3/17〜3/23のSANFRECCE Diary


<02.3.23> 昨日配信の広島フットボールによると、怪我でリタイアしていた桑原の右ひざはほぼ完治したと言って良く、来週からは通常メニューに戻るそうです。また今日は14時から、愛媛FCとの練習試合が予定されています。(場所は吉田サッカー公園。)来週の鹿島戦は久保が代表の遠征から戻ったばかりでコンディション不良が予想されるだけに、ツートップの一角に誰が起用されるか注目されます。
<02.3.22> 昨日行われた日本代表のウクライナとの親善試合は戸田のゴールで1-0で勝ちました。
 主力と目される「欧州組」を欠いた日本代表が、「1.5軍」のウクライナを相手に日本国内で戦うこのゲームの意義はどこにあるのか。私はひとえに、「W杯に向けて良いスタートを切ること」だったのではないか、と思います。巷では三都主、市川、小笠原などの新戦力のチェックに主目的があるように言われていますが、本番まで3ヶ月を切った今になって戦い方を変えるはずが無いし、また新しい選手を中心に据えようとするわけも無いでしょう。トルシエ監督が明言しているように既にW杯に向けてのメンバーのほとんどは決まっていて、後は戦い方に応じたオプションをどう組み上げていくか、と言う事だと思います。そんな中で新しい選手を大きく取り上げたのは、代表選手達の「気持ち」に刺激を与えることに一番の目的があるのではないかと思います。そう言う意味ではこの試合は「成功」と言って良く、先発で出た選手も途中から出た選手も、また出なかった選手も気持ちを新たにすることが出来たのではないでしょうか。
 ただ、そんな中でこの試合をよく見ると、本番に向けての不安もまた増大したと言わざるを得ないと思います。この日の日本代表の選手のモティベーションは高く、以前のように相手のプレッシャーに慌てるシーンも少なく落ち着いてゲームをコントロールできていたとは思いますが、しかしその割には中盤でパスを繋いでビルドアップすることができずに一発のロングパスに頼るシーンが多かったように思います。逆に中盤での攻撃の形をしっかりと作ったのはウクライナの方で、ゴール前に最短の手数で持ち込む力を見せました。これは個人の能力というよりも、切り替えの速さ、パスの正確性などに裏打ちされたチームとしての共通の戦術理解の高さによるもので、個人戦術、チーム戦術の両面で日本の上を行っているという印象を受けました。更にこのウクライナに対する守備の甘さも気になる点で、宮本を中心とするDFライン、戸田、福西のボランチの守備には危うさを感じます。もしここにシェフチェンコやレブロフがいたら。もしこれが「本気モード」のロシアだったら。やはり森岡と服部、名波が何とか復帰してくれることを、そして稲本が良いコンディションで合流してくれることを願わずにはいれません。でないと本番ではきっと苦戦するだろう、と思わざるを得ません。
 ところでサンフレッチェから唯一選出された久保は、この日は出番がありませんでした。これはやはり練習でアピールが足りなかったのかな、と心配になるところですが、しかしこの日出なかったのは理由のあることだと思います。先発は柳沢と西澤のツートップでしたが、これは「西澤-森島ホットライン」の出来を確認したかった、と言うのが目的でしょう。また途中で西澤を鈴木に代えましたが、これも柳沢や小笠原とのコンビネーションでの状況打開を狙ったものだと思われます。まあ高原のところで久保、と言う選択があっても良かったかとは思いますが、これもずっと日本から離れていた高原のコンディションチェックが目的だと考えれば、分からないことはありません。これまで代表で結果を出せていない久保ですが、その個人的な能力が高いことは間違い無く、それをトルシエ監督が高く買っているのもまた間違い無いところでしょう。従って例えばコンフェデレーションズ杯の決勝のように、コンビネーションだけではどうしようも無い場面、個人の力で打開を図らなければならない場面になれば、きっとチャンスを与えられるだろう、と思います。かつては代表の中でも居場所が無くて苦労していた感のあった久保ですが、昨日の試合後を見るとちゃんとトルシエの側に座っていたようですし、何とか試合に出るチャンスをつかんでやろう、点を取ってやろうと気合いは入っているだろうと想像します。その力を、ぜひとも次のポーランド戦では見せて欲しいものです。
<02.3.21> 今朝の中国新聞によると、W杯のブラジルのキャンプ地誘致を進めている広島招致委員会は第2ラウンド以降に向けての具体案を決め、今日にもブラジルサッカー連盟に提示することになったそうです。ブラジル代表は第2ラウンド以降に日本の会場に移ることを想定してキャンプ地選定を進めており、現在のところ候補地は広島の他には松山、柏など。6/14から最終試合の翌日までの滞在の予定で、プレスセンターの設置場所や練習場所などについて16日に招致委員会に問い合わせがあったそうです。これに対して広島側は、広島市内のホテルの2フロア貸し切りや広島グリーンアリーナを雨天練習場にするなどの回答を用意し、更に練習の公開や優勝時の広島でのセレモニー開催なども打診する事になるとのこと。ブラジル側はこの条件を見た上で、早ければ明日にもキャンプ地を決定することになります。
<02.3.20> 今朝の新聞報道によると、昨日川淵チェアマンは日本、韓国、中国の各リーグ覇者による新しい大会を来年から創設することで検討している事を明らかにしました。計画によると第1回大会は来年2月下旬に日本で開催。日本は開催国として今季のリーグチャンピオンとナビスコ杯優勝チームを出場させ、4チームによるリーグ戦を行うとのこと。そして3年間は持ち回りで行うことにするそうです。
 アジアのサッカーが欧州や南米に比較して遅れを取っている点は多々あるのですが、大きいのはクラブレベルでの大きな目標が無いことです。一応、リーグ戦と天皇杯の優勝クラブには「アジアクラブ選手権(ACC)」(と、昨年までは「カップウィナーズカップ」)がありますが、レベルの低いセミプロ相手の序盤戦、セントラル方式で戦われるリーグ戦、毎年のように変わる日程など、敢えて注目されないようにやっているのでは無いかとさえ思われるような大会運営が繰り返され、とてもヨーロッパチャンピオンズリーグのようなステータスを得るには至っていません。実際、参加クラブは戦うたびに赤字が増えるような状況だそうで、世界クラブ選手権の出場権を得る、というような目標でも無い限りモティベーションが上がらないのは当然だ、と言えるでしょう。更に問題なのは、欧州の「UEFA杯」のようなリーグ戦中位のチームの目標となる大会が無いことで、そのため優勝も降格も無縁なチームはモティベーションが保てなくなってしまっています。これらの問題を解決するには、アジア各国が協力すること。それも、今年のW杯に出場する日本、韓国、中国が協力しあうことが必要で、そのための一歩と言う意味で今回の決定は重要だと言えるでしょう。
 ただ、大会運営の方式がそれで良いのか、と言うと大きな疑問があります。計画通りだとすると、大会方式は今年2月に済州島で行われたACCの準決勝リーグと同じことになります。Jリーグチャンピオンの鹿島が韓国の2チームと中国と戦ったこの大会は、多少は注目されたものの精々はプレシーズンマッチレベルのもので、どの試合も入場者数は数千人程度にとどまったそうです。また日本国内でもテレビ放送はなく、ニュースでベタ記事並の扱いを受けた程度。むしろその週末に行われたスーパーカップの方が、遥かに高い扱いを受けていました。アジアチャンピオンを目指す大会ですらそうなるのですから、この「東アジア大会」が盛り上がらないであろう事は予想できるわけで、もう少し良く考える必要があるのではないか、と思わざるを得ません。日中韓のクラブレベルで交流しようという考えは良いわけですから、どうせならもっと成功させることが出来るような、将来につながるような良い方向性を考えて欲しいものです。
<02.3.19> 土曜日の京都戦のメンバーは、これまでの2試合と同じで次のような感じでした。
      下田

駒野  川島 ビロング 沢田

      森崎和
 梅田       森崎浩(→トゥーリオ81分)
      藤本

    大木  久保
    (→ミロ61分)

SUB:尾崎、中村、中山
 ゲームは立ち上がりから京都のペース。中盤の競り合いに負け、サイドからの突破を受けてシュートまで持ち込まれます。10分ぐらいにはようやく京都陣に攻め込むシーンが出てきますがそれも単発。13分には森崎浩のFKから大木が決定的なシュートを放ちますが、その直後に逆襲から失点します。右サイドをドリブルで突き進む朴。そのカバーに沢田とビロングが走りますが、ゴールライン際で折り重なるように倒れます。ここで最初に立ち上がった朴がしっかりと中を見てクロスを入れると、ゴール前にはフリーで黒部が待っていました。最初のシュートは下田が必死で伸ばした足に当たりましたが、この跳ね返りを再び黒部が押し込みゴール。攻めから守りへの切り替えの遅さとコンビネーションの悪さが招いた失点だった、と言って良いのではないでしょうか。
 この後もサンフレッチェは時々はパスが繋がるものの全体的にミスが多く、なかなかペースを握れません。34分には中払のクリアミスを拾った駒野が落ち着いて入れたクロスを、久保が打点の高いヘッドで叩き込んで同点に追いつきましたが、全体的には京都に支配されたままの前半の45分間でした。
 後半森崎浩が右サイドに、藤本が左に入ったサンフは、主に左から形を作ってゴール前に持ち込みます。が、クロスの精度が悪くアイディアも乏しくなかなかシュートにも行けません。逆に京都はスルーも取り混ぜた良いコンビネーションを見せて何度も決定的な形を作ります。特にビロングの調子が悪く、危ないところでパスミスをしたり左サイドに釣り出されたりして中央から何度もドフリーのシュートを許します。京都のフィニッシュの拙さと下田の落ち着いたセーブで得点こそ許さなかったものの、締まらない展開に終始しました。
 後半16分、それまで起点になれなかった大木に代えてミロを投入。久保と梅田のツートップの下にミロが入るような形になります。第1節以来のチャンスを貰ったミロは、足下の技術の確かさと動きの良さを見せてリズムを作ります。この戦術変更が実ったのは、その7分後の事でした。相手ボールをカットした梅田が、倒れながら藤本にパスを入れます。右から切れ込むようにドリブルで突き進む藤本。DFを引きつけながら中央に走り込む久保とミロ。細かいフェイントを入れて打つ様子を見せながら、藤本はDFラインの前に優しいパスを流します。このボールが走り込んできた梅田の左足にヒット!得意でない方の足から放たれたシュートはGKの体重のかかった足の逆を突き、ネットに吸い込まれていきました。昨年はFWとして何度も起用されながら結果を出せず、DFとして半年間苦労し、更に今年に入ってMFとして走り回っていた男の努力がようやく実ったゴールでした。
 その後も今季初勝利を狙って諦めずに攻め続ける京都。サンフは左SBにトゥーリオを入れ、沢田を中盤に上げて守りを固めます。その後もリズムとしては京都の方が良かったのですが、サンフはコンビネーションの悪さを個人の能力で凌ぎ、ようやく逃げ切って2勝目を挙げました。
 試合後ガジエフ監督は「最悪の試合だ。つまらないミスが多すぎる。プロならばそんなミスはするな、ということ」と吐き捨て、下田選手も「何となくやっている、と言う感じがしていた...とにかく2週間で修正したい」と反省の言葉を口にしていたそうです。逆に京都のエンゲルス監督は「いいプレイができた...内容は悪くなかった」と言っていたとのこと。どちらが勝ったチームか分からないようなこのコメントが、この日の内容を雄弁に語っていると言って良いでしょう。確かにテレビの画面で見ていた限りでは、サンフの方が良かったのは相手よりも1点多く取ったことだけ。出足の速さやボールに対する執着心、パスの正確性、連動した動きなどどれを取っても京都が上で、サンフが勝ったのは個人の能力が高かったから、と言うだけだと思いました。この日の収穫といえば勝ち点3をゲットしたことと、梅田のこれまでの苦労が報われたことだけで、このような戦い方では、磐田や鹿島どころか中堅どころのチームにも勝つのは難しいのでは無いでしょうか。
 ただそれでも勝ち点3を取り、ここまでのところで6位に付けているのは事実。昨年まではこう言う展開で必ず惨敗を喫し、自ら優勝争いに参加する権利を放棄していたわけですから、それを考えれば良くなった、と言えるかも。このゲームもチーム全体の出来は悪かったものの、その「悪さ」に選手一人ひとりが引っ張られて大崩れすることはなく、個々のところでは踏ん張れていたのは確かで、だからこそ相手に押されながらも勝ちを引き寄せることが出来たのだ、と思います。すなわち本当に強いチームになるためにひつような「地力」あるいは「自信」が、少しずつ付いてきたと言う事なのかも知れません。ただ、この自信が「過信」になってはいけないのは当然のこと。もっともっと個人の力を上げ、どんな時にでも崩れないチームとしてのベースを作り上げないと本当に強いチームになることは出来ないでしょう。そう言う意味ではこれからの鹿島、浦和、横浜、清水と続く難敵相手のゲームの前に、2週間の猶予を与えられたと言うのはラッキーだったと言えるかも知れません。ガジエフ監督は「来週、2日くらい休んで、フィジカルトレーニングをやる。コンディションをあげて、鹿島戦の準備に入りたい」と語っていたそうですが、今度こそ良い準備をして、調子を上げてきた鹿島に挑戦して欲しいものです。
<02.3.19> 日曜日にサテライトのC大阪戦が行われ、3-1で勝ちました。広島のメンバーは、GK:林、DF:河野、トゥーリオ(→西嶋45分)、八田、中村、MF:松下(→佐田69分)、李、山形、西村(→須田78分)、FW:高橋、中山(→茂木75分)。得点は33分にトゥーリオ、45分に高橋、83分に茂木。(C大阪は60分に羽地。)トゥーリオのゴールはセットプレーからのこぼれ球をやや遠い位置から叩き込んだもの。高橋の得点は、中山のシュートのこぼれを押し込んだもの。そして茂木のゴールは、右サイドの須田のクロスにファーサイドで右足で合わせたものだったそうです。特にU-19代表の韓国遠征から帰ったばかりの茂木のプレーは鮮烈な印象を残したようです。
<02.3.18> 土曜日に行われたJリーグ第3節京都戦は、久保、梅田のゴールで2-1で勝ちました。内容についてはまだビデオを見ていないので(昨日の夜成田に到着したばかり ^_^;)、明日にでも書く予定です。
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