3/3〜3/9のSANFRECCE Diary


<02.3.9> 広島フットボールと中国新聞によると、右足ふくらはぎを痛めている藤本選手は昨日の練習から復帰し、柏戦には間に合いそうです。ただまだ体調に不安があるそうで、先発できるかどうか、90分プレーできるかどうかは分からないとのこと。「力をセーブして90分出るより、全力でいって60分で代わった方がいい。ベンチには交代できる選手もいますからね」と語っているそうです。
 今日のキックオフは19時で、会場は日立台の柏サッカー場。レイソルにとっての地元開幕戦ということで、いろいろなイベントが予定されているそうです。またテレビ中継が予定されているのはBSデジタルのBS-i。JNNニュースバード(スカパー258ch)では午後10時からの録画放送の予定となっています。
<02.3.8> 開幕戦の勝利で順調に滑り出したガジエフ・サンフレッチェの明日の相手は柏レイソル。昨年の1st stageは第4節に対戦し、藤本の退場により10人になって頑張ったものの最後には田ノ上の「腰骨シュート」により惜敗しています。また2nd stageの対戦は第8節。福岡戦の完勝の後のゲームで、好内容が期待されましたが中盤のプレスが効かず、またミスも多く2-4というスコア以上の内容で惨敗を喫しました。明神、柳、黄、南、北嶋、大野、平山等の代表、代表候補選手に加えてサンパイオが加入して、柏の技術やチーム戦術のレベルは札幌よりも上。この相手に対して同じように良い戦いができるかどうか、今年のサンフレッチェの真価が問われます。
 明日のメンバーですが、藤本選手が怪我をしたとの情報があるものの、今のところ出れないほどではなさそう。逆に怪我でリタイア中の服部、桑原はもう少々時間がかかりそうです。となると、"winning team never change"の原則に従ってメンバーは前節と同じ、と考えるのが妥当でしょう。
      下田

駒野  川島 ビロング 沢田

      森崎和
 梅田       森崎浩
      藤本

    大木  久保

SUB:尾崎、八田、トゥーリオ、ミロ、中山
 柏の方ですが、前節出場停止だった黄善洪が復帰の予定で、柳想鐡との韓国人ツートップになりそう。ゴール前での一瞬の速さ、強さがあるだけに、大野、明神、サンパイオから良いパスを出させないこと、平山、渡辺光の両サイドに良いクロスを上げさせないことがポイントになりそうです。
<02.3.6> 昨日11日〜12日に行われるトレーニングキャンプに参加する日本代表候補34人が発表され、広島からは久保選手が選出されましたが、下田、藤本両選手は選ばれませんでした。
 また各年代の代表、代表候補も合わせて発表され、3/9〜16に韓国へ遠征するU-19代表にはFW茂木弘人、3/26〜4/3にオーストリア遠征するU-17代表にはMF吉村修平、FW馬屋原佳明、そしてU-16代表候補にGK佐藤昭大、MF高萩洋次郎、FW前田俊介がそれぞれ選出されました。
<02.3.6> 札幌戦でベールを脱いだガジエフサッカー。ラインフォーのディフェンスを採用し、ツートップになってやや守備的になった、と言われていました。そして実際に練習試合では失点が少なかっただけでなく得点も多くなく、「バランス重視」という監督の言葉もあってそれほどスペクタクルなサッカーにはならないのではないか、と心配していました。が、終わってみれば5-1。「攻撃的」だった昨年も1度しか無かった5点以上(2nd stage第1節C大阪戦で6-2)を取っての快勝でした。
 これはいったい何故なのか、昨年と比較して何が変わったのか。戦術的な面で言うと、バランスが良くなったかと言うとまだまだのところも多いと思います。例えばこの試合、前半は右サイドの梅田がアグレッシブに動き空いたスペースに駒野が上がって何度もチャンスを作っていましたが、その間左サイドは沢田が上がれず森崎浩も消極的で、ほとんど攻めを構築できませんでした。また1点を失ってから後半の立ち上がりまでは、DFラインの前にスペースを空けてしまい、何度もピンチを呼んでいました。昨日も書いたようにこれをベンチの指示(森崎浩に「もっと中に入れ」と指示が出たらしい)と自分たちの力で修正できたことは素晴らしいことだと思いますが、これがもし磐田などが相手だったら、その時点で点を取られて押し切られていたかも知れません。
 また攻撃面では、久保、大木の「親友コンビ」のコンビネーションが健在。梅田がサイドの位置に拘らずにポジションチェンジし、時には前線まで上がってポストプレーしてまるで「スリートップ」のような形になり、ここに後ろから藤本や森崎浩が飛び込んでチャンスを作っていました。すなわち攻撃面ではほぼ昨年通り。ガジエフ監督は特に攻撃の指示を出すことは無く選手の創造性に任せていたそうですから、この点でも昨年とそう大きくは変わっていないと言えるでしょう。
 では、どこが変わったのか。それは特にボールに対する寄せの厳しさ、運動量、1対1で負けないこと、そしてそれを足が攣るまでやり続けることができた事が、一番の違いなのではないか、と私は思います。昨年もたいていのゲームで良い時間帯というのはあって、全員が高い意識でボールを追っているときには良いサッカーが出来ていました。が、それが長続きしないことが多く、特に終盤に足が止まって逆襲を受け、最後に逆転されて敗れるというパターンばかりでした。ファンの間からはこれに対して「プロ意識に欠ける」等の厳しい批判も聞かれましたが、現実にはそれは「気持ち」の問題ではなく、実際に体力が無くなって集中力も保てなくなった、ということだったのではないでしょうか。
 今年のキャンプは、非常にハードだったと聞きます。2部練習は当たり前で、時には夜まで行う3部練習。その練習中も常に複数の選手が競う形になっていて手を抜く事も出来ず、それどころか水を飲む時間もほとんど無かったそうです。そのためキャンプ中の練習試合では体力が続かず、内容的にはぱっとしなかったようです。しかし、この練習はしっかり選手の血肉になっている。1対1の練習を続ける事で「人に負けない」意識を刷り込み、体力的な裏付けをしっかりと付けたことが、札幌戦で苦しいところを我慢し、自ら流れを引き寄せて勝利を手にした要因となったのではないか、と思います。すなわちガジエフ監督はヴァレリー・サンフレッチェに欠けていたものを補強し、ヴァレリーがやろうとして出来なかったサッカーを実現しつつある、と言えるのかも知れません。
 札幌戦で良さを発揮したサンフレッチェは、このまま優勝まで突き進むのかどうか。それは、なんとも言えないというのが正直なところです。札幌戦の勝利は相手の出来が悪かったことにも原因があるわけで、レベルの高い相手、調子の良い相手に同じように通用するとは限らないでしょう。昨年の2nd stageの福岡戦の次の柏戦で惨敗したような事が、またあるかも知れません。しかし、大事なことはそう言う時にでも諦めずに戦う事です。必ず来るであろう自分たちの時間帯を待って我慢し、少ないチャンスをものにすることです。そう言うところで勝ちを手繰り寄せる事が出来るようになったら、その時こそ優勝が見えてくるのではないでしょうか。
 今年はまだまだ紆余曲折があると思います。強い相手に通用しなかったり、キープレーヤーが抜けて途端に弱くなったりもするでしょう。しかしキャンプでしっかりしたベースを作った訳ですし、ガジエフのやり方も間違っていない。自分たちがレベルアップしていることも間違いない。そこに自信を持って、そして一歩一歩理想に近づいて行って欲しいと思います。
<02.3.5> 今年からNHKだけでなくTBSもJリーグの中継をすることで契約した、という話は以前お伝えしましたが、その余波がこんな形で影響してくるとは思いもよりませんでした。何と「全試合中継」を原則としていたはずのスカパーが突然方針変更し、「スカパー!では今シーズン、J1は毎節5試合以上放送(予定)、J2は全試合放送いたします」と発表されました。TBSとBSデジタルのBS-iで中継されるゲームは原則として「サッカーセット」では視聴不可能で、BS-i放送の2試合についてのみJNNニュースバード(ch258/月額600円の別契約が必要)で午後10時より放送される録画中継を見る事が出来ます。そしてTBS地上波で放送するゲームは、地域によっては全く見れないことになるわけです。広島絡みでは早速第2節の柏戦に続いて、第4節鹿島戦、第5節浦和戦、第8節FC東京戦と続けざまにBS-iの中継ゲームに該当。BSデジタルを持っていない人でどうしても見逃したくない人は、少なくとも3,4,7月は余計な支出をせざるを得なくなりました。テレビの放映権が毎年のように変更されて行くのはどこの国でもあることで、そのほとんどの場合ファン重視ではなく放送局とリーグが儲かる方法に流れていくのが常です。従って今回のこの突然の変更も「ありふれたこと」とも言えますが、それにしても開幕するまでほとんど情報が無く今ごろになって発表するとはいささか不親切であると言わざるを得ません。今年は広島県内の放送もNHK広島が2試合放送する代わりに広島テレビ、テレビ新広島、広島ホームテレビの中継が無くなってしまいましたが、これもその辺に原因があるのかも?
<02.3.4> 昨日開幕戦を札幌と戦ったサンフレッチェは、大量5点を奪って快勝し、ガジエフ新体制の元でまずは順調なすべり出しとなりました。
 サンフレッチェのメンバーは、Jリーグ史上初めて双子が揃って先発して次のような感じでした。
      下田

駒野  川島 ビロング 沢田(→トゥーリオ85分)

      森崎和
 梅田       森崎浩(→ミロ80分)
      藤本

    大木  久保
    (→中山89分)

SUB:尾崎、八田
 立ち上がりこそボールが足に付かず落ち着きの無いサッカーでしたが、雰囲気に慣れてくるとサンフレッチェのペースとなります。最終ラインでボールを回し、駒野、梅田の突破などで右サイドから何度もチャンスを作ります。6分には久保が抜け出してシュート。10分には駒野のクロスに久保が頭で合わせ、その直後には森崎浩が抜け出して右足でシュート。しかしこれらはいずれも札幌のGK佐藤に止められます。サンフレッチェはその後もツートップにボールが収まらず攻めきれない感じはあったものの、札幌をコートの半分に押し込んで自在に攻めます。またビロングは何度も最終ラインからロングパスを試みます。それが功を奏したのが前半15分。ビロングのピンポイントのロングパスに抜け出した藤本がDFをかわすと、右足を鋭く振り抜いてゴールネットを揺らしました。この日、切れに切れていた藤本の今季初ゴールは当然阿波踊り付きで、ビロングまでが踊りに参加してこのゴールを祝いました。
 その後も攻めるサンフ、守る札幌。梅田が右サイドからトップの位置まで上がってポストプレーし、大木や久保が縦のポジションチェンジで札幌のDFを翻弄します。追加点を奪ったのは前半30分のこと。森崎浩が左から出したボールを久保が受け、それを前にパスします。これはいったんは相手に引っ掛かりましたがこれが梅田の足下へ。梅田はプレッシャーを受けながらもしっかりとキープし、左サイドで待ち受ける大木に丁寧に出します。これを大木は「待ってました」とばかりにフリーで強烈なシュート!ボールは佐藤が飛びつく間もなくサイドネットに突き刺さりました。
 しかしその直後、わずかなミスを突かれます。札幌がゴール前に放り込んだクロスを沢田がクリアしようとします。が、ここに飛び込んできたのは山瀬。クリアボールを身体に当ててゴール前に持ち込むと、そのままシュートを決められてしまいました。これで動揺したか、その後の時間帯は札幌ペース。ロブソン、山瀬が中盤でボールを持つと止められず、また後ろから飛びだしてくる森下を捕まえきれずピンチを招きます。前半40分の左からのCKはその中でも最大のピンチで、なかなかクリアしきれず混戦から何度もシュートを打たれます。が、そこは全員が極限まで集中力を高めて対応し、相手のシュートミスもあって何とか抑え、前半を1点リードで折り返しました。
 ハーフタイムに修正される事を期待しましたが、しかし後半の序盤は相変わらず札幌のペース。ロブソン、山瀬、あるいは平間に突破を許し、後半11分には山瀬にフリーでシュートを打たれますが下田がスーパーセーブで凌ぎます。昨年は守勢に回ると耐えきれずに失点する事が多かっただけに、ここで失点していたらそのままズルズルと行くのではないか、と不安に呵まれていた後半16分、前半から沈黙していた久保、森崎浩の2人がやってくれました。川島からのパスを受けて右サイドからゴール前に侵入した久保が、寄って来たDFをものともせずに強引にシュートまで持ち込みます。これを佐藤は弾くのが精いっぱい。そしてそこに走り込んでいたのが森崎浩。低い弾道のシュートを落ち着いてゴールネットに沈めました。
 これで精神的な重しがとれたか、その後はサンフレッチェが自在にサッカーを展開します。守備ではビロングが前に、サイドに自由に動いてボールをカットし、前半はほとんど無かった左からの攻撃の起点になります。また梅田、藤本はトップ下を右に左に動き回り、札幌守備陣を幻惑します。後半23分の4点目は、よく動き回っていた藤本が起点。粘って相手からボールを奪い取ると、大木に渡します。一斉に前に向かって走る梅田と久保。大木は中央に走り込む梅田にパスを送り、DF2人が引きつけられます。梅田はここで判断良く頭を下げてスルーすると、その先には久保がフリーで走り込んでいました。久保はその勢いのまま右足で難なくゴールへ。「1試合1点」をノルマとするエースの、初の開幕戦ゴールとなりました。更に久保はその直後にゴール前35mの位置から左足を振り抜いて強烈なロングシュート。佐藤が触ったためバーを叩いただけに終わりましたが、あの清水戦のゴールを思わせるような久保ならではのシュートでした。そして5点目は再び森崎浩。梅田のパスを受け、ワンフェイント入れてDFのマークを外すと落ち着いてゴール。前半思うようにプレーできなかった鬱憤を晴らすような、素晴らしい働きでした。その後ガジエフ監督は新戦力のミロとトゥーリオ、中山を試す余裕も見せてそのままタイムアップ。1試合を消化しただけではありますが、昨年2nd stage第2節以来の首位に立ちました。
 この試合、大勝したとはいえチームの出来としてはまだまだの所も多かったように思います。DFラインのコミュニケーション、攻撃のコンビネーションなど熟成不足で、大量得点できたのは札幌の出来が悪かったためと言う側面が大きいでしょう。しかし、だからと言ってこの日の勝利の価値が下がるわけではありません。それどころか、そう言う状況で戦ってこれだけの結果を残したことは、今後を考えると非常に大きいのではないでしょうか。とりわけ後半押し込まれて苦しかった流れを、自らの力で打開したこと。前半調子が悪かった久保、森崎浩のコンビで得点したところに、昨年から精神的に成長したチームの姿を見ることが出来るのではないでしょうか。第1節は優勝候補と目されていた鹿島、柏が敗れ、清水も勝ち点1を失いました。また仙台は森保の活躍もあって待望のJ1初勝利を挙げるなど、混戦となりそうな気配です。そんな中で勝ち抜いていくのに必要な事は、この日見せていたようなボールに対するアグレッシブさ、勝利に対する執念を忘れないことだと思います。今年は期待できる、優勝も狙えるかも知れない、そんな良い後味を残したゲームだったと言えるのではないでしょうか。
<02.3.3> 今年は7年ぶりにホームで開幕戦を迎えるサンフレッチェ。今朝の中国新聞によるとハードなキャンプの疲れもだいぶ取れて、昨日の練習では軽快な動きを見せていたそうです。開幕戦は1年30試合の一つではありますが、勝つことで新監督の戦術への信頼も高まるでしょうし逆に敗れれば迷いも出ます。昨年は順調なキャンプを送りながら開幕2連敗が「迷走」へのきっかけになっただけに、何としてもホームの利を生かして勝利を挙げたいところです。
 今日の会場は広島ビッグアーチでキックオフは午後3時。来場者全員にJリーグノートがプレゼントされるほか、先着1000名様にひなあられが配られます。今日の中国地方は高気圧に覆われ晴れの予報ですが、やや気温が低いので暖かい格好で見に行ったほうが良いかも知れません。テレビ中継はJスカイスポーツ2(ch307)で生中継されるほか、NHK広島放送局が広島県内のみ生中継します。
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