5/26〜6/1のSANFRECCE Diary


<02.6.1> 今日と明日、W杯観戦(ウルグアイ×デンマーク)のために韓国に行ってきますので、更新はお休みさせていただきます。
<02.5.31> Soccer DownUnderによると、サンフレッチェ退団後イングランド1部のウォルソール入りしたコリカは、チームを降格の危機から救う大活躍をしたそうでチームは複数年契約に向けて積極的だ、とのことです。またプレミアリーグのウェスト・ハムに在籍しているフォックスは、川口能活が在籍するポーツマスへの移籍が決まったとのこと。今年はウェスト・ハムではほとんど出ていなかったようなので、出場機会を求めての移籍だと思われます。更にクリスタル・パレスのポポヴィッチはチームの主力として活躍中。元サンフレッチェのオージー3人組は、02-03シーズンは全員イングランド1部で戦うことになりそうです。
<02.5.30> いよいよ明日から、「2002FIFAワールドカップ韓国・日本」が開幕します。会場にもキャンプ地にも選ばれず、またサンフレッチェから代表入りした選手もいなかった広島のファンとしては今一つ乗り切れないところもありますが、せっかくの祭典、できる限り楽しみたいと思います。と言うことで?私なりの各グループの展望を書いてみます。
 まずは韓国ラウンドのA組から。前回王者フランスに、最後に出場権を得たウルグアイと北欧の強豪デンマーク、そして初出場のセネガルが挑む、と言う図式ですが、ここは意外に混戦になると見ます。特に注目は開幕戦。失うものの無いセネガルが開幕戦の緊張感を跳ね返すことが出来れば、番狂わせは十分にありうると思います。順当に行けば1位、2位はフランス、デンマークでしょうが、最悪フランスのグループリーグ敗退と言うこともありそうです。勝ち抜きの確率は、フランス60%、デンマーク50%、ウルグアイ50%、セネガル40%でどうでしょう。
 続いてスペイン、パラグアイ、スロベニア、南アフリカのB組。一見、スペインが楽に勝ち抜けそうな「無風地帯」に見えますが、しかし他の3カ国はいずれもダークホース、と言って良いチームです。特に2年前の欧州選手権で驚きをもたらしたスロベニアには注目。予選リーグではロシア、ユーゴスラビアを相手に1勝3分けでプレーオフに回り、エース・ザホビッチ抜きでルーマニアと対戦して1勝1分けで出場権を獲得しています。また前大会でベスト16に進出してフランスを延長戦まで追いつめたパラグアイ。ケイロス監督の元で着々とチーム作りを進めてきた南アフリカ。この組からはどこが勝ち上がっても不思議は無い、と言えるでしょう。スペインにとっては、初戦のスロベニア戦に勝てるかどうかが、運命の分かれ道になるのではないでしょうか。勝ち抜きの確率はスペイン55%、スロベニア50%、パラグアイ50%、南アフリカ45%。
 C組も一見、ブラジルが楽に勝ち抜けそうに見えます。初出場の中国だけでなく、トルコは48年ぶり、コスタリカも12年ぶり2回目の出場で、72年前の第1回大会から17回全部に出場しているブラジルとの実績の差は比べるまでもありません。しかしそのブラジルには実績にふさわしい盤石の強さはありません。予選では代行を含めて4人の監督が入れ替わり立ち替わり指揮をし、起用された選手は59人にも上ります。タレントは相変わらず豊富ですが、誰を中心に据えるのか、どういう形で戦うのか直前まで定まらない有様で、はっきり言って今はどこに負けても不思議ではない、と言うところです。ただ、逆にそう言う状態でもブラジルはブラジル。チームがまとまりさえすればレベルが違うのもまた確かです。最初はもたつくかも知れませんが、戦ううちにチームの形が出来てきて、最終的には上位進出を果たすのでは?そしてもう一つの勝ち抜き枠を争うのがトルコとコスタリカ。ミルチノビッチ監督の中国は、さすがに今回はノーチャンスでしょう。勝ち抜きの確率は、ブラジル85%、トルコ55%、コスタリカ45%、中国15%。
 開催国の一つ、韓国がシードされたグループDは激戦です。優勝候補の一つにも数えられるポルトガル。予選でウクライナ、ベラルーシ、ノルウェーを抑えて勝ち上がったポーランド。北中米では確固たる地位を築いているアメリカ。ようやくヒディング監督の戦術が浸透した韓国が勝ち抜くのは、容易なことではないでしょう。韓国としてはまずは初戦のポーランド戦。ここで「悲願の一勝」を挙げることが出来ればグループリーグ突破の可能性も見えてきますが、勝ち点を落とすようだと苦しい。勝ち抜きの確率はポルトガルが90%、アメリカが50%、韓国とポーランドが30%ずつと見ますがどうでしょう?
 日本開催のE組は、ドイツ、アイルランド、カメルーン、サウジアラビア。若手への交代が思うに任せないドイツは、「泣きっ面に蜂」で怪我人が続出しています。ダイスラー等主力数人が怪我のためメンバー落ちしただけでなく、バラックやノイビル等も激しいシーズンの後遺症に苦しんでいます。お得意の「ゲルマン魂」で無様なゲームだけはしないだろうとは思いますが、これで上位進出できたら奇跡ではないでしょうか。主力が居ない、と言う意味ではロイ・キーンが抜けたアイルランドも同じですが、しかし逆にこの問題がチームを団結させる可能性が高い、と見ます。来日時のゴタゴタのため今や一番の注目チームになった?カメルーンとともに、アイルランドが勝ち抜く可能性が高そうです。勝ち抜きの確率は、カメルーン65%、アイルランド60%、ドイツ55%、サウジアラビア20%。
 「死のグループ」と言われるF組は、どこが勝ち上がっても不思議ではないグループです。「西の横綱」アルゼンチンに、サッカー発祥の地イングランド。アフリカ最強のナイジェリアに、W杯ではコンスタントに結果を出しているスウェーデン。この中で日本で一番注目を集めているのはたぶんイングランドだと思いますが、一番勝ち抜きの可能性が低いのもまたイングランドかも知れない、と私は思います。お隣のアイルランドとは対照的に、精神的な脆さを垣間見せるイングランドが出場権を獲得できたのは、ここ一番でのベッカムの力があったから。そのベッカムは何とか開幕に間に合いそうですが、逆にそこに頼らなければならないところに「弱さ」を感じます。スウェーデン人のエリクソン監督が、初戦で母国を相手に勝利を挙げることができるか。また強いときはめっぽう強いが負けるときはボロ負け、のナイジェリアがどこで爆発するかで、このグループの命運が決まるのではないでしょうか。勝ち抜き確率はアルゼンチン55%、ナイジェリア50%、スウェーデン50%、イングランド45%というところかな?
 G組。ここはさすがにイタリアでしょう。前大会3位のクロアチア、南米予選2位のエクアドル、12回目の出場のメキシコと実力国が揃ってはいますが、しかしクロアチアは世代交代の真っ最中で、メキシコも直前になってベテランのエルナンデスらを復帰させるなど試行錯誤。初出場のエクアドルは、善戦できれば御の字だと言えるでしょう。ということで、注目は2位争い。どのチームもこれと言った決め手に欠けるため、ちょっとした事(選手のコンディションや怪我、出場停止など)が結果を左右しそうな気がします。個人的には、第3戦のイタリア×メキシコを見にいく予定なので(サポーター枠です ^_^;)そこまでもつれる展開になってほしいものですが。勝ち抜き確率は、イタリア90%、クロアチア40%、メキシコ40%、エクアドル30%。
 そして最後は、日本が属するH組。ロシア、ベルギー、チュニジアとの組み合わせは目立った強豪もおらず勝ち抜きには理想的、と言われていますが果たしてそうでしょうか?一人ひとりの技術が高く、ここぞと言うところでのスピードもあるロシア。堅い守備と強い精神力を持つW杯常連国のベルギー。アフリカ人の瞬発力とスピードに加えて組織力もあるチュニジア。冷静に見れば、W杯は2回目でまだ1勝も挙げていない日本にとっては「格上」のチームばかりです。日本はこの4年間この大会を見据えながらチーム作りを進めていたと言う利点はありますが、逆に言えばここまで勝ちと負けで天国と地獄に分かれるような、厳しい戦いを経験していないのが苦しいところ。星勘定や他の国の動向よりも、一戦一戦を大事に戦うことが重要でしょう。高温多湿の梅雨時の気候には他の国はきっと苦しむはずですから、先に精神的に崩れずに戦い抜くことで何とか勝機を見いだして欲しい、と思います。日本の勝ち抜きの確率は、甘く見てチュニジアとともに40%程度。実力的にはやはりベルギーとロシアが上で60%と見ます。
 ただ、どんな場合でも予想通りには行かないのがサッカーの面白いところ。特に長丁場かつ短期決戦のワールドカップでは、何が起きても不思議ではありません。勝つのもドラマなら負けるのもドラマ。贔屓チームの勝ち負けに一喜一憂しながら、初のアジアでの開催を楽しみたいものです。
<02.5.28> サンフレッチェはリーグ戦再開前の7月6日(土)に、ヴィッセル神戸とプレシーズンマッチを行います。会場は福山市の竹が端運動公園陸上競技場で、キックオフは午後5時。入場料は指定席S3,500円(前売3,500円)、ゾーン指定席A大人2,500円(2,000円)、小中学生2,000円(1,500円)、自由席大人2,000円(1,500円)、小中学生1,500円(1,000円)で、福山市内のスポーツ店や中国新聞販売店、またローソンチケットで扱います。お問い合わせはJスポーツ(084-927-9931)までどうぞ。
<02.5.27> W杯とは全く関係の無い地になってしまった広島ですが、少しでもファンと一緒に楽しみたい、と言うことで広島県サッカー協会は24日、ビッグアーチで日本代表戦のテレビ中継を放映することを決めました。W杯の中継映像を一般に告知して公開する「パブリック・ビューイング」は放映権の関係からFIFAによって厳しく規制されていて、これまでは各国代表のキャンプ地や試合会場のある街など約30ヶ所での放映が認められていただけでした。従って本来なら広島での中継は出来ないはずなのですが、県協会は「世紀のイベントに関わりたい」として今月中旬から放映許可を求めて来たそうで、何とか許可を得ることが出来たのだと思います。今のところ予定しているのは6/4(18:00)のベルギー戦と6/9(20:30)のロシア戦で、6/14のチュニジア戦は日本代表の戦績を見て決めるとのこと。入場料は無料ですので、みんなで盛り上がりながら観戦したい方はぜひどうぞ。
<02.5.26> 昨日、島根県大社町の浜山運動公園競技場で行われたアイルランド代表との親善試合は、久保のゴールで先制したものの2点を奪われ1-2で敗れました。
 
    【サンフレッチェ】               【アイルランド】

       尾崎(→林62分)                ギブン(→キーリー62分)

   川島 ビロング トゥーリオ       ケリー  ダン ストーントン  ハート(→オブライエン45分)
駒野            中村(→河野80分)     (→ブリーン45分)
    沢田   森崎和                ホランド キンセラ

       藤本               マカティア       キルベーン(→クィン62分)
       (→松下68分)          (→リード38分)
   大木      久保              ダフ   ロビー・キーン(→モリソン78分)
   (→高橋45分) (→茂木45分)
 海外遠征組が戻り、現状でのベストメンバーが先発した広島。それに対するアイルランドはロイ・キーンは不在だったもののこちらも現状でのベストメンバーを組んできました。序盤は両チームとも親善試合らしい和やかな?ムードで、緩いプレッシャーの中でそれぞれの特徴を出します。アイルランドは長く正確なキックでサイドチェンジを試みて、両サイドから何度もチャンスメイクします。しかしロイ・キーン不在の影響か中盤からの決定的なパスや飛び出しが無く、なかなかシュートまで行けません。これに対するサンフですが、ナビスコ杯の成果か守備組織はそれなりにできていましたが、攻撃面は悪いときそのまま。3バックと尾崎が良いコンビネーション(と言ってもミスもありましたが...)を見せて守備を固め、カウンターからチャンスを作ろうとします。藤本、沢田らがチャレンジするものの個々の選手がバラバラで、序盤はとても点が取れる気がしませんでした。が、これはたぶんアイルランドに「名前負け」していたせいで、30分ぐらいからは精神的に緊張が取れたのかようやくリズムが出てきます。駒野が森崎和とのワンツーで突破してチャンスを作ったのを手始めに、藤本、森崎和のコンビで作ったチャンスから久保がミドルシュートを放つなど徐々に得点のにおいを感じさせます。そして37分、左サイドの中村がボールを良くキープして相手を引きつけ、前にスルーパスを出します。これに反応した藤本がゴールライン際から高いクロスを入れると、ファーサイドで待ちかまえていた久保が高く舞ってヘッドで叩きつけ、先取点を奪いました。
 しかしアイルランドはこの得点で目を覚まします。その直前にマカティアがビロングと絡んで立ち上がれなくなって退場した事もあり、怒りをあらわにして広島ゴールに迫ります。同点になったのは前半41分。サンフから見て右サイドからリードが蹴ったボールをキルベーンが落とし、これをファーサイドに飛び込んだロビー・キーンがダイビングヘッドで押し込みました。アイルランドはこの後も国際試合らしい?厳しいプレーでサンフの選手の自由を奪い、正確なパス交換で広島ゴールを狙います。後半から若手中心に切り替えたサンフは、森崎和が上がり気味、高橋が下がり気味の布陣で何とか相手ゴールに迫ろうとしますが、さすがに18歳の茂木には単独で突破する力は無く抑え込まれます。逆に守備はビロングが大活躍。相変わらずの妙なステップで相手に追いついたり、両手を広げて通せんぼするような守備をして相手を幻惑し、更に味方選手に檄を飛ばしながら何度も攻め上がるなど闘志を見せます。しかし後半22分、その膠着状態を打開したのはアイルランドの方でした。キンセラがロングボールを191cmのナイアル・クィンに合わせると、フリーで落としたボールに走り込んできたロビー・キーンがシュート。まさに教科書通りの攻めで、粘るサンフを突き放しました。後半のサンフは松下が強烈なミドルシュートを放ったり森崎和を中心にワンタッチパスを回して翻弄するなど若手が奮闘しましたが、やはり彼らにとってW杯出場チームの「家賃」は高いな、と言う印象。最後は両チームとも疲れが出たかややのんびりした展開となって、そのまま試合終了となりました。
 全体的を通してのサンフにとっての一番の収穫は、「良い経験になった」と言う事でしょう。両チームともコンディションがいまいちで試合のレベルとしてはさほど高いものでは無かったのは事実。また、マカティアの怪我でアイルランド代表が「怒り」に満ちていて、親善試合らしいムードは(少なくとも試合の途中からは)全く無くなってしまいました。特にアイルランド代表は試合中からビロングに何度も文句を言っていて、試合終了後には挨拶もそこそこにピッチを後にするなど後味の悪さを残しました。が、広島フットボールによるとビロングのアタックはそれほど酷いものではなく、マカティア自身も膝を強打しただけで月曜からは練習に復帰できる程のものだったとのこと。試合のムードが悪かったのも、むしろ彼らを「本気」にさせたと言う点で意味のあるものだったかも知れません。チームの中心として君臨した森崎和。何度もチャレンジして見せた駒野と中村。神出鬼没に走り回った沢田。初めてトップでプレーした林。アイルランド代表による厳しい当たり、審判のブラインドでのラフプレー、一瞬の動きや判断の速さなど、サンフの選手(特に若手選手)が「ワールドレベル」を体感できたのは非常に良かった、と言えるのでは無いでしょうか。特に林は初めてトップのゲームでプレーしただけでなく、ただ1人相手GKとユニフォームを交換と言う貴重な「成果」を挙げる(^_^;)など良い経験が出来ただろうと思います。またこの日浜山公園競技場に詰めかけた10,300人の観衆も、広島ファン、アイルランドファン、地元のサッカーファンも含めてだいたい満足して帰る事が出来たように思います。試合会場にもキャンプ地にもならず、代表も選ばれなかった広島にとってW杯は遠い出来事のようですが、このような機会を与えて貰ったことは非常にありがたいことだった、と言えるでしょう。アイルランド代表はいろいろと難しい問題を抱えていますが、ぜひそれらを克服して、そして本大会では良い結果を残して欲しいと思います。
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