2001年8月24日(金)


サンフレッチェ広島サポーター通信〜まだまだ安心は禁物だ

レポート/瀬戸秀紀

 2連勝。そしてセカンドステージ首位。一つも勝てなかった6、7月とはうって変わって、8月は上々の滑り出しだ。オレグの加入と上村の復帰で守備が安定し、沢田、コリカ、藤本が中盤でハードワークしてスペースを埋める。先週はこの戦い方で、ファーストステージ2位の市原に完璧とも言える内容で勝つことができた。

 特にこれまで全てのゲームで得点していた市原を完封したことは、守備の不安に苛まれていたサポーターにとっても非常に嬉しい結果だった。こうなると気の早いサポーターの中には「こうなったら優勝だ」と言う声も聞こえているが、しかしそれはちょっと気が早すぎるのではないか、と思うのだ。

 2連勝したとはいえ、通算勝ち点はまだ19。降格圏内である15位との差はまだ6しかない。J1残留の安全圏は勝ち点30と言われているから、とにかくあと4勝してその数字をクリアするのが先決だ。ファーストステージは5連敗と、なかなか勝てない苦しい状況を経験しているのである。いま勝っていても、また勝てなくなる可能性があることを忘れてはならない。

 また、選手層の問題もある。ファーストステージで敗戦が続いたのは、豪州代表とU-20代表がチームを離れてレギュラーを数人欠いたのがきっかけだった。そしてこの課題の解決の見通しは立っているのかと言うと、心許ないのが現状だ。今週のナビスコ杯名古屋戦では、藤本、コリカなどレギュラー4人を温存して若手を入れて戦ったが、目ぼしい活躍を見せることもなくあっさり敗退。やはりレギュラー選手と控えとの溝が埋まっていないことを、ここで露呈してしまったのだ。

 更に、サンフレッチェが時々罹る「気が抜けた病」の心配もある。ここで勝てば優勝争いと言う時に、下位チームにあっさり負けると言うここ数年繰り返してきたパターン。経験不足と真のリーダーがいないことが、ここぞというところでチームの足を引っ張るのである。このセカンドステージの立ち上がりはチーム全体が「絶対に降格はしない」と意思統一して戦い、良い結果を出すことができた。だがもっと重要なのは、これを続けることができるかどうかなのだ。

 次の浦和戦は、ファーストステージ最終戦で悔しい思いをさせられた相手だ。また通算勝ち点では2つ上にいる相手でもある。ここでこれまで通りの良いサッカーを見せること。そしてきっちりと勝利を収めること。それができるかどうかが、チームが本当に変わったのかどうかを判断する材料になるのではないだろうか。

 第3節のメンバーだが、ナビスコ杯を欠場した4人が戻ってくる予定で、市原戦と同様の次の布陣になるだろう。

GK:下田
DF:駒野、オレグ、上村、服部
MF:沢田、森崎和、コリカ
FW:藤本、久保、大木

 ただ、この中で心配なのはコリカと森崎和。コリカはまだ疲労が抜けておらず、森崎和は名古屋戦で捻挫したらしい。その分、休養してコンディションが整っているはずの藤本、大木、沢田に期待したい。