6/15〜6/21のSANFRECCE Diary


<03.6.21> 広島フットボールと中国新聞によると、今日の横浜FC戦は上村、サンパイオ、大木の復帰が濃厚。また前節良い働きをした梅田と八田も先発起用の可能性が高そうです。このところ失点の多い横浜FCですが、マシューを中心にするDFラインは高さと強さを兼ね備えています。必ず点を取る、必ず勝つという強い気持ちをもって、戦って欲しいと思います。
 今日の会場は三ツ沢球技場で、午後2時キックオフ。テレビはスカパー149chで生放送です。横浜に行けない方は、テレビの前で応援を。
<03.6.21> 昨日ようやく札幌戦のビデオを見ることができたのですが、思っていた以上にノーマルで、質の高いゲームだったように思います。少なくとも前半ボロボロで後半何とか盛り返した大宮戦よりはずっとまとも。後半、相手が選手交代してから何度かピンチを迎えて同点に追いつかれましたが、それ以外のシーンではほぼゲームをコントロールして、やりたいサッカーができていたのではないでしょうか。もちろん、勝てなかったことには理由があるでしょう。ビルドアップして相手陣内に攻め込む回数の割合に決定的チャンスが少なく、完全に崩した回数がまだ少ないと思います。これは、相手ゴールに近づいたときの動きとボールの質が、まだ相手の予測の範囲内だからなのだと思います。ボールが低い位置にあってスペースがあるときにはボールが繋がっても、相手ゴール前の混雑したところではよりいっそうの精度とスピードが求められるわけで、そのへんがまだ足りないのだろうと思います。
 しかし、サンフはまだ若いチームです。選手も若ければ指揮官も若い。その双方が試行錯誤しながらチームを作っているところです。それも個人能力の高い一部の選手に依存するようなサッカーではなく、ボールと選手が速く動くことによって組織で相手を崩すような、そう言うチームを目指しています。それが徐々にではあるが形になっている。それはこの日、ずっとフル出場を続けてきた3人の選手を入れ替えても、サッカーの質が落ちなかった事からも分かると思います。また前回の対戦でかなり長い時間押し込まれた札幌を相手にして、終始主導権を握った戦いができたことからも分かると思います。これまで何度も書いているように、今のサンフは3年後のJ1制覇を目指す道の途上にあります。その道は決してまっすぐではなく、砂利道もあれば泥濘もある。薮を切り開きながら進まなければならないことだってあるでしょう。大事なことは、そこで後ろを振返らないことだと思います。指揮官を信じ、仲間を信じ、自分たちの進んでいる道を信じて進むことだと思います。まだ足りないこともあるとは言え、開幕当初よりも内容はずっと良くなっていると思います。それでも勝てなくなったのは、相手もレベルアップしている事と研究されているから。ここを「正攻法」で乗り越えることができれば、チームは間違いなく一つの山を越えることになるのではないでしょうか。
<03.6.21> フランスで行われているトゥーロン国際ユース大会に出場していたU-20日本代表は、ポルトガルとイングランドに共に1-0で勝ったもののトルコとは1-1の引き分け、アルゼンチンには0-1で敗戦し、グループリーグ敗退が決まりました。この大会にサンフレッチェからただ1人出場した茂木ですが、アルゼンチン戦とイングランド戦に先発、またポルトガル戦に途中出場したそうです。ゲームを見ていないのでプレー内容については良く分からないのですが、ポルトガル戦では終了間際に素晴らしいミドルシュートを決め、イングランド戦では開始早々にDFラインの裏に抜け出して左足でゲット(記録はオウンゴール)して勝利に貢献したとのこと。チームとしては今一つだった(らしい)U-20代表でしたが、茂木はゴールと言う結果を残して「何か」を得ることができたのではないでしょうか。チームでは5月以降ポジションを失った形になっていますが、潜在能力という意味ではサンフのFWの中では間違いなくトップクラスであることは間違いの無い茂木。フランスで得たであろう自信を、今度はJ2の舞台で披露して欲しいと思います。
<03.6.20> 明日の第19節は、横浜FCとの対戦です。
 ここまでの横浜FCは4勝5分け9敗。勝ち点18で9位の成績です。
A 横浜FC○3-1●札幌  【横】マシュー、城、佐藤、【札】砂川
H 横浜FC●0-1○大宮  【宮】フィナージ
H 横浜FC○1-0●新潟  【横】小野信
A 横浜FC△1-1●山形  【横】高木、【山】川崎
A 横浜FC●2-3○福岡  【横】ルディ、城、【福】宮原、アレックス、ベンチーニョ
H 横浜FC●1-5○甲府  【横】臼井、【甲】藤田2、須藤、外池、ジョルジーニョ
A 横浜FC●1-6○広島  【横】ルディ、【広】高橋4、森崎浩、梅田
H 横浜FC○2-0●湘南  【横】城、早川
A 横浜FC●0-2○水戸  【水】森、樹森
H 横浜FC△1-1△鳥栖  【横】ファンデルフェン、【鳥】森
A 横浜FC△1-1△川崎F 【横】佐藤、【川】アウグスト
H 横浜FC△0-0△札幌
A 横浜FC○2-0●大宮  【横】城、吉武
A 横浜FC●1-2○新潟  【横】臼井、【新】ファビーニョ、上野
H 横浜FC●0-4○山形  【山】星2、高橋、中村
A 横浜FC●2-5○鳥栖  【横】城、内田、【鳥】米山、川崎、朝比奈、佐藤、ジェフェルソン
H 横浜FC●0-4○川崎F 【川】今野2、ジュニーニョ、アウグスト
A 横浜FC△1-1△湘南  【横】山尾、【湘】戸田
 リトバルスキー監督の元でプレッシングサッカーを目指している横浜ですが、完成度はまだまだ。ここ5試合は守備が崩壊状態で、1試合平均3失点以上しています。ただ、前節からGKを若い菅野に入れ替えたのが功を奏して5試合ぶりに勝ち点をゲットしています。予想メンバーは、GK:菅野、DF:臼井、マシュー、山尾、小野智、MF:佐藤、眞中、内田、横山、小野信、FW:城。サンフは先週に引き続いての関東遠征なのに対して、横浜はずっと神奈川県内に居座っているので、そのへんのコンディションの違いも試合に影響しそうです。
 サンフは札幌戦で引き分けたものの、ずっと出場していたサンパイオ、大木、上村を休ませることが出来ました。ただ、広島フットボールによるとこれは単に疲れを取るためと言うわけではなく、このところのパフォーマンスが低下している事が一番の要因だったのではないか、とのこと。小野監督はこれにより「レギュラー」でもポジションを約束されているわけではない事を示したわけで、次節彼らがすんなりと先発に復帰する、とも限らないようです。更に札幌戦では「代役」として出た梅田、桑原、八田が活躍していますし、明日のメンバーはプレーの調子や体調、選手の組み合わせ等、様々な要素により決まりそうです。
      下田

    八田  上村
駒野          服部
  サンパイオ  桑原
      森崎和
 森崎浩       梅田
     マルセロ

SUB:林、李、高木、西村、大木
 次節の最大の問題は、守備の要として活躍してきたリカルドが出場停止となることです。逆に前節ベンチ入りもしなかった上村は、捻挫の影響も見せずに練習をこなしているとのこと。にも関わらずメンバー落ちしたことは、「キャプテン」にとってはかなりの屈辱だったのではないでしょうか。これまで「逆境」になるほどに力を発揮したのが、上村の良いところです。ここはもう一度自分のプレーを見つめ直して、苦しい状況にあるチームを救って欲しいものです。
<03.6.19> 昨日広島スタジアムで行われた札幌戦は、立ち上がりから良いサッカーで押し込みながらも1点しか取れず、逆にカウンターから1点を失って2試合連続の引き分けに終わりました。
 主力メンバーに疲れがたまっていることを考慮して、小野監督は上村に加えてサンパイオ、大木を休ませる決断を下して次のようなメンバーでした。
      下田

   リカルド 八田
駒野          服部
    李   桑原
      森崎和
 森崎浩       梅田
     マルセロ

SUB:林、サンパイオ、高木、西村、大木
 対する札幌は、GK:藤ヶ谷、DF:曽田、佐藤尽、西澤、MF:川口(→新居59分)、ビタウ、岡田、和波、砂川(→中尾59分)、ホベルッチ、FW:堀井。広島フットボールによると序盤から圧倒的なサンフレッチェペースで、一方的に押し込んでカウンターも許さない展開だったそうです。しかし引いて守る札幌のDFを崩す事ができず得点は後半9分のマルセロのゴールのみ。その後も2点目を取りに行った裏を突かれて堀井に決められ、最後はお互いに攻めあったもののゴールを奪えず1-1の引き分けに終わりました。主力3人を休ませることができたこと、八田、桑原、梅田が機能したことは収穫ですが、リカルドが次節出場停止になったこと、「2位対決」に勝った新潟に勝ち点4差にまで迫られたことなど不満も残る結果となった模様です。私はゴールシーンすら映像で見ていないので、できたら土曜日あたりに感想を書きたいと思います。
<03.6.18> 広島フットボールによると大宮戦で捻挫した上村は昨日の練習でもフルにメニューをこなしたそうですが、長いシーズンを考えて無理はさせない模様で、八田の先発起用が濃厚となりそうです。リーグを混戦にするために何としても勝ち点3が欲しい札幌は3-4-3で攻撃的に来るという情報もあるだけに、八田の働きが試合の趨勢を決めることになるかもしれません。また、大木も先発から外れて梅田が起用される可能性もあるとのこと。彼らのフレッシュな力で、波に乗りきれないチームを活性化させて欲しいと思います。
 今日の会場は5連勝中の広島スタジアムで、午後7時キックオフ。「広島銀行スポンサードゲーム」として、花束贈呈などのイベントが予定されています。先着プレゼントは山口県提供の夏みかんキャンディとサニクリーン広島からの「ドロコとソウジロウの携帯ストラップ」をそれぞれ先着1000名様と500名様に。ハーフタイムには広島美術館グッズや海産物詰め合わせ、サニクリーン広島の詰め合わせ(って、なんでしょう?)等がプレゼントされます。更にファンクラブ・後援会員限定プレゼントのオリジナル缶バッジは、服部公太選手。ハーフタイムにはブラジル人3選手のサイン入りのブラジル代表ゲームシャツがプレゼントされます。今日は梅雨前線と接近中の台風の影響で雨の予報となっています。スタジアムにお越しの方は、雨具の用意をお忘れなく。
<03.6.17> 明日は現在7位の札幌をホームに迎えます。
 「J2降格組」の札幌の今季の目標は、当然J1昇格。監督にジョアン・カルロスを迎え、強力な外国人を揃えてチーム力を整備して臨んだはずでしたが、怪我人続出やウィルの暴行問題、ベットの退団など問題続出でなかなか波に乗れないままにここに来ています。
H 札幌●1-3○横浜FC 【札】砂川、【横】マシュー、城、佐藤
A 札幌○3-2●山形  【札】堀井、ベット、曽田、【山】松田正、星
H 札幌●2-4○水戸  【札】ホベルッチ2、【水】森、山崎、桜井、北川
A 札幌○1-0●新潟  【札】堀井
A 札幌△1-1△大宮  【札】ウィル、【宮】安藤正
H 札幌○5-0●福岡  【札】ホベルッチ、砂川、ウィル3
A 札幌●1-2○甲府  【札】今野、【甲】須藤、藤田
H 札幌●0-2○広島  【広】森崎浩、サンパイオ
A 札幌●0-1○鳥栖  【鳥】ジェフェルソン
H 札幌△0-0△川崎F
A 札幌○2-0●湘南  【札】和波2
A 札幌△0-0△横浜FC
H 札幌○1-0●山形  【札】新居
A 札幌△1-1△水戸  【札】堀井、【水】小野
H 札幌○2-0●新潟  【札】ホベルッチ2
A 札幌●0-1○川崎F 【川】今野
H 札幌△1-1△湘南  【札】ビタウ、【湘】井原
 序盤の札幌はウィル、ホベルッチ、ベットに頼るチームと言う印象で、彼らが揃ってプレーすれば爆発するものの誰かが欠けるととたんにチーム力が落ちていました。しかしウィルの長期離脱とベットの退団と言う「危機」を迎えることによりチーム全体としてのまとまりは良くなっていると言う感じで、特に第10節以降は守備が安定して8試合でわずかに3失点しかしていません。前節湘南戦では怪我で戦列を離れていた砂川、酒井も久々に出場しており、いよいよここから「反攻」を、とチームもサポーターも燃えているようです。予想メンバーは、GK:藤ヶ谷、DF:中尾、曽田、佐藤尽、大森、MF:砂川、ビタウ、和波、ホベルッチ、FW:堀井、新居。前回の対戦で手を焼いたホベルッチをどのように抑えるか、がポイントになりそうです。
 対するサンフレッチェですが、こちらは逆に怪我人が増えつつあるのが不安材料です。高橋がリタイア中なのに加えて前節は上村が捻挫で途中退場。森崎浩も足の痛みは取れておらず、ここ2試合、45分しかプレーできていません。ただ、広島フットボールによると森崎浩は大宮戦の結果を受けてかなり燃えているそうですので、痛いのを我慢して強行出場する可能性が高そうです。逆に上村はこのところややパフォーマンスが落ちていることも考えて、明日は無理はさせないのではないか、と思われます。
      下田

   リカルド 八田
駒野          服部
    李  サンパイオ
      森崎和
 大木       森崎浩
     マルセロ

SUB:林、桑原、高木、西村、梅田
 メンバーは一応前節を踏襲するだろうと思いますが、怪我人の状況や選手の疲れ具合、更にサテライトのメンバーの調子等を考えて大きく変えてくる可能性もありそうです。札幌は7位とは言え、選手個々のポテンシャルは高く侮ることはできません。焦らず、奢らず、自分たちの力を信じて勝ち点3をゲットして欲しいものです。
<03.6.17> 紫熊倶楽部の7月号(Vol. 65)が、先週金曜日に発売されています。表紙とトップ記事は、森崎浩司選手。久保移籍後の新しい「エース」として期待される彼の今季これまでの軌跡を、インタビューを交えて追っています。これに続くのは、第2クールに入って苦戦するサンフの現状についての記事。昨年、スタートダッシュに成功しながら途中で失速した大分と比較しながら、「機能しなくなったサイド攻撃」「マルセロ問題」「システム論」に分けて分析しています。
 新連載「100の質問」は駒野選手。サッカーからプライベートまで色々な質問をぶつけています。「2003年組」を取り上げる「SAMURAI GENERATION」は、高木選手と大久保選手。「Super Seven」では怪我からの復帰を目指す中山選手。2年目と3年目の選手の「Run & Run」は茂木選手。「Life is Football」では影山コーチを、「Time of Your Football」では服部選手を取り上げています。
 早川文司さんのコラム「広島サッカー史を歩こう」の第6回は、東洋工業が4連覇を達成した1968年のこと。日刊スポーツの中上記者による「愛すべき紫熊野郎たち」では、福岡戦を観戦に訪れた森保選手とサテライトで頑張っている中山選手、沢田選手のことを書いています。そして連載記事「がんばれ!サポーター」は、往復10時間かけて大分から広島通いを続けている高橋功一さんを紹介してます。
 マッチレポートは、第11節の大宮戦から第16節の福岡戦まで。最終ページのtssアナウンサー石井百恵さんのコラムは、林選手がキックが上手になった理由について取り上げています。
 「紫熊倶楽部」はホームゲーム会場、V-POINT、新宿の「ひろしまゆめてらす」の他、広島県内の大手書店で販売しています。今号には誤植を拾った「正誤表」が付いていますが、書店販売分には挟み込みが間に合わなかったとのことですので、気になる方は紫熊倶楽部ホームページでチェックしてください。
<03.6.16> 土曜日にサテライトがG大阪のキャンプ地である美作サッカーラグビー場を訪れ、練習試合を行いました。G大阪のメンバーは、GK:松代、DF:山口、井川、木場(→青木45分)、MF:橋本、ガレアーノ(→松下45分)、森岡(→吉原45分)、新井場(→児玉45分)、二川、FW:マグロン(→中山45分)、大黒(→松波45分)。ガンバはフィジカル的に追い込んでいたため身体が重かったようですが、しかしメンバー的には立派なレギュラーでしかも半数の選手が以上が半分だけの出場でした。対するサンフは、GK:尾崎、DF:西嶋(→吉弘[皆実高]45分)、大久保、河野、高柳[ユース]、MF:沢田、高萩[ユース]、青山[作陽高]、FW:須田(→松浦55分)、木村、中山(→田中55分)と、高校生4人を含む経験の浅いメンバーがJ1チームに挑む、と言う形でした。従って当然のようにボールの支配率はG大阪が上だったようですが、しかしベテランの尾崎と沢田を中心にこのところ評価を上げている河野、大久保らが粘り強く戦っていたとのこと。更に須田もガンバのDFラインの裏を狙ったドリブルで活躍していたそうです。前半21分にマグロンのスルーパスを大黒に決められ先制されましたが、後半30分に青山のクロスに木村が頭で合わせて同点。ロスタイムに松波にゴールを許して敗れたものの、試合後はどの選手も充実感に満ちた表情をしていたそうです。ハードスケジュールによりトップチームはやや「お疲れ」と言う感じですが、ここでモティベーションの高いサテライトのメンバーを大量に抜擢して戦ってみても良いかも知れません。下位に勝ち点差を詰められているとは言えまだ余裕はあるわけですから、将来を見越して「捨てゲーム」を作って若手中心で戦ってみるのも意味のあることなのではないでしょうか。
<03.6.16> 土曜日に県高校総体の決勝が行われ、山陽が3-0で如水館を下して6年ぶり6度目の優勝を飾りました。山陽は今大会5試合を無失点で終えたのが勝因で、田中監督は「FWを含め全員が守備の意識を高く持ち、良く粘った」と語っていたそうです。対する如水館は旧三原工時代を含めて初の決勝進出でしたが、中盤を支配されカウンターに賭けたものの決定力を欠いた、とのこと。山成監督は「この悔しさをいい薬にして欲しい」と語っていたそうです。
<03.6.15> 昨日の大宮戦は前半にバレーに先制点を許したものの森崎和のゴールで追いつき、引き分けました。
 森崎浩の怪我の状態が良くないことを考えて、小野監督はルーキー高木を初めて先発に使って次のような布陣でスタートしました。
      下田

   リカルド 上村(→八田78分)
駒野          服部
    李  サンパイオ
      森崎和
 大木(→梅田68分) 高木(→森崎浩45分)
     マルセロ

SUB:林、桑原
 対する大宮は奥野が怪我から復帰して、GK:安藤智、DF:野口(→氏家63分)、トニーニョ、奥野、原崎、MF:斉藤(→デビッドソン69分)、安藤正、島田、伊藤、FW:磯山(→黒崎77分)、バレー、と言う布陣。守備が崩壊して連敗を続けていた大宮でしたが、99年からDFラインを率いてきた奥野の存在により生まれ変わったようなサッカーを展開します。上手なラインコントロールからサンフの攻撃陣の動きを封じ、サイドチェンジによりサンフの守備陣を振り回して何度もDFラインの裏を突きます。逆にサンフは大宮の積極的な姿勢に戸惑ったような感じ。ボールをうまく繋ぐことができず、前線に向かってロングボールを蹴り込むだけの工夫のない攻撃に終始します。森崎和や李が動き回って何とか打開しようとするものの、全体的に動きが悪く全く自分たちのサッカーができません。特に初先発の高木はどう動いていいか分からないと言った風情で、序盤は全くボールに絡むことができません。更にこれまで安定感抜群だったリカルドもミスを連発。前半17分の失点もリカルドのミスからで、バレーがボールを受ける瞬間を狙ってアタックに行ったもののあっさりとかわされ、李と上村がカバーに走ったものの振り切られて左45度から叩き込まれました。その後も2点目を狙って攻める大宮に対し、サンフは右往左往するばかり。39分にはDFの間を伊藤に抜け出されてGKと1対1にされましたが、これは伊藤のシュートミスに救われます。前半43分に上村のミドルシュートのこぼれ球を森崎和がダイレクトで蹴り込んで同点に追いつきましたが、前半の見せ場といえばそのシーンぐらいのもの。今季最悪と言っても良いような内容で、大宮に圧倒されたままでハーフタイムを迎えることになりました。
 小野監督は怪我の森崎浩を温存したかったところだったと思いますが、前半のあまりの悪さに後半の頭から投入します。そしてこれでスイッチが入ったサンフは前半とは見違えるようなサッカーを展開します。速い出足からルーズボールをことごとく拾うと、ワンタッチ、ツータッチのパス交換からワイドに展開して大宮を自陣に押し込みます。後半16分には李がミドルシュートを放ちますがGKが必死で手を伸ばしてクリアします。その直後には左サイドを突破した服部が短いクロスを入れると大木が頭で合わせましたが、GKの懐に収まります。19分には森崎浩の強烈なミドルシュートがGK正面。更に後半24分には森崎和のパスを受けた駒野が右サイドの深い位置から鋭いクロスを入れ、これにマルセロがニアで合わせましたがボールは惜しくも枠を外れます。サンフの波状攻撃に大宮はゴール前に張り付いた状態になり、時折ボールを奪っても押し上げられずにシュートまでも行けません。このまま行けばいずれは点を取れるだろうという後半の流れでしたが、しかし30分ごろに再び暗転します。接触プレーで2度倒れた上村が、ついに自ら×印を出します。ベンチは慌てて八田を準備させますが、しかしプレーが切れないままに大宮は上村の裏を狙って逆襲を仕掛けます。結局上村は数分間そのままプレーを続け、セットプレーを守った時点で交代しましたが、しかし失った流れを取り戻す事ができなくなってしまいます。サンフは全員の足が止まって中盤がルーズになり、しばしば大宮のカウンターを許すようになります。後半43分にはペナルティエリアで反転したマルセロの足をトニーニョが払いましたが、昨年までJ2で14試合主審を務めただけ(今季はJ1で2試合、J2で4試合)の塩川氏には見えなかったらしくシミュレーションを取られます。運にも見放されたサンフはそれ以上決定的なチャンスを作ることができず、8位の大宮に対し痛い引き分けに終りました。
 このゲーム、前半だけを見ればとても勝つチャンスがあるとは思えない内容でした。蒸し暑いピッチ状況が影響したのか全体的に動きが悪く、自分たちのサッカーが全くできませんでした。30分過ぎからようやく流れを取り戻すことができ、森崎和の素晴らしいシュートで同点に追いつきましたが、それまではまるで眠っていたかのような内容。広島フットボールによると森崎和は「首位にいるということで、知らないうちに全体的に受け身になっていたような気がする」と語っていたそうですが、まさにチャレンジ精神を忘れたかのような、そんな前半だったように思います。後半はそこから良く切り替えて良いサッカーができていたと思いますが、今度はシュートがGKの好セーブにあったりわずかに枠を外れたり。その上、上村の怪我と審判の怪しげな判定と言う不運の連続で、勝ちを拾うことができませんでした。本当に強いチームというものは、少々の不利や不運があっても強引に勝利を引き寄せるもの。そう言う意味では、サンフはまだまだこれからのチームであることを、自ら示したと言えるのではないでしょうか。
 昨日は川崎Fも新潟も勝って、2位、3位との勝ち点差が6にまで縮まりました。一時期は2位との差が11あったことを考えれば、下がもうすぐそこまで迫っている、と言っても良いでしょう。特にこのところ川崎Fは6連勝。第11節では15あった勝ち点差が6試合で9も減ったのですから、危機感を抱く人がいるのも分からないでもありません。しかし今年のサンフレッチェがそうだったように、いずれは勢いが落ちるときが来ます。昨年は新潟が第9節から第19節まで1分けを挟んで9連勝しましたが、その後の11試合で5勝しかできずに(3分け3敗)昇格争いから後退していきました。また2001年の大宮は第9節から第24節まで無敗(14勝3分け)で突っ走りましたが、その後4連敗して脱落しています。更に昨年の大分は第17節には2位と勝ち点10の差を付けていましたが、その後第30節までに3勝しかできず(6分け4敗)に2位に落ちています。44試合の長丁場のリーグ戦は、勢いだけで行けるものではありません。どんなチームにでも必ず波があるものです。問題は良い流れをいかに持続するかと言うことと、そして不調をどのように乗り越えていくかと言うことです。今のサンフは悪い流れにある。それは間違いないでしょう。怪我人の続出や体力的な問題、それに相手に研究されていることもあって、なかなか思うようなサッカーができなくなっています。しかしそんな中でも負けていない、と言うのは非常に重要です。苦しい中でも勝ち点を1でも拾っていく事が、必ず後に繋がっていくのです。
 怪我人や相手に研究されていることなど、今のサンフには困難が山積みだと言ってよいでしょう。しかし、その壁を乗り越えてこそ、本当に強いチームなることができるのでは無いでしょうか。2度の先発のチャンスを生かせなかった李漢宰が3度目にブレイクしたように、苦しい状況を克服してこそ成長できるのです。我々ファン、サポーターは、今は小野監督と選手を信じて応援するしかないのだと思います。
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