4/14〜4/20のSANFRECCE Diary


<02.4.20> W杯中断前の最後のゲームは、ホームに清水を迎えます。清水はここまで4勝1分1敗で5位に付けています。
清水 □1-0■ 神戸 【清】バロン
鹿島 ■0-1□ 鹿島 【清】バロン
清水 ○2-1● 浦和 【清】平松、バロン、【浦】エメルソン
清水 □2-1■ F東京【清】澤登、ツビタノビッチ、【F】アマラオ
清水 ●0-4○ 名古屋【名】マルセロ3、ウェズレイ
市原 △1-1△ 清水 【市】和多田、【清】三都主
 このチームで目立つのは延長戦の多さで、6試合中4試合で延長入りしています。森岡、斉藤、伊東の主力3人が怪我でリタイアしている穴は池田、大榎、古賀の3バックと吉田のボランチ起用でカバーしていますが、守備を固める事は出来てもボールを奪ってからの展開力に難がある、と言う感じ。日本代表の両サイドの驚異は相変わらずですが、澤登の体調不良もあってこれをサポートする中央の強さは以前ほどではない、と言う印象です。連敗中のサンフにとっては厳しい相手であるのは間違いありませんが、戦い方によっては十分勝ち目のある相手である、と言えるのではないでしょうか。
 これに対するサンフレッチェですが、昨日も書いたように中盤をダイヤモンド型からフラットな形に変えて練習しているそうです。
       下田

駒野 ビロング トゥーリオ 沢田

     森崎和 桑原
藤本           森崎浩

     大木  久保

SUB:尾崎、川島、中村、梅田、茂木
 昨日の広島フットボールによると、川島が怪我から復帰したもののレギュラー組でDFラインに入っていたのはトゥーリオだったとのこと。トゥーリオ本人は「分からない」と言いながらもビロングと良くコミュニケーションを取って(ポルトガル語と英語で話しているらしい)練習を重ねているそうで、「キーパーでもFWでも、やれと言われればやります。精一杯、やりますよ」と意欲を見せているそうです。また桑原が入ることについて森崎和は「クワさんかいると、守備の負担が減って、攻撃に参加できる。近くに人がいるようになって、自然とコンパクトになってきた。このシステムは、本当に楽しいです」と語っているとのこと。(広島フットボールによる。)森崎和のワンボランチでは守備の負担が大きく中盤が間延びしてしまうことが多かっただけに、桑原の守備能力がどのように生かされるか注目したいと思います。
 更に問題は、いかに得点を取るか。このところの3試合で、点を取ったのは浦和戦の久保のゴールだけで、ホームの2試合では無得点に抑えられています。これは久保に厳しいマークが集中していたと言うこともありますが、大木、藤本、ミロ、梅田、そして森崎兄弟らの動きとコンビネーションに問題があった、ということでしょう。ガジエフ監督はキャンプから一貫して強調している「追い越し」ができるかどうか、中盤の選手の運動量と判断力がポイントとなりそうな気がします。とにかくこのゲームが終われば(ナビスコ杯はありますが)2ヶ月半の休みに入ります。選手達には倒れるまで走るつもりで、頑張って欲しいものです。
<02.4.19> 昨日配信の広島フットボールによると、今週の練習はGK:下田、DF:駒野、トゥーリオ、ビロング、沢田、MF:梅田、桑原、森崎和、森崎浩、FW:藤本、大木と言う布陣で行っているとのことです。川島が捻挫、ミロが出場停止、久保が代表で不在だと言うことによる措置ですが、中盤は梅田、森崎浩が両翼に張り出すフラットな形を取り、また藤本は下がり目でワントップ気味の形になっているとのこと。この布陣は桑原が森崎和をサポートして良く機能しているそうです。これまでガジエフ監督はダイヤモンド型の中盤にして戦ってきましたが、森崎和の守備の負担が大きすぎて今一つ機能していません。また桑原もここまで途中出場では結果を出していませんが、それはミロや沢田の代役としての投入でポジションがはっきりしない状況でのもの。本来の位置である「中盤のスイーパー」として機能すれば、守備が締まるだけでなく森崎兄弟の攻撃センスを生かすことも出来るはずです。次節の清水は強敵ですが、もともと層が薄い上に森岡、伊東を欠いて本来の力は発揮できていないはず。W杯の中断前の最後の試合を良い終わり方をするために、良い準備をして欲しいものです。
<02.4.18> 昨日、横浜国際競技場で行われた日本代表とコスタリカ代表のゲームは、1-1の引き分けに終わりました。
 W杯に向けてあと1ヶ月あまりに迫り、チーム作りとしてはほぼ完成しているトルシエ代表のこのゲームでのテーマは「危機管理」だった、と思います。ポーランド戦では欧州組をフルに起用し、W杯出場チーム相手にアウェイで勝つという強烈な成果を挙げた日本代表にとっては、ここでそれ以上のレベルアップを求める必要はないでしょう。昨日のメンバーは、GK:楢崎、DF:松田、宮本、中田浩、MF:市川、戸田、明神、三都主、小笠原、FW:柳沢、鈴木。ポーランド戦のメンバーのうち、不在の川口、稲本、小野、中田英、高原の代わりに楢崎、明神、三都主、小笠原、柳沢を起用した、と言う布陣でした。すなわち、怪我や出場停止などでメンバーが欠けた時に代役がどれだけ機能するか、を確認したかったという事だと思います。そしてその結果は、楢崎、明神、三都主は「合格」。小笠原、柳沢は「失格」。このゲームはプレスがかからずコスタリカに自由にさせる時間が長く、得点はラッキーな1点のみで日本代表の出来としては褒められたものではありませんでしたが、それはトルシエ監督にとってはたぶん織り込み済みで、昨日の結果を取り入れてポーランド戦のメンバーに修正を加えて、最終メンバーを選出するつもりなのだ、と思います。そう言う意味では、昨日のゲームもW杯に向けてのステップとしては収穫があった、と言えるのではないでしょうか。
 ところで注目の久保。トルシエ監督が会見で「起用する」と明言した一人であり、前日は記者に囲まれて20分も意欲を吐露した(と言う記事が、昨日の日刊スポーツの裏一面にでかでかと出ていました)と言うことで、おそらく先発か、あるいは後半45分間ぐらいのプレーのチャンスはあるだろう、と期待されました。が、結局出たのはわずか8分間。ボールに触ったのも2回ぐらいでほとんど見せ場が無いままに終わり、久保に代表でも「エース」としての働きを期待するファンにとっては不完全燃焼もいいところでした。しかし私が思うに、おそらく久保の起用法は既に決まっていて、今回の「8分間」は当然のことだったのではないでしょうか。トルシエにとってFWに求めることは、前線からのチェイシングとポストプレー。シュートの強さ、正確さやゴールに向かったときの怖さよりも、前線を走り回ってボールに絡むことが(少なくとも先発には)一番必要な事なのだと思います。そう言う意味でFWの先発候補は高原、鈴木、西沢、柳沢だけで、久保を彼らに代えて起用する理由は無いのでしょう。そして久保に求めるのはただ一点、「ジョーカー」としての役割。攻めが手詰まりになったとき、あるいは相手が攻め込んできてカウンターに賭けなければならなくなったとき。トルシエがリスクを冒してでも攻めると決めたときのコマとしての役割が、求められているのだと思います。トルシエは先日の会見で「先発候補が14人、ジョーカーが7人、ゲームに出ない選手が1、2人」と語っていましたが、久保はFWとしては唯一のジョーカーであることを、もう一度確認したのがこのゲームだった、と思います。従ってこの日の久保は「W杯出場に向けてアピールできなかった」のではなく、「選ぶことを前提に役割を確認した」のではないでしょうか。久保のこの起用法は、ファンとしては相当複雑な心境なのですが、しかしW杯で勝つためのチーム作りを考えれば仕方がないことでしょう。少なくとも代表では、ここに至ってサンフレッチェのような「久保の一発」に賭けるような不確実なチーム作りは出来ない以上、やむを得ないことではないかと思います。
<02.4.16> 先日の「アシスト」に引き続いて、紫熊倶楽部5月号(Vol.51)のトップ記事は久保。主に日本代表での久保について、インタビューを元に構成しています。続く記事は、「森崎和幸 ボランチを考える。」と題して、20歳にしてチームの中心に位置するようになった彼のプレーを分析しています。
 今回から始まった集中連載「広島のジャーナリストが見るワールドカップ」第1回は、中国新聞の小西記者。「果たして久保は、代表に生き残れるか」と言うタイトルで、トルシエ監督の元でのW杯メンバー23人を予想し、久保の可能性を探っています。サンフレッチェへの応援メッセージ「Message to Sanfrecce」は有澤弌保広島経済同友会代表幹事。後援会副会長としてサンフレッチェに対する期待と専用スタジアムの必要性を訴えています。
 早川文司さんのコラム「サンフレッチェ名選手物語」は河野和正選手を取り上げています。このコラムは今回が一応の最終回となり、次回からはW杯関連の記事を寄稿するそうです。今回から国際主審の山西博文氏による「審判のつぶやき。」と言うコラムが始まっています。今回は審判がスタジアムのサポーターから受ける「プレッシャー」について紹介。またオフサイドについても解説しています。
 日刊スポーツの中上博記者による「愛すべき紫熊野郎たち」第3回は森崎浩司選手。その後ろのカラーページは、柏戦、京都戦、鹿島戦のマッチリポート。各選手の現状報告の「紫熊短信」はカラーページとなり、最後の新連載「サッカーを人生に」では「中学校教員からの転職」と言うタイトルで木村コーチを取り上げています。
 紫熊倶楽部は広島県内主要書店とV-POINT、ホームゲーム会場で販売しているほか、新宿の「ひろしまゆめてらす」でも購入できます。また通信販売、年間購読のお申し込みは紫熊倶楽部ホームページよりどうぞ。
<02.4.15> 昨日吉田サッカー公園で行われたサテライトの福岡戦は、1-1の引き分けに終わりました。ふぇりくすさんのホームページによると、この日のメンバーはGK:林、DF:西嶋(→佐田)、トゥーリオ(→河野)、八田、中村、MF:李、松下、山形(→須田)、西村(→高木)、FW:高橋、中山。前半に西嶋のパスミスを拾われて先制を許したものの、終了間際に松下が直接FKを決めて同点に追いついたそうです。中盤の底から両サイドに展開する、と言う形の攻撃パターンで、特に後半はボールを一方的に支配して攻め続けたとのこと。この中からどんどんトップに昇格して来て、窮地にあるチームを救って欲しいものです。
<02.4.15> サンフレッチェでは後援会の協力により、5/25に島根県大社町の浜山運動公園競技場で行われるサンフレッチェとアイルランド代表のゲームの観戦ツアーを企画します。スケジュールは8:45に広島駅新幹線口に集合してバスに乗り、同日の21:30に帰着すると言うもので、先着80名様限定。参加料金は大人7,500円、小中学生5,500円で、ここにはバス代と弁当2食の代金が含まれます。入場券は含まれていませんが、別料金で入場券が先行予約できることになっています。お申し込みとお問い合わせは、デオデオ旅行社(082-240-3447)までどうぞ。
<02.4.14> 昨日ビッグアーチで行われたJリーグ第6節横浜Fマリノス戦は、中村のFKと終了間際の失点で0-2で敗れました。
 
      下田

駒野  川島  ビロング 沢田(→桑原85分)

      森崎和(→茂木89分)
 梅田        ミロ(退場87分?)
      藤本

    大木  久保(→森崎浩73分)

SUB:尾崎、トゥーリオ
 選手個々の技術では上、と見られていた横浜相手でしたが、序盤はサンフが積極的に行ってペースを掴みます。ワンタッチ、ツータッチでボールを繋いで相手陣内に攻め込み、3分には藤本が決定的なシュート。その1分後にはミロのロングクロスにファーで合わせた久保が左足でダイレクトでシュートを放ちます。更にその後のCKから大木がシュートと、得点の香りを漂わせながらの立ち上がりでした。が、経験豊富な選手が揃う横浜はすぐに守備を修正。主審の曖昧な判定もあって徐々に押し返されてしまいます。前半14分にはビロングに止められたウィルが派手に転んで、ペナルティエリアのやや外でFKを与えてしまいます。ここでポイントにボールを置いたのはウィル。中村が蹴りたいのにウィルが邪魔をしている、と言うような雰囲気を作ります。しかしこれは完全に横浜の作戦で、ボールの前に立つウィルの後ろから走り込んだ中村が蹴って壁を巻くようなボールをファーサイドに放ちます。完全に騙されていた下田は一瞬反応が遅れて、ボールはゴールの中へ。最も恐れていた「これしかない」というパターンで、横浜に先制点を与えてしまいました。
 その後は、初夏を思わせるような強い日差しもあってか全体的にまったりとしたペース。久保、大木が不調のサンフはゴール前にボールが繋がらず、ミロ、藤本がボールをこねくり回して速い攻撃を構築できません。しかしそれは横浜も同様(かそれ以上)で、中村も、奥も、そしてあのウィルでさえも、ボールを持ってドリブルして足下にパスを出す、と言う横浜伝統の?遅いサッカーを展開します。その上横浜の守備ブロックは強力かつ狡猾。高いライン、速い集散でサンフの攻撃を抑え込み、シュートの前の段階で潰されます。逆に心配されたサンフの守備ですが、この日はラインコントロールに注意を払ってまずまずの出来で、相手ツートップにほとんど仕事をさせません。お互いにボールは繋ぐことは出来るものの決定的なチャンスを作れないと言う展開で、はっきり言って眠くなるゲームでした。
 この行き詰まりを打ち破るためにガジエフ監督がようやく動いたのは、後半28分。この日捻挫の影響で動きの悪かった久保に代えて、森崎浩を投入します。その前の時間帯でゴール前でのFKのチャンスが何度かあり、ミロや藤本が蹴ってことごとく失敗していたので、スタンドでは期待が大きく高まりました。が、森崎浩は中盤の下がり目の位置に入ってしまい決定的な仕事はできず。大木、梅田のツートップとなっては相手DFに対する脅威も減って、どうしても閉塞感を打開できません。その後は1点を奪うべくビロングがしばしば上がって行くもののチーム全体の意識を変えるには至らず、更に桑原を入れて3バックにしても状況に変化なし。最後のカードとして茂木を投入しましたが、その交代の準備をしているうちにミロが退場になってしまい結局ほとんど意味なしに終わります。そして終了間際には川島、駒野が攻撃参加した後のスペースを中村に使われ、久永に決められてジ・エンド。最後はサンフのサポーターも声を失い、横浜の勝利を讚える声だけがスタジアムに響きました。
 この日のゲームには、ポジティブな面もネガティブな面もあった、と思います。良かったのは、守備の安定。横浜の遅い攻めに助けられたとはいえDFラインの裏を取られるシーンはほとんどなく、オフサイドも5つ取りました。4人のDFが連動して動く事に腐心していることは良く分かって、守備の問題点は修正されつつある、と言えるでしょう。攻撃面で形を作れなかったのもある意味当然で、キャンプからずっと守備練習中心にやってきて攻撃は個人の力に頼ってきたわけですから、こう言う結果もある意味仕方が無い、と思います。
 ただ、だからと言ってこの敗戦が正当化されるか、と言えばそうではないでしょう。横浜は確かに今季負け無しで来ていますが、サッカーの内容は昨年とほとんど変化なし。若手を積極的に登用していたのをやめて実績のある選手が増えたことで安定しただけで、サッカーの質という意味ではさほど内容は無かったと思います。だからサンフのサッカー次第では、勝つチャンスは十分にあったはずです。しかし、この日のサンフはまるで昨年の横浜。以前に比べピッチ上に技術の高い選手は増えましたが、監督の指示通りにやることに汲々としている、と言う感じで、チームとしての「統一した意識」とか「共通理解」とか「創造性」とかの「質の高さ」はほとんど感じられませんでした。選手交代が遅く意図が不明確(少なくともスタンドから見て、ですが)と言う監督采配の疑問点はあるにしろ、サッカーをピッチ上で表現するのは選手です。刻々と変わる場面、場面で何を為すべきか、もっともっとコミュニケーションを深めて連動して動けるようにならないと、今の状況を打開するのは難しいのではないか、と言う気がします。
 これで6試合を終えて、2勝4敗となって暫定で10位。他にも調子が出ないチームが多いので意外に順位は下がっていませんが、今後は他のチームも修正を施してくるのは確実です。幸いリーグ戦は後1試合行っただけで中断になり、ナビスコ杯が行われます。ここでどれだけ修正できるのか、そしてW杯期間中にチームの質を高めることが出来るのか。色々な意味で、課題山積みだと言えるでしょう。
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