7/7〜7/13のSANFRECCE Diary


<02.7.13> W杯のために2ヶ月半中断したJリーグは今日から再開して、優勝へ向けて、あるいはJ1残留を賭けての闘いが始まります。サンフレッチェは明日、アウェイでFC東京に挑みます。
 ここまでのFC東京は、2勝2分け3敗の勝ち点8。順位はサンフよりも2つ上の10位です。
F東京 ○4-2● 鹿島  【F】小林成2、伊藤、ケリー、【鹿】平瀬、秋田
浦和  ●0-1○ F東京 【F】小林成
F東京 △1-1△ 横浜FM 【F】ケリー、【横】ウィル
清水  □2-1■ F東京 【F】アマラオ、【清】沢登、ツビタノヴィッチ
F東京 △1-1△ 市原  【F】宮澤、【市】茶野
G大阪 ●0-5○ F東京 【G】OG、松浪2、新井場、吉原
仙台  ●1-3○ F東京 【F】ケリー、【仙】小村、山下2
 2連勝と順調な立ち上がりだったものの、その後2分け3敗と調子を落としていました。が、ナビスコ杯では清水、東京V、神戸を相手に4勝1分け1敗で、グループ首位で予選リーグを突破。U-21代表の石川の補強や怪我人の復帰などで層が厚くなり、チーム整備が着々と進んでいる、と言う印象です。明日はイベント「サンバナイト」が予定される事もあってアマラオ、ケリー、ジャーンのブラジル人トリオが絶好調、との情報もあり、非常に厄介な相手だと言っても良いでしょう。
 対するサンフですが、木村監督代行が指揮を執ることになって高橋やミロをボランチに、と言う構想はなくなった模様。沢田を中盤の底に入れて、井手口か松下がサポートする形になりそうです。
        下田

   川島 トゥーリオ ビロング

     井手口   沢田
駒野              服部
        藤本

     久保    大木

SUB:尾崎、中村、松下、高橋、鳴尾
 本来なら中盤を支配して攻撃的なサッカーを展開したいところですが、森崎兄弟がいないこと、アウェイであること、そしてFC東京のカウンターの鋭さを考えると守備重視で行かざるを得ないでしょう。特にこちらのスリーバックがあまり高いラインを維持できないことが多く、またビルドアップも期待できない、となると中盤にかかる負担は必然的に大きくなりそう。点を取るとしたら、沢田、井手口+藤本が走り回ってボールを奪い、素早くサイドに展開して久保・大木・藤本の「広島版3R」の力に頼る、と言うパターンしか無いかも知れません。ともかく選手達には、まずは自分たちのために頑張って欲しい。そして、いつもがっかりさせられている関東のサポーターのため、そして2度目の采配となる木村監督代行のためにも頑張ってほしいものです。
<02.7.12> 昨日、ガジエフ監督は家庭の事情(養母が危篤になったらしい)でロシアに緊急帰国しました。再来日まで1週間の予定だとのことで、日曜日のFC東京戦は木村ヘッドコーチが監督代行として指揮を執ることになります。「チームの運命が決まる」とも言うべきリーグの再開に際して監督不在と言うのは緊急事態ですが、広島フットボールによると昨日の練習ではむしろ溌剌とした動きが目に付いたとのこと。織田強化部長の「監督がいないから質が悪くなったと言われないように、いいサッカーをサポーターにお見せしよう」との激が効いたのか、あるいは一日休養してリフレッシュできたのが良かったのかも知れませんが、いずれにしろこれが良い刺激になっていることは間違いなさそうです。サッカーにおいて監督の采配が重要なのは確かですが、ピッチを走り回ってボールを蹴るのは選手です。サンフレッチェの選手の能力が高いのは確かなのですから、90分間全力でプレーすればそうそうおかしな試合にはならないはずです。日曜日のゲームでは、是非とも良いサッカーを見せて関東のサポーターに久々に歓喜をもたらして欲しいもの。そしてロシアの空の下の監督を(慌てて戻ってこなくても大丈夫と?)安心させて欲しいものです。
<02.7.11> JSkySports2で放送しているトゥーロン国際大会。日曜日には日本の2試合目となる南アフリカ戦を放送していました。このゲームの結果は3-0。開始早々に松井のミドルシュートで先制した後やや膠着しましたが、後半になって松井、山瀬の個人技であっさり2点を奪って突き放していました。逆に守備面では中盤での速いプレスが非常に良く効いていて、南アフリカに高い身体能力を発揮させる隙を与えませんでした。課題とされた守備陣も、この日は茂庭のカバーリングが良くきっちりと抑えていました。また左SBに入った駒野が大活躍。ボールが左サイドに行った時はそれが高い位置であろうか低い位置であろうか必ず顔を出している、と言う感じで、守備にも攻撃にも貢献していました。更に森崎和は相変わらず中盤の「王様」として君臨し、決定的なパスを何本も出していました。アイルランド戦はやや幸運が味方した、と言う感じもありましたが、この南アフリカ戦は文句無しの完勝。個々の選手のレベルだけでなく、暫定監督として指揮を執った小野コーチの指導力も高いことを示した、と言えるのではないでしょうか。どこかで目にした(聞いた?)話によると、小野コーチはヴァレリー前監督を絶賛していた、とのこと。この日のU-21代表もヴァレリー戦術を思わせるような4-3-3で、これが機能すればいかに魅力的なサッカーが出来るか、が示されていたように思います。U-21代表は今後は山本監督の元でアテネ五輪を目指すことになりますが、ぜひこの攻撃サッカーを受け継いで欲しいものです。
<02.7.10> 広島フットボールによると、昨日の練習ではボランチに井手口と高橋を並べる布陣を試していたそうで、驚くべきことにミロをボランチとして使う構想も持っているそうです。走り回ってスペースを埋め、ゴール前に飛び出すことも出来る高橋の中盤で使うことは決して悪いアイディアではない、とは思いますが、しかしそれにしてもあまりにも泥縄的。森崎和の出場停止は2ヶ月半前から分かっていたことなのに、今更何をやっているのだろう、と思わざるを得ません。神戸戦では良く動いていた松下や、経験豊富な沢田(服部の代わりに左サイドに使うらしい)を起用する方がずっとマシだと思うのですが... チームを掌握できない監督は、打開のために「奇策」に走ったりするものですが、いよいよガジエフもそうなってしまったのか。ついに末期的症状に陥ってしまったのか、と心配になってしまいます。ファンとしては、それが杞憂であることを望むしかありません。
<02.7.9> PSM神戸戦の観戦記は当日夜配信の「広島フットボール」を見る前に書いたのですが、実はその後監督記者会見の次の言葉を見て愕然としました。
「最初はよかった。連係もうまくいった。ただ、その後、相手にイニシアチブを与えた。どうしてそうなったか、わからない。選手たちと話をしたい。ビデオを見たい」
 私はてっきり「今日は後半に質の低いゲームを見せて申し訳なかった。だがこれはフィジカルコンディションが悪かったからで仕方がない。1週間後には修正できるので期待していてくれ」ぐらい言うものだと思っていました。が、これでは「私はお手上げです」と言っているのに等しい。監督が記者会見で本音で話すとは限らない、としてもこれはさすがに問題なのではないでしょうか。
 この日のスタンドを見れば、子供たちがいっぱいいたし各国代表のレプリカを着た人も沢山いたし、W杯の効果でサッカーを見に行ってみるか、と思って来た人が多かったのはすぐに分かるはずです。そこで「サンフレッチェのサッカーの魅力」を見せるのは、プロとしての義務だと思います。特にこれは練習試合なんだから、失敗を恐れずにもっとチャレンジして欲しかった。にも関わらず、あんなゲームしかできないとは... やる気を見せない選手も悪いのですが、選手の精神面をしっかりコントロール出来ない監督の責任も大きい、と言わざるを得ないと思います。
 今西総監督の持論は、「外国人監督なら、チームが危機に陥ったときに立て直すことが出来る」だったと思いますが、今のガジエフにそれができるのでしょうか。この記者会見の内容を見る限りでは、とても期待できないと言うのが正直なところです。客観的に見てガジエフがいい監督か悪い監督かは私には判断できませんが、少なくともヴァレリーの後を継ぐ監督、サンフレッチェを魅力的なチームにする監督としては、失格の烙印を押すしかないと言わざるをえません。奇跡が起きるとすれば、FC東京戦でどんなに不格好でもいいから「勝ち」と言う結果を出す事しかないかもしれません。でないと、チーム崩壊の流れを食い止めるのは難しそうな気がしてなりません。
<02.7.8> 中国地方の高校生チームが争う「U-18中国リーグ」第3節、第4節が行われ、A組は多々良が首位。またB組はサンフレッチェユースが1節を残してグループ首位を決めました。

【A組】
[第3節]
多々良(7)  2-2 境(4)
皆実(9)   3-0 玉野光南(3)
大社(3)   2-1 山口鴻城(0)

[第4節]
境(7)    2-1 大社(3)
多々良(10)  3-2 皆実(9)
玉野光南(6) 8-0 山口鴻城(0)

【B組】
[第3節]
西京(3)   5-0 米子西(0)
S広島Y(9) 5-2 立正大湘南(3)
沼田(7)   2-2 水島工(4)

[第4節]
西京(6)   3-1 沼田(7)
立正大湘南(6)7-0 米子西(0)
S広島Y(12) 7-1 水島工(4)

<02.7.8> この週末に日本クラブユース(U-15)選手権中国地区予選の第4日と最終日が行われ、サンフレッチェ広島とサンフレッチェびんごが本大会(8/10からJヴィレッジ)出場を決めました。
【Aグループ】
サンフレッチェ広島    2-0 FCアミーゴ
大河FC     1-1 セントラル吉島

【Bグループ】
くにびき     3-0 安芸FC
IFC      2-1 レオーネ

【Cグループ】
サンフレッチェびんご   3-0 玉湯
ビジョン     5-2 下松

【Dグループ】
サンフレッチェみろくの里 4-3 ハジャス
廿日市      9-0 デルソーレ湖北

【準決勝】
サンフレッチェ広島    1-0 くにびき
サンフレッチェびんご   2-0 サンフレッチェみろくの里

【決勝】
サンフレッチェ広島    4-0 サンフレッチェびんご

<02.7.8> 一昨日行われたサテライトと福山大とのトレーニングマッチは、7-3(前半4-2)で勝ちました。メンバーは、GK:林、DF:西嶋、河野、八田、佐田、MF:李、山形(→西村80分)、西村(→亘73分)、鳴尾、FW:中山、茂木。得点は中山(5分)、鳴尾(28分)、茂木(40分)、茂木(41分)、鳴尾(47分)、中山(53分)、茂木(64分)でした。
<02.7.8> 昨日の新聞報道によると、藤本選手のNACブレダとの移籍交渉が決裂し、7月以降もサンフレッチェの一員としてプレーすることが決まりました。この移籍に関しては、先月NACのGMが来日して交渉を行い、移籍金や年俸の額について合意が得られていました。しかしこの間NACは経営の悪化が表面化。オランダリーグから改善命令を受けて、これに従わない場合にはアマチュアリーグに落とすとの警告を受けていたそうです。これを受けてNAC側は移籍金の3年間にわたっての分割払いを要求。広島側も最大限に譲歩したもののさすがにこの条件は呑めず、最終的に交渉決裂となった模様です。中国新聞によると織田強化部長は「(藤本は)チームに欠かせない選手。ただ、本人の海外移籍への思いも理解しており、新たなオファーがあった時改めて考えたい」と語っています。また藤本選手も自身のホームページで「本当は悔しくて、悔しくてどうしようもないくらい落ち込みたいんです」と本音を語りながらも「今回の件は、きっぱり切り替えて、このサンフレッチェ広島を強くする事だけに集中したい、チームに貢献したい」と決意を述べています。藤本にとって今回の件は大きなチャンスが潰えたのは事実ですが、しかしこれでチャンスが無くなったわけではないし状況が悪くなったわけでも無い。むしろそう言う不安定なチームに行けばそれだけ大変な思いをしなければならなかったかも知れないわけで、次のチャンスはもっと良いかも知れません。ここで腐ってしまうのではなく、これをバネにしてより頑張ればきっと道は開けるはずです。サンフレッチェのファンとして、貴重な戦力の1人である彼の移籍を望むものではありませんが、本人が希望しているなら行って欲しいし、それもサンフレッチェの得になるような形で実現して欲しい、と思います。そのためにも、藤本にはより一層努力して、そしてまずはチームを強くして、そして自分自身も日本代表に定着することを目標に頑張って欲しいものです。
<02.7.7> 昨日、福山市の竹ヶ端運動公園陸上競技場に6千人あまりの観衆を集め、ヴィッセル神戸とのプレシーズンマッチが行われました。試合は0-1で神戸の勝ち。後半4分にペナルティエリア内でのミロのハンドを取られたPKを、三浦知に決められました。その他、後半ほぼ一方的に攻められるなど内容的には決して褒められたものではありませんでしたが、しかし収穫はいろいろとあったゲームだったと思います。
 サンフレッチェのメンバーは、オランダ移籍が消滅した藤本が先発に復帰して前半はこんな感じでした。
        下田

   川島  トゥーリオ ビロング

駒野      井手口      沢田

    藤本      ミロ

      大木  久保
 移籍後初めて見る井手口でしたが、彼が機能していたのが大きな発見でした。相手を背負いながらパスを受けてキープして前を向き、決定的なミドルパスを出すという森崎和でも滅多に成功しない?プレーを2度ほど見せるなど、技術的な高さを披露。また藤本も、移籍の消滅でますます意欲が出たのかレベルの高いプレーを連発してくれていました。全体的に見て、前半のほとんどの時間帯は互角以上の出来。藤本のスルーパスから沢田が決定的なシュートを放ったり、駒野のパスで飛び出した久保が素晴らしいアイディアのループシュートを放ったり、といくつか面白い攻撃パターンも見れました。が、前半35分に足を痛めた藤本に代えて高橋を入れ、更に終了間際に大木→梅田の交代をすると早くもテストモード。集中を切らせたプレーでピンチを招くシーンが続出してしまったのは残念でした。
 後半に入って森崎和と服部を投入し、井手口をDFラインに下げて次のような布陣になりました。
        下田

  井手口  トゥーリオ ビロング

駒野      森崎和      服部

    高橋      ミロ

      梅田  久保
 立ち上がりに1度だけ左サイドの素早いパス交換からチャンスを作りましたが、その後は運動量が激減して全くのダメダメ。神戸に完全に中盤を支配されて、ただひたすら我慢が続きます。途中でミロに代わって入った松下は、積極的に動き回って何とかしようと奮闘しますが焼け石に水。後半の40分過ぎまでは、チャンスらしいチャンスといえば松下のCKを相手がクリアしてあわやオウンゴール、と言うシーンぐらいのものでした。この日の福山は台風の影響があったからか高温多湿のコンディション。ピッチ上は日が照っていてたぶん体感気温はかなり高く、フィジカル的に底にあるサンフの選手はただただ「早く終わって欲しい」と思っていたのではないでしょうか。
 この雰囲気に、いつもは元気なゴール裏も後半途中から諦めモードに陥っていました。が、その沈滞ムードを変えたのは、メインスタンドに陣取った子供たちでした。ふと気づくと「サ〜ンフレッチェ」と小さな声を張り上げて繰り返し繰り返し、コールしているではありませんか。初めは数人の声だけだったのが、徐々に周囲を巻き込んで少しずつ大きな声になって行きます。そしてこの声が屋根に反響してゴール裏にも届いたか、そちらのグループも思い出したように声を出し始めます。これで選手達も勇気を得て、止まっていた足を動かして最後の攻勢に出ます。後半ロスタイムのチャンスはそんな流れからのもので、左サイドで松下、服部、森崎和、高橋らがワンタッチでボールを回して神戸の選手を翻弄して右サイドに展開すると、そこに走り込んでいたのはエース・久保!決定的チャンスに右足を振りますが、当たり損なったボールは力なく枠を外れて転がっていきました。しかしこれでますますヒートアップするスタンド。神戸も最後の力を振り絞って攻撃に転じ、最後の数分間だけ?はまるで公式戦のようなスリリングな展開でした。
 と言う事で、全体としては「練習試合」と言う色彩が強くこれでリーグが心配だとか、逆に大丈夫だとかは言えないように思います。ただその中でも、いくつか目に付いたことを思いつくままに箇条書きすると、
○井手口がボランチとして使える目処が立った。松下も少しずつレベルアップしているので、森崎和の不在も何とかなりそう。
○服部も普通にプレーできることが分かった。沢田も悪くないが、服部の左足のクロスはやはり大きな武器になる。
○高橋は、攻撃的MFとしてはキープ力の点で不安がある。またミロと一緒だと守備に忙殺されてしまう。そう言う意味で、藤本の残留は朗報。
○久保はやはりレベルが違う。が、もう少しコンディションとモティベーションが上がらないとチームとして辛い。
○3バックのセンターは、ビロングよりもトゥーリオの方が不安が少ない。
○とは言え、DFのコンビネーションとフィードにはますますの精進が必要。
 まだまだ課題は満載のサンフですが、しかし徐々に解決の方向に向かっているのは事実だ、と思います。これで優勝を狙える、とはとても言えませんが、コンディションさえ整えばそこそこ戦えるし、またそうでなくては困ります。少なくとも「メンバーがいないから戦えない」と言う言い訳だけは、きかないように思います。
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