5/25〜5/31のSANFRECCE Diary


<03.5.31> 台風の接近で今日のゲームがどうなるか、非常に気になるところですが、サンフレッチェは昨日の段階で「公共交通機関等に大きな影響が生じない限り、試合は予定通り行う」としています。最終決定は今日の10時だとのことですので、オフィシャルホームページ(下のバナーよりどうぞ)か電話(082-233-3233)でご確認ください。
 今日予定されているイベントとしては、まず10時からサテライトと福山大学とのトレーニングマッチが第一球技場で行われます。またビッグアーチ正面広場では、フェイスペイントや選手サイン会等のイベントが予定されています。ハーフタイムプレゼントはミズノ契約選手のサンパイオ、マルセロ、梅田、大木、大久保のサイン入りユニフォーム、サイン入りスパイク、またブラジル代表のリバウドのサイン入りサッカーボール、更に温水便座や広島広域都市圏特産品などが用意されています。
 今朝8時の情報によると台風は午前中に広島付近を通過して、午後には関西方面に抜ける模様です。雨雲は残りそうですが、台風そのものの影響は回避できそうな感じです。ビッグアーチに行く方は、選手達を大きな声で力づけてください。
<03.5.30> 台風の襲来も予想される明日のビッグアーチで、サンフレッチェは湘南ベルマーレと対戦します。
 ここまでの湘南は、3勝1分け10敗の勝ち点10で、最下位に低迷しています。
H 湘南○2-0●山形  【湘】白井、坂本
A 湘南●1-2○川崎F 【湘】白井、【川】ジュニーニョ、我那覇
A 湘南●0-1○甲府  【甲】藤田
H 湘南●0-1○広島  【広】茂木
H 湘南○2-1●鳥栖  【湘】リカルド2、【鳥】ジェフェルソン
A 湘南●0-1○水戸  【水】小野
H 湘南●1-2○新潟  【湘】戸田、【新】山口、山形
A 湘南●0-2○横浜FC 【横】城、早川
H 湘南●1-2○福岡  【湘】西川、【福】宮崎2
A 湘南△0-0△大宮
H 湘南●0-2○札幌  【札】和波2
A 湘南○2-0●山形  【湘】時崎、戸田
H 湘南●0-4○川崎F 【川】我那覇、アウグスト、中村2
H 湘南●0-3○甲府  【甲】須藤2、藤田
 トルシエの元で日本代表コーチを務めたサミア氏を監督に迎え、フラット3をコンセプトにチーム作りを始めた湘南は、序盤こそそれなりに可能性のあるサッカーを見せていました。しかし戦術が浸透しないままに負けが込むとともに選手達の確信も揺らいで行ったようで、ここ2試合は川崎と甲府相手に大敗を喫しています。これで立て直しはもはや不可能と判断したか、甲府戦終了後にサミア監督は辞任を表明。公式発表によると「契約期間途中であることからも、慰留に努めましたが、本人の意思が固く、昨日(5/25)辞任申入れを受理」したとの事で、後任には山田松市コーチが就任しました。元々高いポテンシャルを持っている選手を揃えていたにも関わらず、監督がチームを掌握しきれずに負けが込んでの監督交代。まるで昨年のサンフを見ているような感じの今年の湘南ですが、注意すべきなのはこれで選手達のモティベーションは確実に高まるだろう、と言うことです。山田新監督がどんなサッカーを意図するのか、メンバー等は全く読めないのですが、キープレーヤーの1人リカルドは出場停止です。おそらくは守備を固めて勝ち点を1でも取るようなサッカーをしてくるのではないでしょうか。
 対するサンフですが、山形戦の疲れもものともせずに、今週もかなり追い込んだ練習を繰り返していたそうです。ただ、広島フットボールによると代表疲れもたまっている森崎和だけは別。ただ1人月曜火曜を完全休養していたそうで、水曜日に合流して以降はかなりリフレッシュしていたとのことです。小野監督はそれ以外にもメンバーについても入れ替えを考えている模様で、現在チーム得点王の高橋を外して来そうな気配です。他にも抜擢があるかもしれませんが、とりあえず予想メンバーは次の通り。
      下田

   リカルド 上村
駒野          服部
    李 サンパイオ
      森崎和
 森崎浩       大木
     マルセロ

SUB:林、八田、桑原、高橋、茂木
 森崎和のトップ下という布陣は、これまでの小野サンフレッチェにとっては言わば攻撃用スペシャル。彼の類まれなるキープ力とパス出しの能力を発揮して得点を取りに行こうと言うもので、これまでは試合の終盤に使われることの多い形でした。今まではDFラインの近くでボールを落ち着かせる役割を果たしていた森崎和が、一列上がることによってどのようなサッカーが行われるのか。もしかするとこれは小野監督のチーム作りにとって、新たな展開があるのかもしれません。
<03.5.29> 第一クールを10勝1分けと、これ以上ないスタートダッシュだったサンフレッチェですが、第二クールに入って川崎戦で初の敗戦を喫すると山形戦でも引き分け。ここ3試合は1勝1分け1敗で、勢いが止まってしまった感があります。特にこのところの3試合中2試合は得点ゼロ。それまでの11試合で平均2.4点叩き出していた攻撃陣がすっかり鳴りを潜めてしまって、今後の戦いに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。ボールを支配してパスは良く回るものの決定的なシーンを作り出す事ができず、逆にカウンターからピンチを招く。シーズン当初に心配していた「J2のパターン」にはまったゲームも多く、このままで本当に勝ち抜けるのか、と言う声が出てくるのも理解できます。しかし、J2の長いシーズンはまだまだこれから。この程度の「停滞」は十分予想の範囲内で十分克服できるし、本当に苦しいのはまだまだ先だ、と私は思います。
 今のサンフがチーム作りのどの段階にあるかというと、やはり「基本の段階」と考えるのが妥当でしょう。トムソン時代とはがらっと変わったサッカーをはじめたヴァレリー監督の時代。これが1年でようやく確立したかと思ったらガジエフが半年でばらばらにしてしまって、木村さんも元に戻す事ができなかった。小野監督がサンフを引き受けたときは、言わば肥沃な畑がしばらく荒れるがままにされていて、ようやく所々に鍬が入った状態だった、と言えるでしょう。小野監督はその畑をもう一度全部耕し直し、種をまいて水をやって育てているところで、花が咲いていないから、と心配する必要はないと思います。
 今のサンフがパスを繋ぐことに集中しすぎていて崩しができない、と言うのは確かだと思います。できるならもっと個人の勝負を仕掛けて相手の守備を打ち破って欲しい、と私も思います。しかし、個人で勝負を仕掛けると言うのは戦術の枠をはみ出すことです。そこには監督やチームメイトの意思を越える「何か」が、戦術的に高度な判断が必要です。それが無いままに個人で勝負を仕掛けたってそれはただの無謀な試みであって、チームにも迷惑をかけることになり兼ねません。ですからそれはあくまで「基本」ができてからの応用編。今はまだやっちゃいけないよ、と監督から封印されていたって不思議ではない、と思います。基本ができてないうちに応用をやったって絶対に身に付かないし、基本編を卒業して応用に入っても折に触れて基本に立ち戻らなければならない。オフトが代表監督時代に基本の反復ばかりやっていたというのは有名な話ですが、たぶんどのスポーツでもそう言う例には事欠かないと思います。応用編に入る事ができるのはあくまで基本が完璧にできてから、と考えるべきでしょう。
 応用、と言えば本当に強いチームはいろいろと「引き出し」を持っているものです。例えば磐田はパスサッカーが基本ですが、場合に応じて強引なプレーができるし、セットプレーも強いし、また川口のようなオプションも持っています。サンフが本当の強さを身につけるためにはそう言う「引き出し」を数多く持っておく必要があると思いますが、でもそれはあくまでも基本ができてからの事でしょう。パスサッカーができない状態の時に強引な攻めばかりしたら形が崩れてしまうし、オプション作りのためには個人能力の高いコマが必要です。磐田のような懐の深いチームを作るには、質の高い選手をバランス良く揃えて、時間をかけて戦術を浸透させる必要があると思います。小野監督が指揮を執るようになって、わずかに半年です。それで「完成」とか「応用」とか言うのはいくら何でも早すぎるのではないでしょうか。
 今年5年目のJ2からは、これまで8チームがJ1に昇格しています。その中で圧倒的に勝ち抜いたと言えるのは2000年の札幌ぐらい(7節を残して昇格決定)で、他のチームは必ず一度は苦しい時期を乗り越えています。トップで昇格したチームに限っても、99年の川崎Fは3連敗でスタートして第一クールの9試合で勝ち点12しか取れませんでしたし、2001年の京都は第二クールまでに5敗しています。昨年の大分は5節を残して昇格を決めましたが、それでも10試合で2勝しか出来ない時期(第21節〜第30節)がありました。逆に2001年の大宮は、第9節から第21節まで2引き分けを挟んで14連勝を果たして「昇格確実」と言われていましたが、その後4連敗を喫するなどして立て直すことができず4位に終わっています。すなわちJ2で大事なことは勝ち続けることではなく修正能力であり、苦しい時期をどう乗り越えるかだ、と言うことなのです。
 また、これら昇格チームがその後J1をどう戦ったか、にも注目すべきでしょう。これまで昇格した8チームのうち再び降格したのは2チーム(川崎Fと札幌)ですが、どちらもJ2優勝チームです。2001年と2002年に優勝した京都と大分も、今年は降格争いに顔を出しています。チームごとにそれぞれ事情は様々で一概に言うことは出来ないのですが、少なくともJ2で優勝するぐらいのチーム力があっても翌年以降のJ1での戦いにはあまり関係がない、と言って良いでしょう。サンフレッチェの第一目標はもちろんJ1昇格ですが、しかしそれは「3年後のJ1制覇」のための過程でしかありません。J2を勝ち抜くのももちろん大切ですが、そのために「J2仕様」の戦い方をするのでは意味がないのです。勝つこと、昇格すること以上に、チームと選手が成長することが最も大切だということは忘れてはいけないことなのです。
 これまで44試合制の過去2年を見ると、昇格のボーダーラインは勝ち点83です。(京都は84、仙台は83で昇格。逆に新潟は82で残留。)サンフのこれまでの勝ち点は35ですので、残り48取れば一応の目安をクリアすることになります。つまり、仮に残り30試合を16勝14敗で終えたとしても、昇格の可能性は残るのです。確かにこのところ新潟と川崎が勝ちを重ねて来ていますが、相手は調子の悪いチームばかりです。またあちらは今後、ある意味広島以上に対戦相手に研究されて来るはずです。(昇格のためにはこの2チームを蹴落とさなければならないから。)我々ファン、サポーターは1試合1試合の結果に一喜一憂することなく、ここは小野監督と首脳陣を信じることが大事なのではないでしょうか。
<03.5.28> 日本サッカー協会は昨日トゥーロン国際大会に出場するU-20代表を発表し、サンフレッチェからは茂木が選ばれました。今回選ばれたのは次の20人。
【GK】岡本(市原)、徳重(浦和)
【DF】永田(柏)、坪内(神戸)、角田(京都)、近藤(柏)、大井(磐田)
【MF】小林大(東京V)、山口慶(名古屋)、徳永(早稲田大)、長谷部(浦和)
    鈴木(FC東京)、成岡、菊地(磐田)、谷澤(柏)
【FW】坂田、阿部(横浜FM)、茂木(広島)、矢野(柏)、中原(仙台)
 この中には、これまでこの年代の代表に続けて選出されて来た大久保、高木は入りませんでした。ただこの大会の期間中、J1はお休みなのに対してJ2はリーグ戦が続きます。従ってもし3人とも選ばれるとチームにとってダメージが大きいので、ここは茂木1人で済んだことを喜ぶべきだ、と思います。U-20代表は6/11にアルゼンチン、6/13にトルコ、6/17にポルトガル、6/19にイングランドと対戦し、好成績を収めれば6/21に3位決定戦か決勝戦を戦って帰ってくることになります。
<03.5.27> 山形戦で初めて行われた関東在住サポーター主催の応援ツアーが、今度は7/5の甲府戦に行われます。14時45分に新宿駅西口安田生命前に集合して、バスに乗って一路甲府へ。18時半からのゲームを観戦して23時15分頃に新宿駅に戻ってくるというスケジュールです。料金は大人、子供同額の4,000円で、大人1,500円、小中学生500円を追加した観戦チケットつきプランもあります。お問い合わせ、お申し込みはJTB高崎支店(担当:佐久間、高圓)(tel.027-322-5799/平日9時半〜17時半)までどうぞ。
<03.5.26> 昨日行われたサテライトの京都戦は、河野のゴールで1-0で勝ちました。メンバーは、GK:尾崎、DF:西嶋、河野、大久保、佐田、MF:高萩、西村(→木村88分)、高木、FW:山形、梅田(→須田87分)、松浦(→田中67分)、SUB:河原。勝ったとは言え内容は良くなかったようで、中盤を支配されカウンターとセットプレーに賭けるしかない、と言う戦いだったとのこと。河野のゴールは山形が蹴ったCKのボールを頭で押し込んだものだったそうです。
<03.5.26> 週末に行われたクラブユースサッカー選手権U-18中国地区予選で、サンフレッチェユースは廿日市FCに12-0、安芸FCに4-0で勝ち、全国大会への出場を決めました。またこれにより、全広島サッカー選手権(天皇杯広島県予選)への出場権を獲得しました。
<03.5.25> 昨日のJ2リーグ第14節山形戦は、今季初のスコアレスドローに終わりました。
 今季4得点の松田正を怪我で、3得点の星を出場停止で欠く山形は、小久保を今季初めて先発で起用して、GK:桜井、DF:太田、古川、鷲田、井上、MF:小久保(→秋葉70分)、永井、ニヴァウド、高橋、FW:大島(→羽地84分)、アレシャンドレ(→中村63分)と言うメンバー。対するサンフレッチェは、駒野が復帰して次のような布陣でした。
      下田

   リカルド 上村
駒野          服部
   森崎和 サンパイオ
      森崎浩
 大木(→李79分)  高橋(→茂木45分→梅田87分)
     マルセロ

SUB:林、八田
 いつものようにサンフは、序盤からワンタッチ、ツータッチの速いパス回しで攻撃を構築します。そして早い時間帯から何度かペナルティエリアに侵入してチャンス一歩手前まで行きますが、山形のDFの集中は高くなかなかシュートまで持ち込むことができません。逆に山形の攻撃は両サイドの裏を突いて来て、何度か抜け出されてピンチになります。前半12分には大島がゴール前でターンして右足でシュート。また26分には右サイド深くからのクロスを受けたアレシャンドレが下田の前で一瞬フリーになりましたが、力が入りすぎたか空振りして何とかサンパイオがクリアします。更に41分にはサンフの左サイドを抜け出した小久保がフリーでシュートを放ちますが、これは下田が素晴らしい反応で防ぎます。サンフはパスは回るものの前線の動きが悪く、「とにかく相手の近くで守る」(柱谷監督の試合後のコメント)事を徹底した山形守備陣を崩す事ができません。また久々に出場した駒野も試合勘がいまひとつだったのか攻撃と守備のバランスが悪く、これが左サイドにまで影響してサイド攻撃が構築できません。前半は一進一退の展開ながら、山形のゲームプラン通りのままで終了しました。
 後半になって攻撃陣をてこ入れするため、高橋に代えて茂木を投入した小野監督。茂木の突破力に期待しての起用でしたが、しかしどうも機能せずなかなかチャンスも作れません。後半34分には李を投入して森崎和を高い位置に上げ、彼からの展開で打開を図りましたが、山形の厳しい守りになかなかチャンスを作れません。決定機と言えば後半19分のサンパイオのヘディングシュートがバーを叩いたシーンぐらい。シュートらしいシュートも森崎和のミドルシュートぐらいのもので、得点の香りが漂わないままに時間が進みます。山形は後半になっても運動量が落ちず、早い出足から中盤や前線でボールを奪い、何度もサンフのゴール前まで迫ります。サンフは時間が経つにつれて動きが悪くなり、山形の波状攻撃を受けます。どの選手も足に錘をつけたような重さでボールを追いかけるのがやっと、と言う感じで、パス回しもままならない状態が続きます。結局最後は引き分けでもOKと言う戦い方で逃げ切り、やっとのことで勝ち点1をゲットしました。
 このゲームで勝てなかった原因は、やはり2巡目に入って相手に研究されたと言う面が大きいように思います。山形はペナルティエリアの20m手前からの守備を厳しくしてゴール前でのパス回しを封じて、両サイドが上がった裏を狙うと言う戦い方を徹底してきました。それに対してサンフは、遠距離の移動が響いたのか動きが悪く、特に前線の選手がマークを引き剥がす動きができていなかったように思います。森崎兄弟とサンパイオの中盤は疲れがたまった身体を気力で動かしているような感じでしたし、FWもアグレッシブな動きが少なく相手DFラインに恐怖感を与える事ができませんでした。また守備陣は下田は良く守っていたと思いますが、DFの軽いプレーが多く簡単に抜け出される事が多かった事も、苦戦の要因でした。小野監督就任以来、ここまで比較的順調にチーム作りができて来ていますが、やはりここはある意味「壁」にぶつかっているのだと思います。チームが本当に強くなるためには、ここでもう一つレベルアップして行くしかないのだ、と思います。一人一人の選手がレベルアップしてプレーの精度を高めること。新しい選手が出てきてチーム内の競争が激しくなること。そして何より、苦しいときにこそなお一層「勝ちたい」と言う気持ちを前面に出して戦うこと。今はある意味チームがピンチになりかかっているところだと思いますが、しかしこれはレベルアップのチャンスでもある、と言えます。ここで壁を乗り越えてこそ、J1昇格、J2優勝、そして3年後のJ1制覇の道が見えてくるのではないでしょうか。
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