2001年9月7日(金)


サンフレッチェ広島サポーター通信〜「負けること」を安易に考えすぎていないか?

レポート/瀬戸秀紀

 先日退団したポポヴィッチは、サンフレッチェに関して次のように語っている。

 「私が不思議だったのは、負けたときの周りの反応でした。私はどんな相手であろうとも、負けたら悔しくてたまらないんです。怒ったり、憤ったり、もう大変なんです。...ところがサンフレッチェの選手達の多くは、負けてドレッシングルームに引き上げてくると、もう『さあ、切り替えよう。次だ、次』と口々に言い合います。『負けたことは忘れよう』と。」

 「切り替えは確かに大切でしょう。...しかし私には、負けることを安易に考えすぎているのではないか、と思えてしょうがないのです。」(「紫熊倶楽部」Vol.37より。)

 第1節から第2節。第4節から第6節。そして第11節から最終節。黒星の後には必ず次の黒星が続いたのが、ファーストステージのサンフレッチェだった。切り替えが早いのが良いのか悪いのか。負けることを安易に考えすぎているのかいないのか。この結果を見れば一目瞭然だ、と言えないだろうか。

 セカンドステージを連勝でスタートしたサンフレッチェだったが、第3節には浦和に逆転負け。審判の判定に嫌われた印象が強いが、しかしどんな敗戦にも必然性はあるものだ。この敗戦を安易に考えてしまったら、次もきっと負けるだろう。ポポヴィッチが指摘した弱点を克服しなければ、決して本当に強いチームにはなれないだろう。セカンドステージのサンフレッチェは、一つの敗戦を重く考え、次は必ず勝つ、と言う気持ちで一つになっているのだろうか。駒場の悔しさを、しっかりと覚えているのだろうか。

 次節の対戦相手は、ファーストステージとナビスコ杯で今年3連敗している名古屋だ。この2ヶ月の間に、3回も悔しい思いをさせられている相手だ。だがどのゲームも1点差。決して一方的にやられたわけではない。むしろ勝つチャンスはありながらも、最後の詰め、勝利に対する執念の差で敗れたのである。同じ轍をここで踏んではならないのだ。

 名古屋戦は、オレグ、沢田と守備の要を2人も欠くことになる。だが、だからと言って別に9人で戦わなければならないわけではない。代役の選手がしっかりと役目を果たせば、勝利を手繰り寄せることは可能なはずだ。ここで連敗することなく踏みとどまって、セカンドステージのサンフレッチェは違うということを、ホームのサポーターに見せて欲しいものだ。

 明日、出場停止の2人に代わって起用されるのは、トゥーリオと桑原だろう。外国人枠の関係で久々の出場となるトゥーリオの意地に、特に期待したい。

GK:下田
DF:駒野、トゥーリオ、上村、服部
MF:桑原、森崎和、コリカ、藤本
FW:久保、大木