9/14〜9/20のSANFRECCE Diary


<03.9.20> 広島フットボールと中国新聞によると、今日の横浜戦で森崎和の代役を務めるのは李漢宰となるようです。また久々に西村がベンチ入りするとのこと。遠征から戻ったばかりの森崎浩やプロ入りして初めてレギュラーとして出場している中山に疲れが溜まっているらしく不安材料はいろいろとありますが、「全部の試合が決勝戦」(サンパイオ)と言うつもりで、まずは気持ちで負けないように戦ってほしいと思います。
 今日の試合会場は江東区の夢の島競技場で、午後2時キックオフ。今日は雨が予想されていますので、観戦される方は雨具の用意をお忘れなく。テレビはスカパーのch183で生中継の予定となっています。
<03.9.20> 日本サッカー協会は昨日天皇杯の組み合わせを発表し、サンフレッチェの初戦(11/30)の相手は関西学院大学(姫路)に決まりました。また2回戦は山口教員と金沢SCの勝者(広島スタジアム)と、そして3回戦は京都サンガ(西京極)との対戦で、更に勝ち進むと4回戦は横浜Fマリノス(長崎)、準々決勝は鹿島か柏との対戦が予想されます。一方、広島県代表として天皇杯に出場するサンフレッチェ広島ユースは1回戦で水戸ホーリーホックと対戦します。(ただし高円宮杯で優勝すると、ザスパ草津との対戦になる。)森山監督は「勝ち進んでプロを相手に力を試したい」と言っていましたが、いきなりJ2との対戦でどれだけの力が出せるか非常に楽しみです。このゲームは福山で行われる予定ですので、サンフレッチェのファン・サポーターとしては福山に行くか姫路に行くか少々迷うことになるかもしれません。
<03.9.19> J1昇格に向けての「勝負の第4クール」が、明日のアウェイ横浜戦から始まります。ここまで7勝11分け15敗の横浜FCは現在11位。得点36は下位グループの中では少ない方ではありませんが、失点65はリーグ最多。プレッシングサッカーを目標にしてチーム作りをしてきた横浜ですが、あまりうまく行っていないと言うのが正直なところでしょう。また警告88、退場12はいずれもリーグワーストで、ここのところ出場停止からベストメンバーが組めない試合が続いています。第3クールの戦績は次の通り。
23A △3-3川崎F 【横】小野信、眞中、大久保、【川】ジュニーニョ、アウグスト2
24H ●0-3大宮  【宮】黒崎、バレー、安藤
25A △2-2札幌  【横】城2、【札】佐藤尽、ビタウ
26A ○2-1山形  【横】ルディ、横山、【山】中村
27H ○3-1鳥栖  【横】臼井、マシュー、城、【鳥】宮川
28A ●0-3広島  【広】大木、森崎浩、マルセロ
29H ●1-2甲府  【横】横山、【甲】藤田、OG
30A △1-1福岡  【横】レーマン、【福】原田
31H ○1-0湘南  【横】大久保
32A △0-0水戸
33H ●1-7新潟  【横】横山、【新】宮沢2、マルクス4、鈴木健
 この3勝4分け4敗と言う成績は決して悪い成績ではなく(因みにサンフは4勝3分け4敗)、厳しい練習環境やメンバーが揃わない状況などを考えると決して不調だとは言えません。前節は新潟に対して大敗しましたが、これは失点して前懸かりになって更に追加点を奪われ、集中力を切らせてしまったことによるもの。横浜はこれまでも何度か大量失点を繰り返してきたものの、その度に何とか立て直して来ています。次節はGK菅野と中盤の要の小野信が出場停止ですが、もう一人の要のマシューが戻ってきます。予想メンバーは、GK:水原、DF:山尾、ルディ、眞中、MF:臼井、重田、マシュー、横山、内田、FW:城、レーマン。サンフは横浜との対戦は3回とも勝っていますが、第2クールのアウェイ戦ではなかなか点が取れずに大苦戦(終了間際のマルセロのゴールでやっと勝った)しただけに、早めの時間帯に点を取って楽にゲームを進めたいものです。
 一方このところ3連勝でようやく勢いに乗ってきたサンフですが、今節は森崎和が累積警告で出場停止。「代役」として起用されるのが誰になるかが問題です。
       下田

   井川 リカルド 上村

松下            服部
    李   サンパイオ

       森崎浩

     中山 マルセロ

SUB:林、八田、高萩、眞中、大木
 広島フットボールなどによると、練習では高萩、李らがボランチとして使われていたとのこと。李はややミスが目立っていたらしく好パスを連発していた高萩を先発で使う可能性もありそうですが、久々の昼間のゲームであること、3日後に新潟戦を控えていることを考えると、サンパイオの負担を出来るだけ減らしたいところ。第27節以降ポジションを失い久々に先発した水戸戦でも途中交代させられた李ですが、広島フットボールによると精神的な問題が大きかったそうでその点は克服しつつあるとのこと。彼のアグレッシブなプレーに期待したいところです。次の新潟戦が気になるところですが、油断したらやられるというのは今年何度も体験していることです。まずは目の前の相手に集中して、確実に勝ち点3を取って帰って来て欲しいものです。
<03.9.18> 昨日ソウルで行われたU-22代表の韓国戦は、前半にセットプレーから2失点。後半1点を返したものの追いつく事ができず、1-2で敗れました。このゲーム、私は後半5分ぐらいからしか見れなかったのですが、途中までは目を覆うばかりの内容でした。2点のビハインドだったにも関わらず攻め切る事ができず、前線に入ったボールを簡単に奪われて速攻から何度も良い形を作られていました。この試合はメンバーを大きく入れ替え、特に3バックは初めて那須をセンターにした布陣でしたが、ラインが深い弱点は相変わらず。中盤の広大なスペースを韓国に自由に使われ、これをボランチの2人だけでは埋めることができず前線の選手たちが戻って守備に参加せざるをえない、と言うパターンが多かったように思います。DFのメンバーを変えたこと、前線を「1トップ2シャドウ」にしたことなど山本監督はいろいろと変えて何とか閉塞状況を打開したいと思っているようですが、どれもほとんどうまく行っていないように思えます。ただ後半の後半、1点を奪った前後あたりから終了まではなかなか良いサッカーを見せてくれていました。日本が中盤のビルドアップから波状攻撃を仕掛け、ホームの韓国が必死でリードを守ろうとする、と言う状況はこれまでの日韓戦のパターンからすればなかなか見られないもの。大久保、松井らマスコミ受けするスター選手が下がった後に好パフォーマンスが見られたというところに、今後に向けてのヒントがあるのかもしれません。アジア最終予選まであと半年。山本監督はここで判断を誤れば予選突破の可能性は低いのではないか、と言わざるを得ません。
 ところでサンフレッチェから代表に選出された選手のうち、森崎和は先発フル出場。また森崎浩は後半11分からの出場で、林は出番がありませんでした。この中では、特に森崎浩のプレーが目を引きました。後半38分に右サイドの角度の浅いところから放ったミドルシュートは非常に惜しいもので、高松のゴールと合わせてチームメイトを元気づけ、チームの勢いを加速させたと思います。またセットプレーもほとんど全てを蹴る(監督の指示だったそうですが)など全体的に積極的なプレーが目立ち、出来はまずまずだったと言って良いのではないでしょうか。ただ、インタビュー記事によると「今日は自分自身、得点に絡むプレーをやりたかったけれど、うまくいかなかった」と反省の言葉ばかり。その考え方は非常に良いと思いますし、今後も彼の明るさと攻撃的な姿勢でチームの雰囲気を変える働きをして欲しいものです。一方の森崎和は試合後のインタビューで、「チーム全体として、もっと自信を持ってやれば、ボールをつなげられると思う」と語っています。これはサンフが勝てずに苦しんでいる時とほとんど同じ。すなわち彼は「チームと選手の力が劣っているわけではない。気持ちで負けているのが敗因だ」と言っているのではないかと思います。この日の森崎和は中盤でボールを奪われるシーンが何度かあり、また最終ラインに入って守備に忙殺されるシーンも多かったようですが、全体的には何とか中盤でボールを落ち着かせて攻撃を構築しようと頑張っていたように思います。サンフでは彼がどれだけ攻撃に絡めるかがチームの調子を測るバロメーターになっていますが、それはおそらく代表でも同じです。監督に本当に信頼されているのかどうか良く分からないところはあるものの、自分こそがチームを立て直す、と言うつもりで頑張ってほしいと思います。
<03.9.17> サンフレッチェは9/23の新潟戦で「ビッグアーチを紫の大声援でうめよう!」と言う企画を行っていますが、その第3弾は「広島民放4局のアナウンサー競演による新潟戦試合告知のための特別CM企画」だそうです。中国放送の吉田千尋アナ、広島テレビの森拓磨アナ、広島ホームテレビの荒谷知穂アナ、テレビ新広島の石井百恵アナが協力して作成した特別版のCMで、噂によるとサンチェ君が滝に打たれるシーンもあるとのことです。
<03.9.16> 先週発売の紫熊倶楽部10月号(Vol.68)は、札幌戦のゴール後?に抱き合って喜ぶ中山とマルセロが表紙です。最初の記事はサンパイオのインタビュー。「世界最高峰のトーナメントで、世界で最もプレッシャーの厳しいチームの一員として」プレーし、ファイナリストになったサンパイオは、これまでサンフとは比べ物にならないほど苦しい状況を経験して来ています。80%が「食べるものもない。学校にも行けない。服もない」なかから這い上がって来ていると言うブラジル人にとっては、苦しい時期に「頑張ろう」と言う気持ちになるのは当然のこと。それに対して、黙っていても普通の生活が出来る日本人が苦しい状況を乗り越えられるようになるためには、経験が必要だと言います。そして「絶対に勝つんだ」と言う気持ちが必要だ、とも。「プロとしてのあり方、プロとしての矜持、プロとしての人生」を知るサンパイオ。彼から学ぶことによってこそ、サンフはこの戦いを乗り越えて本当に強いチームに成長できるのではないでしょうか。
 これに続くのは、8月中旬に合流した眞中がチームに与えた影響について解明する「眞中靖夫効果〜『戦う』ということ」と言う記事です。福岡戦でぶざまな敗戦を喫してもうどこにも勝てそうにないような泥沼的な状況だったサンフに来た男、眞中靖夫。彼は合流してすぐに練習に参加して、「戦う気持ち」を見せてチームの雰囲気を変えました。横浜戦ではそれが3得点に結実したものの、新潟戦、水戸戦ではまたもやチームは落ち込んでしまいました。だから一見、「眞中効果」は1試合しかなかったように見えますが、しかし実際にはそうではなかったと言います。札幌戦以降に3連勝できたのは、チーム全体が戦う気持ちを持つ事ができたから。眞中が初めてスタメン落ちした札幌戦で「選手達は意識・無意識に関わらず、眞中のプレイをイメージしていた」からこそ、チーム全体で閉塞感を打開できたのです。そして「この刺激をチームのものとし、勢いを本物としたい。それをやれるかどうか、それは選手諸君、君たちの気持ち次第だ」と訴えています。
 今月の選手を取り上げるコラムは2本。今年の新人を紹介する「SAMURAI GENERATION」で、高木、大久保の2人を取り上げています。福岡戦で頭を打ってから記憶のないままにプレーしていた高木。試合に出ることも出来ない大久保。U-20代表として、将来のサンフを担う人材として期待されながら壁に当たっているこの2人の成長の軌跡を追っています。
 外部のライターによるコラムも2本で、早川文司さんの「広島サッカー史を歩こう」は、東洋工業の5度の優勝を飾った指揮官だった下村幸生氏について語っています。また日刊スポーツの中上記者による「愛すべき紫熊野郎たち」は、今回が最終回。この秋から大阪に戻る彼の、サンフに対する思いを綴っています。
 「Sanfrecce Topics」「紫熊短信」「Reader's Area」を挟んで、後ろのページにはマッチレポートがまとめられています。「惨敗」だった福岡戦、反町監督の戦略にはまった新潟戦、サンパイオが救った水戸戦、きっかけにならなかった横浜戦。そして大きな転機となった札幌戦と甲府戦。チームが地獄から蘇ってきた戦いの跡を振り返っています。そして最後の石井百恵さんのコラム「大好き!サンフレッチェ」はリ・ハンジェ選手を取り上げています。「自信はありますか?」と言う問いに李は「自信は、持ちます」と答えたのだそうで、その言葉こそが、今の選手全員に必要なのではないかとまとめています。
 紫熊倶楽部は定価350円。ホームゲーム会場とV-POINTの他、広島県内の主要書店と新宿の「ひろしまゆめてらす」で扱っています。定期購読と通信販売のお申し込みは、紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<03.9.15> 昨日吉田サッカー公園で行われたサテライトの大分戦は、1-2で敗れました。サンフのメンバーは、GK:林(→尾崎45分)、DF:須田、八田、大久保、佐田(→西嶋63分)、MF:桑原、西村、李、FW:茂木(→山形45分)、高橋(→梅田45分)、松浦(→木村89分)。大分の先制点は前半23分に小森田で、松橋のクロス→金のこぼれを浮氣がシュート。林はいったん弾いたものの、こぼれ球を蹴り込まれたとのことです。同点になったのは前半31分で、カウンターから西村が茂木にパス。茂木がスペースに出したボールを西村がドリブルからシュートを決めました。その後サンフが押し気味に進めたもののなかなかシュートが打てず、逆に後半26分に交代出場したばかりの吉田智にファーストタッチでミドルシュートを決められて敗れました。見た人の話によると、次節出場停止の森崎和の「代役」に期待される桑原、李の出来はあまりよくなかった模様。沢田も出場していなかった事を考えると、高萩にU-18代表を辞退させてトップで使う可能性が高いかもしれません。
<03.9.14> 昨日の山形戦はなかなか点が取れずに苦労しましたが、後半21分にセットプレーから奪った1点を守り切って3連勝。苦しんだ第三クールを昇格圏内の2位をキープしたままで終える事ができました。
 札幌戦、甲府戦の流れを重視して、この日もそれまでと全く同じメンバーでスタートしました。
       下田

   井川 リカルド 上村

松下(→八田89分)      服部
   森崎和  サンパイオ

       森崎浩(→高木80分)

    中山   マルセロ
    (→眞中72分)

SUB:林、大木
 対する山形もほぼ予想通りで、GK:桜井、DF:井上(→伊東82分)、古川、鷲田、内山、MF:永井、ニヴァウド、小久保、高橋(→秋葉82分)、FW:中村(→羽地59分)、大島。立ち上がりはラインを高くして前から積極的にプレッシャーをかけてきた山形に対してやや押され気味で、3分には永井に抜け出されて危ないシーンもありました。しかし、6分に中盤でボールを奪ったマルセロがサンパイオとのワンツーから強烈なミドルシュートを見舞うと、その後は一進一退。ボールを奪ったらなるべく早くDFラインの裏を狙うと言う戦術のサンフに対し、山形は意外に高くラインを保って中盤との間のバイタルエリアでボールを奪い、素早くトップに当てようとします。前節と前々節に比べると中山の運動量が少ない感じでツートップの連係も悪く、なかなかシュートにまでも行くことの出来ない時間帯が続きます。21分には森崎浩の左からのパスをマルセロがペナルティエリア内で受けた瞬間に足をかけられましたがノーファウル。25分にはゴール正面でのFKを森崎浩が蹴りましたが、惜しくもGKに弾かれます。37分にはパスを15本?つないでマルセロとのワンツーから森崎和が抜け出しかけましたが、なぜかマルセロのファウルを取られてしまいます。更に43分には森崎和のスルーパスでマルセロが抜け出しかけましたが、DFに追いつかれてファウルも取れず。前半はやりたいことは明確だったものの山形の堅い守りを崩す事ができず、ややイライラした雰囲気のまま終了しました。
 前半は失点しないことを優先した感のあったサンフでしたが、後半は立ち上がりから積極的に行きます。開始早々に森崎浩がドリブルから強引にシュートを打ったのを手始めに、ロングボールとショートパスを組み合わせて何度も山形ゴールに迫ります。11分には森崎浩が倒されて得たFKを松下が蹴りましたが、ボールはゴールの左上隅を舐めるように外れていきます。13分には松下のCKをサンパイオが頭で強烈なシュート。しかし詰めていたマルセロは触る事ができません。サンフの早い出足と軽快なパス回しに山形は防戦一方となりましたが、引き気味の布陣にしてゴール前を固めてなかなか決定的なチャンスを与えてくれません。山形は14分に羽地を投入して前線のターゲットを作ると、これによってやや押し返しますが、サンフは逆にその裏を狙ってマルセロ、中山を走らせます。そして後半21分、何度目かのCKを左から得ます。松下のボールは鋭い軌跡となってファーサイドで待つ上村の頭へ。GK桜井はパンチングで逃れようとしますが届かず、折り返されたボールはニアサイドに飛びます。ここでマルセロが冷静にゴールに流し込み、ついに山形ゴールをこじ開けることが出来ました。
 この後、点を取り返そうとしゃにむに前に出てくる山形に対して、サンフは眞中を投入して2点目を狙います。28分にはマルセロのパスを森崎浩がワンタッチでスペースに出して眞中がフリーで抜け出しましたが、シュートはGK正面。41分には森崎和が不可解なイエローカード(ホイッスル後のボールに足があたったのを遅延行為と勘違いされたらしい)をもらうと、直後に「警告に対して腹がたってたから」(広島フットボールによる)ドリブルで突き進んでチャンスを作ります。終了間際には放り込んで来る山形に対して蹴り返すだけになってしまいましたが何とか凌ぎ、苦しかった第三クールを三連勝で終える事ができました。
 試合後に山形の柱谷監督は「広島の印象は変わりました。全然違います。ポゼッションサッカーをしてきてましたが...ボールを奪ったら、すぐに前線の裏に出してくるリアクションサッカーに変わりました」と語っていたそうですが、それは正しいとも言えるし正しくないとも言えるでしょう。確かに今の布陣はノーマルな3-5-2で、今季ずっと戦ってきた4-3-3とはかなり違います。ラインを上げて中盤をコンパクトにし、3トップが自在に動いて変幻自在のパスワークで相手を崩す、と言う小野監督の理想が一端棚上げになっているのは間違いないでしょう。しかし理想は高ければ高いほど、実現に時間がかかるのは当然です。高い塔を建てるのに、まず基礎をしっかり作り下から積み上げて行かなければすぐに崩れてしまいます。特にサッカーは相手のある競技です。こちらがいくら理想を追求して完成に近づいたとしても、相手が対策を立ててくればそれに対応せざるをえません。サッカーにとって、チームにとって大切なのはシステム等の「形」ではなく、刻々と移り変わる状況にどのように対応できるかということです。どんなに強いチームでも常に自分たちのペースで戦えるということはあり得ない。むしろどんな状況になっても対応できること、相手の作戦に柔軟に対処できることが本当に強いチームだと言えるのです。
 今のサンフは、確かに3トップでも4バックでもありません。柱谷監督の言うように、相手ボールになると5バック気味になるのも確かです。しかし、それは理想を捨てたということではありません。今を勝ち抜く事を最優先と考えた現実的なサッカーをしているということです。その中でも基本を忘れていないということは、例えば前半37分の場面(速いパス交換から森崎和が抜け出したがファウルを取られたシーン)からも分かるでしょう。むしろ苦しい場面で無理にパスでつないでカットされる危険を冒すのではなく、ロングボールやセットプレーを生かして勝ちを奪ったところに、このチームの成長を見るべきなのではないでしょうか。
 長いJ2の戦いは3/4が終了し、昇格の可能性があるのはほぼ3チームに絞られました。川崎との勝ち点差4は2試合でひっくり返る小さな差ですが、「勝ち方」を思い出したサンフにとっては大きなアドバンテージを持っていると言っても良いはずです。残り11試合、頼る事のできるのは自分たちだけです。一番苦しい時期を乗り越えたサンフにとって、もう怖れるものは無いはずです。もう迷うことなく、自分とチームメイトを信じて全力で駆け抜けて欲しいものです。
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