2001年7月20日(金)


サンフレッチェ広島サポーター通信〜将来につながるもの

レポート/瀬戸秀紀

 6月のリーグ再開から4連敗。最下位との勝ち点差もわずかに3となり、「降格争い」と言う言葉も現実味を帯びてきた。ポポヴィッチに続いて上村も失った守備陣に続いて、エース・久保も捻挫でリタイア。次節の出場は微妙な情勢だ。

 しかし、前節の名古屋戦は、ピクシーのホームのラストゲームと言う異様な雰囲気にも呑まれることなくほぼ対等の戦いを繰り広げることができた。これがただの「善戦」に終わったこと、勝利への「もう一歩」を越えることができなかったのは非常に悔しいところだが(特に、審判の微妙な判定に泣かされただけに!)、清水戦ではやられ放題にやられてしまったことと比べれば、ここでわずかな光が見えてきた、と言っても良いのではなかろうか。

 その中で特筆すべきなのは、ヴァレリー監督がついに3トップを諦めて3−5−2のオーソドックスなシステムに変更したことだ。これでスカスカだった中盤が締まり、守備も安定して全体的なバランスが良くなった。理想を追ってここまで来たが、それは言わば軟弱な地盤の上に立派な塔を建てようと苦労していたようなもの。それでも何とか形になって来たかという時に、大黒柱が折れてしまったのだから仕方があるまい。理想をとりあえずは棚上げして、現実と正面から向き合うことは大切なことだ。

 そして今週は、2nd stageに向けての新戦力の獲得も決定した。ウクライナ代表のスカチェンコとウズベキスタン代表のパシニン。FWとDFに一人ずつ補強したということで、戦力的なもの以上にチーム内の競争が激しくなる、と言う効果が大きいのではなかろうか。浦和戦は勝利が欲しいのは当然だが、選手達には「次は出れないかもしれない」と言う恐怖感を持って戦って、そして結果を出してほしい。監督の戦術が悪くて勝てないことも時にはあるかもしれないが、結局はボールを奪い、蹴り、点を入れて勝つのは選手自身なのだから。

 メンバーだが、再び3−5−2を採用するのか、久保が出れるか出れないかによってかなり流動的だ。ここでの予想は、名古屋戦と同様の次の布陣としておこう。

 GK:下田
 DF:桑原、奥野、トゥーリオ
 MF:駒野、森崎和、沢田、服部、コリカ
 FW:大木、久保

 浦和は小野がJリーグではこれがラストゲームになる。従って先週に引き続いてマスコミの注目を集めることは間違いないだろうが、しかし2週続けて「引き立て役」になるのは願い下げだ。予想メンバーには入れていないが、代表から戻ってから元気のない藤本の奮起にも期待したい。