2001年3月30日(金) 

サンフレッチェ広島 サポーター通信 〜チーム崩壊の前兆か、あるいは産みの苦しみか?

文/瀬戸秀紀

「堅い守備」と「放り込み」と言うイメージからなかなか脱却できず、あまり面白い、と言うイメージがなかった広島のサッカーだったが、今年から指揮を取るヴァレリー監督の元、攻撃的なサッカーにモデルチェンジしようとしている。どのチームよりも早い1月16日から練習を開始し、キャンプ中もほとんど休みのないハードな練習を繰り返して新戦術の浸透を図ってきたが、しかしここに来て曲がり角に来ている。その原因はもちろん開幕からの2連敗なのだが、特に磐田戦で守備が崩壊して完敗を喫してしまい、自分達のやっている事に自信を失ってしまったことが大きいようだ。

 その最悪の状況を露呈してしまったのが、先週土曜日の福岡大学との練習試合。ここで集中力の欠如からミスを連発し、なんと大学生相手にゲームを支配され5−6で敗れてしまったのだ。その上、川島、服部に加えてコリカや久保、沢田までが怪我などで別メニュー。下田や森崎兄弟、駒野など代表組は戻ってきたものの4月上旬にはコリカ、ポポヴィッチが豪州代表に招集の予定と、メンバーを固定して戦術を確認することもままならない状態だ。

 このような中、ヴァレリー監督もとりあえず4-2-1-3のシステムを諦めたのか、練習では4−1−3−2、あるいは3−4−3等いろいろなシステムを試しているらしい。監督が自分のシステムに拘りすぎるのは良くないが、しかしあっさりとポリシーを変えるとすればそれも考えものだ。ここに来てのシステム変更が吉と出るか凶と出るか。それによって、今後浮上のきっかけをつかむか、あるいは転落の坂を転がり落ちるかの分岐点となるかもしれない。

 次節のメンバー予想は非常に難しいが、沢田、川島、コリカがアウトで服部と久保はOKと言う現時点での情報を考慮して、次のような感じではないかと思われる。

 GK:下田
 DF:トゥーリオ、上村、ポポヴィッチ
 MF:駒野、桑原、服部、森崎和
 FW:藤本、久保、高橋

 相手の札幌は、鹿島、磐田とはタイプが違う上に2連勝中と好調で、今の広島にとっては非常にやりにくい相手だ。特に柏もてこずった堅い守備をどうこじ開けるか、そして絶好調のウィルをどう止めるか。2試合連続のホームで再びぶざまなゲームは見せる訳には行かない。