4/6〜4/12のSANFRECCE Diary


<03.4.12> 昨日の広島フットボールによると、前日練習の場所として新潟から紹介されたグラウンドは「芝ははげ、地面はうねっていた、サッカーの練習場としては全くふさわしくない場所。怪我の危険すら伴う場所だった」そうですが、逆にこれで集中力高く練習できたとのこと。新潟はラインを押し上げコンパクトなサッカーを目指してくることが予想されるので、特別な戦術を取るのではなくこれまで推進してきたサッカーをすれば良いでしょう。アウェイの厳しさに臆することなく平常心で戦うことができれば、結果は付いてくると思います。
 今日のテレビ放送は、スカパー149chで午後3時から生放送となっています。新潟に行けない方は、テレビの前で応援を。
<03.4.11> 明日は序盤戦の山場の一つ、アウェイの新潟戦を迎えます。
 アルビレックス新潟の前身「新潟イレブンサッカークラブ」の発足は1955年。新潟県のトップチームとして主に北信越リーグで戦ってきました。その後96年から「アルビレオ新潟」としてJリーグを目指しての活動を開始。翌年「アルビレックス」に名称変更して98年にJFLに昇格しました。そして99年のJ2初年度には開幕から7連勝するなど快進撃を果たして年間4位に入り、2000年は7位に沈んだものの昨年は3位と昇格までもう一歩のところまで来ています。地元に根差したクラブ作りを着々と進めてきた中で、一昨年ぐらいから人気も大ブレイク。W杯の会場となった「ビッグスワン」をオレンジ色で染めるほどの動員力はJ2屈指のもので、念願のJ1昇格に向けて県民とサポーターの意気は大いに上がっています。またチーム力も反町監督のもとで着々とアップしており、元日本代表の山口素弘も加えてその組織力は侮れないものを持っています。この新潟でのゲームは、J1昇格を目指すサンフにとっては破らなければならない壁の一つ、と考えて良いでしょう。予想メンバーは、GK:野沢、DF:三田、アンデルソン、丸山、山形、MF:安、山口、秋葉、宮沢、FW:マルクス、森田。エース・マルクスだけでなく、現在4ゴールで得点ランキングトップの森田も要注意の選手です。
 一方のサンフレッチェですが、週2試合、なおかつホームとアウェイを行ったり来たりの厳しい日程の中で、小野監督は「新潟戦までを1セットと考えて」準備してきたそうです。(広島フットボールによる。)生駒コーチの元で細心の注意を払いながらコンディション調整を行ってきたため選手の調子もまずます。今日は新潟で最終調整をして、明日のゲームに臨むことになります。メンバーですが、おそらく前節同様となるものと思われます。
      下田

駒野 リカルド 上村  服部

  サンパイオ 森崎和

      森崎浩
 茂木        高橋
      大木

SUB:林、八田、桑原、李、エルツェグ
 第4節までの苦しいゲームが良い薬になったのか、水戸戦は思い通りのゲームができました。が、それが1試合だけでは意味がない、と思います。強豪の新潟相手、しかもアウェイという厳しい条件の中でどれだけのことができるか。小野サンフレッチェの完成度を測るゲームとなりそうです。
<03.4.10> 広島スタジアムに水戸を迎えたJ2リーグ第5節は地力に勝るサンフが圧倒。3-0で勝って首位を守りました。
 ここまで3勝1敗の2位と好調の水戸は、エース小野隆が不在で次のようなメンバーでした。GK:鏑木、DF:小川、トゥーリオ、森、MF:秦(→木澤70分)、鳥羽(→パンチョ70分)、栗田、富田、樹森、山崎、FW:北川(→桜井45分)。対するサンフは前節と同じメンバーでした。
      下田

駒野 リカルド 上村  服部
   (→八田86分)
  サンパイオ 森崎和
  (→桑原80分)
      森崎浩
 茂木        高橋(→李75分)
      大木

SUB:林、エルツェグ
 立ち上がり「無理にこじ開けようとしてバランスを崩したところでカウンターを受けるという展開」(小野監督)で隙を見せた時間帯もあったようですが、その後は個々の能力の違いを存分に発揮して圧倒。特に森崎兄弟とサンパイオ、駒野らが絡むと水戸は手が出せない状態だったようで、予想通り攻める広島、守りを固める水戸と言う構図になったそうです。サンフは引かれたときの定石どおり、正確なクサビのパスとサイドに振る攻撃を繰り返して水戸を精神的に消耗させます。待望の先制点は前半27分の事でした。森崎浩が左からピンポイントのクロスをゴール前へ。大木が頭で繋いだボールを高橋が蹴り込みました。続く2点目はその6分後で、相手GKがもたつくところに高橋が詰めた事によりこぼれたボールが大木の前へ。これをダイレクトで叩き込んで、試合の流れを決定付けました。後半、何とか1点を取ろうと2トップにして来た水戸に対して守備陣が余裕を持って対応。後半33分には森崎和のパスを受けた茂木が、ペナルティエリアの外から強烈なミドルシュートを突き刺して止めを刺します。最後にはリカルドを休ませて八田に初出場の機会を与えるなど余裕の展開で、点差の面でも内容的にも圧倒して「首位決戦」を制しました。
 これまで「J2の難しさ」に苦しんでいたサンフでしたが、そんな中でも勝ち点を拾ってきたことが大きかったものと思われます。ようやく戦術が浸透して戦い方に慣れてきた事で、「元J1」の名に恥じないゲームができたと言って良いのではないでしょうか。昨日の第5節は大きな波乱も無く、川崎、新潟など昇格を争うチームも勝ちを収めています。大宮は終了間際に引き分けに持ち込まれましたが、逆に10人になってから同点に追いついた札幌が徐々に調子を上げてきた、と見るべきでしょう。長いJ2の戦いはまだまだ序盤戦。今後の厳しい競り合いに向けて、更に気持ちを引き締めて行って欲しいと思います。
<03.4.9> 広島フットボールによると小野監督は「コンディションについては問題ない」とした上で、「週1回の時よりはもちろん厳しいが、そこは乗り越えないといけないし、やってくれると思う」と選手を信頼している事を強調しました。また対戦相手の水戸については「かなり引いてきており、あれだけ徹底されると、そう簡単には崩せない」「こちらがバランスを崩して攻めると相手の思うつぼ。カウンターから失点する可能性がある。チャンスをうまく活かすしかない」と警戒心をあらわにしています。ペナルティエリアの中に7人が入る、と言う極端に守備的な布陣を崩すには、いかにボールを動かし、またオフ・ザ・ボールの動きの質を良くしてスペースを作るか、と言うことです。90分の中には必ず集中力が切れる瞬間ができるものですから、そこを抜け目なく突いて得点を奪って欲しい、と思います。
 今日の会場は広島スタジアムで、午後7時キックオフ。天気も良さそうなので、お花見のついでに?お立ち寄りください。また「集まれフレッシャーズ 新社会人応援!プレゼント」として、新社会人の方500名を対象に飲み物券2枚をプレゼントします。該当する方はメインスタンドまたはバックスタンドの総合案内所に、新社会人が証明できるものと入場券を持参してください。またテレビ中継は、スカパーch141で生放送となっています。
<03.4.9> 昨日U-22代表候補が発表され、サンフレッチェからは森崎和、森崎浩、駒野、林の4人が選出されました。今回選ばれたのは次の25人。
【GK】上野(京都)、岩丸(神戸)、林(広島)、川島(大宮)
【DF】池田(清水)、三田(新潟)、茂庭(F東京)、青木(鹿島)、角田(京都)
【MF】森崎和、森崎浩、駒野(広島)、松井(京都)、石川(F東京)、鈴木(浦和)
    根本(仙台)、阿部(市原)、前田(磐田)、今野(札幌)、徳永(早稲田大)
【FW】原(名古屋)、中山(G大阪)、大久保(C大阪)、西野(磐田)、田中(浦和)
 先日のコスタリカ戦の代表メンバーは全員選出。これに、川島、今野のU-20組を加えた事になります。4/14に招集されて16日まで合宿を行い、最終日に仙台と練習試合を行う予定です。
<03.4.8> 4試合で勝ち点10を獲得し、首位に立ったサンフレッチェの明日の相手は水戸。前節は0-2で敗れたものの開幕から3連勝して、現在2位。従ってこのゲームは「首位決戦」と言うことになります。
 水戸ホーリーホックの前身は「プリマハム土浦」で、主に関東リーグで活動してきました。そして93年にJFL昇格を決めましたがその後不況の影響から廃部が決定。それを水戸市内のFC水戸が引き継ぐ形でJリーグ昇格を目指した活動を開始しました。99年には大型補強が実ってJFL2位となり、クラブ創設4年目でJ2昇格を果たして現在に至っています。ただ、その道のりはずっと苦難に満ちています。まず、第一の困難はこのチームが茨城県にあることです。ここには鹿島アントラーズがあって、県民の関心の多くはそちらに向いています。また県北一の大企業の日立製作所は、言うまでもなく柏レイソルの親会社です。バックに大きな企業が付いているわけでもないため予算規模は非常に小さく、選手の多くが地元企業(コンビニやガソリンスタンドなど)で働きながらプレーしているそうです。また、水戸市のチームなのにも関わらず市内でのゲームがほとんど無いのも大きな弱点です。しばしばゲームを行うのは笠松運動公園陸上競技場とひたちなか陸上競技場ですが、これらはそれぞれ近郊の東海村と那珂町に位置しています。アクセスが非常に悪く、ゲームが見にくい陸上競技場に観客が余り集まらないのはある意味当然のことで、観客動員は多くも3千人程度。2001年には経営危機が表面化してそれまでチームを引っ張ってきた石山社長が退任。Jリーグから「改善勧告」を受けてチーム存続の危機に陥りましたが、その後水戸市からのサポートの確約を取って何とかチームを維持してきています。しかし恒常的な資金不足はいかんともしがたくシーズン前のキャンプもままならない状態で、サンフレッチェとは比べ物にならないほど厳しい環境で戦っているチームだ、と言って良いでしょう。ただ、そう言う環境にあるからこそ選手達の「ハングリー精神」は人一倍で、これまでも何度も上位チームを苦しめて来ています。がっちり守ってカウンター、と言うチーム戦術も徹底しており、札幌が2-4と大敗したのもその戦術にはまってしまったため。サンフレッチェも相当注意しないと、苦戦を強いられることは間違いないでしょう。予想メンバーは、GK:鏑木、DF:小川、トゥーリオ、森、MF:木澤、富田、山崎、樹森、磯崎、栗田、FW:小野隆。サンフからレンタル中のトゥーリオとともに、皆実高出身の秦にも注目したいと思います。
 サンフレッチェのメンバーですが、前節Jリーグの最年少出場記録を更新した高萩は学業とユース(代表を含む)に専念するためトップチームからしばらく外れます。また松下も怪我をしていますが、レギュラークラスには今のところ問題はなく前節とほぼ同じメンバーで行くものと思われます。
      下田

駒野 リカルド 上村  服部

  サンパイオ 森崎和

      森崎浩
 茂木        高橋
      大木

SUB:林、八田、桑原、李、エルツェグ
 好調・水戸が相手ということで難しい戦いが予想されますが、選手個々のポテンシャルを比較すればこちらの方が上であることは間違いないところ。カウンターとセットプレーに注意しつつ、必ず勝ち点3を取ると言う強い気持ちで戦って欲しいと思います。
<03.4.8> サンフレッチェは昨日、松下裕樹選手が右第5中足骨骨折で手術した、と発表しました。5日に行われた広島経大との練習試合で痛めたもので、全治3ヶ月だとのことです。
<03.4.7> サンフレッチェ専門のテレビ番組は、2001年9月限りでの広島ホームテレビ「サンフレッチェBOX」の休止により無くなっていました。私は2001年10月1日付けのDiaryで「一刻も早い再開を」と書いたのですが、その思いが通じたのかどうか、この春から広島ホームテレビは専門番組「ファンタジスタ」をスタートしています。月曜午後11時10分(ニュースステーションの直後)からの5分間番組で、試合のダイジェストなどを放送するとのこと。昨日の中国新聞によるとスポーツ部の望月英男ディレクターは「J1復帰を応援する意味でも、ニュース枠でなく専門の番組が必要ということで始めた」と語っているそうです。また、RCCテレビは5日から、土曜日午前11時35分からの枠でカープ、サンフレッチェの情報番組「スタジアムGOGO」を開始。吉田安孝氏を中心にゴール裏での応援に参加している広島テレビの「スポーツ元気丸」も、日曜日のお昼に時間帯を移して続いています。更に、広島シティケーブルテレビや中国ケーブルビジョン等の広島市内のCATV5局は、4/9の水戸戦や5/17の鳥栖戦など前半戦のホームゲーム5試合の生中継を決めているそうです。広島FMでは火曜日8時の「ゴール!」が11年を越える長寿番組として頑張っていますし、P-stationでは木曜7時の「元気のスーパーラジオ」のサンフレッチェコーナーで田中哲也さんが見どころ解説をしているそうです。ここ数年、専門番組の相次ぐ中止やテレビ中継の減少などマスコミのサンフレッチェに対する「冷たさ」ばかりを感じていましたが、この動きは(J2降格がきっかけになったとは言え)歓迎すべきもの、と言えるでしょう。地元のファン、サポーターの方には、これらの番組を視聴する事によってマスコミを「サポート」して欲しいと思います。
<03.4.6> 冷たい雨と風の中で行われた昨日のベルマーレ戦は、茂木のゴールで挙げた1点を守り切って3連勝。4試合を終えて勝ち点10となり、初めて首位に立ちました。
 U-22代表のコスタリカ戦に出場したメンバーも元気に出場。茂木が今季初先発となったサンフは、次のような布陣でした。
      下田

駒野 リカルド 上村  服部

  サンパイオ 森崎和
  (→桑原76分)
      森崎浩
 茂木        高橋(→高萩73分)
      大木

SUB:林、八田、エルツェグ
 対する湘南は、GK:鈴木正、DF:時崎、白井、井原(→加藤45分)、MF:梅山、熊林、吉野、坂本、金(→鈴木良82分)、FW:高田(→石田73分)、リカルド。メインスタンドから見て左から右に強い風が吹き、ピッチ上にはあちこちに水たまりができている、と言う悪コンディションの中、前半風上を選択したのはコイントスに勝った湘南でした。早い時間帯にペースを握って逃げ切ろう、と言う意図だったのだろうと思いますが、上村は「実は今日は、前半に風下をとりたかった。どうせ蹴ってくるわけだし、疲れの出る後半に風上をとられて後ろに走りたくなかった」(広島フットボール)と思っていたそうです。グラウンダーのパスを出せば止まったり滑ったり予測のつかない転がり方をし、ハイボールは風に流され、ドリブルしようとしてもボールは水しぶきを上げて止まってしまう。はっきり言ってサッカーにはならないような最悪の状況の中、最初はパスサッカーを展開しようとしたサンフはすぐに現実的な戦い方を選択します。ボールを奪ったらセイフティファースト、を徹底する。球際で諦めずに粘る。安易に飛び込まずにしっかり身体を寄せる。小野監督が目指しているはずの美しいサッカーとは対極の「蹴り合い」が続きましたが、その中でサンフの選手は粘り強く戦います。先制点は17分。後ろからのパスを受けた茂木が左サイドのスペースにパスを出します。そこに走り込んだ大木がドリブルでペナルティエリアに切り込むと、ゴールライン際からマイナスのクロスをGKとDFの間のスペースに通します。ここに走り込んだ茂木はDFともつれ合うようにしながらボールを押し込み、このゲームにふさわしい泥臭いゴールを決めました。
 その後の展開は一進一退。風上に立つ湘南は、リカルドのポストプレーと高田の飛び出しで何度かサンフのDFラインを脅かします。しかしここは上村、リカルドが冷静に対処し、また下田も向かい風をものともしない落ち着いたプレーを見せます。先制点を取った以降のボールポゼッションは湘南の方が高かったと思いますが、サンフは決して無理をせず我慢し続けます。前半のシュートは、サンフが2本だったのに対して湘南は3本。一度左サイドからのクロスをファーでリカルド?に合わせられたシーンがありましたが、それ以外は決定的なピンチも無く前半を終了しました。
 後半、DFの1人をMFに交代させて攻撃の圧力を強めてきた湘南は、風下のハンデに負けずにボールに食らいついてきます。サンフは長いパスとロングシュートを多用して、ボールを湘南サイドに送ろうとします。後半28分には、前半から走り回って運動量が落ちてきた高橋に代わってユースの高萩を投入。J1、J2を通じて最年少での出場を果たした16歳は、持ち味の柔らかいパス出しこそできなかったものの、読みの良さを生かしたボールへの素早い寄せでチームに貢献します。更にその3分後には、技術の高さを見せていたサンパイオに代えて桑原を入れて、守備を固めます。後半の危ういシーンと言えば、CKから時崎に合わせられた時ぐらい。逆にこちらは森崎和の遠い距離からのFKがあったぐらいで、エンターティンメントとは程遠い我慢比べの45分が続きます。これまで終了間際の得点、失点で苦しい戦いを続けてきたサンフの選手達でしたが、この日は最後まで集中力を切らせることはありませんでした。結局、そのまま何事も起きないままにタイムアップ。気象条件を考えた現実的な戦いで、サンフは貴重な勝ち点3を追加しました。
 ゲーム後、湘南のサミア監督は「広島との差はまったく感じない...今まで戦った中では、川崎が一番強いと感じた」と強気のコメントをしていたそうですが、これは半分は本音で半分は負け惜しみだと思っていいでしょう。確かにこの日の湘南は、出足も鋭くボールも良くつないで戦っていました。どっちもどっちの内容ではありましたが、どちらが上だったかと言えば湘南の方が良いサッカーをしていたと言って良いでしょう。しかし、この日のようなコンディションの中での戦いで、サッカー内容にはあまり意味がない、と思います。いかに少ないチャンスを生かすか、いかに集中力を高くして失点を防ぐか。そう言うメンタリティの強さの方が、遥かに重要ではないでしょうか。そう言う意味で、この日のサンフの選手は立派だったと思います。終始辛抱強く戦って、必要十分な結果を残したことは評価して良いと思います。この日の関東地方はどこも激しい雨に見舞われましたが、テレビの画面を見る限りでは他の会場(特にJ1の会場)はこれほど酷くありませんでした。おそらくこのピッチの悪さは、J2ならではのもの。今後もこのように、悪条件の元でのプレーを強いられる事もあるでしょう。その中でJ1昇格を勝ち取るためには、この日のような状況に応じた戦いができることが必要です。そう言う意味で、この勝ちは今後に繋がるものと言って良いのではないでしょうか。
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