2/2〜2/8のSANFRECCE Diary


<03.2.8> 昨日サンフレッチェが行った「アウトドアプログラム」とは何か。選手にも直前まで秘密のままに行われたこのプログラムは、たった一人で山の中で一晩を過ごすというサバイバル体験の事だったそうです。小野監督が招いた筑波大学体育専門学群の坂本昭裕助教授の指導の元に、限られた食物とシュラフ、テントなどを持って(半分程の選手はテントではなくてブルーシートだったらしい)一人ずつ山の中に入り、指定された場所でたった一人で野宿をして翌朝各自で山頂のお寺を目指す、と言う内容。当然、携帯電話や時計などの文明の利器は持たず、火も使わずに冬の夜を過ごすわけで、安全面には十分配慮しているとは言えかなり怖い体験をすることになりました。このプログラムはNBAではかなりのチームが実践しているそうで、日本でも横浜FMやC大阪、神戸製鋼なども取り入れるなどスポーツ選手の研修としてはポピュラーなものになりつつあるとのこと。選手達がこの一夜で何をつかんで来るのか(それよりもちゃんと全員お寺に集合できるのか)、ぜひその後の事を聞いてみたいものです。
<03.2.7> 淡路島キャンプ4日目の昨日、今季初の実戦練習となる紅白戦を行いました。レギュラーとそれ以外を分けるというのではなく、ほぼ均等に選手を分けた両チームは横内コーチ、牧内コーチが指揮。広島フットボールによると昨日は午前中の練習からこのチーム分けだったそうで、ピッチに入って来たときからアップ、試合前のミーティングまでそれぞれまったく別のチームとして行われました。そしてコーチの指示も「勝ちにこだわってやろう。」コイントスこそ無かったものの、両チームのキャプテン(桑原と上村)が握手してジャンケンでキックオフを決めるなど、「やるならば徹底的にやりたい」(小野監督)という意図通り20分ハーフの紅白戦にしてはかなり本気モードのものとなりました。
 両チームの選手ですが、注目のサンパイオは疲労がたまっているとのことで別メニュー。また林もカタール疲れが抜けていない?のかピッチには出ず、残りのメンバーがサブまで分かれて次のような布陣でした。
     【赤ビブス】(横内組)              【黄ビブス】(牧内組)

       下田                       尾崎

    河野 桑原 八田                 リカルド 上村(→高柳)
                         西嶋            服部
駒野   高萩  森崎和  沢田(→佐田)         松下   李
                                森崎浩
   山形      西村               梅田      須田(→トーレス)
      エルツェグ(→大木)                 高橋

※交代は全て後半開始から。
 広島フットボールによると小野監督はこの紅白戦について、「今、戦術うんぬんの時期じゃない...どれだけ勝負というものにこだわれるか。そのメンタリティを見せてほしい」と語っていたそうですが、実際に両チームとも闘志をむき出しにしてプレーを見せました。厳しいタックルこそ無かったものの、ライバルには負けたくない、と言う気持ちを前面に出してのゲームだったと思います。広島フットボールには「自然とロングボールを使ったサッカーが多くなってしまった」と書いてありましたが、それはたぶん小野監督就任以来追求してきたものと比べれば、と言う意味。昨年まで悪い時によくあったようなゴムが伸びきったような弛緩したサッカーとははっきりと一線を画していて、少ないタッチ数で短いパスをつないでボールを動かしているシーンが圧倒的に多かったような印象を受けました。もちろん、調整途上ということでまだまだ完成には程遠く、ミスが目立ってワクワクするシーンは少なかったのですが、それでもラインを上げてコンパクトなフィールドで勝負しよう、と言うチーム全体の意思ははっきりしていたように思います。そしてそう言う状況の中で目立ったのは、やはり森崎兄弟の技術の高さ。特に森崎和がボールを持つとはっきりとリズムが変わりチーム全体が落ち着くと言う感じで、彼の展開のパスやスルーパスから何度もチャンスを作っていました。逆に森崎浩はキープ力と言う点では特に目立ったものは無いものの、彼がボールを持つとゴールに向けてのストーリーができる、と言う感じ。前半は身体が重かったのか消えている時間が多かったのですが、後半は積極的にボールに触ると前線に飛び出すというプレーでチャンスメイクしていました。この日両チームを通じて唯一の得点はこの森崎浩で、後半3分にドリブルで攻め上がって左サイドに開いたトーレスに預けるとゴール前に飛び込み、トーレスのクロスを簡単に押し込みました。
 そのほか、このゲームで目立っていたのはリカルド。全体的に非常に落ち着いたプレーで、安心して見ていられる選手という印象を持ちました。特に1対1の強さとスピードがありカバーリングのタイミングもよく、派手さこそ無いものの質の高さを垣間見せました。昨年はDFラインの外国人選手に悩まされましたが、今年はその点は大丈夫なのではないか、と思います。またユースの高萩の積極的なプレーも目を引きました。技術の高さと判断の速さは既にトップ選手と遜色のないもの。線がやや細いため実戦で通用するにはまだ時間がかかるでしょうが、今後の成長によっては森崎和に次いで2人目の高校生でのデビュー、と言う事もあるかも知れません。44試合の長丁場のリーグ戦を戦うためには、レギュラーだけでなくどのポジションにもバックアップがいることが大切です。この日のゲームのようにすべての選手が戦う気持ちを前面に出してポジション争いをすれば、レベルの高いチームができる事が期待できるのではないでしょうか。
 なお、この日は練習終了後に地元の小中学生を相手に入団2年目、3年目の7人とユースの2人が「先生」となってサッカー教室を行いました。そして今日、明日は「アウトドアプログラム」(って何だろう?)が予定されているとのことです。
<03.2.6> キャンプ4日目となる今日は、紅白戦が予定されている(広島フットボールによる)そうですが、それ以外にどんな実戦が行われるのか。今年はその予定がほとんど伝わってこないのですが、某サイト(^_^;)の情報によると2/16-28の宮崎キャンプの間に何試合か組まれているようです。今のところ分かっているのは、2/19のG大阪戦(綾町・錦原)と2/25の仙台戦(宮崎県総合公園)。これ以外に、3/1、2に北九州市長杯(例年秋に開催されているもので、今年は何らかの事情で昨秋のものがこの春に行われるらしい)でサテライトが九州共立大と、更にアビスパ福岡とニューウェーブ北九州のどちらかと対戦することになる模様です。
<03.2.5> 広島フットボールによると、淡路島キャンプの2日目は朝7時から。五色町内のゴルフ場の起伏のあるコースを30分ほどランニングして始まったそうです。朝食後に10時から午前中の練習。1000 mをインターバルを置きながら8本走るメニューで、フィジカルテストでの能力順に分けられた4つのグループごとに目標タイムを設定してのものだったとのことです。この時のグループ分けは次の通り。
A:桑原、駒野、山形、服部、李、佐田
B:リカルド、沢田、森崎和、高橋、梅田、八田、西嶋、須田、西村
C:サンパイオ、森崎浩、エルツェグ、松下、上村、河野
D:下田、大木、尾崎、トーレス、高萩、高柳
 新しくトレーニングコーチになった生駒氏によるとサッカー選手が試合中に走る距離の目安が8〜9kmなのだそうで、このインターバル走によりサッカーに適した体力を付ける事ができる、と言う考えのようです。午後の練習は7人ずつに分かれてのミニゲーム。ここではサンパイオの闘志むき出しのプレーが目に付いたそうで、これにつられるように周りの選手も勝利に向けての貪欲さを見せるようになったとのことです。これには小野監督も満足げな表情で「意地だして、闘っていました。勝敗というのを強く意識して、絶対に負けないぞ、という気持ちと声が出てきて、ハードワークしていた。いい姿を、午後の練習でも見せてもらった」と語っています。体力、メンタル、そして闘志。小野サンフレッチェは淡路島で、長いシーズンを戦い抜くためのベース作りを着々と進めている模様です。
<03.2.4> サンフレッチェは昨日から、淡路島での一次キャンプに入りました。広島フットボールによると、この時期のキャンプを敢えて淡路島で行う意図は、メンタル面でのトレーニングも考えてのこと。小野監督はバスで移動できる距離ということでここをキャンプ地に選んだそうで、昨日は広島から淡路島まで休憩を挟んで4時間かけて移動したそうです。今後も普段のトレーニングや生活を通じてメンタルトレーニングをしていく予定で、体力面だけでなく精神面でも厳しいシーズンを乗り切る力を付けようとしている模様です。キャンプの場となる五色台運動公園は良い芝が整備されたサッカー専用スタジアムだそうで、昨日はランニングなどとともにメンバーを7人ずつ4組に分けてミニゲームを行ったとのこと。組み合わせは、
【赤】沢田、駒野、サンパイオ、林、李、須田、トーレス(パラグアイからの練習生)
【紫】下田、森崎浩、エルツェグ、服部、大木、河野、高柳(ユース)
【黄】リカルド、桑原、高橋、山形、八田、佐田、高萩(ユース)
【橙】森崎和、松下、梅田、上村、西嶋、西村、尾崎
だったそうです。ここに名前のない選手は、茂木、大久保はU-20代表合宿、松浦、河原、田中、木村はJリーグ新人研修に出ていて、高木はインフルエンザのため療養中とのこと。また中山もキャンプに帯同しているもののリハビリに専念しています。
<03.2.2> サンフレッチェは昨日、新しく入団した6人の発表記者会見を行いました。織田強化部長は「各年代の日本代表、またはそれに匹敵するレベルの有望選手が入ってくれた。チームを活性化して欲しい」と期待の言葉を述べました。
 唯一の大学生で阪南大から入るFWの松浦の武器はスピード。ジュビロの川口のように「試合途中...ゲームの流れを変える」(織田部長)役割が果たせる選手だと期待できそう。松浦は「持ち味のスピードを生かして試合に出たい」「自分の力で広島をJ1に昇格させたいと思っている。広島は若くていい選手が多いので、これからどんどん成長していくはず。僕もそれについていきたい。ライバルは特にはいないが、スピードでは誰にも負けたくない」と語っています。
 広島の強化指定選手として昨年もサテライトのゲームなどに出ていたMF高木は、左利きでドリブルが武器。「目標とする選手はリバウド」で、「将来は、広島でレギュラーをとり、日本代表でプレイしたい。J2でプレイするこ とについては、試合数が多いことでチャンスも増える、と前向きに捉えている」と語っています。またライバルとしてはU-20代表でポジションの重なる尾亦(FC東京)を挙げました。
 高校選手権の優勝で一躍「全国区」となったDF大久保は、将来のサンフレッチェのDFラインを率いる人材として期待されています。「サンフレッチェはJ2にいるようなチームではないと思うし、自分を成長させるにはとてもいい環境だと思う。J2は試合数も多いから、それだけ出場機会も増えると思う」と、「ショックだった」というJ2降格も前向きにとらえています。目標としてはジュビロの中山を挙げ、「常に上を目指す気持ちを忘れない選手に なっていきたい。そして広島でレギュラーをとり、ワールドカップに出場したい」と語りました。また「同期の青木良太(G大阪)とは、ずっとライバルでやってきた間柄だし、負けたくない」と高校のチームメイトをライバルに挙げました。
 楢崎(名古屋)の母校、奈良育英から加入するGK河原は下田の後継者として期待される選手。「サンフレッチェのいい雰囲気での練習と、前向きなところに惹かれて、加入を決意した」そうで、ハイボールの処理やコーチングに自信を持っている様子です。目標は楢崎。「同じピッチに立って闘いたい、と思う。そのためにもレギュラーをとり、将来はワールドカップに出場したい。」そのためのライバルとして、敢えて下田選手を指名しました。
 星陵高校出身のFW田中は、「得点感覚が鋭いストライカー。中盤で一度仕事して、ゴール前に飛び込める選手」(織田部長)だそうです。「ゴール前でのポジショニングやポストプレイで勝負していこうと思う」と決意を込めました。ライバルは同期でプロ入りする星陵高校の選手で、目標はブンデスリーガ入りした高原だそうです。
 そして最後は、ただひとりユースから昇格した木村。「ユースに入った時からトップチームに入りたいと思っていた。トップにあがれたことは、素直に嬉しい」と喜びを語りました。「個人で局面を打開するプレーを武器に、まずはレギュラーを」取ることが目標で、「自分は年代別代表に選ばれたことはないので、そういう代表選手たちには負けたくないと思っている」と他の新人選手に宣戦布告(^_^;)しました。
 着々と若手中心のチーム作りを進めるサンフレッチェの今年の平均年齢は23.27歳。昨年はプロ入り3年以内の選手がレギュラーの半分以上を占めることも珍しくありませんでした。昨年は茂木、一昨年はトゥーリオが一年目からのデビューを果たしましたが、今年はそれ以上に新人選手にもチャンスが多いのではないかと思います。この6人には、チームを出て行った久保、藤本らの穴を埋める活躍を期待したいと思います。
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