7/6〜7/12のSANFRECCE Diary


<03.7.12> 昨日の美作キャンプ2日目は、広島フットボールに「今季最高の練習」と書かれるほど激しく、そして充実していたものだったそうです。「フラットな目で選手を一から見てみたい」と語っていた小野監督は、その言葉通りレギュラー、控えという色を付けずにグループ分けして、ミニゲームや攻守の切り替えの練習を行っていたとのこと。強引にでも前に出て、ゴールを狙え、と言う小野監督の意思を受けて、素晴らしい内容の練習だったそうです。今日は9時から、同等の力に分けた2チームによる「勝負を意識した」紅白戦を行って練習を打ち上げ、午後広島に戻ります。
<03.7.11> 6/4の練習中に右足を負傷し、6/25にも練習中にも痛めて戦線を離脱していた森崎浩司選手が、実は右足脛を骨折していたことが昨日判明したそうです。手術はせずに保存療法で治療するとのことで、全治4週間。第3クールの山場となる第25節(7/30)の川崎戦は絶望で、U-22代表がエジプト遠征する8月中旬にも間に合うかどうか微妙。サッカーを出来るコンディションを作りを考えれば、第29節(8/23)の新潟戦あたりが復帰の目途になるのではないでしょうか。なぜ今頃になって判明したのか、もっと早く分からなかったのかなど疑問と不満を感じるのですが、しかし実際のところレントゲン写真に骨折線が写らないような微妙なものであればしかたがないわけで、今更どうしようもないことです。ここは他の選手にチャンスだと思ってもらうしかない(特に高木、西村、須田あたり!)し、またこれで3度目の骨折となった森崎浩司選手には骨を強くする身体作りに努めて欲しい、と思います。
<03.7.10> U-20代表候補合宿は昨日最終日を迎え、FC東京と練習試合(30分×3)を行い1-1で引き分けました。U-20代表の1本目は、GK:川島、DF:永田(→大久保17分)、菊地、大井、MF:徳永、成岡、山口、坪内、宇野沢、FW:坂田、阿部。相手のFC東京も浅利、藤山、加地、迫井以外は高校生も含む若手ばかりだったそうですが、U-20代表は最悪に近い出来で押されまくっていたそうです。2本目は川島、阿部に代わって榎本と谷澤が出ましたが、ペースは相変わらず東京で、開始から6分後に先制を許しました。しかし両チームとも選手交代を繰り返す中で流れが変わり、終了間際に徳永に代わって入った鈴木がミドルシュートを決めて同点に追いつきました。そして3本目は、大久保、茂木が先発で、GK:榎本、DF:大久保、菊地、大井、MF:茂木、長谷部、小林、鈴木、谷澤、FW:馬場、中原。何と茂木を右のWBとして起用するという布陣でしたが、これは悪くなかったとのこと。茂木は右サイドから切れ込んでバー直撃のミドルシュートを放つ等、まずまずの動きを見せていたようです。また1本目の途中で怪我をした永田に代わって出場した大久保は、大宮戦よりは良かったものの1対1で負けるシーンもあったそうです。なお、大久保はスポーツナビでインタビューに答えています。「広島もレベルが高いということを代表に来て実感した」と、微妙な言い回しながら前向きに決意を語っています。大久保にはU-20代表のポジションだけでなく、サンフでのトップチーム入りも狙って自分をレベルアップさせて欲しいものです。
<03.7.9> J2は先週末のゲームでちょうど半分の22試合を消化し、短い中断に入りました。ここまでのサンフレッチェは14勝6分け2敗の勝ち点48。2位新潟との間に勝ち点5の差をつけての首位で、目標のJ1昇格のためにはまずまずの結果だと言って良いと思います。22試合を通しての失点15はリーグ最小で、得点36もリーグ2位。小野監督が目標に掲げる勝ち点90まではあと42取らなければなりませんが、過去の実績を見れば85を取ればセーフで83でもだいたい大丈夫なので、残り22試合の勝ち点が37(12勝1分け9敗〜8勝13分け1敗)程度でも良い、と言うのは大きなアドバンテージ。これから暑い夏とプレッシャーのかかるゲームを控えて、まずまずの結果だと言って良いでしょう。
 しかしその一方で、第一クールに比べて第二クールの勝ち点の伸びが少なかった、と言うのも確かです。第12節から第22節までの11試合の成績は4勝5分け2敗の勝ち点17。川崎の25、新潟の24には大きく及ばず、山形と札幌よりも少ない5位の成績です。この中で特に得点の少なさが顕著で、11試合で9点は水戸、横浜と並んで下から2番目の少なさです。第一クールでは全試合で得点していたのに第二クールは5試合が無得点。1点しか取れなかったのも4試合あり、得点力不足に苦しんでいるのは明らかです。なぜこうなってしまったのか、そしてどうしたらまた点を取って勝てるようになるのか。このままで本当に大丈夫なのか。サポーターとしては不安で仕方がない、と言うところなのではないでしょうか。
 第二クールに入って苦しんでいる大きな理由の一つは、やはり各チームに研究され、対応されていることだと思います。第一クールはどのチームもまだ完成度が低く、こちらがあまり工夫しなくても勝てた、と言う現実があったと思います。どのチームも前からプレッシャーをかけてきたものの長続きせず、こちらがボールをつないで回し始めると対応できずに失点する、と言うパターンが多く、苦戦しても最後には勝っていることが多かったのですが、第二クールはそうではありませんでした。どのチームも広島の弱点を良く研究して策を練っていた、と言うのが明らかでした。あるチームは最初から引いて守り、あるチームはサイドを抑えにかかり、あるチームは中盤で奪って素早く攻めようとする、と言うようにアプローチは様々でしたが、しかしサンフはことごとくその作戦に引っかかって苦戦した、と言う印象でした。J2のチームを見ていると、確かにJ1に比べて個人の能力は高くないかもしれません。しかしその分、戦術をしっかりと守ってチームの為に全力を尽くすと言う意識が高いと言う感じ。特にどのチームも「首位チームを食ってやろう」と言うモティベーションが高く、こう言う結果になったのはある程度は仕方がないかな、と言う気がします。
 これをどのように打ち破っていくか。そのヒントは、新潟戦にあるように思います。このゲームは前半戦の大きな山場ということで、両チームともに十分な対策を練って臨みました。その結果は引き分けだったものの、内容的にはサンフが圧倒しています。試合後の反町監督のコメントによると、こちらの布陣を3トップだと想定して対策していたのが2トップだったのが誤算だったそうです。つまり、相手もこちらの出方を読んで対策してくるわけで、それが当たらなければ相手だって困るわけです。相手がこちらの手を読んで来るならば、こちらはその裏をかく。1チームと4回対戦するJ2を勝ち抜くには、それができるか出来ないか、がポイントなのかもしれません。
 では、サンフはなぜ相手の対応を打ち破ることが出来ていないのか。これはたぶん、選手とチームの成熟度の問題なのではないか、と私は思います。ここまで見ていると、小野監督は得点力不足を解消するために様々な手を打っています。例えばボールを回すばかりでミドルシュートがない、となればどんどん打つように指示し、セットプレーで点が欲しいとなれば練習を重ねています。またサイド攻撃が少ないとなれば、そこも改善して来ています。更にFWの組み合わせも様々なパターンを試みています。が、思うにどれも言わば一本調子。点を取りたい、勝ちたいと言う気持ちが先に立ちすぎて、余裕がないように思えてなりません。相手が対応してきた場合に、その裏をかく柔軟性がないように思えてなりません。
 「押さば引け、引けば押せ」は柔道の極意ですが、勝負事には何でも当てはまることだと思います。相手が研究してくれば、それに対処するのは当然ですが、それ以上に臨機応変に対応することが大事です。小野監督は準備段階でいろいろと考え、相手の出方に対する対策を考えているのでしょうが、しかし実際にゲームになってしまえば思ったとおりになるのは希です。むしろ予想に合わない事態になったときに、どのように対処するかが問われます。そこで正しく対応できるかどうか、は選手自身のゲームを読む力と経験によるところが大きいのだと思います。小野監督も監督としては1年目なので、思い通りに行かないことは多いでしょう。しかしそれ以上に、戸惑っているのは選手なのだと思います。これを打ち破るには、やはりチームと選手たち自身が成熟するしか無いのだと思います。相手の出方に応じて攻め方を変えるとか、敢えてバランスを崩してみるとか、引いてパスを回すだけで相手を走らせる時間帯を作るとか。そう言う嫌らしいサッカーができるようになることが、「広島包囲網」を打ち破るカギなのではないか、と思います。幸い、苦しい中でも失点は少なくなりましたし、新しい選手も出て来ています。チーム内の競争が激化して、良い流れはできつつあると思います。これから暑くなりますます苦しくなるかも知れませんが、ここはチームの力と自分たちのサッカーを信じて、この状況を打ち破って欲しいと思います。
<03.7.8> 6日から関東地方で行われているU-20代表合宿に選出されている茂木、高木、大久保の3人は元気に合流しているそうで、6日に行われた大宮との練習試合にも3人揃って出場していた模様です。先発メンバーはGK:岡本、DF:大久保、坪内、鈴木、MF:近藤祐、谷澤、工藤、高木、FW:宇野沢、茂木、矢野。U-20は前半に近藤祐、矢野のゴールで2点リードしたものの前半終了間際から後半7分までの間に3点取られて逆転を許し、そのまま敗れたとのこと。何でも37人招集されていたにも関わらず13人しかいなかったそうで、後半は大宮に圧倒されていたとのことです。
<03.7.7> サテライトのガンバ戦が昨日行われ、サンフレッチェは前半42分に先制したものの後半に逆転を許し、1-2で敗れました。サンフレッチェのメンバーは、GK:尾崎、DF:西嶋、吉弘、上村、佐田、MF:松下(→須田69分)、西村、沢田、FW:木村、高橋、松浦(→中山59分)。対するガンバは、GK:吉田、DF:井川、青木、入江、MF:ガレアーノ、松下、児玉、岡本(→小暮65分)、FW:嵜本、内林、吉原。サンフレッチェの得点は松下で、FKを直接決めたもの。ガンバの得点は後半20分の嵜本と24分の内林で、いずれも最近強化指定選手になった吉弘[皆実高]が付いてしていながら振り切られた、との噂です。また元ガンバユースの西村が「古巣」相手に頑張っていた、とのことです。
<03.7.7> 先日日本サッカー協会はU-18日本代表候補を発表し、サンフレッチェユースの高萩、高柳と皆実高の吉弘が選ばれましたが、佐藤、前田俊、青山[作陽高]は選出されませんでした。今回選ばれたのは初招集の選手15名を含む37人で、先日のヨーロッパ遠征のメンバーをベースに新戦力の発掘を意図しているものと思われます。このメンバーは7/12〜16にトレーニングを行い18名に絞り、「国際ユースサッカーIN新潟」(7/18〜21)に参加します。
<03.7.7> 一昨日行われた天皇杯広島県予選を兼ねた全広島サッカー選手権大会1回戦で、サンフレッチェ広島ユースは福山大と対戦し苦戦しましたが、前田俊のゴールで1-0で勝ちました。2回戦は7/21の11時から、中電坂グラウンドで広島大と対戦します。
【1回戦】
広島ユース 1-0 福山大
広島大   6-0 東広島四十雀
広島修道大 3-1 フジタSC
広島教員SC 2-1 県広島工高
広島経済大 8-0 JFE
マツダSC 3-1 福山平成大
広島工業大 3-2 如水館高
広島FC  4-2 広島FC

<03.7.6> 昨日甲府で行われたヴァンフォーレ戦は、前半41分の失点を最後まで取り返すことが出来ず今シーズン二度目の敗戦を喫しました。
 前節お休みしたサンパイオを先発に復帰させた以外は同じメンバーとしたサンフは、次のような布陣でスタートしました。
        下田

     八田   リカルド
駒野              服部
        森崎和

    桑原    サンパイオ
    (→高木45分)
         李(→茂木64分)

     大木   マルセロ

SUB:林、上村、梅田
 対する甲府は、GK:阿部、DF:アライール、池端、青葉、奈須、MF:外池、倉貫(→山本72分)、水越(→土橋81分)、石原(→須藤89分)、FW:藤田、小倉。地元新聞社の提唱による「1万人動員作戦」によってスタンドが青く染まったスタンドでしたが、立ち上がりにペースを握ったのはサンフでした。サイドへの長いボールを有効に使って相手のDFラインの裏を突き、前半5分には駒野のハイクロスで抜け出した大木が緩いシュートを放ちましたが、惜しくもDFがクリア。その直後には服部がドリブルでペナルティエリア深くまで突破してGKの股抜きのシュートを狙いますがこれもクリアされます。更に右からの駒野のクロスに大木がヘディングで合わせて地面に叩きつけましたが、これは大きく跳ねて枠を外れます。対する甲府は精度の無いロングボールを蹴るのが精一杯。序盤はサンフが首位らしいサッカーで好守に圧倒しましたが、しかし15分を過ぎた頃から足がパタッと止まってしまいます。トラップミス、パスミス、判断ミスが増えてボールをうまくつなげなくなり、甲府が息を吹き返します。サンフは相手のペースに合わせて漫然とプレーしているような感じで、前半は0-0でも仕方がないと思っているようだった展開でしたが、しかしサッカーはそう甘くはありませんでした。前半41分、八田のパスを駒野がリカルドへバックパス。プレスがかかっていたため前に蹴り出しましたが、しかしこれは相手選手の真正面で、すぐに前線に張っていた藤田に通されます。前懸かりになろうとしていた森崎和が慌てて戻ろうとしますが、しかしペナルティエリア前で足を滑らせてしまいます。これでフリーになった藤田が余裕でシュート。DFの判断ミスとデコボコのピッチに足を取られるという不運が重なり、やらずもがなの一点を失ってしまいました。これで一気に元気になった甲府。逆に落ち着きを失ったサンフは、直後にまたもやリカルドのパスミスから大ピンチを迎えましたがこれは何とか凌いで、後半に逆転を狙うことになりました。
 後半立ち上がりから高木を投入して中盤を活性化させようとしたサンフでしたが、交代で下がったのはミスが目立った選手ではなく桑原。そのせいかどうかは分かりませんが、逆に中盤で甲府にボールを回されるようになってむしろピンチが増えます。甲府の選手はホームの大声援と手拍子に押されるように活発に動き、集中力高くサンフに食らいついてきます。完全に足が止まって受け身になったサンフは、不正確なロングボールを放り込むばかりで全く可能性の無い攻撃に終始します。後半19分、ようやく小野監督は李に代えて茂木を投入。これによりやっと前線の動きが出てきて、何とか甲府のゴールをこじ開けようとします。しかし後半28分の茂木のクロスに合わせた高木のシュートは大きく外れていき、41分の駒野のFKはGKに弾かれます。終盤にはサンパイオをゴール前に上げ、力攻めで何とか同点に追いつこうとしますが、甲府DFの集中力は途切れず崩しきる事ができません。結局その後は有効な手を打つことも無く、1点差で逃げ切られてしまいました。
 このゲームの敗因を挙げるとすれば、いろいろあるでしょう。アウェイ二連戦で疲れが取れなかったのは確かでしょうし、見るからに悪いピッチでパスに微妙なズレがあったのかもしれません。しかし、それよりも問題だと思うのは、チーム全体から覇気と余裕が感じられなかったことです。久々のホームでの勝利に燃える甲府の闘志を、はね返す事ができなかったことです。どんなチームでも、不調な時はあるものです。特に暑い時期にコンディションが上がらないのは苦しいものです。しかし、それは基本的には相手も同じはず。甲府だってずっとホームで勝てずにいたわけで、観衆の声援も逆にプレッシャーになっていたはずです。その上こちらは首位チーム。個々人の技術だって上のはずです。もっと状況に応じたサッカーを展開して相手の焦りを呼ぶとか、あるいは普段やらないような事にチャレンジして意表を突く、等の余裕があって良いはずです。そして何よりも、相手に負けないぐらいの気迫を見せて、甲府のファンにもJ1を目指すチームの勢いを見せなければならないはずです。何度も書くように、サンフレッチェは若いチームです。しかしそれでも既に22試合戦って、かなりの経験を積んで来てもいるはずで、それなりの経験と自信はついて来ているはずです。選手はこれから4日間休んで、美作でリフレッシュを兼ねたトレーニングを行うそうですが、そこで自分たちをよく見つめて、苦しいときにどうすべきなのかを考えて欲しいと思います。そしてもう一度自分たちのやるべきことを明確にして、自信と強い気持ちを持って第3クールに臨んで欲しいと思います。
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