張って欲しいと思います。
 続いて4チームからオファーが来ている(横浜FM、FC東京、清水、大分で、噂があった磐田や鹿島からは無いらしい)と言う久保選手。既にその中の一つに心を決めた、と言う噂もあるようですが、昨日配信の広島フットボールによると「まずはサンフレッチェとの交渉を優先することを明らかにした」そうで、他チームとはその後に交渉するとのことです。移籍の可能性を考えつつも、いろいろと心が揺れ動いているところなのかも知れません。久保の能力が「アウト・オブ・スタンダード」(トムソン元監督)であることは間違いないのですが、しかしむらっ気があってコンスタントに力を発揮できないところに彼の問題があると言えるでしょう。一般論で言えば成長のために環境を変えるのは悪いことではないのですが、久保の場合は移籍してチームメイトや監督、戦術に馴染めないままにシーズンが進んでしまう、と言う可能性は大いにあると思います。今季木村監督の元で試合に出れないことが続くなど精神的にきつかったのかも知れませんが、長い目で見ればチームに残った方がきっと良い方向に向かうはず。ジーコ監督も「J2からでも代表に選ぶ」と言っていたようですし、ここはぜひチームに残ると言う決断をして欲しいものです。
 噂では浦和、名古屋、仙台などが獲得に名乗りを挙げていると言う藤本選手ですが、昨日のスポニチによるとこれらのうち浦和への移籍が濃厚になった、とのことです。藤本も個人の力で状況を打開できる選手で能力が高いことは間違いないのですが、しかし今季はその能力を発揮する機会が少ないままに終りました。それも調子が悪い、と言うよりもチーム戦術に合わない、と言う感じが強く、それはシーズン終盤になっても修正されないままでした。これが藤本のせいなのか、それとも監督など首脳陣が悪かったのかは分かりませんが、しかし小野新監督の元でこれまでの路線が踏襲されて行くのが間違いない以上、彼としては何とかチームに合わせるか、あるいは思い切って移籍するしかないと思います。どちらが良いかは神のみぞ知る、で本人が判断するしかないのですが、だから浦和が良いかと言うと私は否定的で、今の「エメルソン、トゥットのチーム」でレギュラーが取れるとは思えません。私は個人的には彼のような個性はチームに必要だと思っていますので、ぜひ広島のためにもう一年尽くして欲しい、と思うのですが...
 そして最後にトゥーリオ選手。「今季の終盤戦で出場機会が減ったのは納得していない」と言って移籍をほのめかしているようですが、しかし彼にそんなことを言う権利は無いのではないか、と思うのは私だけではないと思います。ガジエフ監督の頃はともかく、木村監督になってDFでビロングに次いで出場機会が多かったのはトゥーリオだったわけですが、しかし彼が出ていた間守備が落ち着くことはありませんでした。その後上村の復帰と八田の成長によってようやくDFラインを高く保ち、かつ安定させることが出来たわけで、トゥーリオがポジションを失ったのはやむを得ない事だった、と言って良いでしょう。とりわけ彼は貴重な外国人枠を使って契約しているわけで、チームとしては活躍して当然、の選手です。来季は今季以上に苦しい戦いを強いられるであろうサンフにとって必要なのは、チームのために全てを尽くすことが出来る選手なのです。もしトゥーリオが、今季ポジションを失ったのを自分の責任だと感じる事が出来ないとすれば、その時には他チームに行くなりブラジルに帰るなりしてもらうしかないでしょう。そして外国人枠を空けてもらった方が、チームのためになるように思います。
<02.12.11> サンフレッチェは一昨日、奈良育英高のGK、河原正治選手の獲得を発表しました。河原は186cm、76kg。U-18日本代表として、今年オランダで行われたフロニンゲンユーストーナメントに出場の経験を持ち、奈良育英高の監督によると「高校時代の楢崎よりもポテンシャルは上」(広島フットボールによる)なのだそうです。これで来季からサンフレッチェ入りする新人6人全員の加入が決定。6人のうち4人が何らかの代表経験を持つと言う、「スーパーセブン」以来久々の大型補強となりました。これらの選手は多くが他クラブからのオファーがあったにも関わらずサンフレッチェ入りを決めており、J2落ちしたことも気にしておらずむしろ「かえってやりがいがあります。J1に戻るために頑張りたい」と語っているとのこと。来季は厳しい戦いが予想されますが、サンフレッチェの21歳以下の若い選手たちにとっては成長する良い機会になるでしょう。京都がJ2での1年を経て生まれ変わったように、サンフレッチェにとっても将来に向けて基礎作りをする、重要なチャンスと言えるかも知れません。
<02.12.9> 昨日、NHK-BSで放送された天皇杯2回戦のアルビレックス新潟対プロフェソール宮崎を見ました。新潟は今季J2で3位となった実力チームであるのに対し、宮崎はJFLを最下位で終えて来季は地域リーグへの降格が決まっています。この対戦の勝った方が次のサンフの相手となること、宮崎にはGK植田、DF山下、FW松永ら元サンフレッチェの選手が多いことなどいろいろ見どころが多かったのですが、ゲーム内容も白熱した好ゲームでした。特に宮崎の奮闘が見事で、「格上」相手に一歩も引かない戦いぶり。ボールに対する集中力が素晴らしく、攻められる時間帯が長くてもしっかりと守り、攻撃では松永のポストプレーを起点に何度か決定的チャンスを作るなど、このチームのほとんどを占める元Jリーガーの意地を見せてくれました。ただ、それを相手にきっちりと勝ちをもぎ取った新潟の「勝ち方」もなかなかのもの。ボールを支配してもなかなか決定機を作れず苦しい時間帯が長かったのですが、そこで慌てることなく少ないチャンスをモノにする、と言うところはさすがにJ2で最後まで昇格争いをしただけのことはある、と思いました。メンバーを見てもU-21代表の三田やJ2得点王のマルコス以外はこれと言って目立った選手はいませんが、チームとしてのまとまりや戦術的な熟成度ではかなり高いところにあって、反町監督がしっかりとチームを掌握している様子が見て取れます。サンフが万が一受けて立つような戦いをすれば、きっと苦戦することになるのではないでしょうか。小野監督となっての初戦となるサンフにとっては、ある意味来季を占うような戦いになりそうな予感がします。
<02.12.8> 今朝の中国新聞によると10/13の名古屋戦で左膝前十字靭帯部分断裂の怪我を負い、手術を受けた中山選手の契約更改交渉が昨日行われ、80万円増の480万円を提示され来季もサンフレッチェでプレーする意志を示したそうです。中山は今季5試合に先発出場し、A契約の権利を得るまで残り2分まで来ていました。プロ入り4年目となる来年は自動的にA契約を結ぶ権利を得ることが出来るはずですが、他の選手とのバランスも考えて「特別扱い」はせず、上限480万円のB契約扱いにしたものと思われます。また同様に来季が4年目となる山形選手もB契約になるとのこと。今日の中国新聞朝刊の地方面の「降格の陰に光見えた」と言う記事で取り上げられた山形は、今季最終戦まで全くチャンスを与えられず「引退も考えていた」そうですが、札幌戦でチャンスを与えられたことで大きな自信を得たようで「自分を信じて頑張れば道は開ける。プレーの精度を上げて、天皇杯の出場も目指す」と意欲を見せているそうです。来季はJ2からの再出発となるサンフですが、本当に強いチームになるためには彼らA契約になっていない選手がどれだけ成長するか、が重要です。彼らには他の「スーパーセブン」の選手や後輩たちに負けないよう、来季こそ最後のチャンスだと思って頑張って欲しいものです。
 なお、ここまで来季の契約を結ぶことが確定的となった選手を契約の種類別に分類すると次のようになります。
【プロA】尾崎、エルツェグ、沢田、桑原、上村、大木、服部、梅田、高橋
     森崎和、森崎浩、駒野、八田、松下、茂木
【プロB】中山、山形
【プロC】林、河野、李、西嶋、佐田、須田、西村、松浦、田中、木村、高木、大久保

 久保ら4人がまだ残留の意志を示していませんが、それにしてもA契約が15人と言うのは少なすぎる(と言うか若すぎる!)と言う気がします。J2の多い試合数、そして五輪予選とワールドユースで代表に招集される可能性を考えると、A契約の保有の上限の25人に近い選手数は確保したいもの。今年のように役に立たない選手を取ってくるのは勘弁して欲しいものですが、残る10人の枠を生かして、経験豊かな選手を補強して欲しいものです。
<02.12.8> ユースにとって今季最後にして最大のイベント、「第10回Jユースカップ2002 Jリーグユース選手権大会」の決勝トーナメントが来週日曜日より始まります。予選リーグF組を全勝で突破したサンフレッチェユースの初戦の相手は、横河FC。吉田サッカー公園において、天皇杯3回戦と同時刻となる13時キックオフで行われます。トーナメントの組み合わせ表は次の通り。
サンフレッチェ広島─┐
          ├─┐
横河FC     ─┘ │
            ├─┐
京都サンガ    ─┐ │ │
          ├─┘ │
東京ヴェルディ1969─┘   │
              ├─┐
横浜Fマリノス  ─┐   │ │
          ├─┐ │ │
塩釜FC     ─┘ │ │ │
            ├─┘ │
浦和レッズ    ─┐ │   │
          ├─┘   │
コンサドーレ札幌 ─┘     │
                ├─
ガンバ大阪    ─┐     │
          ├─┐   │
愛知FC     ─┘ │   │
            ├─┐ │
大分トリニータ  ─┐ │ │ │
          ├─┘ │ │
FC東京     ─┘   │ │
              ├─┘
清水エスパルス  ─┐   │
          ├─┐ │
愛媛FC     ─┘ │ │
            ├─┘
鹿島アントラーズ ─┐ │
          ├─┘
ジェフ市原    ─┘
 2回戦は12/23(月)、準決勝は12/26(木)で、いずれも長居第二球技場で午前11時キックオフ。決勝は天皇杯準決勝の「前座」として11時半から長居スタジアムで行われます。
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