8/18〜9/7のSANFRECCE Diary


<02.9.7> 広島フットボール等によると、久保は今回も遠征に不参加。水曜日の練習ではややモティベーションが上がって悪くなかったようですが、それでも久保らしい「凄み」がまだ戻ってきていないため外された模様です。木村監督は久保、大木の代役については「茂木のスピード、高橋の強さ、中山の運動量という特徴をどう組み合わせて、得点につなげればいいか、を考えて起用したい」(広島フットボール)と明言を避けているようですが、練習の様子から茂木の状態の良さは一目瞭然だそうで、ようやくこのU-19代表ストライカーの初スタメンが見れそうです。
 今日の試合会場はW杯の決勝戦の舞台となった横浜国際。10時半からスタジアムショップで「決勝戦の芝」の販売が予定されているそうです。テレビですが、今日はJSkySports1(スカパーch306)で生中継。横浜に行けない人は、ぜひテレビの前で応援を。
<02.9.6> 2nd stage第2節の相手は横浜。1st stageの優勝を最後まで争ったチームに挑戦することになります。
H○1-0浦和  【横】ウィル
A○1-0名古屋 【横】中村
A△1-1FC東京 【横】ウィル、【F】ケリー
A○3-0市原  【横】ナザ、清水、ウィル
H□2-1G大阪 【横】上野、中村、【G】OG
A○2-0広島  【横】中村、久永
A○3-1磐田  【横】ウィル2、中澤、【磐】服部
H○2-0仙台  【横】奥、ドゥトラ
H○2-1東京V 【横】ナザ、中村、【V】エジムンド
A□3-2札幌  【横】ウィル、ドゥトラ、奥、【札】バーヤック、酒井
H□3-2柏   【横】松田、平瀬、坂田、【柏】サンパイオ、加藤
A△1-1京都  【横】ウィル、【京】黒部
H○3-0神戸  【横】ナザ、ウィル2
A●1-2鹿島  【横】ナザ、【鹿】アウグスト、本山
H△0-0清水
A●1-4G大阪 【横】ウィル、【G】宮本、マグロン2、吉原
 1st stageは第13節まで負け無しで首位を走りながら終盤になって逆転で優勝を逃し、今度こそはと気合いを入れ直して臨んだ2nd stage。ガンバ相手にボールを支配して戦ったものの一瞬の隙を突かれて失点し、後半にナザ、松田が立て続けに退場になって1-4で敗れています。この試合で中盤の要、遠藤が骨折のため全治4〜6週間。更に波戸も右大腿部の肉離れで全治2週間と診断され、奥も怪我をしているとの情報もあります。もともと選手層の厚かった横浜でしたが、中村をイタリアに送り出したのに続いて石川、田中隼、安永、田原、井手口、大橋、木島と控えクラスの選手を次々と他チームに貸し出しており、メンバー選びが難しいのは間違いないところ。(予想メンバーは、GK:榎本達、DF:中澤、三上、那須、MF:上野、永山、ドゥトラ、久永、奥、FW:清水、ウィル。)サンフにとって横浜国際は相性最悪のスタジアムですが、天が与えてくれたこのチャンスを何とか生かしたいところです。
 これに対するサンフですが、復活が待たれる久保は調子が戻ってきておらず、今週の練習でもBチームでプレーしていたそうです。その代わりに出場が期待されるのは茂木。U-19代表合宿から戻ってすぐに出場したサテライトの京都戦では、パラグアイ代表のサナブリアを「まさに『チンチン』に葬った」(広島フットボール)そうで、今週の練習でも好調をキープしています。初先発の浦和戦で見せ場を作った中山とのツートップ(何と平均年齢19歳!)が、チームを救ってくれるかも知れません。また前節先発を外れ、延長だけの出場にとどまった藤本も復活の気配を見せているとのこと。更に森崎浩もかなり復調してきているそうです。これまでもチャンスは作れているだけに、攻撃陣にはもう一頑張りを期待したいところです。
 メンバーですが、今週の練習では3バックと4バックを練習していたとの事。どちらを使ってくるか分かりませんが、ウィルを抑えることが至上命題であることを考えるとマークがはっきりする3バックの方が良いかも知れません。と言うことで、先発予想は次の通り。
       下田

   八田  井手口 ビロング

駒野     沢田     服部
    森崎和
          藤本

     中山  茂木

SUB:尾崎、トゥーリオ、桑原、ミロ、高橋
 広島フットボールによるとAチームからトゥーリオが外れているようですが、理由は不明。この連敗中、DFラインは頑張っているとは思うのですが、ここぞと言うところでミスから失点することが多いので修正を施そうとの意図なのかも知れません。とは言え、このチームの当面の課題は点を取ること。誰が出るにしても、思いきりの良いプレーを見せて欲しいものです。
<02.9.5> 「紫熊倶楽部増刊 アシスト」が出ています。史上最悪の15位に終った今季の1st stageを総括して、サンフレッチェの現状はどうなっているのか、明日はどこにあるのかを探っています。前半は選手ごとのステージ総括。プロ入り後最大の壁に突き当たっている久保、本来の持ち味を出せずに空回りしている藤本、もっともっとチームに君臨すべき立場になっている森崎和。チーム一熱いプレーを見せる沢田、守備のリーダーとしての立場が求められる下田、ガジエフに全く評価されていなかった服部、更なる成長が期待される駒野。更にトゥーリオ、ビロング、大木、茂木、松下、森崎浩、梅田、高橋、川島、桑原、中村、ミロ、尾崎、井手口、中山、林、鳴尾。1st stageに出場、あるいはベンチ入りした選手とそれに近い立場の選手一人ひとりにスポットを当てて、2nd stageに向けての期待が綴られています。
 これに続くのは、ステージを終えての木村監督のインタビュー。ヴァレリーとともに戦い、ガジエフの元でチームをまとめてきた後に大役を任された木村監督が、チームの現状をどのように捉えているか。2nd stageに向けてどのような展望を持っているのか。なかなか結果が出せず苦しい中で、どのようなコンセプトの元にチームをまとめて行こうとしているのかを語っています。
 後半は1st stageの各試合の戦いの軌跡を、試合後に配信された広島フットボールの内容を元にまとめています。そして最後は、2nd stageに向けての期待を込めた「理想を捨てるな!パスサッカーを追いかけろ」と言うコラム。ヨハン・クライフとアヤックスが、Jリーグ屈指の組織力を誇る磐田がどのようにチームを作って行ったか、どのように時間をかけたかをサンフレッチェの現状と比較することにより、「簡単に理想を投げ出さないことの大切さ」を説いています。
 「アシスト」は46ページ建てで定価480円。お問い合わせは紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<02.9.4> 昨日無事帰国しましたので、今日からまた再開します。
 この間のニュースですが、浦和戦にVゴール負けしたのは置いといて(^_^;)新外国人獲得と新しいヘッドコーチ就任のニュース。このうち新外国人については、期待の声が高かった「Jリーグで実績のある選手」でも「誰でも知っているビッグネーム」でも無く元クロアチア代表と言う「それなり」の選手だったのが少々残念です。ただ、Jリーグではマグロンや崔、マルコス等の世界的に見て決してビッグネームでない選手でもチームを変える働きができる事はあるので、彼が「切り札」になる可能性はあると思います。これは、首脳陣がいかに早くエルチェグの適性を知ってチームに当てはめるか、周りの選手がいかに早く動きかたをつかむか、にかかっていると言えそう。登録の関係で登場は早くて第4節のG大阪戦からになりそうですが、一刻も早く見てみたいものです。
 また新しいヘッドコーチに小野剛氏が就任した件ですが、こちらはエルチェグ以上のサンフ再生のための「切り札」だ、と私は見ます。小野氏は日本国内では有数の理論家で、代表の「頭脳」としてフランスW杯出場を支えたのは有名な話。岡田監督の元で監督と選手のパイプ役になり、精神的に落ち込んでいた選手に自信を持たせるところから仕事を始めて予選突破に導いた「影の功労者」だったそうです。つまり、やっているサッカーは悪くないものの結果が出ないために悪循環に陥っている今のサンフにはうってつけの人材だ、と言えるでしょう。これまでまだ正式に「監督」として采配を振るった事こそありませんが、実質的な監督としてU-21代表をトゥーロン国際で率いて3位の実績も残しています。戦術的にもヴァレリー流に近いものを持っていて、3トップに近い「1トップ2シャドー」のシステムをU-21代表に導入したのも良く知られているところで、その点でも今後のサンフを任せるに足る人材だと言えるでしょう。個人的には「どうせならもっと早く来てくれれば良かったのに」とさえ思いますが、それは言っても仕方のないこと。世間には既に「J2落ちやむなし」の雰囲気も漂っているようですが、それを一掃するような仕事を期待したいと思います。
 最後に最新のニュースから。来季入団する新人選手第一号として、FW田中俊也選手の入団が内定しました。田中は年代別代表の経験こそありませんが、ポジショニング、シュート力等FWとしてのトータルな能力に長けた選手でサンフは1年の頃からマークしていたとのこと。この夏のインターハイでは3試合で4得点を挙げ、また準優勝した高円宮杯でも決勝でゴールするなどここぞと言うところでゴールを決めてきた選手だそうです。鹿島、名古屋なども狙っていたとの事ですが、春に練習参加して「チームの雰囲気も良いし、先輩たちも話しやすかった」と好印象を持ったのが良かったようです。北陸出身のストライカーと言うと柳沢が有名ですが、ぜひ彼のような選手に育って欲しいものです。
<02.8.24> イタリア滞在中の瀬戸です。ネットワークに無事つながったので、サンフレッチェからのメールを元に更新します。
 明日サンフレッチェは、午前10時半から紙屋町地下街シャレオ中央広場で「2nd stage開幕イベント」を行います。主な目玉は「サンフレッチェ広島10年の軌跡・ゴール集」のビデオ上映と、選手によるトークショーとサイン会。またそれぞれのトークショー終了後に参加選手のサイン入りTシャツのプレゼントがあります。トークショー、サイン会の時間と登場する選手は次の通り。
11:00 トークショー「テクニック」(駒野、松下、森崎浩、森崎和)
12:30 トークショー「ルール」(下田、沢田、高橋、国際主審の山西氏)
14:00 トークショー「エピソード」(藤本、大木、中村、井手口)
15:00 トークショー「進め!スポーツ元気丸」(藤村直樹氏、吉田安孝氏、トゥーリオ、服部、上村、微ロング)
 サイン会は各トークショーの後で行われますが、それぞれの回について10:30、12:00、13:30、13:30から先着50名に整理券が配布されます。またグッズ販売の特価市も並行して開催。3,000円以上お買い上げの方には8/31の浦和戦の自由席入場券が、5,000円以上お買い上げの方には2nd stage共通の自由席入場券がプレゼントされます。更にファンクラブ・後援会にこの場で入会された方には、サンフレッチェ選手との記念撮影か希望選手のサインのプレゼント、選手似顔絵タオルかオリジナル携帯ケース、及び浦和戦チケットのプレゼントがあります。このイベントはもちろん入場無料。ショッピングのついでに、ぜひお立ちより下さい。
<02.8.23> 昨日上海で行われたU-21日本代表とU-21中国代表の試合は、0-1で敗れました。
 U-21日本代表は、フル代表のジーコ監督が見守るなか山本監督の初采配となるゲームでしたが、山瀬、松井、阿部など主力と目される選手が怪我で次々と遠征参加を辞退。少ないメンバーをやりくりして、先発はGK:藤ヶ谷、DF:田中隼、茂庭、池田、駒野、MF:鈴木、青木、森崎和、森崎浩、野沢、FW:中山。4人で構成するDFラインはフラットではなく、両サイドをやや高くした「トゥーロン国際バージョン」のような形。また攻撃はスリートップを意識した「ワントップ・ツーシャドウ」で、ジーコ-山本路線の色を出したというよりも、ワールドユース以来のこのチームの流れを意識した布陣だったと思います。これがトゥーロンの時のように機能したかといえばさにあらず。前半の立ち上がりから中国の攻勢を受けて苦しい状況に追い込まれます。特にW杯メンバーでもあった右サイドの曲波を抑えきれず、何度もここを突破されてピンチを迎えます。そしてサイドをケアしようと人数をかけると中央が手薄になり、これをカバーするために中盤が下がると攻撃の枚数が少なくなる、と言う感じで前半は全体的にバランスの悪さばかりが目に付きます。攻撃面では時折素早いパス交換から相手ゴール前まで持ち込むものの、決定的なシュートと言えば前半は森崎浩の2本と野沢のものがあったぐらい。ピッチコンディションの悪さ、80%に達する湿度の高さ、そして相手に対する応援とアウェイの厳しい条件も相まって、修正しきれないままの45分間でした。
 後半になると大きくメンバーを入れ替えてきた中国に対し、日本は野沢を石川に代えただけで臨みます。左サイドの脅威が無くなって駒野が上がれるようになった日本は、序盤から積極的に前に出て高い位置からプレッシャーをかけて行きます。前半はことごとく負けていた1対1での競り合いやセカンドボールへの反応でも対等に戦えるようになり、相手を押し込む時間帯が増えていきます。また中国の素早いカウンターは茂庭の粘り強い対応と藤ヶ谷の好セーブで防ぎます。相手ゴール近くでの素早いパス交換や石川のドリブルで何度かチャンスを作りますが、しかしラストパスの精度が悪く、押し込んでいる割には決定的チャンスが無いままに推移します。終盤になって田中達、松下、平本らを投入しますが流れを変えるには至らず、結局そのままタイムアップ。山本監督もジーコ監督も「内容は悪くなかった」と言っていましたが、しかしこのチームと選手が本来持っているポテンシャルから見ればやや物足りない結果に終りました。
 このゲームのU-21代表は、確かに一人ひとりの選手の技術の高さは見せました。ボールを受けるときの身体の向き、足元の技術、パススピードなど、一人ひとりを見れば中国に負ける要素は少なかったと思います。しかし、これが「チームの力」になっていたかというと別。全体的なバランスの悪さは最後まで解決できないままに終ってしまいました。「内容は悪くないが勝てない」と言うのはこのところのサンフレッチェを評する言葉ですが、このU-21代表についても同じような印象。個人的には悪い夢の続きを見ているような感じがしてしまいました。
 この日、サンフレッチェから招集された4人のうち森崎和、駒野は先発フル出場。森崎浩は先発して後半途中に交代で下がり、松下は後半30分過ぎからの登場でした。森崎和は8、森崎浩は7、駒野は5、松下は15といずれもチームと同じ背番号を与えられていましたが、今のサンフレッチェと同じ印象を持ってしまったのはそこに原因があるのではないでしょう。以前にも書いたように、このチームは良い意味でも悪い意味でも森崎和のチーム。彼が目立っているときにはチーム全体が良い回転をしているときであり、目立っていないときは出来が悪い、と言う関係があります。この中国戦はその「悪いほうの目」が出たゲームで、森崎和の消極性やミスの多さがチーム全体の足を引っ張ったような気がしてなりません。解説の風間さんが強調していたように、このチームの課題はゲームの流れを読んでそれを自分たちで作ることだと思います(そしてそれはサンフにも言える)が、その役割を期待されているのが森崎和であることはキャプテンマークを任されていることからも明らかです。本人にしてみれば責任を押し付けられるのは迷惑かも知れません(?)が、ここは自分を成長させる良いチャンスだと割り切って、もっともっと頑張って欲しい、と思います。
 これに対して森崎浩は、バー直撃のシュートなど何度も決定的なチャンスに絡んで見せ場を作りました。彼を「スーパースターになれる選手」と評したのはヴァレリー元監督でしたが、あそこで決めていれば今日のスポーツ紙の1面は決定的?とも言えるシーンだっただけに残念でした。前半の苦しい時間帯に消えていることが多かったのはやや残念ですが、彼の持ち味は左足からの強烈なシュートとゴール前で決定的な仕事ができるところ。もっとチーム全体のバランスが良くなり、森崎浩とのコンビネーションも良くなればもっとチャンスに絡めて、そしてゴールを決めることができるのではないでしょうか。
 駒野にとっては、これは苦しいゲームだったと思います。特に前半、曲波への対応に追われてほとんど持ち味を発揮できなかったのは残念でした。後半は積極的に上がるシーンが増えましたが、疲れが出ていたせいか正確なクロスを見せる事はできずに終ってしまいました。右左の違いはあっても駒野の上がりが「生命線」であることはサンフもU-21代表も同様。駒野にももう一段のレベルアップを期待したい、と思います。
 最後に松下ですが、出場時間が少なかったこともあって見せ場はありませんでした。彼はどうも徐々に力を発揮してくるタイプのようですが、レギュラーとしての地位が確立していない状態の今はそんなことは言っていられないはず。ゲームへの入り方など、何らかの工夫が必要なのではないでしょうか。彼にもまた、もう一段も二段もレベルアップを期待したいところです。
 U-21代表は監督が代わり、今後戦術やメンバーの入れ替えが行われていくと思われます。が、基本は選手の力であり、それはJリーグで培われるものです。そのためには、チームでレギュラーを取ること、そしてチームを勝たせることです。少なくともサンフの選手(特に森崎和)に関しては、チームを勝たせる事が自分のレベルアップ、更には代表のレベルアップに直結していると言っても良いでしょう。昨日のゲームではかなり疲れもたまっているでしょうが、広島に戻ったら切り替えて、また2nd stageに向けて頑張って欲しいものです。
<02.8.22> お知らせです。明日から9/3まで、瀬戸はイタリアに出張してきます。(「プチ家出」に非ず。)今回は国際会議出席のためで、普通のホテルに宿泊することになります。ので、現地からネットに接続できるかどうか分からないので、とりあえずその間のDiaryは休止する予定です。もし無事に接続できて、かつ何か面白いことがあったらレポートしたいと思います。(でも、セリエAもBも開幕が遅れてしまったんですよねー T_T)
<02.8.21> 先週発売の「紫熊倶楽部」9月号(Vol.55)のテーマは「チーム再生」です。トップ記事は「ガジ・ガジエフ退団、本当の理由。」外国人監督が慣れるには時間が必要だ、として最低でも2年はチームを任せる方針を守ってきたサンフレッチェが、シーズン途中で事実上の解任を決断した理由を詳細に分析しています。ヴァレリーが作ったチームを、ガジエフがいかに壊して行ったか。就任から辞任に至るまでの経緯を追うことによって、その必然性を明らかにしています。これに続くのは、木村監督のインタビュー。どのような考えのもとにチーム作りを進めて行くのか、どのようなサッカーをしたいのか理路整然と語っています。これなら大丈夫、これならチームを任せられる、と思わせる内容に思えるのですが...
 日刊スポーツ中上記者のコラム「愛すべき紫熊野郎たち」の第7回は、「緊急提言・サポーターよ、立ち上がれ」として、危機にあるチームを救うのはサポーターである、と熱烈な応援を(特に審判の不可解なジャッジに対するプレッシャーを)求めています。「紫熊短信」「SUPPORTER'S AREA」を挟んで、後半のカラーページはマッチレポート。FC東京、市原、G大阪、名古屋、仙台との5試合を振り返っています。そして最終ページの「What't SENJUTSU?」の第2回は個人戦術についてです。
 「紫熊倶楽部」は定価350円。V-POINTの他、フタバ図書などの広島県内の大手書店と新宿の「ひろしまゆめてらす」にて販売中です。また通販と定期購読のお申し込みは紫熊倶楽部・広島フットボールホームページからどうぞ。
<02.8.20> 日本サッカー協会は昨日、U-16代表候補を発表し、サンフレッチェユースからはGK佐藤昭大、DF高柳一誠、MF前田俊介、高萩洋次郎の4人が選出されました。
<02.8.20> 昨日発表されたU-19日本代表候補に、茂木選手が選ばれました。今回の目的はトレーニングキャンプへの参加で、日程は8/22〜8/30の1週間強。終盤には浦和、横浜FM、FC東京などとの練習試合も予定されており、アジアユースに向けてのチーム作りがかなりハードに行われるものと思われます。茂木とU-19代表にとってはかなり大事なキャンプとなりそうですが、2nd stageに向けてチーム再建が課題のサンフにとってはかなりの痛手、と言って良さそう。少なくとも8/31の浦和戦への出場は無理になった、と言えそうです。
<02.8.20> 昨日、8/24日に行われるJOMOオールスターサッカーのサポーター投票の結果が発表され、久保選手がJ-WESTのFW部門1位で選出されました。サンフレッチェの選手がポジション別の1位で選ばれたのは、記憶によれば初めての快挙。久保選手は「FW部門1位で選ばれたということで正直ビックリしています。 オールスターサッカーにサポーターの応援で出場できることを嬉しく思います。また、応援に感謝しています。試合では、ゴールが決められるように頑張ります。」とコメントしています。エースの期待を背負って1st stageは全試合に出場しながら、4ゴールに終った久保。このところプレーに迷いが出ている様子がありありで、チーム連敗の責任を背負って悩みも大きいものと思われます。オールスターではぜひ結果を怖れずに伸び伸びとプレーして、そして本来の爆発的な力を取り戻して欲しい、と思います。
<02.8.19> 昨日いぶきの森で行われたサテライトリーグ神戸戦は、サンフレッチェが2-0で勝ちました。メンバーは、GK:林、DF:佐田、川島、河野、西嶋、MF:李、森崎浩(→松下45分)、西村、須田(→山形70分)、FW:高橋(→茂木45分)、中山。得点者は河野(17分)、須田(42分)。広島フットボールによると1点目は森崎浩の素晴らしいFKからで、河野は触ったか触らないか分からないようなものだったそうです。また2点目も彼が起点。西村のパスを受けた森崎浩がDF2人を翻弄してシュートし、これがバーに当たって跳ね返ったところを須田が押し込んだのだそうです。45分で松下と交代した森崎浩は終始笑顔だったとのこと。また影山コーチも「ケガから復帰した後では浩司は最高の出来。ようやく激しく闘えるようになってきた」と2nd stageに向けての期待の言葉を語っていたそうです。また、この日ツートップに入った中山、高橋の確実なポストプレート献身的な動きも目立っていたそうで、その結果良いサッカーで相手を圧倒すると言う本来サンフがやりたい形が出来ていたとのことです。トップで出来ない事がなぜサテライトでは出来ているのか。相手が違うと言う問題はあるにせよ、(広島フットボールにも書かれているように)そのへんにサンフレッチェ再生のヒントがあるのかも知れません。
 トップチームのツートップは確かに能力は高く、久保の身体能力や大木の技術とアイディアの豊富さは日本人としては屈指のものと言えます。彼らが誰も思いもつかないようなプレーからゴールを陥れるのは快感ですが、しかし90分通してのチームへの貢献、と言う点で物足りないのは確か。特にポストプレーなどの繋ぎのプレーに精度が悪く、簡単にボールを失ってしまう事が多いのが弱点です。木村監督が「個人に頼らないサッカー」をコンセプトにしているなら、この点にメスを入れないことには得点力不足は解決できないように思います。あくまで久保、大木に頼ったチームを作るか。茂木、高橋、中山ら若手を抜擢するか。あるいは強力なポストプレーヤー(柏を退団する黄善洪なんてどうでしょう?)を補強するか。木村監督と強化部の決断が求められる、と言えるのではないでしょうか。
<02.8.18> 開始早々に先制され、途中で追いついたものの終了間際に勝ち越されておしまい。昨日のサンフレッチェは「弱いチーム」の典型的な負けパターンをなぞるようにして敗れ、ついにチームワースト記録に並ぶ6連敗となりました。
 トゥーリオを累積警告で欠いたためDFラインに八田を起用。また中盤に久々に梅田を使って昨日の神戸戦は次のような布陣だったものと思われます。
       下田

     八田 ビロング
駒野            服部
      沢田
        森崎和
  梅田        藤本

   久保      大木(→ミロ89分)

SUB:尾崎、井手口、松下、中山
 最初の失点は、なんと開始早々の18秒。吉村のロングフィードをビロングがクリアし損ない、播戸に抜け出されます。八田の対応が遅れてあっという間に下田と1対1の状況を作られ、両足の間を抜かれて先制を許してしまいました。
 何としても連敗から脱出したいサンフの選手が、これで目を覚ましたかと言うとさにあらず。前半のシュートはビロングのものが1本あっただけ。決定機と言えるものもその1度だけで、まるで選手全員が寝ているような、そんな展開で45分が終ってしまったそうです。
 しかし、後半10分にようやく同点に追いつきます。沢田から受けたボールを、森崎和が左サイドに流れて精度の高いクロスを入れます。このボールに合わせたのは大木。昨年のこの時期にブレイクしてチームを救った男の、今年2点目のゴールでした。この時、梅田がオフサイドポジションにいたと言うことで副審は旗を上げましたが、岡田主審はそれを採用せずにゴールを認定。これまでずっと運に恵まれていなかったサンフでしたが、ようやく流れを引き寄せたような、そんな感じの同点シーンだったと思われます。そして21分には再び大木が藤本のクロスを頭で押し込みましたが、今度はホールディングのファウルを取られてノーゴール。更に34分には久保が抜け出したシーンでシジクレイが後ろから倒してレッドカードを受けて退場となって、俄然有利な状況になります。ここで一気に攻め込んで神戸を圧倒するかと思われましたが、しかしその後はなかなかチャンスも作れません。逆に後半終了間際のロスタイム。神戸に与えたFKから平野に押し込まれてジ・エンド。2試合続けて「眼下の敵」に敗れ、ついに降格圏内の15位にまで順位を落としました。
 この試合、私はダイジェスト映像さえも見ていないので内容については何とも言えないのですが、色々な情報を総合するとまたもや「勝つべきゲームを落とした」と言うものだったようです。開始早々に失点したのは完全に集中力の欠如なら、後半10分までチャンスも作れなかったのもチームとしての戦い方の問題でしょう。そして同点に追いついて、相手の守備の中心の選手を退場に追い込んだのですから、普通なら勝って当然、と言っても間違いないでしょう。それを相手としてはこれしかないと言うセットプレーから落としてしまったと言うことは、「無策」(中国新聞)とそしられても仕方のないことだと言えるでしょう。特に後半ロスタイムに入るまで全く選手交代を行わず、代えた途端に点を入れられて負けた、と言うのはちっと理解し難いと言わざるを得ません。
 この日、木村監督は「ちょうど交代をさせようとした時に点が入り、タイミングを失った」と語っていたそうです。(広島フットボールより。)これは、大木を代えようとしたところで点を入れたので、代えるのを止めたと言うことらしい。しかし「采配」とはそう言うものなのでしょうか?たまたま代えようと思っていた選手が点を入れたら、やっぱり止めたと判断するものなのでしょうか?そんな采配なら素人でも出来る。「監督」とは、流れがこうだからこのように動く、試合がこのように変化したから次の手を打つ、と言うように、常に大局的見地に立って先手、先手を打って動くものなのではないでしょうか。
 木村監督が優秀な指導者であることは、たぶん間違いないでしょう。ガジエフが目茶苦茶にしてしまったチームに戦術とモティベーションを与え、選手のやる気を引き出すことを出来たのは功績だと思います。ただ、監督の役割はそれだけではない。常に生き物のように揺れ動く試合の流れと選手の状態を察知して、次の手、次の手を早めに打つことが必要です。チームがどのように変わりつつあるかを的確に読んで、一手、二手先の手を打つことが求められます。選手に戦術を与えるだけでなく、それがうまく行かない場合を想定してしっかりと準備して、早め、早めに対策を立てることが重要なのです。木村監督が、本来そう言うことが出来ない人かと言うとそんな事は無いでしょう。しかし、そのためには経験が無ければなかなか難しいと思います。正しい判断を下すためには、「成功した体験」が必要です。冒険するためには、心の余裕が必要です。それらの準備が整わないままにチームを引き受けた事自体が、木村監督とチームにとって不幸なことだった、と言わざるを得ないように思います。
 昨日まででシーズンの半分を終えたJリーグ。「降格争い」の本当の戦いはまだもう少し先だとは思います。サンフ以外にも札幌や柏など悪い状態から抜け出せないチームがいますし、これから落ちてくるチームもあるでしょう。混戦のJリーグに力の差はほとんどない。そこで最初に脱落するのは諦めてしまったチームだと思います。そう言う意味では、ここで後ろ向きになってしまうのが一番悪いことです。しかし、だからといって手をこまねいていていいのか、と言うと違うでしょう。ここで何も対策を立てて実行に移さなければ、諦めたのと同じことになってしまうのではないでしょうか。
 木村監督を代えれば解決するのか。あるいは選手を入れ替えればいいのか。それは我々には分からない。昨日サンフレッチェサポーターが大挙して神戸ユニバを訪れて、負けたチームにも大きな声援を与えたような、そんなやりかたしかありません。チームがどんなに状態が悪くても、勝てなくても我々は付いて行くしかない。チームと選手たちを信じて、声援を送るしかありません。しかし、クラブ内部の人たちには、最後まで全力を尽くして欲しい。昨年の東京Vのように大物選手を補強するとか、指導体制を見直すとか、あるいは(HFで提案されていたように)試合前の過ごし方に一工夫を加えるとか、出来る事は全てやって欲しい。2nd stageの再開までは2週間しかありませんが、しかしここがチーム立て直しの最後のチャンスだと思って、全力で対処して欲しいものです。
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