8/31〜9/6のSANFRECCE Diary


<03.9.6> 広島フットボールによると、今日の先発は前節と同様となる模様です。また、控えメンバーは林、高木、大木、茂木、眞中と攻撃的な選手ばかりになる可能性が高く、点を取って勝とう、と言う意思が感じられます。好調の甲府は手ごわい相手ですが、怖れずしっかりと戦って、札幌戦のムードを持続して欲しいと思います。
 今日の試合会場は広島ビッグアーチで、午後6時半キックオフ。第一球技場でU-10のサンフレッチェカップが行われるほか、ビッグアーチ正面では三次どんちゃん(って、何だろう?)、八田、佐田による選手サイン会(4時半から100名様に整理券配布)、選手とハイタッチ(5時から先着100名の小学生に整理券配布)等が行われます。またテレビ放送はスカパー183chで生放送の予定です。
<03.9.5> 札幌に勝って意気上がるサンフの明日の相手は現在勝ち点48、4位のヴァンフォーレ甲府です。
 第二クールまではメンバーが固まらず中位にいた甲府でしたが、リーグが進むに従って徐々にまとまりを見せ、第3クールの成績は5勝3分け1敗と、サンフの倍の勝ち点を稼いでいます。
23節H △0-0福岡
24節A ○2-1水戸  【甲】藤田、ジョルジーニョ、【水】トゥーリオ
25節H ○2-0鳥栖  【鳥】水越、石原
26節A ●1-4川崎F 【甲】外池、【川】ホベルッチ、伊藤、ジュニーニョ、今野
27節H ○2-1山形  【甲】石原、須藤、【山】中村
28節H △1-1札幌  【甲】水越、【札】堀井
29節A ○2-1横浜FC 【甲】藤田、OG、【横】横山
30節H ○2-1新潟  【甲】小倉、水越、【新】上野
31節A △0-0大宮
この間の甲府の安定した戦いぶりは、メンバーの固定によるところが大きいのではないでしょうか。GK:阿部、DF:アライール、池端(奈須)、仲田、青葉、MF:倉貫、外池、水越、石原、FW:藤田、小倉、と言う布陣は、第三クールに入ってからほぼ不動。サンフは第二クールの最終節で甲府と対戦しましたが、このメンバー相手に前半41分に先制点を許し、その後もゲームを支配されて今季2度目の敗戦を喫しました。これで自信をつけたのかその後順調に勝ち点を積み重ねた甲府は、前々節には首位の新潟と堂々と渡り合って勝利しています。甲府は開幕から順調に成長してきた、ある意味J2を象徴するチームの一つだと言って良いかもしれません。
 それに対して前回の対戦以降ずっと迷走してきたサンフですが、札幌戦の勝利でようやくトンネルの出口が見えてきた、というところ。どこが相手でも油断できないのはもちろんですが、しかしアウェイで良い内容で勝てたということでかなり自信が戻ってきたのではないか、と思われます。この自信を本物に出来るかどうかは、明日と来週のホーム2連戦で決まる、と言って良いでしょう。メンバーですが、「ウィニングチーム・ネバーチェンジ」の法則に従い、前節と同じで行く可能性が高いと思われます。
       下田

   井川 リカルド 上村

松下            服部
   森崎和  サンパイオ

       森崎浩

  中山       マルセロ

SUB:林、高木、高萩、大木、眞中
 涼しい札幌から残暑の広島への長距離移動、その上中二日と厳しい日程ではありますが、甲府はもっときつい日程(松本→大宮→広島)で乗り込んで来ます。ボールへの寄せを厳しくすること、ルーズボールへの一歩目を早くすること、走り負けないこと。そう言う「サッカーの基本」をもう一度チーム全員で確認して、90分間を戦い抜いて欲しいと思います。
<03.9.4> 昨日の札幌戦は、サンフが終始積極的な戦いを見せて2-1で勝ちました。
 J1昇格のために負けるわけにはいかないサンフは、松下、中山を先発に起用して次のような布陣だったそうです。
       下田

   井川 リカルド 上村

松下            服部
   森崎和  サンパイオ

       森崎浩

  中山       マルセロ
  (→松浦63分→眞中81分)

SUB:林、高木、高萩
 対する札幌は、今野をセンターバックに起用してGK:藤ヶ谷、DF:岡田(→酒井85分)、曽田、今野(→新居85分)、和波、MF:森下、ウリダ、ビタウ(→吉川55分)、砂川、FW:堀井、アンドラジーニャ。小野監督は試合前、戦術の話は簡単に済ませて「J2降格を決めたこの札幌の地で、負けてJ2残留への道を進むのか、勝ってJ1復帰に立ち上がるのか。それを決めるのは、我々自身だ」とカツを入れて選手をピッチに送り出した(広島フットボール)そうですが、その言葉通りに選手達は高い集中力と豊富な運動量でゲームを支配したそうです。相手のロングボールには2試合目となる3バックがきっちりと対応し、初めて2トップを組んだマルセロ、中山は積極的に動き回り、相手にプレッシャーをかけ続けたとのこと。前半36分にはマルセロが左サイドの高い位置に進出した服部とのワンツーで、一気に加速してDFラインの裏に抜け出します。そしてGKと1対1になると躊躇なくニアサイドに叩き込みました。更に後半1分、右サイドの高い位置でボールを持った森崎和が、思いきってグラウンダーのミドルシュートを放ちます。これはいったんは藤ヶ谷が弾きましたが、ここに詰めていた中山が今野ともつれ合うように押し込んで、嬉しいプロ初ゴール。その直後にセットプレーから曽田にヘディングシュートを決められてしまいましたが、その後は危ういシーンもほとんどなく逃げきりました。
 選手を入れ替え、戦術を変え、システムを変更し、あの手この手でチームの立て直しを図っていた小野監督ですが、これまでめぼしい効果は上がっていませんでした。が、これに加えて「戦う気持ち」を注入したことで、ようやくチーム全体が同じベクトルをむいて戦えるようになったのではないか、と思います。これで本当にJ1昇格に向けての再スタートを切ったと言えるのか、と言うとそれは次のゲームを見ないと分からないと思いますが、少なくとも苦手としていたアウェイで良い内容で勝てた、と言うことは高く評価して良いでしょう。この戦う気持ちを忘れなければ、目標のJ1昇格は必ずものにできるはず。まずは次のゲームに集中して、ここで得た勢いを本物にして欲しいと思います。
<03.9.3> 広島フットボールなどの情報によると、試合間隔が詰まっていることを考えて前節のメンバーから3人を入れ替えて札幌に遠征しているとのことです。その中の一人は、福岡戦以来のベンチ入りとなる松下。サテライトではずっと好調を維持しているとのことで、特に得意のFKの精度がますます高くなっているとのこと。先発出場するのか途中からになるのかは分かりませんが、得点力不足のチームに強力な武器が加わることになります。今日の試合会場の厚別はサンフにとってはあまり良い思い出のない場所ですが、森崎浩によると札幌は「僕にとっては相性は悪くない」とのこと。今日は新潟と川崎が直接対決で潰し合うので、何としてでも勝って差を詰めて欲しいものです。
 テレビ放送ですが、スカパーch184で生中継の予定です。私は仕事のためテレビもネットでの速報も見れないので、心の中で勝利を祈りたいと思います。
<03.9.2> 2位川崎との勝ち点差は2。いよいよ崖っぷちに近づきつつあるサンフの明日の対戦相手は札幌です。
 昨年サンフと一緒にJ1から降格した札幌の今年の目標は、もちろんJ1昇格。鹿島、名古屋で豊富な経験を持つジョアン・カルロスを監督に迎え、ウィル、ホベルッチらを補強して迎えた今年のシーズンでしたが、開幕からずっと中位から抜け出すことが出来ず、現在の成績は9勝11分け10敗の勝ち点38で7位。外国人選手の総入れ換えもあまり有効な手とはならず、8/5にはジョアン・カルロスはチームを投げ出してしまいました。札幌フロントは仕方なく?昨年も指揮を執った張外龍コーチを監督に据え、最後の立て直しを図ってきました。そして張監督就任直後の27節川崎戦は「気持ち」の見えるプレーで引き分けに持込み、チーム復活の予感を感じさせました。が、次の甲府戦にも引き分けるとその後は急降下。福岡、大宮にいいところなく連敗しています。第3クールの成績は、
23節A ○2-0湘南  【札】堀井、ビタウ
24節A ●1-2山形  【札】アンドラジーニャ、【山】小久保、大島
25節H △2-2横浜FC 【札】佐藤尽、ビタウ、【横】城2
26節A ●1-5新潟  【札】OG、【新】船越、マルクス4
27節H △1-1川崎F 【札】アンドラジーニャ、【川】アウグスト
28節A △1-1甲府  【札】堀井、【甲】水越
29節H ●1-2福岡  【札】堀井、【福】福嶋2
30節A ●0-3大宮  【宮】木谷、バレー、トニーニョ
で、1勝3分け4敗はサンフと全く同じ。むしろ7/19の23節以来全く勝てていないことを考えれば、サンフよりも状態が悪いと言って間違いないでしょう。予想メンバーは、GK:藤ヶ谷、DF:川口、佐藤尽、曽田、MF:森下、ビタウ、今野、ウリダ、砂川、FW:堀井、アンドラジーニャ。目標を失いつつある相手ではありますが、むざむざ広島には負けない、とモティベーションを上げてくるのは確かだと思われます。いつも書くことではありますが、気持ちで負けないことが何よりも重要です。
 対するサンフですが、アウェイでは第21節の水戸戦以来勝てていないのが不安材料です。特に札幌でのゲームではいつも広島との気温差に悩まされて、調整の失敗から内容のない戦いをすることが多かったように思います。ただ、ここに来てそんな「言い訳」は必要ない。いかに戦う気持ちを前面に出して、勝ちに執着するかと言う問題でしょう。メンバーについては内転筋痛のサンパイオ、前節怪我で退場した眞中の状態が心配ですが、彼らの誰にも負けない気持ちに期待したいと思います。
       下田

     井川  上村
リカルド          服部

      サンパイオ
    高萩    森崎和

       森崎浩

  大木        眞中

SUB:林、桑原、マルセロ、松浦、中山
 水戸戦ではDFラインの裏を取られることを気にして急造3バックで臨みましたが、逆にコンビネーションの悪さを突かれて失点しました。そのシステムの熟成を図るのか、それとも元に戻すのかは分かりませんが、いずれにせよ動き出しを早くして球際で粘ることが何よりも重要です。慎重に行っても大胆に行っても勝つときは勝つし負けるときは負ける。そう言うつもりで、悔いの残らないような思いきったプレーを見せて欲しいと思います。
<03.9.1> 昨日広島広域公園第一球技場で行われた全広島サッカー選手権の決勝で、サンフレッチェ広島ユースは広島経済大を圧倒して10-2で快勝。2年連続の天皇杯出場を決めました。
 サンフレッチェユースの先発メンバーは、次のような感じでした。
         佐藤昭大

森脇良太  中野桂介  藤井大輔  吉村修平

      前田和之  田坂祐介

    西山貴永      桑田慎一郎

     馬屋原佳明  田村祐基
 怪我でリタイア中の前田俊介、前日トップのゲームに出た高萩洋次郎、サテライトに駆り出された高柳一誠。U-17代表の主力選手を3人も欠いた(高柳はベンチには入っていた)ユースでしたが、「ウチは選手層が厚いので、誰が出てもいいプレイができる」(馬屋原)と言う言葉の通り躍動します。立ち上がりの5分ほどはやや押され気味でしたが、前半10分に西山の右からのクロスをファーで待ちかまえていた馬屋原が蹴り込んで先制すると、その後は完全なユースのペース。13分には前田和のロングパスに抜け出した田村がDF、GKと競り合いながらループシュートを決め、28分には吉村の左からのクロスに馬屋原が頭で合わせて3点目。34分には今度は右からの森脇のクロスにまたもや馬屋原が頭で合わせて前半でハットトリックを達成します。確かな技術と前線からの献身的な守備、そして後ろからの思い切った上がり。本来フィジカルで勝るはずの大学生に当たり負けることもなく、思い通りのサッカーを展開したユースが前半だけでシュート18本を放ち(広経大は1本)、得点だけでなく内容的にも圧倒して前半を折り返しました。
 大量リードを奪うとえてしてゲームが弛緩してしまうものですが、森山監督が作り上げたチームは「とにかく最初の10分間が勝負だ」(ハーフタイムコメント)と言う言葉通り、全く手を抜くことなく猛攻を仕掛けます。後半1分には桑田のクロスを田村が右足でのシュートを突き刺し、5分には田坂のふわっとしたクロスにDFとGKの間の狭いスペースに入り込んだ馬屋原がバックヘッドでゴールに流し込みます。その1分後には吉村の左からのクロスを桑田がダイレクトで叩き込み、10分には右からドリブルで持ち込んだ森脇が豪快にミドルシュートを決めて、何と「最初の10分」で4点をゲットし、勝負を決定づけました。広経大は前日の疲れが残っていたのかやや動きが重かったのですが、これで気持ちが切れてしまった感じ。後半18分には右からの森脇のクロスをDFの選手がオウンゴールをしてしまいます。更に後半27分には右サイド深い位置からの森脇のクロスがGKの手の上を越え、ここに飛び込んだ田坂がつま先で押し込んで10点目。その後も選手を次々と入れ替えながら広経大を圧倒し続けて、72分間で2桁得点を達成しました。
 しかしその後、メンバーの入れ替えと疲れによりできた隙を突かれてしまいます。広経大は後半31分に左からのCKに合わせたFW三山(サンフレッチェユース出身)が頭で合わせて1点を返すと、その後も運動量が落ちた両サイドを攻めて何度かチャンスを作ります。終了間際には再び三山がダイビングヘッドで押し込んで2点目。広経大が最後にファイナリストの意地を見せましたが、しかし大勢に影響はなくユースが10-2で2年連続優勝を果たしました。
 先日のクラブユース選手権に続く優勝で今や「史上最強」と言ってもよいユースですが、広経大との実力差がそれほどあったか、と言うとそんなことはないと思います。広経大は2得点の三山以外にも技術がしっかりした選手も多く、フィジカルの優位を生かせばもっと苦しい戦いになる可能性は十分にあったと思います。実際、立ち上がりの数分間は攻め込まれるシーンも多く、思い通りに行かない雰囲気もありました。しかし、それがなぜこんな結果になったかというとユースの「勢い」、そして「自信」が大きかったのではないか、と思います。今年のユースは、チームの立ち上げ当初から練習試合で強豪を破るなど強さの予感を感じさせていましたが、高萩、高柳だけでなく佐藤昭、森脇ら主力が次々とトップチームに呼ばれるなど苦しい中でのチーム作りを余儀なくされていました。しかし不在の選手の穴は1年生を含めた全員でカバーし、1つも手を抜くことなく戦い抜きました。その結果、今年の公式戦(プリンスリーグ、クラブユース、全広島選手権)で一度も負けることなくここまで来ています。自分たちが苦しさを乗り越えて結果を出してきたという自信が、このチームを支えているのは間違いないでしょう。そして大差が付いても更に勢いを保ったまま攻め続けたのは、監督の意識付けのおかげでしょう。おそらくはそう言う場面で手を抜く選手に厳しく接して、決して許さない指導をしているからだと思われます。監督になってまだ2年目、C級ライセンスしか持っていない(らしい)森山監督ですが、指導者としての素晴らしい資質を示しつつあると言ってよいのではないでしょうか。
 9月中旬からは、高校年代のチャンピオンを決める最も重要な大会である高円宮杯が行われます。この大会に森山監督は、「高校のチームとも戦える一番こだわりたい大会ですが、そこには高萩はいないもの、と思っています...また、高柳もトップにあがってほしいし、彼らがいなくても日本一になろう、ということで戦っていきたい」(広島フットボール)と語っています。その意気込みとチーム全体の統一した意思があれば、きっと更に上に行けるのではないでしょうか。ユースの今後の戦いと、選手達の成長に注目し続けたいと思います。
<03.8.31> 昨日のJ2リーグ第30節水戸戦は、前半23分の失点をなかなか取り返すことができず後半ロスタイムに追いつくのがやっと。またもや勝ちきることができずに終りました。
 新潟戦の敗戦から何とか立ち直りたいサンフは、先週から練習に合流した井川と高萩をいきなり先発で起用。また内転筋を傷めたサンパイオを先発から外し、次のような布陣でスタートしました。
       下田

  リカルド 井川  上村

高萩(→サンパイオ63分) 服部
    森崎和   李(→マルセロ53分)

       森崎浩

   大木      眞中(→茂木81分)

SUB:林、松浦
 対する水戸は、GK:本間、DF:木沢(→小川83分)、トゥーリオ、森、冨田、MF:秦、鳥羽(退場68分)、栗田、小池(→磯崎69分)、樹森、FW:北川(→金子76分)。大宮戦以来の3バックを採用したサンフは、DFラインの裏に抜け出されることを警戒してゾーンを低めに設定してスタートします。しかし攻めに入ったときの押し上げが遅く、その上森崎浩が相手のDFラインの近くに張ることが多かったため中盤が空いてしまい、うまくボールを動かすことができません。仕方なくロングボールでラインの裏を狙うものの、微妙にタイミングが合わずオフサイドの山を築きます。また急造3バックの守備も不安定で、DFとMFの間のバイタルエリアで相手を捕まえきれずに水戸の攻勢を許します。15分にゴール前に上げられたクロスを樹森がフリーでヘディングしたシーンは下田ががっちりとキャッチしたものの、23分には北川にロングシュートを決められて先制点を許してしまいます。早い時間帯に同点に追いつきたいサンフはその気持ちが空回りしたか動きが鈍く、また相手エリア内での判断も悪くなかなかシュートにも行けません。前半のシュートは41分にロングクロスに大木が頭で合わせたシーン以外は、ミドルシュートが数本あっただけ。ラインを高めに設定してきた水戸のDFラインの裏を突くこともなく、ハーフタイムの笛とともにスタンドからはブーイングが沸き起こりました。
 後半、小野監督は選手交代は行わずにリカルドを右SBに回して4バックにシステムチェンジ。高萩と李を左右のMFにして打開を図ります。しかし高萩とリカルドがスペースを消しあうことが多く、また水戸が引いて守り始めたこともあってなかなか崩すことができません。後半8分にはマルセロを入れ、その10分後にはサンパイオも投入して攻めるサンフレッチェ。水戸をほぼ一方的に攻めたてますが、ゴール前にできた白い人垣を崩すことができません。後半23分には2枚目のイエローを貰った鳥羽が退場し数的優位になりますが、攻めをほぼ完全に放棄した水戸が守りに守ります。終盤はサンパイオをFWの位置に上げてひたすらロングボールを蹴り込み、何とか1点を取ろうとします。これがようやく結実したのは、もうロスタイムに入ろうかという時間帯でした。井川が蹴ったロングボールを大木がつないでマルセロへ。マルセロは丁寧に左サイドのスペースにボールを流します。ここに走り込んだサンパイオが冷静に左足でシュートを決め、何とか勝ち点1を拾うことができました
 この日、ビッグアーチの入場者は7,982人。キックオフ時間の前後から猛烈な雨が降るという生憎の天候ながら、これだけ集まったのはただサンフレッチェの勝利を見たいからでした。しかし、ピッチ上に展開されたサッカーはとてもその思いに応えられるものではなかった、と思います。ボールへの寄せ、相手に対する厳しいプレッシャー、ルーズボールへの反応の遅さ、そしてコンビネーションの悪さ。ここぞ、と言う場面でシュートではなくパスを選択し、相手にボールを奪われる。勝ちたいという気持ちがないとは思いませんが、逆にその思いが精神的な重圧になってそれに押しつぶされてしまっているように思います。水戸の前田監督は試合後の記者会見で「やっているサッカーの質は高いけど、一人一人が自信をなくしている。逃げ腰になっている」と語っていたそうですが、まさにその通り。失敗を怖れ、気持ちが縮こまってしまうからまた失敗する、と言う悪循環に陥っていて抜け出せないとしか言いようがありません。誰が悪いとかシステムが悪いとか戦術が悪いとか、そう言う具体的な問題ではなく心の中の問題であるというところに、今サンフが陥っている状況の深刻さがあると言ってよいでしょう。
 ここから抜け出すにはどうしたら良いか。それは、ありきたりですが選手個々が強い気持ちを持って戦うことしかない、と思います。心の中に巣くう弱気の虫を克服して、チャレンジする気持ちを思いだすしかない、と思います。明日がある、次に勝てばよいなどという考えを捨てて、今のゲーム、今の瞬間に全力を尽くすことでしかないと思います。昨日のゲームでポジティブな面を探すとすれば、どうしても追いつかなければならない場面で同点にすることができた、と言う点でしょう。引いて守る相手に力で勝負を仕掛けて、何とか追いついたということでしょう。相手がスペースを与えてくれたこと、退場者が出たという要因もありましたが、少なくとも後半の後半はボールを支配して相手ゴールに向かって攻め込むことができました。何としても点を取りたいという気持ちを見せることができました。前半から何度も無駄走りを繰り返していた眞中は、足を痛めて交代せざるを得なくなった時にも、戦う気持ちだけはピッチの中に残しているようにしてゆっくりとベンチに戻っていきました。足を痛めて90分プレーするのは無理だったサンパイオは、群がる相手DFを相手に一歩も引かずに戦って、同点ゴールを決めました。リーグ戦2試合目の井川は、最後尾で身体を張ってカウンター攻撃を阻止しました。チーム全体としてはまだまだネガティブな雰囲気に支配されているサンフですが、これらの選手達の「気持ち」がある限りまだ諦めることはないと思います。良い意味での「開き直り」(個人的にはこの言葉はあまり好きではないのですが...)ができれば、もう一度チームとして戦うことができると思います。サンフレッチェがなぜJ2に降格したのか、と言うとそれは戦う気持ちを失い、チームがばらばらになってしまったからです。しかしそれでも我々が未来を信じることができたのは、終盤の鹿島戦や柏戦で気持ちのこもったプレーを見せてくれたからなのです。選手達にはもう一度あの時の苦しみを思い出して、そしてこの危機を乗り切って欲しいと思います。
<03.8.31> 昨日行われたJFL大塚FCとサテライトとの練習試合は、17分に松下、77分に木村のゴールで2-0で勝ちました。メンバーは、GK:尾崎、DF:高柳(→西嶋77分)、八田、大久保、佐田、MF:桑原(→木村70分)、松下、高木、FW:西村(→須田75分)、山形(→田中75分)、高橋でした。
<03.8.31> 昨日天皇杯の広島県予選を兼ねた全広島サッカー選手権準決勝を戦ったサンフレッチェ広島ユースは、引いて守る広島修道大に苦戦しながらも前半36分に西山がゴールを決め、1-0で勝って決勝に進出しました。決勝は今日の1時から広島広域公園第一球技場で、相手は広島FCに3-2で勝った広島経済大。この模様はNHK広島放送局が生中継します。
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