5/23〜5/29のSANFRECCE Diary


<04.5.29> 広島フットボールなどの情報によると、今日の遠征にはユースの前田俊介、森脇良太の2人が抜擢されているそうです。前田は鋭いドリブルと「魔法の左足」を持つ攻撃的MFで、昨年のJユースカップではその天才肌のプレーを存分に発揮して優勝に貢献しました。U-19代表にも何度か呼ばれていますが、プレーの波が大きいことが災いしたかトゥーロン国際のメンバーからは漏れています。また森脇は代表歴こそありませんが、昨年からサテライトには何度も出場している攻撃的なサイドバック。高校生らしからぬ?がっちりした体格でDFラインから相手ゴール前まで激しく上下動を繰り返すことのできる選手です。彼らはおそらくU-23代表帰りの森崎浩、駒野のバックアップ要員と言うことで彼ら2人のコンディション次第で出場するかどうかが決まるものと思いますが、もし出ることになったら思いきったプレーを見せて欲しい、と思います。
 今日のゲームは国立競技場で、午後3時キックオフ。今日の東京地方は晴れ時々曇りの予報で、雨の心配はありません。テレビ中継の予定はありませんので、現地に行けない方はネットの速報やtssの携帯サイトで情報を得るしかなさそうです。
<04.5.29> 中国新聞の報道によると、7月いっぱいでの契約解除が決まったサンパイオはスタッフ入りの要請を断り、移籍して現役を続行する意思を表明したそうです。既に国内のクラブからのオファーもあるそうで、新たな契約のために既に代理人も来日しているとのこと。「海外も含め、2か月間じっくり考えたい」と語っているそうです。
<04.5.28> 明日はナビスコ杯の第3節。国立競技場で東京ヴェルディと対戦します。
 開幕当初は怪我人続出で選手がそろわず、なかなか勝てずに下位をさまよっていたヴェルディですが、ナビスコ杯第2節のC大阪戦で快勝したことがターニングポイントとなり、5月は3勝2敗とまずまずの成績を残しています。
1A ●0-2 磐田  【磐】藤田2
2H ●0-1 柏   【柏】永田
N1A △1-1 C大阪 【V】林、【C】西澤
3A ●2-3 FC東京 【V】平野、エムボマ、【F】戸田、ジャーン、馬場
4H △2-2 G大阪 【V】小林慶、ウベダ、【G】大黒、フェルナンジーニョ
5A △1-1 神戸  【V】米山、【神】小島
6H △0-0 広島
N2H ○4-1 C大阪 【V】小林大、エムボマ、平本、玉乃、【C】下村
7A ○1-0 新潟  【V】平野
8H ○2-1 市原  【V】三浦、森本、【市】サンドロ
9A ●1-3 横浜FM 【V】米山、【横】遠藤、佐藤由、安貞桓
10A ○2-1 名古屋 【V】三浦2、【名】マルケス
11H ●1-3 浦和  【V】ウベダ、【浦】田中達2、山瀬
 ただ、勝ちが増えてきたと言ってもチームのスタイルは不変。足元へのパスを回して回して、と言う戦い方は前回対戦したときとほとんど変わっていないと見ていいでしょう。組織の力で点を取る、と言う形にはなかなかなっておらず相変わらず個人の力頼みで、逆にパス回しでミスをしたときに失点しているように思います。明日はどのようなメンバーで来るのか分かりませんが、三浦と森本が代表招集のため不在なので、少なくともサブメンバーを何人か入れた布陣で来るだろう、と思います。
 一方のサンフですが、吉弘がU-19代表に、また森崎浩と駒野がU-23代表に選出されています。山本監督は「U-23代表の選手はナビスコ杯にも出して欲しい」との意向を伝えているとのこと。クラブの事情や選手のコンディションを考えない余計なお世話だと思うのですが、小野監督は(怪我上がりの駒野については慎重な姿勢を見せているものの)彼ら2人を起用する方向で考えている模様です。今週の練習もレギュラーメンバーの出場を想定して行っているとのことなので、ほぼベストメンバーで行くことになりそうです。
       下田

駒野  リカルド  吉田  服部

    李  サンパイオ

  森崎浩      森崎和

     大木 チアゴ

SUB:佐藤昭、小村、外池、松浦、田中
 4バックで行くか3バックなのかは分からないのですが、テストが許されると言うことを考えてスタートから4バックにする可能性は十分にあるのではないでしょうか。横浜との2試合は若手中心の起用で完全な「テストモード」だったわけですが、せっかく勝ち抜きのチャンスが目の前にぶら下がっているのですから取りに行かないのはもったいない、と思います。現在グループ首位の東京Vにアウェイで勝って、準々決勝進出に向けて前進して欲しいと思います。
<04.5.28> 今朝の中国新聞によると、サンパイオが1st stage限りで退団することが明らかになったそうです。昨年広島入りしたサンパイオは、中盤の要としてプレーしてJ1昇格に大きく貢献。プレー面だけでなく、苦しい時期には自ら「昇格Tシャツ」を作って配るなど精神面での支柱として活躍しました。そして今季もリーグ戦は市原戦以外の10試合に出場し、その絶妙なポジショニングとキープ力、そして時折繰り出すスルーパスでチームに貢献してきました。ファンの目から見ればまだまだ必要な選手だと思うのですが、しかし冷静に見ればスピードの衰えがあるのは確か。また体力的な不安もあるので、サンパイオに頼るようなチーム作りは出来ないという事情もあります。また今のチームに足りないところは、と考えると、やはり中盤よりは前線の選手でしょう。チアゴが相手DFを引きつけてできたスペースを強引に切り裂くような選手(例えば浦和のエメルソンや川崎のジュニーニョ)がいれば相手に与える脅威がアップするのは間違いありません。従って今後若手を中心とするチーム作りを更に進め、優勝争いに絡めるぐらいまでチーム力をアップさせるには泣く泣くサンパイオを切らざるを得ない、と言うところなのではないでしょうか。サンパイオがいなくなるのは残念ではありますが、仕方のないことだと思います。
 なお、中国新聞によるとクラブはスタッフとしてチームに残ることを要請しているとのことで、サンパイオ自身も悩んでいるとのこと。個人的には残って欲しいという思いの一方で、まだまだプレーを見たいという気持ちもあります。サンフレッチェ史上最も偉大な選手、サンパイオの決断に注目したいと思います。
<04.5.27> 昨日味の素スタジアムで行われたU-23代表とトルコ選抜との親善試合は、後半8分に先制点を許したものの後半43分に今野のゴールで追いつき、1-1で引き分けました。
 この日のU-23代表のメンバーは、GK:黒河、DF:茂庭、闘莉王(→石川45分→駒野68分)、那須、MF:徳永、今野、阿部、森崎浩、松井(→坂田56分)、高松(→平山56分)、大久保(→前田72分)。対するトルコ選抜は「A2代表」と言われるメンバーだったそうで、フル代表に次ぐ実力のある選手を揃えていました。試合は全体的にそのトルコ選抜の高い技術と速いプレッシャーにたじたじだったように見えました。個々の技術とファイティングスピリットでは負けなかったものの、やはりヨーロッパの強豪国の高い実力を見せつけられたゲームとなりました。特に前半はほぼ一方的なトルコのペースで、攻撃の形はほとんど作れないまま。ボールを持って考えているうちに詰められてボールをカットされる、と言う感じで、FWにボールが繋がるシーンも数えるほどでした。トルコ選抜が今まで対戦してきた相手に比べて一段上のレベルだったのは確かで、それが苦戦の一因であったことは間違いないと思います。しかし、本来このようにフィジカルの強いチームを相手にする時はワンタッチ、ツータッチの速いパス回しで相手を寄せさせないようにするのが常道です。日刊スポーツによると山本監督はマリ戦に向けての課題として「コンタクトプレーを避けるようなボール回しをできれば」と語っていたそうですが、監督がもともとそう言う選手を招集しているとは思えないし、またそう言うサッカーを指向していたようにも見えないし、相変わらずテスト、テストで選手を入れ替え続けているので熟成する事もできていないわけで、その結果がこのトルコ戦だったと言わざるを得ないのではないでしょうか。
 なお、サンフレッチェから選ばれた2人のうち、森崎浩は先発フル出場、駒野は後半23分からの出場でした。いつものように左サイドで出場した森崎浩ですが、ロングパスの精度の高さに見るべきところはあったものの、ボールが回って来なければどうしようもない、と言う感じ。ワンタッチでボールを捌いてスペースに走る、ということを繰り返していましたが、良いボールがほとんど来なかったのには萎えました。後半の後半は中に入ってプレーする機会が増えましたが、そうなると彼の良さが出るしチームにリズムも出たように見えました。日本の得点はその流れを掴んだ時間帯で、森崎浩のCKに今野がファーサイドで合わせて押し込んだものでした。冷静に考えればこのシーンは相手GKのミスですが、それを呼んだのは森崎浩のCKの精度の高さのおかげでしょう。このチームには左足で正確なロングボールを蹴れる選手が他にいないだけに、彼が本番に呼ばれる可能性は高いのではないでしょうか。
 一方の駒野ですが、当初は森崎浩に代わって左サイドに入る予定だったそうです。しかし石川が痛んで右サイドに入ると、その後の20分あまりで1年間の鬱憤を晴らすようなプレーを見せてくれました。まずは後半26分にCKをはね返されたボールを平山に向けてクロスを送ると、後半36分には後ろからのボールを右足で浮かせて相手選手の裏を取るという高度なプレーを見せます。その後も森崎浩とのワンタッチのパス交換などで何度も右サイドを陥れ、ロスタイムには高い位置で相手ボールを奪うと平山に決定的なボールを入れてチャンスを作りました。山本監督はインタビューで駒野について「今日のパフォーマンスは、まずまず」と語っていて、相変わらずユーティリティープレーヤーとして(つまりサブでということ?)評価しているかのような言い方をしていましたが、昨日の駒野は贔屓目を抜きにしてもレギュラーに値するプレーを見せたのではないでしょうか。彼についても、アテネ行きの可能性が高まった、と言って良いように思いました。
<04.5.26> オフィシャルホームページその他によると、腰痛のためU-23代表を辞退した林卓人選手は、昨日「顕微鏡下腰椎椎間板ヘルニア切除術」と言う名の手術を行いました。椎間板ヘルニアとは背骨の中で「クッション」の役目をする椎間板が潰れてしまう症状で、激しい痛みを伴うものだそうです。基本的にこの病気は良性でじっとしていれば直るものなのだそうですが、問題は1〜2ヶ月は安静にしていなければならないこと。アテネ五輪を考えれば一刻も早く直したい、ということで、今回の手術に踏み切ったものと思われます。調べてみたところこの手術はほんのわずかの切開で済み社会復帰も早いとの事なので、「加療6週間」は復帰するまでの期間だと考えて良さそう。林にはまずは焦らないこと、そして直ったらすぐに100%でプレーできるよう心の準備をしておいて欲しいと思います。
<04.5.25> 土曜日にプリンスリーグ2nd roundの初戦を戦ったサンフレッチェユースは、作陽に1-0で勝ちました。このゲーム、前半は作陽のタイトな守備に苦しみながらもボールを支配して戦い、前半40分に混戦から藤井が蹴り込んで先制しました。しかし後半早々に森脇が2枚目のイエローカードを受けて退場になると、徐々に運動量が落ちて攻め込まれたそうです。が、そこは全員がしっかりと集中して守り切って、大事な初戦で勝ち点3をゲットしました。
<04.5.25> 昨日の報道によるとU-23代表に選出されていた林は、腰痛のために辞退することになりました。何でもヘルニア?を患っているそうでここ半月ぐらいはサブにも入らずに調整していましたが、トルコ選抜戦とマリ代表戦には間に合わないと判断されたものと思われます。五輪の最終予選では林が全試合でゴールマウスを守ったU-23代表でしたが、クラブでレギュラーとしてプレーするGKがいないのが問題。今回招集された岩丸(神戸)と林に代わって招集された黒河(清水)も2試合ずつピッチに立っていますが、どちらも安定感とは程遠いプレーをしています。従って山本監督はオーバーエイジとして招集するポジションの一つとして考えている、との報道もあります。林としてはぜひここでプレーを披露して「オーバーエイジは要らない」とアピールしたいところだったと思いますが、それができなかったのは非常に残念だったと言えるでしょう。とは言え、身体のことは焦っても仕方がないので、まずはナビスコ杯での出場を目指してしっかり直して欲しいと思います。
<04.5.24> 昨日吉田サッカー公園で行われたサテライトの大分トリニータ戦は、1-1の引き分けでした。サンフレッチェのメンバーは、GK:佐藤昭、DF:吉弘、大久保、西河、MF:井川(→高萩45分)、高木、青山、木村、FW:松浦、田中(→田村45分→八田85分)、茂木。対するトリニータは、永井や出場停止中のビチュヘが出ていたものの、ユースの選手を何人か含むメンバーでした。得点はいずれも前半で、サンフレッチェのゴールは田中。左サイドからのクロスを茂木が競って落としたボールを押し込んだものだったそうです。大分のゴールはビチュヘで、中央右25mのFKを直接決められました。広島フットボールによると試合は得点の無かった後半の方がエキサイティングだったそうで、右サイドに入った高萩のロングパスと左WB(85分からはFW)に入った木村のドリブル突破で何度も決定機が生まれていたとのこと。また高木や田村、松浦、3バックを構成した吉弘、大久保、西河の頑張りも目を引いたそうです。今週末のナビスコカップでは若手が抜擢される可能性が高いこともあって、チャンスを狙う選手達のモティベーションの高さを感じることの出来たゲームだった模様です。
<04.5.23> 昨日広島ビッグアーチで行われた1st stage第11節柏戦は、幸運なオウンゴールもあって3-0で勝ち、順位も暫定で9位に上がりました。
 チアゴが出場停止のサンフレッチェは、2年目の田中をワントップに起用して次のような布陣でスタートしました。
       下田

   小村 リカルド 吉田
      (→吉弘81分)
駒野   李 サンパイオ  服部
     (→中山73分)
  森崎浩      森崎和

       田中(→大木51分)

SUB:佐藤昭、外池
 対する柏は、GK:南、DF:小峯、中澤、永田、近藤、MF:リカルジーニョ、明神、茂原、永井(→山下57分)、FW:玉田、ゼ・ホベルト(→谷澤65分)。最下位脱出に燃える柏は、序盤から積極的に攻め込んで来ます。6分にはサンパイオのクリアを拾った永井がファーストシュート。中盤からでも最終ラインからでもロングボールをどんどん放り込んで来て、サンフのDFラインを下げさせます。そして空いた中盤のスペースは明神とリカルジーニョが凄い運動量で埋めます。サンフはボランチと双子の間の距離が空いてなかなかボールをつなぐことができません。12分には左サイドからのロングクロスに田中が頭で合わせましたがヒットせずGKがキャッチ。その後もサイドから崩そうとしますがシュートまで行けない時間帯が続きます。そんな中前半17分、信じられないような事が起きました。左サイドを突破した森崎浩のクロスをキャッチした南が、ボールをスローしようとして迷います。三度目に投げようとした瞬間、南の右手を離れたボールはコロコロと自陣のゴールへ。珍プレーとして歴史に残りそうなオウンゴールで、幸運な先制点を取る事ができました。
 これでサンフはやや落ち着き、また柏は気落ちしましたがそれでも全体的なペースは変わらず。ロングボールとドリブル突破から何度もゴール前に入り込まれますが、下田とDFライン、ボランチが集中を切らさず守ります。サンフの攻撃で有効だったのは、22分に田中がDFをかわしてシュートを放ったのと29分にリカルドのロングボールにサンパイオが頭で合わせたものぐらい。リードはしたものの内容的には今季最悪とも言えるもので、前半を折り返すことになりました。
 後半、「相手の出方を確認」(小野監督)するためにメンバーを代えずにスタートしたサンフでしたが、6分後に田中に代えて大木を投入すると、徐々にエンジンがかかってきます。そして後半17分、ロングボールを受けた大木が森崎浩、李と展開して駒野が大外からクロス。ファーでボールを受けた服部がワントラップしてシュートしたボールは横に流れましたが、ゴール前でピタッと足元で止めた森崎和が左足で叩き込んで2点目を奪いました。
 これで柏はがっくりきたのか、チャンスは作るものの粘りのない攻撃に終始します。逆にサンフはしっかり守って速く攻めるというコンセプトを徹底して、相手のDFラインを脅かします。後半28分には中山を入れて4-4-2に変更。そしてその中山の投入が4分後に功を奏します。右サイドでしつこくボールを追った中山がボールを奪うと、大木からのボールを受けた森崎和が左サイドにスルーパス。これを受けた服部が強烈なシュートをゴールネットに突き刺しました。
 その後、柏も山下を中心に攻めましたが気持ちが切れてしまったのか迫力不足。何度か攻め込まれはしたもののサンフの守備組織は崩れず、最後にリカルドに代えて吉弘をセンターでテストする余裕も見せてそのまま3-0で勝ちました。
 このゲーム、前半は柏のロングボール攻撃と個人技に戸惑った感じで、思うようなサッカーはできていませんでした。南の信じられないようなボーンヘッドで1点をもらったから良かったものの、逆に運があちらにあって先制されていたらどうなっていたか分からなかった、と思います。ただ、その運を引き寄せることが出来たのは自分たちの力。攻め込まれた時間帯に守備を集中して、自分たちの時間帯にきっちりと点を取ること。相手の弱みをしっかりと突いて、取るべきときに点を取ったことがこの結果に繋がったと言えるでしょう。そしてそれは、3月〜4月の苦しい時期に自分たちのサッカーを信じて戦ってきたことの正当な報酬だ、と思います。J2降格の恐怖、と言うことを考えればこの勝利は非常に重要で、かなり楽になったのは確かですが、しかしこれで安心しないこと。選手がレベルアップし、チーム力を上げて更に上を目指して欲しいと思います。
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