6/13〜6/19のSANFRECCE Diary


<04.6.19> 広島フットボール等によると、森崎和は横浜戦の終了間際にシュートを打った際にブロックされて負傷していたそうですが、これが意外に重く「左膝外側側副靭帯損傷に左大腿二頭筋長頭腱炎を併発していると診断」されて全治3週間となったそうです。これはいわゆる「靭帯を伸ばした」と言う状態で、日常生活には支障はなくプレーも可能なものの切れてしまうかも知れないとのこと。万一切れれば今季絶望となってしまうだけに、今日の新潟戦はもちろん磐田戦も欠場する事になりそうです。チアゴ、リカルドに続き代えのきかない選手が3人も欠場する非常事態に小野監督も「厳しい」と語っていますが、しかし「それを言っても仕方のないことだ。チーム全体で乗り切っていくしかない」と語っています。先発出場の可能性の高い大木、田村、吉弘、ベンチ入りしそうな高萩、前田、中山、西河らには、自分がチームを勝利に導くんだ、と言うつもりで頑張って欲しい。そしてスタンドからも盛り上げて、昨年の9/23の新潟戦のような執念の戦いでサンパイオのホームラストゲームを飾って欲しいと思います。
 今日のゲームは広島ビッグアーチで、午後3時半キックオフ。試合前イベントとしてフェイスペイント、ネットサルin広島ビッグアーチ(いずれも12時半〜3時半)、フォリアチャレンジ、選手とハイタッチ(2時から整理券配付)、選手サイン会(1時半から整理券配付。今日はリカルドと井川)が行われます。先着プレゼントは「オリジナルスティックうまい棒」を先着3,000名様に。またハーフタイムプレゼントではサンパイオ選手のサイン入りユニフォームや選手サイン入り試合球等がプレゼントされます。そして試合終了後には、サンパイオ選手の退団セレモニーが行われます。サンパイオからの挨拶、記念品贈呈、花束贈呈、記念撮影、場内一周などが予定されています。また、20日発売開始の著書「SAMPAIOー勝者の証ー」の先行販売も行われますが、先着100冊に限って直筆サイン入りになっているとのことです。
 今日の広島地方の天気予報ですが、台風と梅雨前線に挟まれて不安定な天候ですが大崩れは無さそう。蒸し暑くなりそうですので、雨具の用意とともに水分補給をお忘れなく。またテレビはテレビ新広島と新潟総合テレビが生放送しますが、全国的にはJ SPORTS 1(スカパーch306)の水曜日の録画放送までありません。地元に住む人以外は、ネットやtssの携帯サイトの速報で経過を知るしか無さそうです。
<04.6.18> 明日は広島ビッグアーチでにアルビレックス新潟を迎えます。
 昨年J2で戦ったメンバーからエース・マルクスが抜けてエジミウソンを獲得。レンタルしていた寺川、鈴木慎を呼び戻し、桑原を加えて戦っています。序盤戦はJ1のスピードに苦しんでなかなか勝てない試合が続き第9節には最下位に転落しましたが、ここ4試合は2勝1分け1敗の成績で13位まで順位を上げて来ています。
1A ●0-1 F東京 【F】阿部
2H △0-0 神戸
3A ○2-1 柏   【新】鈴木慎、エジミウソン、【柏】ゼ・ホベルト
4H ●1-3 横浜FM 【新】エジミウソン、【横】久保、奥2
5A △2-2 鹿島  【新】エジミウソン、上野、【鹿】フェルナンド、石川
6A ●1-2 市原  【新】森田、【市】茶野、巻
7H ●0-1 東京V 【V】平野
8A △1-1 名古屋 【新】上野、【名】海本幸
9H ●0-3 浦和  【浦】エメルソン3
10A ○2-1 C大阪 【新】鈴木慎、安、【C】西澤
11H ●1-2 磐田  【新】安、【磐】田中、グラウ
12A ○1-0 大分  【新】ファビーニョ
13H △3-3 清水  【新】上野2、エジミウソン、【清】北嶋、平岡、斉藤
 ここまでの得点14はリーグ13位で失点20はリーグ9位で平凡な数字なのですが、最後まで諦めない粘り強さが目立ちます。柏戦ではロスタイムに2点を取って逆転し、C大阪戦でも逆転勝ち。鹿島戦では前半に許した2点のリードに後半追いついています。選手の質で他のチームに比べてやや劣っているのはやむを得ないことだと思うのですが、そこを戦術と戦う気持ちでカバーして、上位チーム相手に食らいついていっていると言う印象です。メンバーはこのところ3-4-3で、明日の先発予想はGK:野澤、DF:アンデルソン、秋葉、安英学、MF:寺川、山口、桑原、鈴木慎、FW:エジミウソン、上野、ファビーニョ。初めてのJ1、とは言え経験豊富な選手が多く戦い方は知っています。特に反町監督は先週日曜日の鹿島戦を偵察に来ていたそうで、「広島潰し」の戦略を既に着々と練っているのではないでしょうか。
 対するサンフは、このところ2連敗。特にチアゴ欠場の穴は大きく、2試合連続で無得点に終わっています。また鹿島戦の小村、横浜戦の吉田に続いて次節はリカルドが出場停止。リーグ3位の堅さを誇る守備陣にも不安を抱えています。更に日曜日から中2日、中2日で試合が続いていて、レギュラー選手にはかなり疲れがたまっているのは間違いないところ。相手が3トップだと言うことも考えて、メンバーや戦術を大きく変えてくる可能性もあると思います。と言うことで、予想メンバーは4バックを想定して考えてみます。
       下田

駒野   吉弘  小村   吉田

     李 サンパイオ
  森崎浩       服部
       森崎和

       田村

SUB:佐藤昭、西河、外池、大木、前田
 明日のゲームはサンパイオのホーム最後の試合と言うことで、セレモニーも用意されているそうです。そのセレモニーをあまり湿っぽいものにしないためにも、まずは気持ちで負けないように頑張って欲しい、と思います。
<04.6.17> 昨日行われた第13節横浜Fマリノス戦は、前半に喫した2失点を取り返すことができず0-2で敗れました。
 チアゴが怪我、吉田が出場停止で欠場したサンフは、サンパイオも温存して次のメンバーで戦いました。
       下田

   吉弘 リカルド 小村

駒野   李  外池    服部
  (→大木66分)(→サンパイオ45分)
    森崎浩  森崎和

       田中(→田村45分)

SUB:佐藤昭、西河
 対する横浜も久保はベンチスタートで、GK:榎本達、DF:那須、中澤、河合、MF:田中隼(→佐藤由61分)、遠藤、柳想鉄、ドゥトラ、上野、FW:坂田(→山崎61分)、安貞桓(→久保74分)と言うメンバーでした。優勝のためには勝ち点3が欲しい横浜に対して、サンフは全体に気持ちが後ろ向き。1分にいきなりリカルドがイエローカードをもらったこともあったのか、消極的な戦い方に終始します。DFラインでパス回しをする横浜に高い位置からのプレッシャーをかけることができず、サイドを使って速く来る横浜の攻撃にずるずるとラインを下げるばかり。そんな中の7分、左サイドの高い位置でボールを持った安貞桓?からのロングクロスがゴール前に入ります。崩しも何も無い単純なボールでしたが下田、小村がともにポジショニングをミスし、走り込んだ上野にフリーで合わせられてしまいます。頭で放ったループシュートは下田を越えてネットに飛び込み、痛い先制点を許してしまいました。
 その後もなかなか形を作る事ができないサンフ。中盤でのパスミスを連発して、シュートまでも持ち込むことが出来ません。対する横浜も決して良い出来ではなかったのですが、しかし早い時間帯に1点リードしたことで余裕を持って戦います。そして31分、横浜のFKのボールがサンフのゴール前へ。これも何でもないハイボールでしたがサンフのDFはボールウォッチャーになってしまってあっさりと安貞桓に抜け出され、簡単に決められてしまいました。
 2点を失ったやっと目が覚めたのか、その後サンフはようやくリズムをつかみます。森崎和がDFラインの前まで下がってボールをさばいてゲームを作り、32分には相手のパスミスを拾った森崎浩がミドルシュート。40分にはゴール前まで詰めていた森崎和がシュートを放ち、44分にも田中が服部のクロスに合わせましたがGKの正面を突きます。しかし横浜の守備陣を崩すには至らず、閉塞感が漂うままに前半を折り返すことになりました。
 2点以上取るしかないサンフは、後半の頭からサンパイオと田村を投入して逆襲を開始します。立ち上がり早々に森崎浩の突破にサンパイオが合わせたのを手始めに、3分には駒野のボールでサンパイオがDFラインの裏に抜け出し、7分には森崎和のパスを受けた森崎浩がゴール前で切り返してシュートを放ちましたが、このボールはGKがわずかに触れて枠を外れます。サンフレッチェの攻勢に横浜の岡田監督は坂田、佐藤由を投入して押し返したのに対して、小野監督も後半21分に切り札・大木を投入。その大木は27分にはドリブル突破からチャンスを作るなどリズムを変えて貢献します。サンフのペースとなった後半の展開に、岡田監督もたまらず温存していた久保を入れて立て直します。34分、37分には河合、山崎がミドルシュートを放って下田がファインセーブ。40分には久保の落しを柳がシュートを放ちますが枠外に外れます。対するサンフは38分に駒野のクロスにサンパイオがフリーで抜け出すという決定的なチャンスを作りましたが、サンパイオは打ちきれずに戻し、これを受けた服部のシュートもわずかに枠を外れます。41分にもサンパイオが落としたボールを服部がファーサイドへ。フリーになった森崎浩が右足でシュートしましたがGK正面を突いてしまいます。後半は見違えるような戦いを見せてチャンスを何度も作ったサンフでしたがシュートの正確性を欠き、最後までゴールネットを揺らすことなく終わってしまいました。
 これまでC大阪や柏などの下位チームに勝ち、FC東京などの中位チームに善戦してきたサンフでしたが、さすがに優勝を争う横浜には歯が立たなかった、と見ることも出来るかも知れません。横浜も決して出来が良かったわけではなかったと思いますが、下位チームなら許されたかも知れないミスを見逃してくれなかった、と言う点、最初から最後まで集中力を切らせなかったという点は確かに違うと思います。しかし、言ってみれば違いはただそれだけ。失点に繋がったあの2つのミスがなければ横浜も焦りが出たはずで、そうなったらどう転んでいたか分からないゲームだった、と思います。力の差があるとしてもほんのわずかなもので、決して埋めることの出来ないものではなかった、と思います。
 しかしそれではどこでその差を埋めるのか、というと、やはり戦う気持ち以外にはあり得ない。チーム全体から「勝つんだ」と言う立ち上るようなオーラが出ていて、相手を圧倒するぐらいでないといけないのだ、と思います。そう言う点で見れば、前半のサンフは明らかに気持ちで負けていたのではないでしょうか。2位の横浜をリスペクトし過ぎて、戦う前から負けていたのではないでしょうか。味方を信頼してチャレンジするのではなく、自分で責任を取ることをおそれたあなた任せのプレーになってしまっていたのではないでしょうか。
 ハーフタイムに監督の指示を受け、サンパイオと田村が入ることで何とか自分たちのサッカーを思いだしたサンフは、点は取れなかったものの横浜と対等に戦うことはできていた、と思います。リードしていたことと連戦の疲れもあって横浜がペースを落としていたと言う側面はあったかもしれませんが、しかし普通に戦えばイーブンにまで持ち込むポテンシャルがあることだけは示した、と思います。だったら、なぜ最初からそれができなかったのか。横浜の序盤の攻勢を耐えて自分のペースを取り返すまで我慢できなかったのか。そこが、これまでどおりの中位〜下位を低迷するチームで終わるのか、それとも上位を狙うチームになれるかの分水嶺なのではないでしょうか。
 この敗戦でサンフは鹿島戦に続いての連敗となりましたが、しかし昨日は下の方のチームはほとんど勝つ事ができず、順位は11位のままとなりました。従って少なくとも「降格」の心配はまだなさそうですが、しかしこう言う時が大事なのだと思います。ここで更に上を目指して行く事ができるのか、この悔しさをポジティブな力に転化できるのかどうか。次の新潟戦は、そこが問われる戦いとなりそうです。
<04.6.16> 広島フットボールなどの情報によると、一昨日まで順調に回復してきたチアゴはまた怪我をしてしまったそうで、1st stageの残り試合も絶望的だとのこと。チームとしては非常に痛いリタイアですが、いない選手の事を嘆いても仕方がないので他の選手が頑張るしかありません。そしてその「代役」として抜擢されるのが田村と田中。第5節以降5試合連続で出場していたにも関わらずその後はベンチからも外れていた田村は自信が過信になっていたようですが、このところひたむきな気持ちを思い出して調子も上がって来ているようです。また柏戦で先発した田中もその後ベンチから外れていましたが、再び練習での好調さが評価された模様です。どちらが先発になるにしろ、おそらく途中で交代して「2人で1人」のような起用になるのではないでしょうか。積極的にゴールを狙うのはもちろんのこと、しっかりと動いてチームに貢献して欲しいと思います。
 今日の横浜の天気予報は晴れのち曇りで、雨の心配はなさそう。温度・湿度は高めですが、ナイトゲームなのでサッカー観戦日和、となりそうです。またテレビ放送はスカパーch181で生中継があるだけでなく、BSでも深夜に録画放送があります。全国のサッカーファンが注目するゲームで「広島のサッカー」を見せて欲しいと思います。
<04.6.16> 先日紹介したサンパイオの自伝「勝者の証」の出版を記念して、6/19の午後8時からリーガロイヤル広島にてパーティーを行います。主催は「オブリガード・サンパイオの会」で、参加費は一般6,000円、小中学生3,000円。当日はサンパイオ本人の挨拶の他、直筆サイン入りスパイクなどが当たる抽選会と立食パーティーが行われます。参加を希望される方はメールのsubjectに「サンパイオ出版記念パーティー係」と書いて、本文の部分に「1.参加希望人数(1or2)、2.お名前、3.郵便番号・住所、4.電話番号、5.生年月日、6.サンパイオ選手へのメッセージ」を書いてお送りください。応募者多数の場合抽選で50組100名様を選び、金曜日にメールで連絡します。〆切は明日(6/17)の午後6時です。
<04.6.15> 明日は第13節を2位の横浜と戦います。
 序盤戦は調子が出なかった横浜は、その後もACCを含めた過密日程や怪我人の続出などで苦しい戦いを続けていましたが、チャンピオンチームらしい粘り強さで勝ちを拾い、第3節以降は負けなしで来ています。
1H △1-1 浦和  【横】安貞桓、【浦】エメルソン
2A ●0-3 市原  【市】佐藤勇、マルキーニョス、サンドロ
3H ○2-1 C大阪 【横】久保、中澤、【C】森島
4A ○3-1 新潟  【横】久保、奥2、【新】エジミウソン
5A △1-1 大分  【横】坂田、【分】吉田
6H ○2-1 G大阪 【横】坂田、久保、【G】遠藤保
7A ○2-0 FC東京 【横】安貞桓、奥
9H ○3-1 東京V 【横】遠藤彰、佐藤由、安貞桓、【V】米山
8H △1-1 清水  【横】坂田、【清】アラウージョ
10A ○2-1 磐田  【横】奥、那須、【磐】藤田
11H ○2-1 名古屋 【横】奥、佐藤由、【名】岡山
12A ○2-0 神戸  【横】安貞桓、上野
 ここまでの総得点21はリーグ5位。総失点12はリーグ3位(因みにこちらは広島と同じ)でどちらもずば抜けた成績ではないのですが、そのしぶとさ、勝利に対する執念は素晴らしいものがあります。第9節東京V戦ではロスタイムに2点を奪って突き放し、第8節清水戦でも後半44分に同点ゴールを奪い、名古屋戦でも後半28分以降に2点取って逆転勝ち。前節神戸戦も後半は一方的に攻められましたが得点を許さず、最後には切り札久保を投入して押し切っています。レギュラーが欠けても代役が穴を埋め、途中から投入された選手が流れを変える。磐田追撃に向けてチーム一丸となったこのチームを打ち破るのは、容易なことではありません。次節は奥が怪我で松田も出場停止。久保も状態が悪くベンチスタートの可能性が高そうで、予想メンバーはGK:榎本達、DF:中西、中澤、河合、MF:田中隼、遠藤、那須、柳想鐵、ドゥトラ、FW:安貞桓、坂田、というところでしょう。
 対するサンフは5月は無敗で来ましたが、ナビスコで東京Vに敗れたのに続いて前節も鹿島に敗れ、ちょっと一休みというところでしょうか。前節も積極的な守備から攻めを構築する、と言うところまではできていましたが、前線で基点が作れなかったのが響いてあまり決定機を作る事ができませんでした。チアゴの怪我からの回復は順調で次節から出場の可能性もありますが、土曜日にもゲームがあることを考えてあまり無理はさせないものと思われます。またこのところ前田俊介らユースの選手が起用されて可能性を見せていますが、やはり大人とマッチアップすると苦しい感じで戦力アップに繋がるのはまだまだこれから。明日は平日・アウェイという条件でもあるので、連れて行く可能性は低いような気がします。とすると、これまで結果を出せていない1年目〜3年目の奮起に期待したいところなのですが... 予想メンバーですが、前節一発退場となった吉田が出場停止ですが、小村が戻ってきて「古巣」と対決します。
       下田

   吉弘 リカルド 小村

駒野   李 サンパイオ  服部

    森崎浩  森崎和

       外池

SUB:佐藤昭、八田、高萩、大木、チアゴ
 ナビスコ杯では1分け1敗の成績ですが、ホームゲームでは内容的に圧倒し、アウェイでは若手中心で戦って西河が退場になるまでは対等に戦えていました。鹿島戦に続いて上位チームとの対戦ですが、まずは気持ちで負けないようにして欲しい。そして大詰めとなった優勝争いに、波乱を起こして欲しいと思います。
<04.6.14> 昨日行われた第12節鹿島戦は、緊迫した「守り合い」の展開となりましたがPKから失点し、更に終了間際にも点を奪われて0-2で敗れました。
 チアゴが怪我で、小村が出場停止で欠場したサンフは、代役として外池と吉弘を起用して次のような布陣でスタートしました。
       下田

   吉弘 リカルド 吉田
   (→大木45分)
駒野   李 サンパイオ  服部

    森崎浩  森崎和

       外池(→前田61分)

SUB:佐藤昭、西河、高萩
 対する鹿島は、GK:曽ヶ端、DF:名良橋、金古、大岩、新井場、MF:中田、フェルナンド、増田(→青木77分)、小笠原、FW:野沢(→中島89分)、平瀬(→岩政87分)。序盤はサンフレッチェのペースで、左からの服部のクロスや右からの森崎浩のクロスで何度かゴール前に迫ります。優勝のためには勝ち点3が欲しい鹿島でしたが、しかし積極的に前から来るかと思えばそうでもなく、ブロックをがっちりと作って守備を固めて来ます。そして速いアプローチからボールをカットし、サイドにボールを展開して攻めようとします。が、こちらもサンフの守備が堅くなかなか崩す事ができず、前半の危ないシーンは21分の野沢のロングシュートと25分に右サイドから小笠原がグラウンダーのクロスを入れた時ぐらい。サンフも決定機は37分に駒野のクロスをファーで受けた服部が折り返し、ここに飛び込んだ森崎和がダイレクトで合わせた場面ぐらいで、じりじりした展開のままで前半を折り返しました。
 「相手が1トップ気味でボランチを引っ張り出され、バイタルエリアを使われて後ろが重くなりすぎた」と判断した小野監督は、後半の頭からシステム変更を決断します。駒野をSBにし、李を右サイドに出して森崎和をボランチに下げ、外池と大木のツートップで点を取りに行きます。立ち上がり早々に李のパスで形を作る(外池がオフサイド)と、3分には李のスルーパスで大木がペナルティエリア内に飛び込み、大岩?に倒されます。ビデオで見るとボールというよりは足に行っている感じで微妙なプレーでしたが、しかし主審はノーファウルの判定でした。ところが後半8分、今度は鹿島が同じようなシーンを作ります。右サイドからの名良橋のクロスで抜け出した野沢が、ゴールライン際から突破しようとします。ここにタックルしたリカルドの足に引っ掛かって倒れて、今度はPKの判定。小笠原が蹴ったボールは下田の逆を突いて、先制点を許してしまいました。このPKを与えたシーンは確かに名良橋に良いボールを入れられてしまったのが問題だったし、DFラインが野沢をつかまえきれなかったのも問題だと思います。またPKを取られてしまったのも仕方のないプレーだったとも思います。しかし、5分前の大木が倒されたプレーと比較して明らかに差があったかと言えばそんなことはない、と私は思います。その直後に李のスルーパスで大木が倒されたシーンも含めて、「どっちもどっち」の局面で鹿島に有利な笛が吹かれたと言うのは確か。そしてこの判定が、ゲームの流れを変えることになってしまいました。
 1点リードして無理をする必要がなくなった鹿島は、前半以上に守り重視の戦術を徹底します。対するサンフは森崎兄弟が中盤でゲームメイクして、何とか打開しようとします。16分には外池に代えて前田を入れて前線をかき回そうとし、終盤にはサンパイオを前線に上げてターゲットにして攻めを作ります。しかし鹿島の守備は最後まで破綻せず、逆に後半ロスタイムには吉田のタックルを危険なプレーと取られて一発レッド。最後にはロングクロスに飛び込んだ中田にボレーでシュートを決められて、万事休すとなりました。
 私はこのゲームを結果を知った後でビデオで見たのですが、どちらのチームも良く似たサッカーをする、と言う印象を持ちました。守備の組織をしっかりと作って高い位置でボールを奪い、ワンタッチパスを効果的に使って相手ゴール前に持ち込むと言う戦術が同じなら、お互いに中盤に質の高い選手を揃えているのも同じ。サイドからの攻撃が持ち味で、FWに怖さがないのまで同じでした。決定的チャンスが鹿島の方がやや多かったのは確かですが、それはサンフが同点を狙って前懸かりに行ったからで、あのPKの判定がなければむしろ鹿島の焦りを呼んで、逆の展開になった可能性は十分にあったと思います。しかし、だからと言ってこの敗戦を審判のせいにしていては進歩がないのは確か。こちらが10位のチームで相手が3位だと言うのは厳然たる事実であり、それは偶然でも何でもないのだと思います。サンパイオは試合後に「広島の弱点は、90分同じプレイができないこと。どうしても、集中が欠ける時間がある。そこをなくしていかないといけない」と語っていますが、これは言わば経験の差。選手一人一人の差というよりも、ピッチ上の11人、あるいは交代選手やベンチのメンバーも含めた「チーム」としての若さが出ているのではないか、と思います。この日の鹿島も決して出来は良くなかったと思うのですが、それを勝利に結びつけたのはそう言う状況でも我慢できること、そしてそうすることによっていずれはチャンスを掴む事ができるという自信があるからだ、と思います。足りないところがあるのであれば、そこを直せばいい。「下を向く必要はない。ビデオで見て、修正して、練習で確認すればいい」(サンパイオ)のです。次は中2日で横浜が相手と厳しい戦いが続きますが、ぜひとも良いサッカーを見せて欲しいと思います。
<04.6.14> 昨日ユースは福岡のサテライトと練習試合を行い、3-2で勝ったのだそうです。ユースは佐藤昭、前田、森脇が不在で、高柳も遠征疲れを考慮して後半からの出場になるなど主力を欠いたメンバーでしたが、組織的なプレスによって高い位置でボールを奪い、速い攻撃から得点したようです。なお、相手の福岡サテライトは宮崎、松下、沖本ら広島出身の選手が出ていたほか、福嶋、大塚、有光、立石、大神など経験豊富なメンバーが揃っていたようで、練習試合だったとは言え自信になったのではないでしょうか。
<04.6.13> 広島フットボールによると、今日出場停止の小村の代役として出場しそうなのが、U-19代表の欧州遠征から帰ったばかりの吉弘。初めはやや疲れも出ていたようですが、小野監督も「今は、問題はありません」と語っていて、彼に対する信頼の高さがうかがえます。また、控えとしてベンチ入りするのは強化指定選手の西河。ナビスコ杯では退場を食らってしまった西河ですが、「1対1の強さや空中戦の強さなどは、チームの中でも高いレベルにある。心配されたトップでやることの戸惑いもなく、力はしっかりと出し切れている。堂々とプレイできていますね」と小野監督の評価も高く実力でメンバー入りを勝ち取った、というところでしょう。更に佐藤昭、高萩、前田がベンチ入りするとのことで、16人中4人が10代と言う非常に若いメンバーで戦うことになります。またチアゴの代役としてワントップ(あるいは3トップの中央)を務めることになるのは外池で、昨年ボランチとして新境地を開いた男が、FWとしてJ1通算12得点を挙げた力を見せることになります。
 今日のゲームは広島ビッグアーチで、午後3時キックオフ。試合前イベントとしてフェイスペイント(12時〜15時)、ネットサルin広島ビッグアーチ(12時〜15時)、キックターゲット&キックスピード(13時〜15時)、フォリアチャレンジ、選手とハイタッチ(13時半から整理券配布)が行われます。また選手サイン会は小村、松浦両選手で、13時から先着100名様に整理券を配布します。更に先着プレゼントとして2万名様に「サンフレッチェ応援棒」をプレゼントします。今日のビッグアーチはたくさんの入場者(噂によると2万人は確実で3万人行くかもしれないとか?)が予想されますので、なるべく公共の交通機関を使ってご来場下さい。アストラムライン、広電バスをご利用の方先着5,000名様に、広島、鹿島のユニフォームが半分ずつのデザインのオリジナルピンバッチが配布されます。今日の広島地方は好天に恵まれ暑くなることが予想されますので、日焼け対策と水分補給をお忘れなく。
 テレビ放送ですが、NHK-BS1で生中継の予定で、スカパーは水曜日の午後2時からJ SPORTS1(ch306)で録画放送となっています。
SANFRECCE Diaryトップページに戻る