9/19〜9/25のSANFRECCE Diary


<04.9.25> 明日はホームで2nd stage第7節の東京V戦を戦います。
 1st stageの立ち上がりは6試合連続で勝てなかった東京Vでしたが、その後徐々に盛り返して最終的には9位。2nd stageも第2節から3連敗したものの、その後2連勝して7位まで上がって来ています。
1H ○2-0 新潟  【V】桜井、平本
2A ●2-7 浦和  【V】三浦、平本、【浦】エメルソン、永井3、山瀬3
3H ●0-1 FC東京 【F】梶山
4A ●1-2 市原  【V】桜井、【市】サンドロ、坂本
5H ○3-1 名古屋 【V】桜井、小林慶、平本、【名】岡山
6A ○3-1 G大阪 【V】相馬2、平野、【G】山口
 ヴェルディと言えば、足元のパスをつないでつないで、と言うサッカーが持ち味。しかしパスをするばかりで前に進まず、結局は個人勝負でDFラインに挑んではね返される、と言うのが第4節までのサッカーでした。しかし名古屋戦と次のG大阪戦は、人もボールも動く素晴らしいサッカーを展開。リードを奪ったら引いて守ってカウンターに徹すると言う老獪さも見せて、優勝を狙う両チームに完勝しています。システムの変更や若い相馬の台頭などいくつかきっかけはあったと思いますが、一番の要因はおそらくアルディレス監督の意識付けでしょう。今の東京Vをかつてのイメージで見ると、痛い目に遭うのは間違いないものと思われます。予想メンバーは、GK:高木、DF:米山、戸川、林、MF:小林慶、小林大、相馬、平野、山田、FW:平本、桜井。ウベダが出場停止ですが、その代わり「天敵」桜井が戻ってきます。彼にいかに前を向いてボールを持たせないようにするか、平野と相馬が作る左サイドの攻撃をどのように抑えるか、がポイントとなるでしょう。
 対するサンフですが、森崎浩と駒野が体調不良で外れている上に、新潟戦で怪我をしたベットの出場が微妙です。更に西河も累積で出場停止。準備期間が1日しか無い中で、何とか戦える形を作らなければなりません。予想メンバーですが、一番無難なのが次のような形だと思います。
       下田

   小村 リカルド 吉田

茂木   李   外池   服部

       森崎和

    盛田    大木

SUB:林、八田、木村、前田、中山
 誰が出るにせよどう言うシステムで戦うにせよ、非常事態を乗りきるためには一人一人がいつも以上に頑張ることが不可欠です。先発で出る11人だけでなく、ベンチ入りも含めた16人の力で何としても勝利を勝ち取って欲しい、と思います。
<04.9.24> (下の記事から続きます。)
 今思うと、1st stageのサンフは久々のJ1と言うことで一直線に戦っていた、と思うのです。自分たちの技術と戦術を信じて、自分たちのサッカーの完成を目指してチーム一丸となって頑張っていたのだと思います。そしてその結果、通用したところと通用しなかったところが見えてきた。中位ぐらいのチームまでなら対等に戦えるが、上位チーム相手だとまだまだ足りないところがあることが分かったわけです。そこでチームは敢えてサンパイオとの契約を解除して、ベットを加入させました。またチアゴ不在の状況でのバックアップとして、盛田を獲得しました。そして点が取れない状況を打開するために、4バックを導入しました。五輪が終われば森崎浩と駒野もフルに戦えるし、ユース勢を含めた若手も育って来ている事を考えれば、上手く回転すれば上位も狙える。それが強化部と監督の目論見だったのだろうと思います。
 ところが2nd stageが始まってみると、誤算がいろいろと表面化してきます。その最大のものはやはりチアゴの長期離脱、そして駒野の怪我でしょう。そのため高柳を引っ張らざるをえなくなり、彼と高萩がU-19代表に呼ばれた影響が無視できなくなり、4バックを諦めざるを得なくなり、そしてサンパイオの不在も表面化する。更にリカルドの弱点もあらわになってしまう。そして毎試合のようにシステムと選手を入れ替えなければならなくなる。思うにこれが、「チームの未熟さ」の中身なのだろうと思います。更なるレベルアップを目指してチームを作り替えようとしたら色々な誤算のために壁に突き当たってしまった、と言うのが問題の本質なのではないでしょうか。
 新潟戦以降の色々なサイトを見ていると、「戦う気持ちが見えない」「応援するに値しない」と言う言葉を良く見ます。確かに勝てるゲームをものにできない今のサンフを見ていると、歯痒くなる気持ちは良く分かります。しかしこれは、選手が戦っていないというのとは違うと思うし、監督が混迷しているというのとも違う、と思うのです。確かに、今の状況は楽観できるものではありません。しかしそれは頑張っていないからそうなったのではなく、頑張るレベルを越えた困難に突き当たっているからだと思うのです。ジャンプしようとして屈んだときに頭を殴られてしまった、と言う状況なのだと思うのです。こう言う時はどうすれば良いかというと、おそらく原点に戻ること。監督は自分の磨き上げた戦術に戻り、選手は自分のストロングポイントを出すことに専念し、サポーターはチームと選手を励ますことなのではないかと思います。ただネガティブになるのではなく、小さな希望の光を見い出すこと。そしてそれに向かってチーム一丸となって戦うことが、今こそ必要なのではないでしょうか。
<04.9.24> 昨日の2nd stage第6節新潟戦は、立ち上がり早々に先制点を挙げ前半のうちに突き放す、と言う展開ながら後半2点取られて逆転負け。新潟にJ1ホーム初勝利をプレゼントしてしまいました。
 サンフはリカルドが戻ってきたものの森崎浩と駒野が欠場。茂木を久々に先発で起用して、次のような布陣で戦いました。
       下田

西河  リカルド 小村  吉田(→前田83分)

       森崎和
 茂木         服部
       ベット(→李79分)

     中山  盛田
     (→大木64分)

SUB:林、八田
 対する新潟は、GK:木寺、DF:丸山、秋葉、松尾(→喜多40分)、MF:本間、山口、寺川、鈴木慎、FW:オゼアス(→上野45分)、エジミウソン、ファビーニョ(→桑原81分)。中盤の薄いサンフはショートパスをつなぐサッカーを捨ててロングボール中心の攻撃。逆に新潟は3トップに当てたボールを前を向いて受け、サイドに展開して突破する、と言う戦術を基本に戦います。そしてこれがまず最初に当たったのはサンフ。前半2分、左サイド深くからの吉田のロングボールが右サイドに抜けると、DFを振り切って茂木が飛び出します。そしてペナルティエリアでボールをコントロールすると、振り切った右足から放たれたボールがあっと言う間にゴールに突き刺さりました。しかしその6分後、今度は新潟が右サイドから崩し、クリアミスを鈴木慎に中距離から叩き込まれてしまいまいました。
 これに対してサンフは17分、服部のパスを受けたベットがドリブルで突進。中山のポストプレーでDFラインの裏に抜け出して、GKの脇の下を抜いてゴールを決めて勝ち越します。その後サンフは新潟の高さのない最終ラインを目がけて早めにボールを入れ、盛田のポストプレーとセットプレーから何度かチャンスを作りますが、シュートに正確性を欠き追加点を奪えません。対する新潟はDFラインの前まではボールを運ぶものの、マンマークに付かれた3トップがペナルティエリアの中に入っていく事ができずにミドルシュートを放つだけ。両チームとも精一杯の戦いながら現実的な戦術を取ったサンフがやや上回ったかな、と言う感じで前半を折り返しました。
 後半立ち上がり、反町監督はオゼアスに代えて上野を投入します。前半はオゼアスのポストプレーが効いていたので怪我か何かと思ったのですが、後で反町監督のインタビューによるとこれは戦術的な交代。3トップにマンマークを付けたサンフの「珍しい4バックの形」(反町監督)を崩すため、上野が左右に動いて小村をサイドに引っ張り出すと言う作戦だったそうです。そして、結果的にはこれが大当たり。DFラインの中央が薄くなったサンフはズルズルと下がらざるをえなくなり、中盤で自由にパスを回されてしまいます。また前半は攻撃から守備まで奮闘していた茂木の運動量が落ち、西河が1対1にさらされて押し込まれる場面が増えて行きます。そして後半16分、サンフの右サイドで与えたFKを蹴るのは鈴木慎。ゴール前のスペースに入れられたボールにエジミウソンが頭で合わせ、同点に追いつかれてしまいました。
 勝ち越したい小野監督はここで大木を投入してペースを奪い返そうとしますが、しかし流れは変わりません。そして後半21分、西河のアーリークロスがパスミスとなり、カウンターを食らってファビーニョにミドルシュートを叩き込まれます。歓喜の新潟の選手とサポーター。がっくりと下を向くサンフの選手達。後半34分には頼りのベットが足を削られて立てなくなってしまい、李に交代します。その後投入された前田のドリブル突破、そしてロングボールの放り込みで何度かゴール前までは行ったものの下がって守る新潟の壁を崩す事ができず、そのまま敗戦のホイッスルを聞くことになりました。
 このゲームの敗因は何か、と言うと、やはり試合中に失った流れを取り戻すことが出来なかったことに尽きるのではないか、と思います。前節までの戦い方を捨てて、3トップへのマンマークとロングボール中心の攻撃と言う「対新潟スペシャル」の戦術は、前半はある程度は機能していました。ただ、それが完璧だったかというとそうでもなく、オゼアスのポストプレーは許していましたし、またDFラインが下がってしまって中盤にスペースを与える傾向はありました。そこをどう修正して次の1点を取りに行くかがサンフの後半のテーマ。逆にその綻びをどのように突いて先に点を取るかが新潟のテーマだったはずです。そして新潟は監督の意図を受けて狙い通りのサッカーで逆転した。サンフはそこで手を打つ事ができなかった。これはもちろん、対応できなかった監督の責任であるのは間違いないと思うのですが、選手の責任でもあると思うのです。4万人の大歓声でベンチの声がピッチにほとんど届かない中では、経験豊富な選手を中心に自ら修正するしか無かったのではないか、と思うのです。
 2nd stageの6試合は、どのゲームも立ち上がりは主導権を握っています。これは試合前の監督の準備がうまく行っていること、どんな相手でもそれなりの戦いができることを示している、と思います。しかしどのゲームでも、必ず途中でペースを失います。そしてここからがいつも問題なのです。相手ペースになったときにそれを奪い返すことができたC大阪戦と柏戦、横浜FM戦では、勝ち点を取る事ができました。C大阪戦は監督の選手交代がうまく行った例であり、柏戦は相手のペースダウンにつけ込んだ例だと言えます。また横浜FM戦も選手が自分たちで取り返しましたが、しかしその後はまた流れを失ってそのままで終わった、と言うパターンでした。それに対して市原戦は盛田の怪我で、清水戦は相手の退場で流れを失ない、そのまま取り戻せないままに敗れました。また新潟戦は相手の選手交代と戦術の変更に対応できずに敗戦に終わっています。すなわち2nd stageのサンフを一言で言えば、力はあるが応用力が無いチーム、すなわち戦術的・精神的に未熟なチームだ、と言うことでしょう。かつてサンパイオが果たしていた「ゲームの流れを読む」と言う役割を果たす選手がいないことが影響しているのかも知れませんが、とにかくチームとしての未熟さが最大の原因なのではないかと思うのです。(上に続きます。)

<04.9.24> 昨日行われた仙台国際ユースの第3日でU-18東北代表と対戦したU-18日本代表は、激しい点の取り合いの末3-4で敗れました。この日の仙台スタジアムはまさに東北代表のホーム。慎重な立ち上がりだった日本代表に対して、東北代表は開始から激しく戦って前半5分に先制し、その後日本代表が一度は逆転したものの中盤のバランスが悪く、後半39分に4点目を許して敗れました。結局U-18日本代表は1分け2敗で最下位で、上野監督にとっては苦い大会となってしまいました。なお、広島ユースから選ばれた2人のうち藤井は先発したもののハーフタイムで交代し、佐藤昭は出場機会がありませんでした。
<04.9.24> 天皇杯1回戦が昨日各地で行われ、広島県代表の広島経大は福山で三洋電機徳島と対戦し、4-0で快勝しました。開始早々の前半3分に三山の左からのクロスを河上が左足で決めて先制し、23分には山口が追加点。後半には三山、山下のゴールで突き放しました。2回戦は日曜日(9/26)で、JFL12位のアローズ北陸(富山)との対戦です。
<04.9.23> 今日の新潟戦ですが、広島フットボールなどの情報によると森崎浩と駒野の2人が体調不良のため遠征に参加していないとのこと。その代わりにメンバー入りしそうなのは、リカルドの他に木村、中山、前田、茂木。苦しい戦いになることが予想されますが、少なくとも気持ちで負けないように戦って欲しい、と思います。
 今日の会場は新潟スタジアムビッグスワンで、午後2時キックオフ。今日の新潟地方は朝のうちは雨が残りますが、午後からは回復する模様です。テレビ放送はJ SPORTS 1(スカパーch306)で生中継と深夜12時半からの再放送となっています。現地に行けない方は、テレビの前で応援を。
<04.9.22> 秋分の日の明日、サンフレッチェはアウェイの新潟戦を戦います。
 今季初めてJ1に昇格した新潟は、1st stageは3勝5分け7敗(勝ち点14)で14位。満足できる成績ではないでしょうが、代表クラスが誰もいない戦力の割には良く頑張っている、と言って良いのではないでしょうか。そのベースになっているのは反町監督の戦術に忠実に、誰もサボらず走り回る運動量。後半の失点の少なさに見られるように、しぶとい戦いで勝ち点を積み重ねてきました。しかしそれでは2nd stageは戦えないと思ったか、敢えて守備の要だったアンデルソンを放出し、オゼアスを入れて攻撃力を強化して2nd stageに臨みました。
1A ●0-2 東京V 【V】桜井、平本
2H △3-3 市原  【新】エジミウソン、ファビーニョ、オゼアス、【市】サンドロ、マルキーニョス2
3A ○4-3 神戸  【新】山口、オゼアス、ファビーニョ、エジミウソン、【神】平瀬、播戸、エムボマ
4H △0-0 名古屋
5A ●1-4 浦和  【新】エジミウソン、【浦】ネネ、OG2、エメルソン
 1st stageでは1試合平均1.07(リーグ14位)だった得点力は、2nd stageは平均1.60(リーグ8位)とアップしていますが、その代償として失点も1試合平均1.67(リーグ12位)から平均2.40(リーグ13位)へと大幅に増えています。前節は首位浦和を相手にオウンゴール2つを含む4失点で惨敗。守備の再構築が求められると言いたいところですが、エメルソンにかき回されて仕方がなかったと言う側面もあるかも。またオゼアスの出場停止の影響もあったと見るべきで、立て直してくることは間違いないものと思われます。明日の予想メンバーは、GK:木寺、DF:丸山、秋葉、松尾、MF:本間、山口、安英学、鈴木慎、FW:エジミウソン、オゼアス、ファビーニョ、というところでしょう。
 対するサンフは前節出場停止だったリカルドが戻ってきます。相手のブラジル人3トップのフィジカルとスピードを考えるとDFラインにリカルドを入れておきたい気はするのですが、しかし彼らが安貞桓、坂田、久保の3トップよりも脅威かというとそうでもないでしょう。前節のDFラインが彼らをコンビネーションで抑え込んでいたことを考えると、敢えてリカルドを先発では使わない、と言う選択は十分にあり得ると思います。と言うことで、私の予想メンバーは次の通り。
       下田

   西河  小村  吉田

駒野  ベット  外池  服部

    森崎和  森崎浩

       盛田

SUB:林、リカルド、李、前田、田中
 これまでホームゲームで勝ちの無い新潟は、4万を越えるであろう大観衆をバックに「ここで勝たなければ後はない」と言う気持ちで来るはずです。その相手に勝つには、とにかくこちらも気持ちで負けないこと。こちらも新潟に勝てなければ他に勝つところは無い、と言うつもりで戦って欲しいと思います。
<04.9.21> 遅くなりましたが、現在発売中の紫熊倶楽部10月号を紹介します。
 今月の特集は、2nd stageから合流してすっかり不可欠な戦力になったベットと盛田。札幌をホームシックを理由に突然退団し、前所属のヴァスコ・ダ・ガマの監督が「日本人の監督に彼を使いこなすことが出来るだろうか」とコメントしたという噂もあり、本当にこの選手で大丈夫なのだろうか、と心配されたベットでしたが、しかし来てみたらそんな心配は全くいらなかったことが分かります。時間に遅れる等、周囲に迷惑をかけることもほとんどなく、試合ではチームのために全力を尽くす。これまでのほとんどの得点に絡む活躍は、サンパイオの穴を埋めて余りあると言って良いでしょう。インタビューは「J1の頂点を目指したい」と言う言葉で締めくくっていたそうですが、彼ならその夢を見せてくれそうな、そんな気がします。
 盛田もまた、獲得が発表されたときには「本当にやれるのか」と心配された選手ではありました。誰もが認める能力を持ちながら「流される弱さ。続けられない脆さ」ゆえになかなかブレイクできなかったわけですが、しかしラストチャンスとなるであろうJ1でのプレー機会に迷いなくチャレンジできたことが、この間の成功に繋がっているのだろうと思います。
 中国新聞の小西記者のコラムは「2010年南アフリカW杯の星」と言うタイトルで林選手を取り上げています。また佐藤記者はユースの高柳選手を取り上げて「悔しさだけで、終わらない」。コラム「ユースを語ろう。ジュニアユースを知ろう」は「ひしゃく」の川端暁彦さんがU-19代表とU-17代表について書いています。更に他チーム担当記者が見るサンフレッチェは市原からの視点で、「盛田とベット。新加入選手に市原は苦しめられた」と言うタイトルで赤沼圭子氏が書いています。第5節横浜FM戦から第8節鹿島戦までの展望記事に続いて、広島ホームテレビの望月ディレクターのコラムは「どうする、右サイド!」。そして私は「柏スタジアムのゴール裏にて」と言う内容で、いつもとはちょっと違う雰囲気の記事を書きました。
 ゲームのレポートは第1節の市原戦から第3節柏戦まで。トップページのコラム「サンフレッチェを支える人々」は、サンフレッチェの勝ちの翌日は大安売りと言う「フレスタ」のマーケティング部の内海久さんです。更に石井百恵アナウンサーによるラストページのコラム「大好き!サンフレッチェ」は高萩選手を取り上げています。
 「紫熊倶楽部」は定価350円で、V-POINT、ホームゲーム会場の他に広島県内の大手書店と新宿の「ひろしまゆめてらす」で買うことが出来ます。また定期購読と通信販売のお問い合わせは、紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<04.9.21> 仙台カップの第2日、U-18代表はイタリアと対戦し、2-3で敗れました。このゲームは序盤はほぼ互角でしたが徐々にイタリアのフィジカルの強さに押し込まれ、30分に入船(鵬翔)のバックパス(クリア?)が藤井に届く前にヴォルパートに拾われて先制点を許します。さらにその直後、藤井がペルナに競り負け佐藤昭が前に出たところでループシュートを決められます。41分には青山(前橋育英)がマークを外した隙にヴォルパートにシュートを決められて、10分程度の間に3点を失う苦しい展開となりました。しかし前半ロスタイムに柳澤(柏ユース)がゴールを決めて反撃の狼煙を上げると、後半から投入されたハーフナー(横浜FMユース)と山本(清水ユース)を起点に反撃。後半26分にハーフナーがPKを決めて1点差に迫り、その後イタリアに退場者が出て終盤は攻め込んだものの堅い守りを崩す事ができずそのまま敗れました。試合終了後、主審の神経質な笛とホーム寄りのジャッジにイタリアのコーチや選手が猛抗議するなどやや後味の悪いゲームだったようです。
 ところで、サンフレッチェユースから選ばれた佐藤昭と藤井は揃って先発フル出場。フィジカルの強さに押されることが多く、また守備組織も今一つで、あまり良いプレーを見せることはできなかった模様です。
<04.9.20> 一昨日から始まった仙台カップ国際ユースサッカーの初日にU-18ブラジル代表と対戦したU-18代表は、前半35分に先制点を許したものの後半9分に柳澤(柏ユース)のゴールで追いつき、そのまま1-1で引き分けました。サンフレッチェユースから選ばれている2人のうち、DF藤井は先発フル出場。読みの良い素晴らしい守備を見せていたそうで、冷静なラインコントロールでブラジルの攻撃を1点に抑えました。一方GKは八田(磐田ユース)がフル出場したため、佐藤昭はベンチを暖めただけで終わりました。
<04.9.19>  昨日の第5節横浜Fマリノス戦は、2-2の引き分けに終わりました。
 リカルドを出場停止で欠くサンフは小村をセンターに置き、前半は盛田をワントップ、森崎兄弟を2シャドウにした布陣で戦いました。
       下田

   西河  小村  吉田

駒野  ベット  李   服部
(→八田83分)  (→外池45分)
    森崎和  森崎浩
    (→前田73分)
       盛田

SUB:林、中山
 対する横浜はドゥトラ、中西が怪我のため欠場で、GK:榎本達、DF:中澤、松田(退場11分)、那須、田中隼、MF:遠藤(→久保59分)、上野、大橋(→栗原35分)、奥、FW:坂田、安貞桓。両チームとも立ち上がりはボールが落ち着かなかったのですが、どちらかのペースになるかならないかという11分に大きな動きがありました。相手ボールを高い位置でカットした森崎和がスペースに抜け出そうとしたところを松田が肩をつかむようにして倒します。布施主審はこれを得点機会阻止と見たか一発レッド。前節同様にサンフは早い時間帯に数的有利となりました。
 しかし、相手に退場者が出てもペースをつかめないのも前節と同じで、安貞桓のキープ力と坂田のスピードに押されてしまいます。前半17分、右サイドで駒野が坂田を倒して与えたFKを蹴るのは奥。正確なボールに下田はわずかに触る事ができず、ファーサイドでフリーになっていた坂田に頭で押し込まれ先制点を許してしまいました。
 前節を思い出すような嫌な展開になりかけてしまったのですが、しかし昨日のサンフは違いました。リードされて戦う気持ちを思い出したのか、高い位置から仕掛けて行くようになります。そして23分には森崎浩がドリブルでペナルティエリア近くまで運んで作ったチャンスに服部と森崎和が絡み、最後はこぼれ球を服部が右足で強烈なミドルシュート!このボールは右ポストに当たって内側に跳ね、同点に追いつきました。
 更に攻勢を続けるサンフは、3分後にも横浜のDFラインの裏を狙った攻撃でCKを得ます。ベットが蹴ったボールは大きくゴールを回り込んでファーへ。これを森崎和が頭で折り返し、中央で待ち構えていた小村が頭で叩き込んであっと言う間に逆転に成功しました。
 その後もベットのスルーパスや駒野のクロス、森崎兄弟の飛び出しでチャンスを作り続けるサンフ。岡田監督はたまらず大橋に代えて栗原を入れ、那須をリベロに、上野を左サイドに回して立て直しを図ります。結果的にこの采配は成功で、横浜はパスカットからの速い攻撃を繰り返してペースを握り直します。またセットプレーでは何度も正確なボールにフリーで合わせられてピンチを招きます。しかしサンフはここを何とか耐えて、前半をリードして折り返しました。
 後半サンフはパスミスが目立っていた李に代えて外池を投入。森崎和と横並びのドイスボランチとし、ベットをトップ下に上げて攻撃の再構築を図ります。外池を入れたこと、ベットを攻撃に専念させたことはある程度は成功しましたが、しかし逆にベットへのマークがきつくなり森崎和が前に出れなくなった感じで思うように攻撃を構築できません。対する横浜は14分に久保を投入。安貞桓をゲームメーカーにして攻撃の圧力を強めます。ロングボールを両サイドのスペースに送り込み、ドリブルをアクセントに攻め込む横浜。ショートパスをつないで戦局を打開しようとするサンフ。一進一退の展開を変えたのは、坂田の個人技でした。上野のボールで右に開いた坂田がサンフの守備陣にチャレンジします。ペナルティエリアの内側だったためやや慎重になったサンフのDF(たぶん吉田)の躊躇を見逃さず、坂田は左にワンステップして左足でグラウンダーのシュート。これが下田の手の先をわずかにかすめてゴールネットを揺らしてしまいました。
 その後疲れが見えてきた両チームは、死力を尽くした戦いを展開します。横浜は坂田が何度も決定的なシュートを放ち、セットプレーから那須が、栗原が危ないシュートを打ちましたが下田の好セーブとシュートミスに救われます。サンフは盛田や前田がミドルシュートを放ちますが、枠を捉える事ができません。双方最後まで集中を切らせずに守り切って、結局「痛み分け」に終わりました。
 このゲームの評価としては、「勝てなくて残念」と「負けなくて良かった」と言うのと両方あり得ると思います。前半11分で相手の守備の要が退場し、先制されながらも逆転したのは普通なら勝ちパターン。後は相手が疲れてくるのを待ってゲームをコントロールすれば良いのに、慌ててパスミスを繰り返してカウンターを受け続けると言う戦い方は、やはり少々稚拙だと言わざるをえないでしょう。速い攻撃をコンセプトにするのは良いのですが、それも流れを見て臨機応変にやるべきで、1人少ない相手よりも先に疲れ果ててしまったのは相変わらず課題として残りました。しかし、同様の展開から完敗してしまった前節と比較すれば、進歩を見せたのも事実。点を取られてから10分以内に逆転まで持って行った事は称賛して良いと思いますし、終盤の相手の攻勢を何とか我慢して勝ち越し点を許さなかったのは評価すべきです。特に相手は昨年から3ステージ連続で優勝しているチャンピオン。昨年の終盤などは毎試合のように退場者を出しながら勝ち続け、「10人になった方が強い」とまで言われていたチームです。その相手に対して一歩も引かずに(いや、実際にはかなり引かざるをえなかったようですが)戦って、何とか勝ち点1を得たということは、両チームの現状を考えれば決してネガティブに考えるべきではない、と思います。リーグ戦で初めて先発した西河は1対1の強さと判断の良さを見せて十分にプロとして戦えることを示し、久々に出場機会を得た外池や八田も自分が与えられた任務を果たしました。盛田は90分を通して前線で身体を張り続け、駒野は肩にプレートを入れたままでレベルの高いプレーを見せてくれました。更に小村や吉田もベテランらしい味を見せてくれました。今のサンフにいくつか足りない点があるのは確かです。柏戦、清水戦、横浜FM戦と、「勝てるゲーム」で勝ち点を2しか取れなかったのは、チームとして物足りない点がいろいろとあるからだ、と言うのは否定できないと思います。しかし、だからと言ってネガティブになる必要はないと思います。中国新聞によると試合後の選手に笑顔は無く、「悔しい」と言う言葉が続いていたとのこと。その悔しさは、スタンドに詰めかけたサポーター以上のものがあるはずです。その悔しさを、次節の新潟戦で晴らして欲しいと思います。
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