5/11〜5/17のSANFRECCE Diary


<03.5.17> 昨日の広島フットボールによると、今日の鳥栖戦では久々に4バックを採用する模様です。また高校生の高萩が中間試験の前なのにも関わらず(^_^;)トップに呼ばれたとのこと。甲府戦同様に右SBでの起用が予想されます。鳥栖の対面は元広島の中村ですので、彼との闘いをどう制するかがポイントとなりそうです。
 今日の会場はビッグアーチで、午後3時キックオフ。「マツダスポンサードゲーム」として、ハーフタイムには「RX−8開発ブック&ミニカーセット」と「デミオTシャツ」(及びロート製薬からメンソレータムセット)がプレゼントされます。また先着プレゼントはロート製薬提供の「サンプレイ クリアウォーター」を500名様に。ファンクラブと後援会の会員には、森崎和幸選手の缶バッジが先着1000名様に、サイン入り2002年型ユニフォームが抽選で3名様にプレゼントされます。更に試合前イベントとしてU-10のマツダ少年サッカー大会やフェイスペイント、マツダニューサウンズ演奏、選手サイン会(中山と木村)、選手ハイタッチ、フォリアチャレンジ(4種交流試合)等が予定されています。今日の広島地方は薄曇りから晴れ間の広がる好天となりそうですので、ご家族揃ってお越し下さい。テレビ中継は、スカパーch141で生放送となっています。
<03.5.16> 明日の第13節、久々の広島ビッグアーチに迎える相手は、第2節に点の奪い合いの末4-3で勝ったサガン鳥栖です。
 ここまでの鳥栖は、1勝4分け7敗。勝ち点7で最下位となっています。
A 鳥栖△1-1△甲府  【鳥】服部、【甲】水越
H 鳥栖●3-4○広島  【鳥】三好、川崎、井手口、【広】エルツェグ、高橋、森崎浩、リカルド
A 鳥栖●0-1○大宮  【宮】野口
H 鳥栖●2-3○福岡  【鳥】朝比奈、OG、【福】林2、宮原
A 鳥栖●1-2○湘南  【鳥】ジェフェルソン、【湘】リカルド2
H 鳥栖△0-0△川崎F
A 鳥栖●1-4○山形  【鳥】川崎、【山】大島、星2、松田正
A 鳥栖●0-1○水戸  【水】小野
H 鳥栖○1-0●札幌  【鳥】ジェフェルソン
A 鳥栖△1-1△横浜FC 【鳥】森、【横】ファンデルフェン
H 鳥栖●0-1○新潟  【新】OG
H 鳥栖△1-1△甲府  【鳥】カブリレーゾ、【甲】山本
 「攻撃サッカー」を掲げる千疋監督ですが、これまでの総得点11はリーグで下から2番目。リーグの途中から合流した外国人選手もなかなかフィットせず、チームのバランスをどこで取るかで苦しんでいました。ただ、シーズン当初に比べると守備の粘り強さは出てきた様子で、第8節以降の5試合では4失点しかしていません。予想メンバーは、GK:藤川、DF:鈴木、川前、カブリレーゾ、中村、MF:大友、森、佐藤陽、川崎、FW:鳴尾、ジェフェルソン、と言うところですが、前回対戦した第2節のメンバーから半分が入れ替わっている事に注意が必要でしょう。
 対するサンフレッチェですが、前節初めて敗戦した影響をどう見るか、が問題です。守備と攻撃の連係がうまく行かなかった事を考えて、メンバーやシステムを入れ替えてくるかどうか。小野監督は試合後の会見で「何か一つ、決定的な、これを変えればいい、ということはない」と語っていますが、これは戦術やメンバーを大きく変えると言う事ではなく、これまでやって来たことを追求する、と考えるべきでしょう。と言うことで、私の予想メンバーは次の通り。
      下田

 リカルド 桑原  上村

森崎浩 森崎和 サンパイオ 服部

   大木    高橋
     マルセロ

SUB:林、八田、高木、茂木、梅田
 1週間に2試合の厳しいスケジュール、それも関東まで遠征してきたばかりという事で疲れはたまっているだろうと思います。特に相手は先週からずっと遠征無しで調整できているので、こちらがホームとは言えやや不利な感じは否めません。が、そうは言っても相手は最下位チームです。実力通りに行けば、決して負けない、いや負けてはいけない相手だと思います。相手を怖れることなく、かと言って侮ることもないように自分たちのサッカーを貫いて、確実に勝ち点3を奪って欲しいと思います。
<03.5.15> 昨日行われた川崎フロンターレ戦は90分間得点する事ができず、逆に後半13分の1点を守り切られて今季初の敗戦。連勝は10でストップしました。
 広島フットボールによると、サンフレッチェの布陣はこんな感じだったようです。
      下田

 リカルド 桑原  上村

森崎浩 森崎和 サンパイオ 服部

  大木(→梅田74分)高橋(→茂木65分)
     マルセロ

SUB:林、八田、高木
 対する川崎は、GK:吉原、DF:箕輪、渡辺、岡山、MF:長橋、茂原、山根、アウグスト、FW:我那覇(→黄川田80分)、ジュニーニョ(→塩川87分)。試合は前半からサンフがボールを支配するものの、足元へのパスが多くなかなかチャンスを作れない状態が続きます。逆に川崎はプレッシャーからボールを奪って速い攻撃を仕掛けてきたそうで、特にFWにパスが入った瞬間を狙い撃ちして来たとのことです。組織を作って攻めを構築しようとするものの、FWが前を向いてボールを持てずサイドにも展開できないサンフ。我那覇、ジュニーニョのスピードに攻撃を任せ、守備が固いと見るやミドルシュートを打つフロンターレ。我慢比べの様相となった前半はある意味これまでのサンフの「勝ちパターン」でしたが、しかしこの日はそうは行きませんでした。後半13分に左サイドを我那覇に破られ、桑原が引っ張られてできたスペースに走り込んだジュニーニョに決められるとその後も川崎ペース。涼しい気候が幸いしたのか、運動量が落ちずになかなかサンフに形を作らせてくれません。後半20分には茂木を投入し、4バックに変更して攻めに入りますが、リカルド、上村、茂木、マルセロが決定的チャンスをつかむもののシュートが枠に行きません。結局最後まで川崎の守備を崩す事ができず、今季初敗戦を喫してしまいました。
 敗戦を続けた昨年に対して、勝ちが当たり前のようになってしまったサンフでしたが、やはり一つでも負けると悔しいもの。試合を見ていなかった私でさえそうなのですから、等々力に行ったサポーターと、そして選手達は悔しくて仕方がなかったのではないでしょうか。これまで順調に来ていた小野サンフレッチェでしたが、チームも選手もまだまだ発展途上なのですから、いつかはこの日のように悔しさを噛みしめるときは来るものです。だからむしろ問題はその後。この敗戦をきっかけにズルズルと行ってしまうのか、それともこれを新しいスタートのきっかけとして更に上を目指すのか、と言うことでしょう。淡路島キャンプのテーマだった「リバウンド・メンタリティ」を発揮するのはまさに今です。開幕戦で川崎に引き分けに持ち込まれたのがその後の10連勝のきっかけになったように、この敗戦を糧にして次以降のゲームに臨んで欲しいものです。
<03.5.15> 昨日日本サッカー協会は来週水曜日に行われるニュージーランド戦に向けてのU-22日本代表を発表し、サンフレッチェからは森崎兄弟と林が選出されました。今回選ばれたのは次の24人。
【GK】岩丸(神戸)、林(広島)、川島(大宮)
【DF】池田(清水)、三田(新潟)、茂庭(FC東京)、北本(神戸)、青木(鹿島)、角田(京都)
【MF】森崎和、森崎浩(広島)、松井(京都)、石川(FC東京)、鈴木、山瀬(浦和)
    根本(仙台)、阿部(市原)、徳永(早稲田大)
【FW】前田(磐田)、中山(G大阪)、佐藤(仙台)、大久保(C大阪)、田中(浦和)、矢野(柏)
 アテネ五輪アジア二次予選のメンバーは怪我をしている今野と駒野以外は全員招集され、更に川島、北本、森崎浩、山瀬、佐藤、矢野が選ばれています。今回は1試合だけのためにこれだけ選ぶのは多すぎるような気がしますが、たぶん1年後に向けてのチームの「仕切り直し」を考えてのことだと思われます。
<03.5.14> 広島フットボールによると、今日の3バックには八田ではなく桑原が起用されそうだとのこと。川崎のキープレーヤー、ジュニーニョの飛び出しをいかに抑えるかが勝敗を分けるポイントになりそうです。
 今日の会場は等々力で、午後7時キックオフ。テレビはJSkySports1(スカパーch306)で生中継、また再放送は明日の午後11時からとなっています。
<03.5.14> 先週末に発売された「紫熊倶楽部」6月号(Vol. 64)の表紙は、高橋泰選手。「点を取られても、取り返せる。その自信は、あります」との言葉がアレンジされています。
 トップ記事はマッチレポート。終盤まで点が取れない展開ながら焦らず勝利を引き寄せた福岡戦、高萩が最年少で先発した甲府戦、サンパイオの攻守にわたる活躍で勝った札幌戦。第8節から第10節までを振り返っています。
 これに続くインタビュー記事は、高橋選手。ここまで3トップの一角として全試合に先発し、横浜戦では4得点を奪うなど爆発力を見せて現在得点王の高橋ですが、それでも目標はチームが勝利すること。これまでの得点シーンを振り返りながら、思いを語っています。
 一人一人の選手を取り上げる連載記事は、「理論と実戦の狭間で」と言うタイトルで田中選手、「FWとしての存在証明」は梅田選手、「その存在の、耐えられない重さ」として駒野選手、そして「さらば、愛すべきガンコモノ」エルツェグ。「頑張れサポーター」は、紫熊倶楽部の表紙のデザインを担当している高見悟さんを紹介しています。また「DATAで見るサンフレッチェ」では開幕10試合負け無しや第10節での3位との勝ち点差10等、サンフレッチェが作りつつある様々なJ2記録について書いています。更にサッカー用語辞典は「う」の部。紫熊倶楽部を発行する会社名の由来でもあるウェンブリースタジアムなどを取り上げています。
 早川文司さんの「広島サッカー史を歩こう」第5回は、1967のリーグ戦。開幕戦を黒星でスタートしながら優勝を飾った東洋工業の戦いぶりを振り返っています。「愛すべき紫熊野郎たち」では日刊スポーツの中上記者が、いつもの調子で(?)コラムを書いています。
 全選手の一人一人の現状をレポートする紫熊短信、Sanfrecce Topics、Reader's Areaを挟んで後ろのカラーページは第5節〜第7節のマッチレポート。横浜戦は「弛緩しない気持ちの強さ」、新潟戦は「アウェイの厳しさにも負けない強さ」、水戸戦は「FWの献身」がそれぞれのコラムのテーマとなっています。そして最終ページのtssアナウンサー石井百恵さんのコラム「大好き!サンフレッチェ」では、森崎浩司選手を取り上げています。
 紫熊倶楽部は定価350円で、V-POINTやフタバ図書などの大手書店、新宿の「ひろしまゆめてらす」等で販売しています。サンフレッチェの快進撃を反映してか最近は売り切れになることも多いそうですので、確実に購入するためにはぜひ定期購読してください。お申し込み、お問い合わせは紫熊倶楽部・広島フットボールホームページからどうぞ。
<03.5.13> 明日の第12節の相手は川崎フロンターレです。ここまでの川崎は3勝7分け1敗。得点16、失点10で順位は現在6位で、次のような成績となっています。
A 川崎F△2-2△広島  【川】我那覇、アウグスト、【広】高橋、エルツェグ
H 川崎F○2-1●湘南  【川】我那覇、ジュニーニョ、【湘】白井
A 川崎F○2-0●福岡  【川】我那覇、OG
H 川崎F△1-1△甲府  【川】ジュニーニョ、【甲】外池
H 川崎F○5-1●山形  【川】箕輪、ジュニーニョ2、岡山、中村、【山】松田正
A 川崎F△0-0△鳥栖  
H 川崎F△2-2△水戸  【川】長橋、ジュニーニョ、【水】トゥーリオ、山崎
A 川崎F●0-1○新潟  
H 川崎F△1-1△大宮  【川】ジュニーニョ、【大】バレー
A 川崎F△0-0△札幌  
H 川崎F△1-1△横浜FC 【川】アウグスト、【横】佐藤
 このチームで目立つのは、何といっても引き分けの多さ。ここまで1敗しかしていないと言うのはサンフレッチェに次いで2番目に少ないのですが、7引き分けはダントツの多さです。特に伊藤が怪我を負った第6節以降は5引き分け1敗。実に1ヶ月以上もの間勝利から見放されていることになります。シュートは数多く放っている(新潟戦と横浜戦ははいずれも20本以上)もののゴールには結びついていません。先週のサッカーダイジェストによると「石崎イズムの源流はヴァレリーサッカーにあり」だそうですが、チームに戦術が浸透している、とは言い難い現状なのではないでしょうか。予想されるメンバーは、GK:吉原、DF:箕輪、渡辺、岡山、MF:長橋、茂原、山根、アウグスト、今野、FW:ジュニーニョ、バルデス。高い位置からのプレスに負けないよう、しっかりとボールを動かして戦うことが重要です。
 これに対するサンフレッチェの方ですが、「ウィニングチーム・ネバーチェンジ」の原則に従って同じ先発で来るのか、あるいは厳しい日程を考えて入れ替えてくるのか難しいところ。ただ、厳しい日程と言っても全チームが同じ条件であること、またまだそれほど暑さで消耗する季節でも無いことを考えると、メンバーをいじらずに大宮戦と同じコンセプトで戦う可能性が高そうです。
      下田

  八田 リカルド 上村

森崎浩 森崎和 サンパイオ 服部

   大木    高橋
     マルセロ

SUB:林、桑原、高木、梅田、茂木
 サンフレッチェは開幕戦の引き分け以来ここまで10連勝。ここで川崎に勝てば全チームに1勝ずつすることになります。昇格争いのライバルの一つと目される川崎とは現在勝ち点差が15ありますが、もしここで勝てなければ「苦手意識」を抱かないとも限りません。ここはきっちりと勝って、逆に相手に「広島にはやはり敵わない」と言う意識を植え付けたいところです。
<03.5.12> Jリーグは先週末に、今季の後半の日程を正式発表しました。サンフレッチェの日程をまとめると次の通り。

月日

曜日

kick off

対戦相手

スタジアム

テレビ放送

23

7/19

19:00

大宮アルディージャ

広島スタジアム

24

7/26

19:00

サガン鳥栖

鳥栖スタジアム

CS

25

7/30

19:00

川崎フロンターレ

広島スタジアム

26

8/2

19:00

湘南ベルマーレ

平塚競技場

CS

27

8/10

19:00

アビスパ福岡

博多の森球技場

CS

28

8/16

19:00

横浜FC

広島スタジアム

JSkySports(録)

29

8/23

19:00

アルビレックス新潟

新潟スタジアム

CS

30

8/30

18:30

水戸ホーリーホック

広島ビッグアーチ

31

9/3

19:00

コンサドーレ札幌

札幌厚別公園競技場

CS

32

9/6

18:30

ヴァンフォーレ甲府

広島ビッグアーチ

33

9/13

19:00

モンテディオ山形

広島スタジアム

34

9/20

14:00

横浜FC

江東区夢の島競技場

CS

35

9/23

火祝

18:30

アルビレックス新潟

広島ビッグアーチ

CS

36

9/27

14:00

大宮アルディージャ

県営大宮公園サッカー場

CS

37

10/4

14:00

コンサドーレ札幌

広島ビッグアーチ

CS

38

10/11

18:30

ヴァンフォーレ甲府

小瀬スポーツ公園陸上競技場

CS

39

10/18

15:00

アビスパ福岡

広島ビッグアーチ

中国放送

40

10/25

13:00

水戸ホーリーホック

笠松運動公園陸上競技場

CS

41

11/1

14:00

湘南ベルマーレ

広島スタジアム

NHK広島

42

11/8

14:00

モンテディオ山形

山形県総合運動公園陸上競技場

43

11/15

15:00

サガン鳥栖

広島ビッグアーチ

44

11/23

日祝

13:00

川崎フロンターレ

等々力等々力陸上競技場

 この中で目立つのは、第39節と第41節に地上波の中継が予定されていることでしょう。多くの広島県民が見ることができるこのへんのゲームで、昇格決定と行きたいところです。
<03.5.11> 昨日のJ2リーグ第11節は前半に先制されて苦しいゲームになりましたが、高橋の得点ランクトップを守るゴールと森崎浩の5試合連続ゴールで逆転勝ち。連勝をチーム新記録の10に伸ばしました。
 駒野の不在と相手のFWを警戒して、このゲームも3バック。右のストッパーに初めて八田を先発で起用し、また新外国人のマルセロをいきなり先発させて次のような布陣でスタートしました。
      下田

  八田 リカルド 上村

森崎浩 森崎和 サンパイオ 服部

 大木(→茂木79分) 高橋(→梅田87分)
     マルセロ

SUB:林、桑原、高木
 対する大宮は、GK:川島、DF:松本、トニーニョ、氏家、岡本(→横山86分)、MF:安藤正、大塚、原崎(→斉藤66分)、FW:バレー、盛田(→磯山)。サンフは序盤こそパスを良く繋いで自分のペースでゲームを進めましたが、大宮DFの強さと的確なカバーリングで押し返されると、それ以降は攻めあぐみます。マイボールになったところから中盤から後ろでパスを回すことはできてもその後は手詰まりになることが多く、結局八田や上村から不正確なロングボールを放り込むだけ。マルセロと他の選手のコンビネーションも悪くほとんどの攻撃が大宮DFの網に引っ掛かってしまいます。逆に大宮のハイボール攻撃はDF陣が良く身体を寄せてはねかえしましたが、しかしバレーの身体の大きさに似合わないスピードにしばしば突破を許します。前半18分に先制点を許したシーンも起点はバレーで、右サイドを突破されると服部と上村が付いていたにも関わらず柔らかいクロスを入れられます。そしてその先になぜかフリーでいた伊藤が、思い切ってボレーシュート。下田が飛びついたものの及ばず、横浜FC戦以来4試合ぶりの失点を喫しました。
 これで勢いに乗る大宮は、ハイボールをDFの裏へ、あるいはゴール前に集めてきます。そしてセットプレーから、あるいはカウンターから何度か決定的シーンを作られますが、これは下田が落ち着いてセーブします。逆に攻撃はパスは繋ぐものの決定的なシーンは数えるほど。31分には森崎浩が右サイドを突破して出したマイナスのクロスを大木がダイレクトで叩きましたが、ボールはわずかにバーの上を越えていきます。43分の高橋のシュートも、大きく枠の外。結局前半のサンフのシュートは3本で、U-20代表GKの川島を脅かすこともできないままにハーフタイムを迎えました。
 この膠着した状況をどのように打開するか。小野監督がどのような手を打ってくるのか後半の立ち上がりに注目していましたが、選手交代は無し。森崎和のポジションをやや高めにするという微調整だけでしたが、しかしそれが当たります。後半3分には森崎和を中心にサンパイオ、マルセロ、森崎浩がショートパスを繋いでビルドアップ。これを一度は跳ね返されるものの再び高い位置で拾って左サイドからのスローインをもらいます。そして服部からのボールを受けた高橋がサンパイオにボールを預けて一気にDFラインの裏へ。サンパイオからのスルーパスを右足で巧くトラップしてシュートポジションにボールを置くと、左足で川島の股を抜いて通算8点目をゲット。早い時間帯に追いついて、主導権を握りました。
 その後も何度か大宮ゴールを脅かすサンフ。パス交換からの縦への突破でチャンスを作ります。逆に大宮はカウンターからバレーが何度もシュートを放ちますが、これは下田が落ち着いてセーブします。優勢に立ちながらもなかなかゴールを割れないままにゲームが進み、残り時間が10分あまりとなったところで小野監督が勝負に出ました。打った手は大木に代えて茂木の投入だったのですが、これは実は「カモフラージュ」(試合後の記者会見での小野監督のコメントより)。4バックにしてリカルドを右サイドの高い位置に上げ、森崎浩をトップ下に入れます。後半38分にはスルーパスから茂木が抜け出して決定的なシュートを放ちましたが、これはGK正面。絶好の勝ち越しのチャンスを逃したかに見えましたが、しかし本当の歓喜はその1分後に訪れました。中盤の低い位置からの森崎和のクサビのパスを受けたマルセロがいったん森崎浩へ。森崎浩はマルセロに預けてDFラインの間に走り込みます。マルセロはそこでタメを作って絶妙のスルーパス。森崎浩はGKをかわしてつま先でゴールに流し込みました。チーム新記録となる森崎浩の5試合連続ゴールで、これもチーム新記録となる10連勝を決定づけました。
 J2が始まって11試合、全チームとの対戦を済ませてサンフレッチェは10勝1分けの勝ち点31。2位に勝ち点差11を付けて「独走」とも言える状態に入っています。しかし、その11試合で相手を圧倒できたのは水戸戦と横浜戦だけで、それ以外のゲームは苦しい中を何とか勝ってきた、と言う印象です。この日の大宮戦も、先制されてなかなか追いつけないと言う苦しい展開でしたが、しかしそれを救ったのは小野監督の采配でした。ハーフタイムで修正して同点に追いつき、茂木の投入で勝ち越し。それも相手ベンチをカモフラージュしながらシステムを修正して「攻撃モード」に変更し、勝ち越すとすかさずシステムを戻し、最後は梅田を投入して前からの守備で逃げ切りました。チーム作りと選手を育てる「指導者」として、また精妙なスカウティングから作戦を立てる「参謀」として日本有数の実力者として名高い小野監督でしたが、この日の采配はまさに「勝負師」としても優秀であることを示したもの、と言えるでしょう。合流して間も無いマルセロを先発でフル出場させ、それが決勝ゴールを導いた事と合わせてまさに小野監督の采配で勝った、と言って良いゲームだったと思います。監督の的確な指導とそれにプレーで答える選手、と言う好循環に入ったサンフに、今のところ死角は見当たらないと言っても言い過ぎではありません。第二クールに入って他チームのマークはますますきつくなると思われますが、こちらも更に成長して、このまま勝ち進んで行って欲しいと思います。
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