1/1〜1/8のSANFRECCE Diary


<05.1.8> サンフレッチェは昨日、修道大のDF西河翔吾選手とプロ契約を結んだ、と発表しました。
 沼田高校出身の西河は高三の時に国体選抜(因みにこの時は年代別代表がいないチームだったにも関わらず3位に入った)に選ばれた経験はあるものの、あまり目立つ選手ではなかったようで、卒業後は地元の修道大に進学しました。しかし一昨年、そこでのプレーを見た足立スカウトがサンフの練習に参加させたところ、小野監督の目に止まります。スピードと高さ。1対1での強さ。そして諦めずに戦う気持ちの強さ。昨年のキャンプで実力を見せた西河は2月に特別指定選手に選ばれ、その後は大学とJリーグとの「2足のわらじ」を履きながらプレー。4/30のナビスコ杯横浜FM戦で初出場すると、不可解な判定で退場になるまでの55分間を無難にプレーし、プロでも通用する事を示しました。そして2nd stageには第3節の柏戦からベンチ入りし、リーグ戦5試合363分間出場と言う実績を作りました。更に修道大でもDFラインの中心として大学選手権の決勝トーナメント進出に貢献。筑波大戦では平山を完璧に抑えただけでなく、点が欲しい時間帯にはFWとしてプレーするなど活躍しています。聞くところによるとサンフは早くからプロ契約のオファーを出していて西河自身もその気だったものの、修道大側が待ったをかけていたようです。しかし大学選手権で結果を出した事で区切りがついて、プロ契約を結ぶ事になったのかも知れません。これで西河は修道大でのプレーはできなくなりますが、学業は卒業まで続けるとのこと。今年はプロに重心を移した「2足のわらじ」で行く事になります。
<05.1.7> サンフレッチェは昨日、GK林卓人選手の札幌への移籍を発表しました。
 林は2001年に金光大阪高から広島入り。翌年は2nd stage途中から尾崎に代わってベンチ入りするようになり、第二GKの座を確保しました。そして2nd stage最終節の札幌戦では、眼窩骨折の怪我で退いた下田に代わって初出場してVゴール負けとJ2降格の瞬間を経験。その年の天皇杯ではフル出場して、準決勝進出に貢献しました。
 翌年(2003年)は年明け早々のカタール国際大会のU-22代表に選出されると、そこでの活躍が認められてメンバーに定着。昨年のアテネ五輪の最終予選では全試合に出場して出場権獲得に貢献しました。しかし夏にヘルニアの手術をしたため、結局アテネ本番には間に合わず予備メンバー止まり。パラグアイ戦で大ミスを犯した那須を慰めるために小野と共に坊主になる、などチームを盛り上げる役目を果たしましたが、出場はなりませんでした。またチームでも下田の壁は厚く、一昨年はリーグ戦1試合、昨年はナビスコ杯の1試合出場にとどまりました。
 今季の契約に関しては、サンフレッチェでプレーする事を基本としながらもオファーがあれば聞く、と言う事になっていたらしく、年明け早々に正GKの藤ヶ谷を失った札幌からのラブコールに答えた形となりました。サンフとしては将来有望な選手を確保しておきたい気持ちはあったと思いますが、しかし下田がいる以上出場機会を得るのは至難の業なわけで、これ以上引き止めるのは難しいと判断したのだろうと思います。ファン・サポーターとしても残念ではありますが、しかし彼自身の為を考えるとやむを得ないと思うしかなさそうです。
 なお、移籍金ですが中国新聞によると8,000万円。これはG大阪が藤ヶ谷獲得のために支払った金額と同額ですが、しかしJ2→J1の場合とJ1→J2では移籍係数が違うのでこれが本当かどうか少々怪しいところ。林へのサンフレッチェからの今季の提示額は900万円で22歳以上の場合のJ2への移籍係数は2.0なので、上限は1,800万円程度のはずなのですが。両クラブが合意すれば、上限を越えて移籍金を取っても良い、と言うルールでもあるのでしょうか?正直言って、良く分かりません...
<05.1.6> 今朝の中国新聞によると、昨日サンフレッチェはベットとの契約を更新したとのことです。昨年7月にサンパイオに代わる外国人選手として広島入りしたベットは、2nd stageの14試合に出場し、2得点を挙げただけでなく攻守の中心として活躍しました。クラブとしては彼のプレーを高く評価し、代理人と条件面などの交渉を続け合意に達したとのこと。契約期間はとりあえず6/30までとなっていますが、織田強化部長は「チームに欠かせない存在」として早めに契約延長の交渉に入りたいと語っており、別に半年で次の選手を探す、というつもりでは無いようです。
<05.1.6> 昨日の中国新聞に、小野監督のインタビューが出ています。監督は最初から「優勝争いをするには何が必要か、どうすべきかはつかんだ。目標へ向かって走るだけだ」と宣言。「公約」の3年目の優勝争いに向けての決意を述べています。そのため必要な事は、層を厚くすること。長いシーズンを戦い抜くために「どこでチームを成長させ、どこで戦力を充実させるか」を見極める事が重要だと言っています。そして大事な事は、何と言ってもスタートダッシュ。最初から離されてしまうとモティベーションの維持も難しくなるだけに、良い状態で開幕を迎えたい、としています。戦術面では、「カウンターを巡る攻防」をポイントに挙げています。現代サッカーではいかに速く、相手の守備陣形が整わないうちにシュートまで持ち込めるかが重要である、と言うのは当然ですが、その部分の精度をいかに上げて行くか、そしていかに相手にそうさせないように防ぐか。「そこを制するものが王者になる」としています。今季はDFリーダーとしてジニーニョを、点取り屋として佐藤寿人を獲得しましたが、彼らが中心選手になるだけでなく、「彼らの加入で、ハイレベルな競争が起きる。それが本当の意味での補強だ」と語っているように、競争により選手が成長し層が厚くなる事が必要だ、と言っているように感じました。そして最後に今季の目標としては「最終節まで優勝争いに絡むこと」を挙げ、「やるといったんだからやる」と断言。今年を飛躍の年にすべく、不退転の決意を固めているようです。
<05.1.4> 昨日行われた高校選手権の3回戦、宮崎県の鵬翔と対戦した観音は1点を取り返す事が出来ず0-1で敗れました。前半はお互いに潰し合いの展開でなかなかチャンスが作れなかったようですが、27分にFWと入れ替わるように抜け出した興梠に抜け出されて先制点を許しました。そして後半は観音が優勢で、何度も相手ゴール前まで攻め込んだものの鵬翔の守りは堅くなかなかシュートにも持ち込めず、そのまま敗れました。
 ベスト16での敗退となった観音でしたが、スポーツナビのレポート(各務原戦 鵬翔戦)に見られるように、「週3日しか練習しない」「自分たちで戦術やメンバーを決める」と言う独自の指導法が、かなり注目を集めていた模様です。この方法論がどのような結果を生む事になるのか、もう少し長い目で見る必要があるとは思いますが、自主性を重んじ選手の成長を促しながら強くなる、と言うやり方が成功するなら、日本のサッカー全体にとっても良い事なのではないでしょうか。広島の高校年代のサッカーは長い間あまりぱっとしない時期が続いていましたが、サンフレッチェユースの活躍や観音の躍進など良い流れができつつあるように思います。スポーツナビの記事にあるように、「今日の敗戦を糧に、広島観音サッカーを後輩に引き継いでゆく」事が、大事なことなのだろうと思います。
<05.1.3> 昨日の高校選手権2回戦で各務原と対戦した観音は、前半34分の岸本のゴールを守り切って1-0で勝ち、3回戦に進出しました。次の相手は広島入りが決まっている入船や、今大会注目の1人興梠が所属する宮崎県代表の鵬翔。試合は三ッ沢球技場で、今日の14時10分キックオフです。
<05.1.2> 高校選手権に広島県代表として出場した観音は、12/31の初戦で富山一を下して2回戦に進みました。
 サンフレッチェのジュニアユース出身の選手8人を擁する観音は序盤からゲームを支配。速攻が冴えて前半12分には岸本が先制点を奪い、その後も優位に進めたそうです。しかし後半は雪が激しくなり、雪かきのために10分間の中断が入るほど。観音もパスを繋ぐ事ができなくなり、後半15分にはPKから同点に追いつかれてしまいました。しかし後半終了間際にGKを反応の速い川岡に交代させ、蹴る前にボールやライン上の雪を取り除くなどキッカーも落ち着いてPK戦を戦い4-2で勝ちました。今日の2回戦の相手は「5試合連発」の2年生エース笠井を擁する岐阜県代表の各務原。三ッ沢球技場で、午後2時10分キックオフです。
<05.1.1> あけましておめでとうございます。今年もサンフレッチェ広島とSANFRECCE Diaryをよろしくお願いします。
 昨年のサンフレッチェは、「手探り」の1年でした。昇格したばかりのチームと言うことで、まずは「J1仕様」に慣れることが課題でした。2年前にはJ1を戦った選手がほとんどだったとは言え、やはりJ2での戦い方を払拭することは容易なことではなく、慣れるまでかなりの時間がかかりました。キャンプの時期に森崎兄弟と林が不在の期間が長かったことはチーム作りに影響がありましたし、チアゴ、大木が怪我でリタイアしたこともあって、キャンプ中に行った練習試合では一度も勝てないままにシーズンに臨みました。(開幕一週間前のC大阪戦に勝ったのみ。)そして開幕からは良い内容で戦えたもののなかなか勝利に結びつかず、第7節までに得た勝ち点はわずかに4。一時は最下位にも転落してしまいます。駒野、大木の復帰と吉弘ら若手の台頭で徐々に勝ち点を積み重ねていったものの、最終的には1st stageは13位に終わりました。そして2nd stageも立ち上がりから苦戦。アテネ五輪の影響やチアゴの不在もあってなかなか勝ち点が伸びず、キャンプで熟成したはずだった4バックは早々に諦め、ユース組を戦力にしながら戦いました。2nd stageの順位は11位でフィニッシュし、年間総合ではJ1残留の目途である勝ち点30を1だけ越えて年間順位12位に終わりました。シーズン前の補強はあまり思うように行かず、頼みのチアゴが能力の片鱗を見せただけにとどまり、足りない部分はピンポイントの補強とユースを含めた若手でカバーしながらの戦い。客観的に見れば、苦しい中でもよくやった、と言って良いシーズンだったと言って良いと思います。
 ただその一方で、もっとやれたのではないか、と言う思いが残ったのも事実です。先制点を奪いながら、あるいは相手に退場者が出ながらも勝ちきれない現実は、ファン・サポーターにとってもストレスのたまるものでした。なぜ勝ちきれないか。何が足りないのか。どのようにして強いチームを作っていくのか。それに対する答えを出すことが、今年に向けての課題だと言えるのではないでしょうか。昨年末はこれまでとは違って早くから補強に動き、早くもジニーニョ、ジョルジーニョ、佐藤寿人、池田昇平の獲得が決まっています。また新たな外国人FWの獲得も有力になっていると聞いています。更に新人の多くも既にトップ経験を積んでいて、1年目から戦力になる選手も多いはずです。従って今年は、結果を出してくれることが期待できるし、また出さなければならない1年になる、と言えるでしょう。広島フットボールによると、久保社長は今季を「優勝を狙えるクラブになるために、大きく成長すべき年」と位置づけ、「選手もスタッフもフロントも燃える1年。それなくして、どうしてサポーターが燃えることができるのか」と檄を飛ばしているそうです。降格した2002年。J2での戦いだった2003年。そして手探りで戦った2004年。苦しいことの多かった3年間を過去のものとして、2005年はサンフレッチェ飛躍の年になる。そんな大きな期待ができそうです。
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