4/18〜4/24のSANFRECCE Diary


<04.4.23> ここまで6試合を消化して勝ち点3。ついに最下位に転落してしまったサンフレッチェですが、このような「立ち上がりの悪さ」でまず思い出すのは2001年のシーズンです。第6節までにその年降格した札幌に勝っただけの1勝5敗の成績で、最下位に落ちています。ヴァレリー監督の就任でそれまでの守備重視のサッカーから攻撃的なサッカーに転換しつつあったわけですが、その完成度の低さを露呈して守備と攻撃のバランスが悪く、点を取ってもそれ以上に失点すると言う悪循環に陥っていました。また98年のシーズンでも1勝した後6連敗して、下には福岡がいるだけの17位に落ちています。トムソン監督の2年目は主力選手を大量に放出した直後で、絶対的な戦力不足が明らかで苦しい戦いを強いられました。どちらの年にも共通していたのは、チーム戦術の浸透度が今一つだった、と言うこと。新しい戦術、新しい選手の組み合わせで試行錯誤をしていて、そのため勝ちに結びついていなかった、と言うことだったと思います。
 それに対して今年は小野監督の2年目で、多くの選手が退団したものの主力は残留し、それなりの補強もして臨んでいます。しかし大きく違うのは、何と言ってもJ2からの昇格組だということ。今週のサッカーダイジェストで元大分監督の小林伸二氏が書いているように、「J2のぬるさ」に慣れてしまったチームが、J1のサッカーに対応するのは容易なことではありません。小林氏も指摘するように、J1とJ2の一番の違いは判断の速さ。そして大分戦での失点に見られるように、J2では許されたミスもJ1では許されない、と言うことだと思います。もちろんサンフの選手はほとんどがJ1での経験を持つわけですが、むしろだからこそ慎重になりすぎてしまって思い切って行けていない、等でミスに繋がっているのかも知れません。
 これまでのシーズンで序盤に苦しんだ時に、どのようにその状況を克服したか振り返ってみます。98年に連敗を脱出したのは4/26のホームのヴェルディ戦。序盤は押し気味にゲームを進めて先制したものの、後半は押し込まれて終了間際に追いつかれて延長入りし、Vゴール負けも時間の問題か、と言う展開でした。しかし川島、山根ら若い力の頑張りで得点を奪ってやっとの思いで勝ち、その後の3連勝につなげました。2001年に転機になったのは5/3のFC東京戦。チーム全体から勝利に向けての気迫がほとばしるような戦いで、高橋のハットトリックで3-0で勝ちました。どちらの場合もカギになったのは、どうしても勝ちたいと言うチーム全体の気迫だったのではないか、と思います。特に2001年の場合は、久々に最下位に転落して感じた苦しさ、悔しさから抜け出すために、全力を尽くして戦ったから得た勝利だったのだ、と思います。
 今年のサンフは怪我人続出で主力がそろわないにも関わらず内容は悪くなく、98年や2001年ほどの危機感はありません。しかしこれが逆に何とかなるのではないか、と言う安心感になってしまってはならないと思います。いくら戦術が良くても、いくら選手がそろっていても、勝てるとは限らないのがサッカーです。そこを勝ちという結果に持って行くためには、最後のところでのプラスアルファがどうしても必要です。今のサンフにこれが欠けている、とまでは言いませんが、しかし昨年の昇格争いを展開したときほどの、あるいは一昨年に残留争いを行っていたときほどの「熱さ」を感じないのも確かだと思います。次のゲームはナビスコ杯の横浜FM戦、そしてホームの浦和戦ですが、ここで勝たなければ次はない、と言うような熱い戦いを見せて欲しい。そしてそれこそが、チームが殻を破って一段階上にあがる事に繋がるのだと思います。
<04.4.23> 昨日「2004JOMOオールスターサッカー」のサポーター投票の4回目の途中経過の発表がありました。それによると、サンフレッチェ勢で最も多く集めているのは森崎浩司選手。103,275票を集めてMF部門の3位を確保しています。また森崎和幸選手も日本代表の遠藤(G大阪)らを抑えて5位に付けています。彼ら2人の上にいるのは藤田(1位)、福西(2位)、名波(4位)の磐田勢ですが、1つのクラブから選出される選手の制限(ポジション別の得票数順位で上位3名まで)がある上にMF部門は全体的に得票数が多いため、5位以内に入れば2人ともファン投票枠で選出される可能性が高そうです。もしそうなれば、広島から複数選手がオールスターに出場するのは久々(たぶん95年の盧、柳本以来)のこと。また兄弟で同時に出場するのも(おそらく)三浦兄弟以来11年ぶり、と言うことになります。投票はインターネット、携帯電話(ともに1日5票まで)、公式サポーター投票用ハガキ(J1のゲーム会場やJOMOステーションなど)、手書きのハガキ、FAXなどでできます。(詳しくはこちらをご覧ください。)〆切は6/5です。
<04.4.22> 昨日、ギリシアのパトラスでU-23日本代表とU-23ギリシア代表の親善試合が行われ、1-1の引き分けに終わりました。
 日本のメンバーは、GK:林、DF:徳永、茂庭、北本、MF:鈴木啓(→森崎和46分)、今野、石川、森崎浩(→根本76分)、FW:田中達(→松井46分)、大久保(→山瀬59分)、平山(→高松46分)。対するギリシアはオーバーエイジを含む「五輪仕様」のベストメンバーを組んで来ました。序盤は慣れない芝生にやりにくそうで、やや押され気味の展開。ギリシアにボールをつながれて何度か決定的なピンチを迎えます。しかし林が良い判断の飛び出しとセービングで守ると、前半21分に低い位置から石川、平山、田中達とボールをつないで先制点を奪いました。前半は内容的には今一つながら、粘り強い戦いで1点リードのままで折り返しました。
 後半に入って3人を入れ替えて、森崎和が久々にこのチームでピッチに立ちます。ポジションは中盤の底で、今野とともにダブルボランチの一角を担います。森崎和はロングボールを散らし、何度かDFラインの裏を狙ってゲームメイク。松井、高松らが「アピール」を狙って積極的なプレーを見せたこともあって、前半よりも活発なサッカーとなりました。しかし何度かあった決定機を決められないままに後半ロスタイムを迎え、そのまま1-0で逃げきるかに見えました。しかしロスタイムが4分を過ぎた頃に右から入れられたロングボールを、DFが連係ミス。カペタノスをフリーにしてしまい、同点に追いつかれてしまいました。「本番ではあってはならない」(山本監督)失点で、惜しくも勝ちを逃してしまいました。
 五輪予選突破後初めてのゲームとなったU-23代表でしたが、慣れない環境とアジアとは勝手の違う相手と言うことで、あまり「良さ」が出ていなかったように思います。特に急造DFラインが不安定だったため、押し上げが緩く中盤にスペースを与えて相手を自由にさせすぎたように思います。特に最後の失点はもったいないミスだった、と言えるでしょう。また攻撃は「生き残りをかけたアピール合戦」と言う言葉通り、どの選手も「俺が、俺が」と言う感じで、連係で相手を崩すと言うことがあまりできていなかったように見えました。五輪本番では18人しか登録できない上にオーバーエイジが入ってくる可能性が高いとなればそうなるのも当然で、チーム内の競争が更に激化していると言うことなのだ、と思いますが、それがチームにとってプラスなのか、マイナスなのか、なかなか微妙だと言えるのではないでしょうか。
 サンフレッチェから選ばれた3人ですが、まずはGKの林。予選からずっと使われて来たことが自信になっているのか、この日はほぼ文句のない出来だったと思います。ピンチを何度も凌ぐセーブを見せただけでなく飛び出しのタイミングも良く、DFラインに安心感を与えていました。失点シーンは林にとってはノーチャンスで、昨日の出来には及第点を与えて良いでしょう。左サイドで先発した森崎浩は、相手が3トップ気味だったこともあって守備に追われることが多かったように思います。攻撃が右からのドリブルが多く、左のスペースに出てもボールが回って来ないことが多くて見せ場を作ることはできず。やはりこの位置で輝ける選手ではない、と言う感を強く持ちました。更にこのチームで久々に45分間プレーした森崎和は、パスによるゲームメイクで貢献したと思います。ただ、それも彼の良さが出ていた、とは言い難い。FWだけでなく石川も今野も前へ、前へとの意識が強いため森崎和がバランスを取らざるをえないことが多く、サンフレッチェで見せているようなゴール前に進出するシーンはほとんど無し。以前よりも前へのパスを出す頻度は増えたような気がしましたが、それだけに終わってしまった感じで残念でした。
<04.4.21> プレスリリースによると、5/3に広島市内で行われるフラワーフェスティバルにサンフレッチェの応援パレードを行うための参加者を募集しています。参加条件は紫を基調とした服装や応援グッズを持参することで、募集は200名。サンチェ君やカープのマスコット・スライリー、メイプルレッズや広島ガスバドミントン部の選手達と一緒にパレードすることになるそうです。参加を希望する方は「郵便番号、住所、代表者氏名、電話・FAX番号、参加人数、応援したいチーム」を明記した上で、
〒730-0854 広島市中区土橋町6-33 
中国新聞別館 FF企画実施本部「応援パレード」係 
FAX: 082-234-2007 
e-mail: info@hiroshima-ff.com
まで往復葉書、ファックス、またはe-mailのいずれかでお申し込みください。〆切は4/28(水)(必着)です。
<04.4.21> 昨年末で引退してサンフレッチェの下部組織コーチに就任した森保一氏の自伝「ぽいち」の出版記念パーティーが、5/12(水)の午後7時から広島駅のすぐ近くのホテルセンチュリー21広島で行われます。通常は関係者だけを集めて行われることの多いこの種のパーティーですが、「サポーターに支えられた現役生活だったから」との森保氏の希望により一般の方の参加も募ることになったとか。森保氏の生の声を聞ける良い機会なのではないでしょうか。参加を希望される方は「(1)代表者氏名、(2)参加人数(大人、小中高生)、(3)代表者住所、(4)代表者メールアドレス、(5)代表者携帯電話番号、(6)代表者自宅電話番号」を記入の上、
〒140-0002 東京都品川区東品川4-2-11-408 
(有)フットメディア内 森保一出版記念パーティー事務局
(FAX: 03-5460-0319, E-mail:info@footmedia.jp
までお送りください。〆切は4/26(月)(消印有効)です。
<04.4.21> サンフレッチェとサンフレッチェ後援会、広島県サッカー協会の協力で、5/5のこどもの日に行われるアウェイのC大阪戦への応援バスツアーが企画されています。5/5の朝8時10分に広島駅新幹線口に集合し、午後3時半からのゲームを応援した後午後10時に広島駅に戻ってくる、と言うスケジュール。バス代とゴール裏チケット代、旅行保険代金を含んで大人・高校生が9,500円、小中学生が8,800円。ファンクラブと後援会員は2,000円ずつ割引になるお得なツアーです。募集は先週日曜日から5/1(土)までで、募集人数は30名〜120名となっています。お申し込み、お問い合わせはデオデオ旅行社「サンフレッチェ広島アウェイ・セレッソ大阪戦バスツアー」の係(082-240-3447, 受付時間10時〜17時)までどうぞ。
<04.4.20> 遅ればせながら、紫熊倶楽部の5月号(Vol.75)を紹介します。
 トップ記事は、3/13の開幕戦のドキュメント。開幕戦では史上最高の動員となる19,072人を集めた清水戦の様子をレポートしています。続く記事は、久保社長のインタビュー記事。「サンフレッチェを励ます会」で言った「ファーストステージは、厳しい戦いになると思います」と言う言葉を引用しながら、今年という年が今後のサンフレッチェにとっていかに大切な年か、を語っています。
 選手を紹介する記事のトップは林選手。U-23代表として五輪最終予選の全試合を戦った彼にとって必要なものは「経験」。下田、と言う大きな壁があるため試合出場ができない中で、練習の1秒1秒を大切にしながら精進する彼の姿を描いています。また、続く記事は大久保選手で、テーマは「Breakthrough」。自分自身で苦しみの中にはまり込んでしまったルーキーイヤーを経て、成長しつつある今年の姿を追っています。
 2年ぶりのJ1を戦う上で、5/9の神戸戦までの対戦相手について分析する記事を挟んで、外部ライターによるコラムは2本。一つは広島ホームテレビの望月ディレクターによる「開幕戦で見た今シーズンのサンフレッチェ」。そしてもう一つは、私が「心の中はいつも広島」と言うタイトルで書いています。
 後半の記事のメインはマッチレポートで、ナビスコ杯の横浜戦と、リーグ戦の清水戦、G大阪戦、市原戦。そして最後の石井百恵アナウンサーによる「大好き!サンフレッチェ」は、「殻を破れ」がテーマです。
 また今月は、「紫熊倶楽部」の増刊「アシスト」も出ています。今回はインタビュー特集となっていて、服部、小村、下田、井川、サンパイオの5人の今年に賭ける思いを綴っています。また、「アウェイスタジアムへ行こう」と題して、カシマ、埼玉2002、市原臨海、日立柏、味の素、横浜国際、新潟、日本平、ヤマハ、瑞穂、万博、長居、神戸ウィング、大分の各スタジアムを紹介しています。
 サンフレッチェサポートマガジン「紫熊倶楽部」は月刊が定価350円、増刊が定価480円。広島県内の大手書店の他、V-POINTやホームゲーム会場、新宿の「ひろしまゆめてらす」でも購入できます。また通信販売のお問い合わせは、紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<04.4.19> 昨日行われたサテライトの福岡戦は、1-1の引き分けに終わりました。サンフのメンバーは、GK:佐藤昭、DF:吉弘、大久保、西河、MF:駒野(→槇野45分)、青山、桑田(→田中64分)、高木(→木村76分)、松浦、FW:茂木(→前田72分)、中山。全体的にサンフのペースだったそうで、特にトップ下に入った桑田[ユース]の働きが目立っていたそうです。得点は前半10分で、ゴールライン際からの中山のクロスにニアに飛び込んだ茂木が頭で合わせたもの。失点は後半39分で、上がって来た川島がダイレクトでミドルシュートを叩き込んだものだったそうです。また、この日の収穫は駒野が45分間プレーしたこと。試合勘はいまひとつだったようですが、しかしドリブル突破やスルーパス等でまずまずの出来だった模様です。体調的にはもう問題ないようですので、ナビスコ杯での公式戦復帰はあるのではないでしょうか。
<04.4.19> 一昨日行われたプリンスリーグの第3節で、サンフレッチェユースは1-0で県広島工に勝ち3連勝を飾りました。噂によると主力が不在で苦戦したものの冨成が決めて、何とか逃げきった試合だったようです。
<04.4.19> 広島を戦力外になった山形恭平選手は、福岡のメンバーとして一昨日行われたJ2リーグ京都戦に先発出場。前半2分にリーグ戦初ゴールを決めたのを皮切りにPKを得る突破や3点目の起点になるなど3得点に絡む活躍を見せ、福岡に勝利をもたらしました。山形は昨年末に広島からの「ゼロ提示」を受けた後ザスパ草津からのオファーを蹴り、一時は引退も考えていたそうです。しかし今年になって生まれ故郷の福岡に帰ってアビスパに練習生として参加。背番号のないユニフォームで3か月間ひたむきにボールを追っていたとのことです。そしてアマチュア契約ながらついに出場機会を得て、そしてこの大活躍。元サンフレッチェの中村重和管理強化部長も「恭平の一発が効いた」と語っていたそうで、正式契約も近いのではないでしょうか。
<04.4.18> 昨日の第6節東京V戦はチアゴ、外池の復帰もありましたが最後まで点を取る事ができず、0-0の引き分けに終わりました。
 苦しい戦いの続くサンフは小村、佐藤一の怪我のため森崎浩を右WBにまわし、また田村を初先発させて次のような布陣でスタートしました。
       下田

   井川 リカルド 吉田

     李 サンパイオ(→外池79分)
森崎浩           服部

    森崎和  田村(→チアゴ62分)

       眞中(→高木45分)

SUB:林、大久保
 対する東京Vは、GK:高木、DF:柳沢、林、米山、三浦、MF:山田(→戸川78分)、小林慶、平野、ウーゴ(→小林大45分)、FW:エムボマ(→飯尾67分)、平本。立ち上がりは東京Vのペースで、DFラインでゆっくりとボールを回してなかなか攻めてきません。サンフはこれまでとは違う戦い方の相手に戸惑っているような感じでしたが、落ち着いてくると眞中の速い動き出しからチャンスを作ります。7分には森崎浩のクロスに眞中が飛び込み倒されましたがノーファウル。12分にも森崎和のスルーパスに眞中が走り込みましたが、惜しくも合いません。18分には李のスペースへのパスに服部が抜け出し、深い位置からクロス。DFに当たったボールに田村がダイビングしながら頭をぶつけましたが惜しくも枠を外れていきます。そして31分には森崎浩のスルーパスで抜け出した眞中がペナルティエリア内で引き倒されたように見えましたが、柏原さんには見えなかったようでファウルがもらえません。ヴェルディは24分に平野がロングスローのこぼれをボレーシュートしたシーンがありましたが、全体的にコンビネーションで崩すと言う意識が全くなくほとんど脅威になりません。しかしサンフも連戦で疲れが出ているのかヴェルディに合わせてしまったのかスピーディーなサッカーが出来ず、まったりした展開で前半を折り返しました。
 後半になってサンフは高木を投入して、田村のワントップの下に森崎和と高木を並べる布陣に変更します。そして全体的に動きの質が上がってこぼれ球を良く拾い、リズミカルなパス回しが出るようになります。4分には森崎浩がCKをファーに流し、ここに走り込んだ服部がシュート。更に跳ね返りを李がシュートしましたが、いずれもDFに当たります。15分には井川のロングパスを高木が捌き、田村がスルーして森崎浩がシュートと言う形に持ち込みましたが、これもDFに当たります。後半17分には満を持してチアゴを投入。そして20分には森崎浩が自陣から50m?のロングドリブルでチャンスを作り、チアゴが強烈なシュートを放ちましたがGK高木がわずかに触ってポストを直撃、こぼれを拾った李のクロスに頭で合わせた森崎和のシュートもGKの正面を突きます。22分には服部がヘディングシュート。32分には森崎浩が振り向きざまの強烈なシュート。35分のパスをつないでつないでの服部のシュートと何度も決定機を作りましたが、どうしてもゴールを割る事ができません。逆に35分過ぎからは東京Vにボール支配を許して何度か決定機を作られましたが、これは下田が最後の砦となって立ちはだかります。両チームは最後まで勝ち点3を狙って攻め合いましたが実らず、今季初勝利はお預けとなりました。
 6試合を終えてお互いに勝ち点3ずつ。この日C大阪が勝ったため15位と16位になってしまった両チームでしたが、試合後の監督コメントは対照的でした。「いいゲームではありませんでした。観客にとってもヴェルディにとっても」とネガティブな言葉で始めたアルディレス監督に対して、小野監督は「苦しいチーム事情からすると、選手は『いける』という確信をもって中断前を終えることができた」と結んでいます。第三者的に見ればどちらも点が取れず、勝ちきれずと言う状況は同じで、J1で勝ちを重ねるために足りないものがあるのは確かなのではないか、と思います。しかし、長い目で見れば両チームの置かれた立場は全く逆。昨年の2nd stageでは首位に立ったこともある東京Vでしたが、その直後の第12節に浦和に完敗してからはチームは下降のスパイラルに入り込んでいます。この日は下位の広島相手ということで上昇のきっかけにしたかった事だろうと思いますが、しかし全く進歩のない内容で引き分けに終わりました。勝てるはずの戦力を持ちながらこれだけのサッカーしかできないヴェルディの状況は、かなり深刻なのではないかと思います。
 それに対してサンフは、何と言っても2年ぶりのJ1です。昨年の当初はJ1でも通用するサッカーを目指してチーム作りをしていましたが、途中で「J2仕様」に変更せざるをえず今年は作り直しをしているところです。全く勝てなかったキャンプ中の練習試合同様に、リーグ戦の中で「J1仕様」のチームを作り上げつつあるところで、負けが続くこと、なかなか勝ちきれないことはある程度は仕方のないことだと思います。昨日の試合後のインタビューで森崎浩は「J1は最後の最後で相手のDFが身体を張ってくる。もっとシュートの精度をあげていかないとJ2では簡単に入るゴールもJ1では入らない」と語っていますが、おそらくその実感は選手全員が持っているのではないでしょうか。もちろん、だから仕方がないと言うわけではなく、だからこそ更にレベルアップしないといけない。チームが、そして選手全員が「殻を破る」(Breakthrough〜今年のキャッチフレーズ)ことができなければ、J1で勝つチームはできないのだと思いますが、しかしそれが少しずつできるようになって来ているのは確かだ、と思います。守備の安定、ラストパスとシュートの精度、ここぞと言うところでのリスクチャレンジ、そしてチーム全体の底上げ。課題はたくさんありますが、今は自分たちのサッカーを信じて続けることこそが重要だと思います。ここからナビスコ杯まで11日間の、そしてリーグ戦までの14日間の余裕を最大限に利用して、そして次こそは勝利と言う結果を出して欲しいと思います。
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